月刊短波2018年3月号(第 3版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎Radio Ndarason InternationalとRadio Dandal Kura Internationalは同系列 3版修正・新規
 
米国のGlenn Hauser氏によると、BCLの間で論争になっているRadio Ndarason InternationalとRadio Dandal Kura Internationalの問題について、両局lの上位団体であるOkapi Counsulting(在南アフリカJohannesburg)のDavid Smith代表(RCIでIan McFarland氏、RNWでJonathan Marks氏と働いたこともある)は次のように情報を寄せた。Radio Dandal Kura InternationalからRadio Ndarason Internationalへは現在移行(ナイジェリア政府の関与はない)の過程ににあり、基本的に同じ局である。完全に移行ができていないため齟齬が生 じているようだ。ただし前者はナイジェリア、後者はチャドを拠点としている。Radio Ndarason Internationalはチャドの公認NGO団体Lake Chad Basin Commissionが運営担当となっており、チャド湖周辺地域の平和と安定を目的とした放送を行うことになっている。「Ndarason」はカヌリ語 (チャド湖周辺で話されている言語)で「どこにでも行く」という意味で「いつもあなたにお供する放送」という気持ちが込められている。
 当初Radio Dandal Kura Internationalと同一時刻、同一周波数で出ていたが、3月2日より周波数が以下のように変更された。送信はフランスTDF社の Issoudun送信所(出力500kW、167度)からである。
 14:00-15:00 5950
 15:00-16:00 7415
  03:00-05:00 11670
 当初チャドの担当者が間違えて現行のRadio Dandal Kura Imternationalの時間と周波数を登録してしまった模様である。
(WWDXC TP 1336)
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、2月26日以降Radio Dandal Kura Internationalの方は次のスケジュールで放送している。
 14:00-15:00 5960 Issoudun 250kW 167度 (Ascensionより送信所を変更)
 15:00-16:00 7415 Issoudun 250kW 167度 (Ascensionより送信所を変更、周波数5960kHzより変更) (註:Radio Ndarason Internationalと送信所、周波数がかぶっておりどちらかが誤りであろう!)
 16:00-17:00 13810 Wofferton 250kW 165度 (変更なし)
 03:00-05:00 12050 Issoudun 250kW 167度 (Ascensionより送信所を変更)
 05:00-06:00 12050 Ascension 250kW 65度 (03::00-06:00より変更)
(DXLD 1809) 当初同一周波数、同一時刻で出ていましたので妨害目的の謀略放送と推測されましたが、団体内の移行手違いだったようです。Hauser氏によ れば TDF社はこの種の間違い送信を過去にも起しており、依頼主に対するジャミングを誤送信してしまったこともあるそうです。各団体のURLは次の通 りです。
 Okapi Consulting http://www.okapi.cc
 Radio Dandal Kura International  http://www.dandalkura.com
  Radio Ndarason International  http://www.ndarason.com

Radio Ndarason Internationalのロゴ



◎Radio Rasantが特別放送 3版新規
 
ドイツのRadio RasantのReinhard Marx氏によると、同局は来る3月9-11日に特別短波放送を実施する。スケジュールは18:00-19:00、周波数は 9510kHz(Konstinbrod送信所)。同局のURLはhttp://radiorasant.org、QTHは Rotbuschweg 28, 59846 Sundern, Germany、E-mailはinfo @ radiorasant.org。

◎Radio Spaceshuttleが特別試験放送 2版新規

 
オランダRadio Spaceshuttleは来る3月5-9日の15:00-23:00に9290kHz(または9270kHz)で31mb波の特別試験放送を実施する。 内容は試験番組のみでHDXなどは放送されない。3月7日(水)の19:30頃には長い特別番組を予定している。受信報告はDick, Radio Spaceshuttle, P.O.Box 2702, NL-6049 ZG Herten, The Netherlandsに、特別eQSLが発行される。(Radio Sapceshuttle 3/3)

◎RTI日本語放送時間と人員の変更 2版新規
 
台湾国際放送(RTI)日本語放送の内、朝の放送の時間帯が3月1日より従来の07:00-08:00に戻った。また人事異動で上 野重樹氏、駒田英氏が外れ、日本語スタッフは王淑卿課長と早田健文のみとなった。(滋賀県 居松重和氏) 2/28までの予定で 07:30-08:30でした。周波数は9735kHz。

