月刊短波2018年9月号(第4版)
編集 赤林隆仁 時間 JST



◎Radio Nepal短波放送復活! 4版新規
 
スリランカのSarath Weerakoon氏によると、Radio Nepalは6年前に廃止した5005kHzの短波放送を復活させた。AM及びFM放送の加えて全土をカバーするためである。送信時間は 17:45-20:15で、出力は10kW,送信所はカトマンズ市内のKhumaltarである。放送が出ていることはスリランカのVictor Goonetileke氏も確認した。出力は10kWは出ておらず1kW程度であるように感じた。(Union of Asian DXers via Wolfgang Bueschel) 山がちな国土をAM/FM放送ではカバー仕切れないので短波放送を併用するというのは至極賢明な措置と思われます。

◎IRIB日本語放送9月22日で廃止 3版新規
 
イランIRIBの日本語放送サイトによると、IRIB国際放送は1999年7月以来継続されてきた日本語放送を来たる9月22日 (土)を最後に廃止する。廃止されるのは短波放送だけでなくインターネット放送も廃止される。またこれに伴い日本語部からのベリカード発送も9月 末で停止される。なおインターネット日本語情報サイトhttp://Parstoday.com/jaは継続される。また日本語facebook https://wwww.facebook.com/ParsTodayJapaneseも利用可能である。(JSWC HQ) 現在の放送は19:50-20:50 17630 05:50-06:50 7355 9765 テヘラン市内FM 現地時間20:50-21:50 99.5MHz。 実際には23日朝の再放送が最後になると思われます。これも米国のイラン制裁の影響でしょうか?

◎WWV/WWVH廃止に!
 
英国のMike Terry氏によると、米国NIST(National Institute of Standards and Technology)の2019年会計年度予算請求の内容が明らかになった。それによると、2018会計年度よりも630万ドルを削減する予定 になっている。削減の目玉はColorado州とHawaii州にあるNISTの標準電波局WWV/WWVHの閉鎖である。これらの局は米国に最 後まで残る国営短波局と言われて来たため一般へのショックは大きい。(WWDXC TP 1352)
  米国のGlenn Hauser氏によると、NISTの2019会計年度の予算要求額は1億2700万ドルで、前年度予算は1億7600万ドルであったので、4900万ドル (27.8%)の削減となっている。削減のためにNISTの行っている種々のプロジェクトが中止されるが、削減の筆頭に上げられているのが標準電 波局の廃止である。科学の振興に国家予算を使うことを好まない現政権の性格が感じられる。(DXLD 1833) 長波の時報局WWVB(60kHz)の廃止は免れそうなので電波時計は引き続き使用できそうです。

◎ブラジルRádio Trans Mundialが短波放送を廃止
 
米国のGlenn Hauser氏によると、Trans World Radio(TWR)が経営するブラジルのRádio Trans Mundial(RTM)が8月9日で短波放送を廃止した。TWRによると「過去20年以上に渡りTWRは短波がブラジルでは有効な媒体として評価してき たが、技術の進展と信者からの要望でこの措置に至った。今後はhttp://transmundial.org.br上でのインターネット放送と 携帯アプリ、地元局のFM中継で聞いて欲しい。今まで良い結果をもたらしてくれた短波には感謝している」としている。
 RTMはブラジル全土に向けて短波の11735、9530、5940kHzで放送していた。短波の廃止でブラジルのみならずラテンアメリカのリ スナーが減少するであろう。またFM電波や携帯の電波が届かない僻地のリスナーは見捨てられることになるだろう。
 この措置に反対の場合は以下の宛先に抗議をして欲しい。
 E-mail: rtm @ transmundial.org.br
  URL上から: https://www.transmundial.com.br/contato/
 S-mail: Rua Épiro, 110 - Vila Alexandria - São Paulo - SP, CEP - 04635-030または Caixa Postal: 18.113 - CEP - 04626-970
 電話:+55 11 3017 6600
(DXLD 1833)

◎「ラジオマニア2018」発行
 三才ブックスから毎年発行されている主として国内放送のAM/FM/短波ファン向「ラジオマニア2018」が今年も発行された。内容は次の通 り。●巻頭カラー;話題のラジオを掘り下げろ!「ラジオ番組解剖図鑑」、最新ラジオ使用レポートTivoli Audio PAL BT、欧州の短波ラジオ10機種レビュー、radikoほか 最新クラウドラジオ活用術、●第1章 全国のラジオを楽しむ!;独断と偏見で選んだ! ラジオマニアニュースTOPICS、SPECIAL INTERVIEW 今、ラジオがおもしろい5人の局アナ、ラジオ業界用語辞典、radikoプレミアムでチェック! 唯一無二ラジオガイド、●カラー特集;1局集中特集 「RCC中国放送」、音質と外観にもこだわった!FMホームラジオの製作、速報! 銀座にできたTOKYO FMのサテライトスタジオの全貌、●第2章 受信に役立つ情報&テクニック;首都圏ワイドFM3局の“北限”調査、短波BCLの最新動向、自宅で挑戦! 八木アンテナでFMラジオ受信、ソニーが大規模方向転換へ EX5狂想曲、過去最強のラジオ ICF-SW55説、i-dioに受信報告を送ろう!、●第3章 ラジオハイパーマニアックス;ラジオマニア風スマートスピーカー実験、製作しながら最新 DSPラジオの仕組みを学ぼう!、あの時、あの番組を振り返る 「ラジパラ」の時代、イチから学ぼう! 初心者向けループアンテナの製作、読者投稿コーナー、「定年ラジオ」発売記念! うえちゃんこぼれ話、●第4章 24年前にタイムスリップ ラジオ番組表アーカイブ、特別付録として「受信に役立つデータ手帳 RADIO-MANIA handbook」(国内中波・FM局の住所・周波数一覧、受信報告書フォーマット掲載)がつく。A5版180ページ。\1,620。(赤林)ヨドバシ・ ドッ トコムでは送料無料。




◎HAARPが80mbで送信試験実施

 英国のMike Terry氏によると、アラスカの実験短波送信施設HAARPは7月31日~8月2日の08:00及び09:00に3592.6kHzにてAMモードによ る送信試験を実施した。今後の送信試験に関する情報はhttps://twitter.com/ctfallen、https: //twitter.com/uafhaarpを参照のこと。HAARPに関する疑問についてはhttps: //www.gi.alaska.edu/haarp/faqを参照のこと。(DXLD 1831)

◎アルゼンチンのXバンド局Radio Selva情報
 Conexion Digital 7/29号によると、アルゼンチンのXバンド局の内1710kHzのRadio Selvaが良好に受信される。この局は2015年11月26日に放送を開始し、現在24時間放送を行っている。所在地はCalle General Villegas 2157, Ituzaingó, Provincia de Buenos Airesである。電話は+54 11 2082 3860、E-mailはamselva1710 @ gmail.com、URLはhttp://www.amselva1710.wixsite.comである。局長はJuan Carlos Ruffo氏。ニュージーランドのBryan Clark氏は同局を16:17頃直接受信している。(DXLD 1831)
 
◎ボリビアのRadio Yura復活!
 コロンビアのRafael Rodríguez氏、チリのClaudio Galaz氏は長らくQRTしていたボリビアのRadio Yura(別名La Voz de los Ayllus)5935kHzが復活しているのを確認した。時刻は09:00頃。米国のGlenn Hauser氏によれば米国ではWWCRが同周波数に出ていない時に受信出来る。(DXLD 1831)

◎VOAがBrazavilleにFM中継局開設
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、VOAのコンゴBrazaville FM中継局が開設され、同国の通信相出席のもと開設式が行われた。中継局は「Peace FM 104.3」の名称でBrazavilleでは104.3MHz、大西洋岸のPointe Noireでは98.3MHzで放送される。VOAのFM中継局としては世界で100番目、アフリカで32番目となる。VOAフランス語放送の他、 VOA-TVとの同時放送も行う。(DXLD 1831)

VOA Brazavilleの受信を促す広告(BBGのHPより)


◎Radio Spaceshuttle Finland送信復活
 NZ DX Times8月号によると、Radio Spaceshuttle Finlandは送信機の故障でQRTしていたが、修理が完了したため、今秋より送信を開始する予定である。使用予定周波数は3905-3927kHzの 一波、6205・6220・6260・6265・6280または6300-6310kHzの一波、9290・9270kHzの何れか、12295 または15805-15880kHzの一波である。スケジュール・周波数は http//:spaceshuttleradio.freeservers.com上に発表される。(DXLD 1831)