◎Red Patria Nueva健在

 米国のDave Valko氏はボリビアの珍局Red Patria Nuevaが健在であることを確認した。周波数6030kHzにキューバのジャミングがいない時に受信可能で19:30頃”Bolivia Informa"と言うニュース番組があり、19:32にIDが出た。(WWDXC TP 1332)

◎RTBF DAB+へ全面移行に
 ドイツのWolfgang Gargitter氏によると、ベルギーのフランス語圏向放送RTBFは2018年中にすべての中波放送を廃止し、DAB+ラジオ放送に移行すると発表し た。(DXLD 1805) 621/1125kHzのQSLカード発行も今年限りです。欧州に行く機会があったら受信しておきましょう。

◎AIR-Port Blair短波送信機の現状
 オーストラリアのRobert Shepherd氏がAIR-Port Blaiの技術者から得たE-mailによると、同局の短波放送4760kHzは現在出力4kWで09:00-12:00、19:30-02:00に放送 中である。別の情報では中国の放送技術者が昨年同局を修理に訪れ短波送信機の部品を交換した模様である。オーストラリアでは実際に00:00頃弱 く聞こえておりこれを裏付けている。なお同局は12:15-02:00に7390kHzでも放送していると言われているがこれはオーストラリアで は聞こえない。4760kHzにはAIR-Leh(カシミール)が11:15-13:30と20:30-01:30に同じ 4760kHz(7kW)で出ている(他に15:30-18:30 6000kHz)ので混同しないように注意が必要である。(DXLD 1805) 放送終了時を狙うしかありませんね。

◎AIR各局スケジュール掲載
 インドのJose Jacob氏によるとAll India Radio各地方局の短波・中波・FMの周波数とB17スケジュールがAIRのサイトに掲載された。アクセスは http://allindiaradio.gov.in/Profile/Radio%20Network/Pages /default.aspxへ、(DXLD 1805) 各地域別にpdf形式の資料が掲載されています。

◎RRI海外向短波放送休止中
 米国のGlenn Hauser氏がインドネシアRRIより受け取ったメッセージによると、9525kHzの同局海外向短波放送は送信機器の修理のために過去数週間に渡り休 止中だが、インターネットで受信できるので安心して欲しいとの「ことである。インターネット放送のURLは http://cdn.voinews.id/streaming_en/id.html及びhttp://cdn2.voinews.id。 (DXLD 1805) Cimmangis送信所には1995年製の250kW短波送信機が3基ある筈なのですが。このままインターネット放送のみになってしまわな いことを望みます。

◎面白短波局立役者死去
 Hans Knot International Radio Report2月号によると、1972年から2017年にわたりRadio 199、Radio Carolin、 Radio Atlantis、Radio Mi Amigo等の数々の海賊局や面白短波局を立ち上げたPeter Brian氏が去る1月6日に死去した。65歳であった。(DXLD 1805)

◎European Music RadioのTom Taylor氏死去
 IRRS/NEXIS-IBAのAlfredo E. Cotrone氏によると、BCL趣味が高じて1976年に英国で海賊局を立ち上げ、後年ついにEuroepan Music Radioを立ち上げたTom Taylor(本名Barry Stephans)氏が1月22日死去した。氏は2017年11月に病気を理由に休業し、2018年には復帰したいと言っていた。IRRSでは氏が送付し た最期のEuroepan Music Radioの番組を2月3日の04:00-05:00に7290kHz、同日18:00-19:00に9510kHzで放送した。氏が天国で受信している ことを期待して。(DXLD 1805)

Tom Taylor氏(2017年9月、WMRのHPより)