◎インド民間FM局リスト
 インドのJose Jcob氏によると、インド国内で放送している民間FM局347局のリストがインド放送情報省により公開されている。 https://mib.gov.in/sites/default/files/Operational%20channels.pdf上より入手可 能。(DXLD 1831)

◎VORW放送を縮小
 スペインのManuel Méndez氏によると、米国のVORW Radioは資金不足に陥ったためスケジュールの大幅縮小を余儀なくされ、欧州向や週末の放送波は廃止された。放送継続のためPaypalで vorwinfo @ gmail.comに寄付するように呼びかけている。縮小後のスケジュールは以下の通り。*はWBCQ、他はWRMIによる中継。
木曜 19:00-20:00 5950 北米西部向
金曜  05:00-06:00 7780 5950  北米向
   07:00-08:00 9955 5950  南米向
   09:00-10:00 7730 北米西部向 9395 北米東部向
   10:00-11:00 5850 7780 北米向 7490* 北米東部向
   13:00-14:00 7730 北米西部向
土曜  06:00-07:00 9955 南米向
 北米向WRMI9955kHzの放送はhttps://tunein.com/radio/WRMI-9955-s50329/、 WBCQ7490kHzの放送はhttps://tunein.com/radio/The-Planet-7490-s24829/でストリー ミング放送を聞くこともできる。(DXLD 1831)
   
◎Vatican Radio改組 ~QSLポリシーも変更
 ロシアのIgor Kolke氏によると、Vatican Radioは従来紙のQSLカードを発行してきたが、現在では発行が困難になりeQSLで対応することになっている。また最近内部改組が行われ、従来の Vatican Radioにはイタリア語放送部門だけが「Radio Vatican a Italia」として残り、他の言語放送は新しく設立されたニュースポータルサイト「Vatican News」の配下に入った。インターネット向の素材やpodcastの制作が中心となるが、一応短波・FM・デジタルラジオ・衛星の放送は継続される。 Vatican Radioと称しているものの、ラジオの占める位置づけは小さくなりつつある。受信報告はメールによるものを受け付ける。宛先はqsl.request @ spc.va 。(DXLD 1831) 軸足はインターネットになったようですが、短波を残しているだけまだ増しですね。

◎HFCCの創立者Oldrich Cip氏死去
 英国のMike Terry氏がHFCCの発表として伝えたところによると、HFCC(High Frequency Coordination Conference)を提唱・創立し、長らく議長を務めていたOldrich Cip氏が7月27日に病気で急逝した。87歳であった。氏は子供の頃からラジオに親しみ、アマチュア無線家となった。大学の人間学部を卒業した後の 1953年に Czekoslovak Radio(後にはCzech Radio)国際放送部門のスタッフとなり、周波数・スケジュールの作成を行う傍らPeter Skalaの名前でDX番組「Radio Prague Calling All Radio Hobbyists」に1959年から25年間にわたり出演した。1968年のソ連侵攻時には抵抗勢力による「Free Czekoslovak Radio」の設立に奔走、その後も秘密裏に西側の放送関係者とコンタクトを続けた。このことが冷戦の終結後に役立った。Czech Radioには1997年迄勤め、1998-2010年には同局の技術顧問を務めていた。冷戦終結後は各短波放送間での短波周波数調整を行う仕組みの必要 性を訴え続け、ITUを説得してついに1991年にHFCCが設立された。HFCC設立後は世界の短波局が重要な災害時に使用する重要周波数を確 保しておく「International Radio for Disaster Relief project」にも取り組んだ。2015年迄は議長、以降は副議長を務めていた。普段は家族とチェコの田舎に住んで、木製品作り、ギター、カントリー ミュージック、古絵画、写真を趣味としていた。氏には2人の息子がいるが、次男のVladislav氏はHFCCの職員である。(DXLD 1331) DXerから専門家になった凄さがありますね。

Oldrich Cip氏(HFCCのHPより)


◎Eye Radioが放送再開
 インドのAlokesh Gupta氏によると、南スーダン向秘密放送Eye Radioは昨年で放送を終了していたが、8月1日より放送を再開した。ずっと以前はSudan Radio Serviceと称していた局である。運営は米国開発庁(USAID)で米国のNGOであるEDC(Educational Development Center)の業務として実施される。昨年の放送停止後も南スーダン政府が携帯電話やインターネットをブロックして情報の拡散を妨害し、現地でのFM放 送も届かない地域があるために短波放送を復活させた。スケジュールは次の通り。言語はアラビア語スーダン方言。
 13:00-14:00 11620 Madagascar 250kW
  00:00-01:00 15410 Issoudun 250kW
(WWDXC TP 1351)