◎北朝鮮局の不具合運用状況
 Arctic Radio ClubのTringer László氏が、日本のリモートSDRで調査したところによると、北朝鮮の中波局には技術的な不具合が起きている場合が多いことが判明した。
 不具合が観察されたのは以下の周波数である。
 621kHz  平壌放送/朝鮮の声 変調浅く音声歪みあり
 702kHz KCBS-清津 スケジュール通り出ていない.
 801kHz  平壌放送-花台 797-804kHz間をV.
 810kHz 平壌放送-開城 805-818kHz間をV、音声歪みひどい、スケジュール通り出ていない、819kHzのKCBSに混信して 妨害となっている
  873kHz  KCBS/平壌放送-新義州 電話程度の低音質、バックにジャミング音
 882kHz  KCBS-元山 音声歪みあり、880-885kHz間をV
 729、765、792kHzの各周波数では出力を下げて送信している模様で、日本では受信できない。
 正常に受信されたのは以下の周波数である。
 657kHz  平壌放送-平壌.
  720kHz   KCBS-江界
 819kHz  KCBS-平壌
 855kHz   平壌放送-祥原
(DXLD 1805)

◎DX Antwerpの会誌アーカイブ公開
 RUS-DX 1/28によるとベルギーのDXクラブDX Antewerpの会誌「DXA- Bulletin」の2010-2016年のすべての号がodf形式で無料公開されている。http://www.dx-antwerp.com /downloads/downloads.html.
(DXLD 1805) 2017年1月号以前の号が一般公開されています。



◎2018年のHFCC会議
 米国のGlenn Hauser氏によると、世界の短波放送の周波数を調整する次回のHFCC調整会議(HFCC B-18)はアジア放送連合(ASBU)と共催で来たる8月27-31日、スロバキアで開催されることになった。なおHFCC A-18は1月22-26日にKuala Lumpurで開催されている。(DXLD 1805)

◎2018年のIRCA Conventionの予定
 米国のKen Hawkins氏によると、2018年の米国IRCA(International Radio Club of America) Conventionは9月7-8日にモンタナ州St CharlesのWestern Plus Charles Innで開催されることが決まった。参加料は$25.00。詳細日程は今後発表される。(DXLD 1805)

◎ラジオ受信バイブル2018発売
   国内放送DXファン向けの「ラジオ受信バイブル2018」が2月26日に発行された。おすすめのラジオ受信機、クリアに電波を受信する方法、電波の特性を 知る実験、知っておくと得をするradikoの裏技など、ラジオファンが知り たい受信知識についての記事を「月刊ラジオライフ」及び「ラジオマニア」から選択し更に最新情報を付け加えてまとめたもの。内容は以下の通り。巻頭カ ラー: 現行ラジオベストバイ(中華小型ラジオ編、高級BCLラジオ編)、第1章 実験編 (ラジオ遠距離受信テクニック、FM補完放送の飛びを 現地調査、データ・実験でわ かるFM補完放送の電波特性、J-WAVEみなと中継局はどこまで飛ぶか?、対馬でFM受信の旅、福岡VSプサン AM電波遠距離受信対決)、第2章 工作編 (ラズパイを使ったradiko専用ホームラジオの製作、FM補完放送対応アダプタを作ろう、中華ラ ジオ SANGEAN ATS-909を国内向けに改造)、第3章 知識編(radiko.jpプレミアム録音テクニック、ラジオ放送進化論、ラジオ局で放送機材を見せてもらい ました、放送受信の敵・ノイズを減らそう、受信報告書を書いてみよう、国内中波DX~民放AMラジオ全局制覇への道、radikoに関するお得な 情報)、第4章 機材編(ソニーの録音できるラジオICZ-R250TV詳細レポート、工具メーカー製の現場用ラジオ“男気ラジオ”カタログ、現 行20機種使用レポート)。(BCL評論家 星浩二氏)



◎台湾国際放送A18で一部短波放送を終了か?
 フランスのJean-Michel Aubier氏によると、台湾国際放送(RTI)のフランス語放送は来る3月25日で同局の短波放送が終了すると発表した。どの言語の放送が終了するのか は不明だが、少なくともフランス語及びスペイン語は終了する見込みである。またドイツ語放送については特にそういう話は出ていない。(WWDXC TP 1333)

◎ウクライナ財政難から中波放送の大半を廃止
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、ウクライナUkrainean Radioは2月1日以降全国の中波局の殆どを廃止した。終了が確認されているのは657 kHz (UR1)、 837 kHz (UR1)、1278 kHz (UR3 "Culture"),、404 kHz (UR1)、1431 kHz (ロシア語)等である。現在残存が確認されているのは549kHz(UR1 Luch Mykolaiev)と765kHz(Mayak Odessa)のみである。Ukranean Radioは政府予算がつかないため、今後送信所を廃止せざるを得ないとしていたが、今回の措置はその一環であろう。(WWDXC TP 1333)

◎アルゼンチンのXバンド中波局
 イタリアのPlay-DXが掲載したアルゼンチンのMarcello A. Cornachioni氏による同国のXバンド使用中波局最新リストは以下の通りである。カッコ内は所在地。*印はアクティブでない局。
 1610  Radio Santa Fe (Canning, BA)
 1610  Radio Comunitaria Regionale (Laboulaye, Córdoba)
 1620  AM 16-20 la radio (Mar del Plata, BA)
 1620  Radio Vita “Rete di vita” (Monte Grande, BA)
  1620  Radio Sentires (Parco San Martino, BA)
 1620  Radio Italia (Villa Martelli, BA)
  1630* Radio Unità (Alejandro Korn, BA)
  1630   LRI234 AM America (San Giuseppe)
  1630   AM restauro (William C. Morris, BA)
  1640   Radio Osanna (Isidro Casanova, BA)
  1650   Radio le Stelle (Longchamps, BA)
  1650* LRI227 Antares AM 1650 (Pilastro, BA) [inactive]
  1650   Radio Il Messaggero (Raffaello Castello, BA)
  1660   Radio Rivivere (Gregorio di Laferrere, BA)
  1660   LRI232 AM Città di Nogoyá (Nogoyá)
  1670   Radio Bethel (Banfield Ovest, BA)
  1690* RADIO CLS-(Cristo la Solucion)-(San Giusto, BA) [inactive]
  1700   LRI236 Radio Fantastico (Tigre, BA) [inactive]
  1710   AM Selva (Gonzalez Catan, BA)
(DXLD 1806)

◎RAE発表の短波放送スケジュールとインターネット放送に時間の相違
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、RAE発表のWRMI中継短波放送スケジュールと実際のスケジュールには一部相違があるようだ。1月30・31日の両日同局の インターネットストリーミング放送で確かめたところ、インターネット放送上でのスケジュールは次のようになっていた。
 04:00 イタリア語、05:00 フランス語、05:30 ポルトガル語、06:00 ドイツ語(次日放送用)、07:00 スペイン語 (次日放送用、30分間)
 19:00  中国語、20:00  日本語、21:00  ポルトガル語(1時間放送)、22:00 スペイン語(次日放送用、1時間)
(DXLD 1806)
 
◎ABC北部地域向短波放送廃止の悪影響
 英国のMike Cooper氏が伝えるところによると、オーストラリア北部地域Alice Springsで出版されている隔週の新聞「Central Advocate」の2月2日号に「短波廃止は強力パンチ」と題するDavis Lornie記者による記事が掲載された。それによると、昨年1月のABC北部向短波放送の廃止以来、北部地域の非都市地区に住んでいる人々には「政府に 見捨てられた」という感情を持っている人々が多い。ABCの短波放送はどんな奥地に入っても容易に受信可能であったが、デジタル放送化の資金捻出 という名目で廃止されてしまった。奥地にはデジタル放送は全く届かないため、奥地で移動しながら暮らしている原住民にとっては天候や道路状況の情 報を得る手段がなくなってしまった。政府は代替手段として衛星放送を受信すれば良いとしているが、衛星アンテナを担いでおいそれと移動できるもの ではない。この地域を中波・FMラジオ付きの車で横断する場合、全く放送が受からない状態が4日近く続くという状況で、危険な天候が迫っていても 分からないのが実情である。(DXLD 1806)

◎TWR-Bonaire新送信機稼働
 フィンランドのMauno Ritola氏によると、TWR-Bonaireは2月5日より新800kW中波送信機の本運用に入った。同日からのスケジュールは次の通りである。
 09:00-12:00 キューバ向 440kW スペイン語
 12:00-14:00  カリブ海向 225kW スペイン語
 14:00-17:00  カリブ海向 100kW スペイン語
 17:00-19:00 ブラジル向 440kW ポルトガル語
 19:00-20:00 カリブ海向 225kW スペイン語
 20:00-21:00 カリブ海向 100kW スペイン語
 21:00-21:30 カリブ海向 50kW スペイン語 
(DXLD 1806) 出力を抑え気味にして寿命の伸長と電力の節減を図っていることが分かります。