◎RRI-Nabireが復活
 米国のDave Valko氏、Ron Howard氏によると、長らくQRTしていたインドネシアRRI-Nabire局が7290kHzで復活した。発見したのは8月2日で、17時過ぎから 19:26(s/off)まで受信出来た。8月17日のインドネシア独立記念日、8月18日のアジア大会の開幕を控えた措置と思われる。 (WWDXC TP 1351)

◎TWRが「新シルクロード送信機」を設置
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、Trans World RadioはキルギスのBishkek送信所に中波(1467kHz用)の「新シルクロード送信機」を設置したと発表した。従来150kWの中波送信機 (2003年にドイツより転用されたもの)が使用されていたが、調子が悪くなり2017年1月より送信の縮小を余儀なくされていた。TWRは対策 として元々ドイツで使用されていた100kW中波送信機3基(1基は売却先のスワジランドより)を調達した。内2基を連結して200kW送信機と して使用する。もう1基は「PANI送信機」としてアフガニスタン向の送信に使用する予定である。送信機の設置と1年間の運用費用は59.3万ド ル必要でTWRでは寄付を募っている。TWRの試算では「新シルクロード送信機」の稼働で中央アジアの約6,000千万人の人々に放送が届くとい う。
  ドイツnoKai Ludwig氏によると、ドイツで使用された3基の送信機とはMühlacker、Wolfsheim、Rohrdorfにあった Südwestrundfunkの送信機で何れも2012年初頭に廃止されたものである。機種は新型のTRAM100で充分今後の使用に耐えるも のである。(DXLD 1832)

◎MYSTERY SIGNALS OF THE SHORT WAVE
 米国のThomas Sundstrom氏によると、短波で遭遇する、変な信号、奇妙な信号、異様な信号、意味不明の信号を集めた「MYSTERY SIGNALS OF THE SHORT WAVE」というサイトが開設されている。http://www.mysterysignals.signalshed.com/。(DXLD 1832)




◎AWRがWINBからDRM試験放送 2版追加
 WINBはAWRのWavescanの番組を8月3日以降毎週火・土曜日の01:30-02:00に15670kHzでDRMモードで放送する 試験を行う。WINBへの受信報告はオーディオサンプルを添付してwinb40 @ yahoo.comに。(WWDXC TP 1351)
  ドイツのHarald Kuhl氏によると、これはWINBが4月に新規調達したASI社CE-50000WS送信機より出力15kWで行われている。アンテナは長さ640 フィート、高さ110フィートのロンビックで方向は62度(本来242度のものを逆方向に使用)である。AWR Wavescanへの受信報告に 対しては特別QSLカードが発行される。E-mailではadrian.m.peterson @ gmail.com、S-mailでは"Wavescan", Adventist World Radio, WINB Test Broadcasts, Box 771, Bloomington, IN 47402-0771, USAへ。(WWDXC TP 1354)

◎Radio Globo系AM放送を中止
 ブラジルのDaniel Wyllyans氏によると、同国のRadio Globo/CBN AM RadioはRio de Janeiro、São Paulo、Belo Horizonteで行われていたAM放送を中止した。中止された放送は以下の通りである。
 Radio Globo; Rio de Janeiro ZYJ458 1220kHz São Paulo ZYK694 1100kHz Belo Horizonte ZYL283 1150kHz
  CBN AM Radio; Rio de Janeiro ZYJ459 860kHz  São Paulo ZYK695 780kHz
(DXLD 1832) Radio Globoはかっては短波でも出ていました。


 
◎Rádio Difusora do Amazonas FMが短波を復活!
 ブラジルのDaniel Wyllyans氏によると、同国のRádio Difusora do Amazonas FMが4805kHzの放送を復活した。96.9MHzのFM放送を中継しており、毎日全時間出ている。ManausからのFM電波が届かないアマゾン川 流域遠隔地のリスナーに向けたものである。局のエンジニアPaula Genival氏によると、送信機の部品が壊れて一時QRTしていた。同氏のE-mailはgenival.paula@yahoo.com.br。 (DXLD 1832)



◎From The Isle of Musicのスケジュール
 英国のAlan Roe氏によると、米国のキューバ音楽専門局From The Isle of Music(FTIOM)は現在次のように放送している。
 月曜 00:00-01:00 Kostinbrod 9400
  火曜 09:00-10:00 WBCQ 7490
  水曜 04:00-05:00 日曜 21:00-22:00 Channel 292 6070
(DXLD 1832)

◎Uncle Bill’s Meltingのスケジュール
 英国のAlan Roe氏によると、米国の民族音楽専門局Uncle Bill’s Melting(UBMP)は現在次のように放送している。8月は北朝鮮、東欧の音楽特集。
 月曜 07:00-07:30 WBCQ 7490
  水曜  05:00-05:30 Channel 292 6070
(DXLD 1832)

◎AIRがBangalore送信所からDRM試験送信 ~8月末まで 2 版追加
 インドのAloksh Gupta氏によると、All India Radioは8月3日より送信管の故障で2017年2月27日以来中断していたBangalore送信所からの500kW短波DRM送信を再開した。スケ ジュールは次の通り。
 欧州向 320度 03:20-07:30 7550
 日本向 90度  07:45-09:45  7550
  受信報告はrajendiran45 @ yahoo.comまたはspectrum-manager @ air.org.inに。
放送されているのはGOS-IV及びVividh Bharatiである。(DXLD 1832)
 インドのJose Jacob氏によると、7550kHz(Bangalulu送信所、185kW)で行われていたAIR External ServiceのDRM試験が8月末に終了しAMに戻った。現在のスケジュールは02:45-07:30 欧州向(02:45 英語 03:45  ヒンズー語・フランス語 05:45 英語)、07:45-09:45 北東アジア向英語。 (DXLD 1835)

◎AIR海外サービスを巡りインドで政府内対立
 インドのJose Jacob氏によると、All India RadioのExternal Serviceを巡り、情報放送省(MIB:Ministry of Information and Broadcasting)と外務省(MEA:Ministry of External Affairs)の対立が激化している。情報放送省は海外向放送を維持拡大して行く方針だが、外務省は「誰も聞いていないに違いない放送など廃止してい まえ」という意見で真っ向から対立している。この論争は第二次大戦中に放送が開始した時から続いており、本来情報放送省が運営を行い、外務省が資 金を拠出することが法律に定められているが、外務省は一度も資金を拠出したことがない。実際に運営に当たっているPrasar Bharatiは情報通信省にしても設備の維持・更新資金を全く拠出しておらず、多くの設備が故障・老朽化していると批判している。資金が底をつく状態で あるためAIRは外務省に対して年間9億7千万ルピーの資金拠出請求を出しているが、外務省は無視する意向である。外務省は海外の大使館・領事館 でAIRのExternal Serviceを一切聞いていない事を廃止要求の骨子としており「External Serviceは税金の無駄」と譲る気配はない。(DXLD 1832) 国益より省益なのでしょうね。

◎Radio Northern Star放送状況
 ノルウェイBergenのRadio Northern Starによると、同局は試験放送を毎週月曜日の04:00-06:00に1314・1611・5895kHz、携帯電話、インターネットで行っている。 また毎日06:10-07:10頃には「The Ferry」と呼ばれる新番組を同じ周波数で行っている。受信報告は1000 @ northernstar.noに。詳しくはhttp://www.northernstar.cc/を参照のこと。(DXLD 1832)

◎Novosibirsk VOLMETの情報
 Rus-DX 8/5号によると、ロシアのNovosibirsk VOLMETは毎時10-14分及び40-44分にロシア語でシベリア及び中央アジアの各空港に関する気象放送を行っている。周波数と時間は以下の通り。
  2869USB 現地期間の夜間
  6693AM  全日
  8888USB 全日
 11318USB 現地時間の昼
 同局の詳細はhttp://www.novosibdx.info/nskairstations.htmlを参照のこと。(DXLD 1832) これは「North Central Asia CIS3」と呼ばれるVOLMETチェーンで、他にSivkar(毎時00/30分)、Samara(毎時15/45分)が出ています。また Novosibirskは別のチェーン(Novosibirsk-Tashkent-Khabarovsk-Kiev-Moscow)でも毎時 05/35分に4663、10090、13279kHzで出ています。
 