◎ブラジルのFM化進む
 ブラジルのSamuel Cássio Martins氏によると、同国では政府の方針でAM局のFM化が推進されている。その度合や計画はhttps://tudoradio.com /conteudo/ver/41-o-radio-migracao-das-ams-para-a-faixa-fmで確認することができ る。Arctic Radio ClubのRudolf Grimm氏によると、AM局がFM化した場合、180日以内にAM放送の廃止が義務づけられている。(DXLD 1806)

◎Scandinavian Weekend Radio最新スケジュール
 英国のAlan Pennington氏によると、フィンランドのScandinavian Weekend Radioの最新の冬スケジュールは以下の通りである。
 49mb   土 07:00-15:00 6170
           土 15:00-18:00 5980
           土 18:00-24:00  6170
           日 00:00-04:00 5980
           日 04:00-07:00 6170
  25mb  土 07:00-08:00 11720
           土 08:00-17:00 11690
           土 17:00-23:00 11720
           土 23:00-02:00 11690
           日 02:00-04:00 11720
           日 04:00-07:00 11690
  地元Virrat(フィンランド)では中波の1602kHzとFMの95.9MHzでも放送される。宛先はSWR, Hollitie 1025, FI-34930 LIEDENPOHJA, Finlandである。番組の詳細はhttp://www.swradio.net/schedule.htmを参照のこと。
(DXLD 1806)

◎Rostov Volmet
 ブルガリアのIvi Ivanov氏によると、ロシアのRostov Volmetが22:36頃11297kHzUSBで受信されている。ロシア語のボルメット放送。(DXLD 1806)

◎四カ国共同でジャミング監視システム
 中国・北朝鮮からのジャミングが船舶や航空機の無線に混信する等の悪影響が出ているため、日本・フィリピン・ベトナム・インドネシアの4カ国は 2月15日共同でジャミング監視システムを構築することで合意した。日本では国内5カ所に監視拠点を設けて発信地の特定を行って来たが、日本国内 の監視施設だけでは正確な特定が困難なため、今回フィリピン、ベトナム、インドネシアの3拠点に国産の短波受信施設を設置して、ジャミング発射拠 点を正確に特定した上で排除に向けた措置を取ることが出来るようになる。(産経新聞 2/16) 日本では石垣島、ベトナムは北部、フィリピンは ミンダナオ島、インドネシアはカリマンタンに設置される模様。

◎米国BBGが2019会計年度予算要求提出
 米国のStephen Luce氏によると、同国Broadcasting Board of Governors(BBG)は2019会計年度の予算請求と活動計画を発表した。その主な内容は次の通りである。
 ①Greenville送信所のRadio Marti用短波送信機3基を現用機より新しいものに入れ替える。(新規購入ではなく他の送信所からの移転を意味すると見られる)
 ②フィリピンPoro中継局の廃止。(現在使用されていない)
 ③クウェイト中継局の設備・機能強化。
 ④VOAスペイン語放送との資源共有によるRadio Martiの制作予算削減。(放送時間、周波数の削減につながる)
 ⑤短波放送を使用するのが現在でも適切である地域以外向の短波放送の縮減・廃止。
 ⑥SNS移行に伴う中東向ラジオ放送の大幅削減。
 ⑦その他の不要短波中継局の廃止。(特定はされていない)
 ⑧費用削減のための放送制作・運用の自動化促進。
  (WWDXC TP 1334)
  米国のGlenn Swiderski氏によると、上記の内①についてはまず第3送信所のContinental社製500kW送信機420aが同社製419F送信機に置換 え(多分廃止されたスリランカIlawanila送信所からの移転)となる模様だが、正確な日時は発表されていない。廃止が噂されていた Greenville送信所はこれで生残ることになった。 (DXLD 1807)

◎アルジェリアでDAB試験放送
 アルジェリアのFerhane Amine氏によると、World Radio Dayの去る2月13日アルジェリアでT-DAB+(Terrestrial Digital Audio Broadcasting)形式のラジオ試験放送が開始された。放送局はTamentfoustに設置され、600Wの出力で同時に4チャンネルの 放送を送信開始した。同国のFMアナログ放送をすべて切り替えるための準備作業である。同国では既にDRM試験放送も開始されており、こちらは AMアナログ放送をすべてデジタルに切り替えるためである。アフリカでは他に南アフリカとチュニジアも、同じくFM放送はT-DAB+に、AM放 送はDRMに切り替える準備をしている。(DXLD 1807)