◎ロシア放送年鑑2017年版公開
 ロシアの放送事情を記載したロシア放送年鑑2017年版が公開されている。
 サマリー版はhttp://fapmc.ru/rospechat/activities/reports/2018/teleradio /main/custom/0/00/file.pdf、全文版はhttp://fapmc.ru/rospechat/activities /reports/2018/teleradio/main/custom/0/00/file.pdfで参照できる。
 それによると、ロシアの放送の79.6%は88-108MHzのFMバンドで放送しており、その数は2803局、それに対して64-75MHz のロシアFMバンドで放送している局は20%に当たる704局である。人口10万人以下の小さな街で放送している局が半分以上である。  (DXLD 1804)

◎オンライン受信案内
 フランスのGilles Letourneau氏によると、アンテナや受信機を持っていなくても、遠くへ出掛けて行かなくてもインターネットを通じて離れた受信機を自由に操作して 受信出来るのがオンライン受信機である。SDR受信機の発展で多くのオンライン受信機のサービスが出現している。ここではブラウザから無料で簡単 に使えるいくつかのオンライン受信機サービスを紹介する。
1) http://www.sdr.hu
 世界中に配備されたKiwi SDR受信機を自由に操作でき最も使い易い。一度に4受信機の操作が可能である。AM/LSB/USB/FMの各モードが利用できる。中には広帯域FM、 長波、中波、短波専用受信機もある。
2) http://websdr.ewi.utwente.nl:8901/
 オランダのTwente大学電気工学科及び数学・電子計算学科がETDGアマチュア無線クラブと共同で運営している。一度に数百人のユーザーが 使用可能。高感度で低雑音なのが最大の魅力。
3) https://www.globaltuners.com/
 オンラインに接続されたコンピュータ制御の受信機を共同利用する。原則1人1受信機で、他の人が利用中の時は順番を待つか利用許可を得る必要が ある。また利用には無料の登録が必要である。
4) http://www.websdr.org/
 多数の受信機を利用できる。但しアマチュアバンドのみ、地元のUHF/VHF帯のみ受信可能な受信機が多数ある。
(DXLD 1832)

◎太陽黒点サイクルには上位サイクルがある
 英国のMike Terry氏によると、従来11年周期で変化すると言われてきた太陽黒点数には88年、200年、2400年というより複雑な上位サイクルが存在すること が判明した。詳しくはKatie Peek氏による記事https://www.scientificamerican.com/article/the-sunspot-cycle- is-more-intricate-than-previously-thought/を参照のこと。(DXLD 1832)

◎Radio KuwaitがDRM試験放送再開
 ドイツのAlexander Busneag氏によると、Radio KuwaitがDRM試験放送を再開している。スケジュールは以下の通り。
 14:00-17:00 11970 100度 南アジア向英語
 18:45-22:25 15110 310度 欧州西部向アラビア語
 02:00-05:00 13650 350度 北米向けアラビア語
 03:00-06:00 15540 310度 欧州西部向英語
(WWDXC TP 1352)

◎Ozy Radioが他局の中継を開始
 英国のMichael Cunningham氏によると、オーストラリアのOzy Radio(4835kHz)社長のCraig Allen氏は同局の放送時間を国営放送や宗教放送に貸し出す決断を行った。英国のMike Terry氏によると、その第一弾としてタスマニア州のPulse FM Tasmaniaの中継を8月7日以降毎日23:00-05:00に行っている。Pulse FM Tasmaniaへの受信報告はknh @ pulsefm.com.auへ。(DXLD 1833)
  ドイツのHansjoerg Biener博士によると、上記のPulse FM Tasmaniaは正式には「Pulse FM Kingborough and Huon」と称し、ある限られた人々向の放送narrowcastである。対象はHuon地域に住む15-30歳の若者で、オーストラリアの narrowcast規則に定められた範囲内でアダルトコンテンポラリー音楽を放送している。経営者は現在14歳(就任当時は12歳)のJosh Agnew氏で、放送開始は2017年である。Ashlins Hillから87.6MHz、Mt Herringbackから87.8MHzで放送している。(DXLD 1834)

◎Radio Pakistanが11のストリーミング放送提供
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、Radio Pakistanは現在http://www.radio.gov.pk/live-streaming上で11のストリーミング放送を提供している。そ れらは以下の通りである。
 Saut-ul-Quran
 Islamabad Station
 Current Affairs Channel
 Dhanak (旧 VARSA-channel)
 External Service
 World Service
 FM 101 (Islamabad/Mirpur/Karachi/Peshawar/Mianwaliの5局)
 この内Dhanakは今年5月11日に新設された音楽放送でIslamabad・Lahore・Karachiの3都市で94.0MHzで放送 されている。放送内容はカウアリやスフィ音楽からカントリーまで多岐にわたる。(DXLD 1833)