◎中央人民広播電台が短波DRM試験放送 
 中国の中央人民広播電台は「元芳过来瞅瞅」(元芳さん是非見てね)と題した短波DRM試験放送を1月29日からの週に実施した。時刻と周波数は 以下の通り。ターゲットは華南地域である、
 05:25-11:00 9830
  11::00-16:30 17565
  16:30-03:05 9830
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、同局は2005年より短波のDRM放送を主として東方送信所から実施しているが、特別に発表して試験放送を行うのは珍しい。 送信所は北京、送信方向は175度、送信機のアナログ出力は100kWだがデジタル出力は30kWである。通常ジャミング用に使用されている送信 機を使ったものらしい。(DXLD 1807)
 
◎World Music Radioは正式局
 デンマークのStig Hartvig Nielsen氏によると、同国のWorld Music Radioは「海賊局」と誤解されているが、「海賊局」であったのは同局が1960年代~70年代にオランダで放送していた頃の話であり、現在はデンマー クで正式免許を受けた短波局である。送信所は2004-2005年にはKarupにあったが、現在(2018年1月7日放送再開以降)は Randersである。放送は現在24時間である。但し出力は現在でも100W、アンテナは逆Vである。受信可能なのは送信所の近隣とかなり遠方に限られ る。昼間はスカンジナビア、ドイツ、ベネルクス3国、英国で受信可能だが、夜間はこれらの地域では聞こえなくなり逆に欧州中部、欧州南部 で受信可能となる。周波数は5840kHzのみで、927kHzと15805kHzはまだ使用されていない。今後の詳細は http://www.wmr.radioやhthtp://www.facebook.com/WorldMusicRadioWMR/を チェックすること。(DXLD 1807)

◎NVK Radio SakhaよりeQSL
 米国のRon Howard氏はロシアのNVK Radio SakhaにE-mailでレポートしたところ、3週間後にeQSLを受領した。レポートはロシア語で記述した。宛先はnvk-qsl @ mail.ru。(DXLD 1807)

◎ASWLCの重鎮Stewart Mackenzie氏死去
 1998年迄存在したASWLC(American Shortwave Listeners Club)の重鎮であったStewart Mackenzie氏が去る2月10日に死去した。85歳であった。氏は糖尿病の併発症で入院中であったが、一時帰宅中に容態が悪化して死亡した。氏は 1960-70年代のASWLCを中心に大活躍したDXerで、HCJBのDX Party Lineの常連投稿者でもあった。この時期に氏の薫陶を受けてBCLになった米国人は多い。(DXLD 1807) 氏は1959年に設立されたASWLCの設立時からのメンバーで、1964年に同クラブのスタッフとなり、1966年にはユーティリティー部門のエディ ターになりました。その後1967年にはクラブ会誌のExective Editorとなり、実質的な会長としてクラブ本部をNuntington Beachに移転させました。洋の東西を問わずBCLクラブに内紛は日常茶飯事ですが、1971年には氏の方針に反対する多くの有力メンバーがクラブを辞 めてSPEEDXを結成したことは良く知られています。その後もクラブの会長として様々な活動を行い、1980年代には毎月50ページにも及ぶ充 実した会誌を発行、HJCBのDX Party LineにはASWLCの情報枠が定常的に設けられた。1980年代後半以降はBCLブーム衰退に伴い会員が減少し、情報や運営資金が足りなくなる状況が 発生し、その対策にも尽力しましたが、エディターを務める人材が皆無となり1998年ついにクラブを解散するに至りました。一生をBCLに捧げた 人生でした。時代をリードしたBCLが一人また一人と世を去って行きます。
 
◎「DXerのためのスペイン語入門」を電子版として復刻
 1994年にRadio Nuevo Mundoが発行して好評を博した「DXerのためのスペイン語入門」がRadio Nuevo Mundoよりpdf版の電子出版物として復刻され公開された。内容は基礎知識編、実践編、資料編の三部からなり、中南米局がよく聞こえた時代の資料とし ても価値がある。電子化に併せて貴重な録音を集めた実践編準拠のID集(mp3形式、52分)とそのリスト(pdf版)も整備された。 http://radionm.web.fc2.com/jp.htmlより無料でダウンロードすることが出来る。(東京都 平原哲也氏)




◎Bangladesh Betarがwebstream

 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、Bangladesh Betarは現在2系統のwebstream有している。http://www.betar.gov.bd/ から「Live Radio」を選択することで、AM放送及びFM放送の2系統を聞くことができる。AM放送の場合、4750kHzで放送されている内容より1分30秒遅 れている。また上記サイトで「Recorded News」を選択すると、ベンガル語、英語、ヒンズー語、アラビア語によるニュースを随時聞くことができる。  (DXLD 1807)

◎DW短波放送の今後方針を発表
 ドイツのKai Ludwig氏によると、Deutche Welleは既に英語及びフランス語の短波放送を廃止したが、その理由は「聞かれていない」からとしている。現在放送中の言語でも週間聴取率の減少が続い て おり、アムハリ語放送は2007年には25%あたっものが2014年には5%に低下した(但し同年のVOAアムハリ語放送聴取率3%を上回った)。またダ リ語及び パシュトン語放送は2013年にはそれぞれ9%、8%であったものが2016年には1%、2%に減少した。アフガニスタンには国内FM放送 が増備されつつあり、DW以外の短波放送も30-50%程度聴取者を減らしているという。DWが今後重視するのは、現在英米系が強いアラビア語放送の他、 紛争激化が予想される地域向のヨルバ語、イグボ語、ピジン語、ソマリ語、クルド語、タミール語放送、そしてトルコ向TV放送等 である。(DXLD 1807) B17シーズンではアムハリ語、ダリ語、ハウサ語、パシュトン語、スワヒリ語放送のみが短波で行われています。webページは30カ国語(日 本語はありません)で記述、オンラインのニュース放送は英語、フランス語、スワヒリ語、ハウサ語、ポルトガル語、アムハリ語の6カ国語で行われて いま す。

◎インドのコミュニティー局一覧表
 インドのJose Jacob氏によると、同国におけるコミュニティー放送局一覧表(2017年12月29日現在)がインド放送情報省より提供されている。 http://mib.gov.in/sites/default/files/Operational%20CRS%20List.pdfより ダウンロード可能である。(DXLD 1807) 214の放送事業者(NGO等)とその場所が掲載されていますが、周波数等は載っていません。

◎IBCが毎週高出力放送
 英国のMike Terry氏によると、イタリアのItalian Broadcasting Corporationは毎週木曜日の04:00-05:30(04:00 イタリア語、05:00 英語)にErevan Gavar送信所より5845kHz(100kW)で、中東・アジア・オセアニアでも受信出来る放送を実施している。番組は「Italian Shortwave Panorama」、「425 DX News」など、最後の5分間はMSFK32(1500Hz)によるradiogram放送「IBC Digital」となる。受信報告の宛先はibc @ europe.com。FacebookやTwitterで#RADIOIBCでも受け付ける。またストリーミング放送は http://hr.77400.fm(ユーザー名 IBC、パスワード 123456でログインする)上で、英語放送が毎日23:00-23:30、イタリア語放送が22:00-23:00に行われている。(DXLD 1807)

◎Kim Andrew Elliott氏の情報サイト復活
 2月16日付のSW Radiogram infoによると、旧VOAのKim Andrew Elliott氏はVOA退職の前後より数年間にわたり情報サイトの更新を行っていなかったが、このほど情報提供を再開した。Twitter利用者は @kaedotcomで、利用していない人はhttps://twitter.com/kaedotcomで見ることができる。旧webサイト http://www.kimandrewelliott.com でも閲覧可。(DXLD 1807)




◎2018年版NDB Handbook出揃う ~新たにGNDBHも!