Radio Pakistan HPの選択画面 一番下のFM101は同じロゴが5つ並んでいる


◎AM Radio Log第39版発行
 米国National Radio Club(NRC)のWayne Heinen氏によると、NRCは伝統の出版物「AM Radio Log」の第39版を発行した。米国・カナダに存在する全中波局について周波数別に情報を網羅しており、この地域を対象とした中波DXingには必須の資 料である。3穴ファイル用で、A4版300ページ。詳細はhttp://nationalradioclub.orgを参照の上注文のこと。 (DXLD 1833) 日本へは送料共US$51.25です。



◎Shortwave Bulletinが月刊に
 スウェーデンのThomas Nilsson氏によると、同氏が発行する無料の短波情報誌「Shortwave Bulletin」(SWB)は6月号以降従来の隔週刊(月2回発行)から月刊(月1回発行)に変更された。SWBは当初ノルディック諸国(スウェーデ ン・フィンランド・ノルウェイ・デンマーク)のDXer向情報誌として1960年代に創刊されたが、ノルディック諸国では短波DXingが下火と なり、現在は外国の短波DXerからの情報を中心に編集されている。昔は数々の超DXニュースが次々と掲載されて世界のDXerを刺激したもの だったが、現在は短波局も極端に減少したため、月1回の発行で充分と判断した。(DXLD 1833) SWBはhttp://www.thomasn.sverige.net/より無料でpdf版が入手できます。

SWB8月号


◎新BCLラジオXHDATA D-808米国でも入手可能に
 米国のGary DeBock氏によると、中国製の新型BCLラジオ XHDATA D-808が米国でも入手できる。長波・中波・短波・FM・AIRバンドをカバーし、SSBも受信出来る。既に米国で発売されたC.Crane社製 Skywave SSB受信機が元になっている模様だが、感度・選択度ともにDXingに充分な能力を有している。現在米国への直接輸入は禁止されているが、イスラエル経 由での通販が行われており希望者は入手できる。
 米国で設計されたSilicon Labs社製のSi4735 DSPチップを採用して小型BCLラジオながらすべての信号処理がデジタル化されている。そのため小型ながら多数の選択度を有している。また中波・長波用 に96mmのフェライトバーアンテナを内蔵しており、中波の感度はSkyawave SSBよりも優秀である。音質・音量ともに同サイズのBCLラジオを凌いでいる。米国での販売価格は送料別でUS$112.87である。
 小型なのでオレゴン州のRockwork Ocean CliffへのDXペディションに持参して見たが、外部の大型ループアンテナと結合させると太平洋を越えたDX局が多数受信出来たし、内蔵のリチウム電池 も1回フル充電すると9日間の使用に耐えた。また過酷な温度変化や環境の影響もそれほどなかった。(DXLD 1833)  日本では年初より発売されています。日本での価格はアマゾンで送料共\9,280。中国広東省の東莞市瑞迪奥電子商務有限公司 (http://www.radiwow.com)が販売しています。仕様は受信帯域:長波 150-450kHz 中波 520-1710kHz 短波 1711-29999kHz FM 64-108MHz AIR 118-137MHz、感度:長波 10mV/m 中波 0.5mV/m 短波 10μV FM 3μV AIR 0.5μV、AM選択度:AM 1~6kHz 7段階 SSB 0.5~4kHz 6段階(保証減衰量80dB)、電源:3.7Vリチウム電池18650 DC5V USB接続(充電可能)、メモリー 数:500、音声出力: 8Ω1W、寸法:幅157×高92×奥行32mm、重量: 265g(電池含まず)、その他: 3ウェイ同調、温度表示、デジタル信号強度・雑音表示、タイマー、SSB微調整、外部アンテナ端子(短波・FM用)。 秋葉原BCLクラブがハムフェアに出品していました。

XHDATA D-808 小型なので旅行用に便利


◎JK BevFlex-4アンテナ発売
 Shortwave Bulletin 8月号によると、JK Antennasから組み合わせで4種類のアンテナに変化する受信専用アンテナセットBevFlex-4が発売された。2種類の整合器、2つの終端装置を RG-6同軸ケーブルと組み合わせることで、①Classic Beverage、②Beverage on the Ground (BOG) or Beverage in Sod (BIS)、③FLAG、④Inverted EWEの4種類のアンテナがその場で形成できる。固定用の他に移動用にも便利である。(DXLD 1833) 詳しくはhttps://jkantennas.com/jkstore/jk-bevflex-4.htmlを参照のこと。価格は送料別で US$399。