 ドイツのNDB Handbook発行者Michael Oexner氏によると、同氏はNDB(Non-directional Beacon)ファン待望のNDB Handbook 2018年版を発行した。欧州NDB Handbook(ENDBH、7,300局収録)、北米NDB Handbook(NANDBH、5,900局収録)に加えて今年は世界NDB Handbook(GNDBH)が加わった。GNDBHには世界中のNDB局16,500局の情報が収録されている。ダウンロード版とCD版があ り、GNDBHの場合ダウンロード版がUS$50、CD版がUS$56である。詳しくはhttp://ndblist.info/beacons /NDBpublications2018.pdfを参照のこと。(DXLD 1807)

◎2018年の世界主要なBCL関連ミーティング
 Finnish DX AssociationのRisto Vähäkainu氏によると、2018年の主要なBCL関連ミーティングは以下の通りである。
 3/1-3 Winter SWL Fest 米国ペンシルバニア州Plymouth 参加予定者 150人 参照先 http://www.swlfest.com
  3/18-20 Radiodays Europe 2018-conference オーストリアVienna 参照先 http://www.radiodays.com
  5/4-6 DX-Parlamentet 2018(Swedish DX-Federation年次総会) スウェーデンJönköping 参加予定者 50人(Arctic Radio Clubとの連合総会) 参照先 http://sdxf/se 
 5/17-20 National Association of Shortwave Broadcasters年次総会 米国インディアナ州Elkhart 参照先 http://www.shortwave.org
  5/18-20 Dayton Hamvention 米国オハイオ州Dayton 参加予定者 20,000人 参照先 http://www.hamvention.org
  6/1-3 Ham Radio ドイツFriedrichshafen 参加予定者 20,000人 参照先 http://www.hamradio-fiendrichshafen.de
  7/14-28 DX-Camp (ADXBーOB主催) オーストリアDöbriach 参照先 http://www.dxcamp.org
  8/3-5 Finnish DX Association年次夏総会 フィンランドKuortane 参加予定者 100人 参照先 http://www.sdxl.fi
  8/25-26 Ham Fair (+JSWC展示・講演会) 東京 参加予定者 30,000人 問い合わせ先 ohtake @ live.jp
  8/31-9/3 European DX Conference(ADXB-OB主催) スロバキアBratislava 参加予定者 50人 参照先 http://www.edxc.org
  8/31-9/5 IFA Internationale Funkausstellung  ドイツBerlin 参照先 http://www.b2b.ifa
  9/7-8 International Radio Club of America (IRCA)  Convention 米国モンタナ州St.Charles 参照先 http://www.ircaonline.org
  9/13-17 International Broadcasting Convention (IBC) 2018 オランダAmsterdam 参照先 http://www.ibc.org
  12/29-30 Ham Fest India 2018 インドBengaluru 参照先 http://www.hamfestindia2018.com
(DXLD 1807)
 
◎Ozy Radio周波数変更の予定
 米国のRon Howard氏がOzy RadioのCraig Allen氏から得た情報では、現在5045kHzで放送中の同局はNVISアンテナを使用中でこのアンテナはオーストラリア北部のみをターゲットとして 設置されている。Ozy Radioではターゲットを拡大するために増波を計画中で、近々にオーストラリア西部をカバーする5050kHzとオーストラリア中部をカバーする 4835kHzの2波に切り替える予定である。但し5050kHzは中国の北部湾之声、4835kHzはAIR-Gantokと競合する周波数で ある。(WWDXC TP 1335)

◎4KZが増力の予定
 M.Brevel氏が4KZのAl Kirton氏から得た情報では、250W(5055kHz)で放送中の同局は、近々に1200Wに増力する予定である。同局はOzy Radioと同じNVISアンテナを使用しているが、オーストラリア南部をターゲットに設置されている。(WWDXC TP 1335)
 
◎ARDXCが2つの短波局にCM
 Australian Radio DX Club(ARDXC)のJohn Wright氏によると、昔の中南米のようになってしまったオーストラリアの短波局を支援するため、同クラブは2019年6月30日までの予定で、Ozy Radio、4KZの両短波局に新入会員募集のCMを投入する。現在ARDXCの会員になるとNew Zeland DX League(NZDXL)との協定で同クラブの会誌(New Zeland DX Times)も同時に購読できるようになった。 (WWDXC TP 1335)


出典の略称

 DXLD: DX Listening Digest
 DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
 WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
 HCDX:  Hard-Core-DX
 JSWC:  Japan Shortwave Club
 NDXC: Nagoya DXers' Circle
 WRTH: World Radio TV Handbook



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