BevFlexのセット内容


◎WINBよりUnique Radio AustraliaがDRM送信試験
 オーストラリアUnique Radio Australia(5050kHzの短波放送は中断中)のTimothy Gaynor氏によると、同局は米国WINBより金曜日の20:00-21:00に15670kHzでDRM試験放送を行う。もし受信出来た場合は nri3 @ yahoo.com.au宛てに受信報告を送ってお欲しい。(DXLD 1834)

◎Rádio Cultura de Araraquaraが3365kHzで放送再開
 ブラジルのDaniel Wyllyans氏によると、Rádio Cultura de Araraquaraが3365kHzで短波放送を再開している。出力は1kW。8月18日の06:00-12:00に復活しているのが確認された。米国 のRon Howard氏、Dave Valko氏らも確認している。同局のURLはhttp://portalmorada.com.br/radiocultura/である。(DXLD 1834)

◎ブラジルのトロピカルバンド局
 ブラジルのDaniel Wyllyans氏によると、2018年8月現在ブラジルでアクティブなトロピカルバンド局は以下の15局となった。
 3365 Rádio Cultura de Araraquara (不定期)
 4775 Rádio Congonhas
 4805 Rádio Difusora do Amazonas FM  (Inregular)
 4845 Rádio Cultura do Amazonas
 4845 Rádio Ibitinga (ごく希にしか出ない)
 4862 Rádio Difusora de Londrina
 4875 Rádio Roraima
 4885 Rádio Clube do Pará
 4885 Rádio Difusora Acreana
 4895 Rádio Novo Tempo (不定期)
 4905 Rádio Relógio
 4925 Rádio Rural FM
 4965 Rádio Alvorada de Parintins
 4985 Nova Rádio Brasil Central
 5035 Rádio Educação Rural de Coari
(DXLD 1834)

◎エジプト国内向放送のQSL
 ロシアのIvan Zelenyi氏はエジプトERTUの国内向第一放送(819kHz、Batrah局)をトルコで受信しfreqmeg @ yahoo.com宛てに受信報告を送ったところ、53日後にQSLカードを受領した。(DXLD 1834)

◎ロシア海賊局出現
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、「Radio Europe」と称するロシアの海賊局が5831-5833vkHzで18:00前後に受信出来た。ポーランドのPiotr Skorek氏によると、公称周波数は5835kHzで、eQSLを発行している。放送地点はウクライナ西部のHoverla山地域と言っている (DXLD 1834)

◎「ソ連製受信機の全て」ビデオ公開
 ロシアのDmitry Elagin氏によると、「ソ連製受信機の全て 1924-2000」という1時間20分のビデオがhttps://vk.com /radioreceiver?z=video104859552_456239352%2Fd95516132da898a2fc%2Fpl_post_- 163779953_7896で公開されている。(DXLD 1834)

◎WWV/WWVH廃止反対の請願サイト開
 2019年会計年度で廃止予定のNIST時報局WWV/WWVHついては、多くのアマチュア無線家や短波愛好家が時刻や周波数の標準としてや放 送される電波伝搬情報を利用してきた。廃止反対の請願サイトがホワイトハウスの「We the People」内に開設され、反対署名を受け付けている。この請願に9月中旬までに10万人以上の電子署名が集まれば、ホワイトハウスが何らかの反応をす ることが期待できる。誓願サイトは以下の通り。
 https://petitions.whitehouse.gov/petition/maintain-funding-nist- stations-wwv-wwvh (あと9万人分必要)
 https://petitions.whitehouse.gov/petition/maintain-funding-nist- stations-wwv-wwvh> (あと9万8千人分必要)
 米国CQ社は読者やその友人が請願に署名することを希望する。また国会議員にも接触してWWV/WWVHの必要性を訴えるようにして欲しい。議 会も会計年度予算に対して異議を申し立てることができるからだ。(米国CQ社)米国民でないと認められないようですが。

◎RTEのフットボール特別短波送信
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、アイルランドのRTEは今年もGAA All Ireland Senior Footballの特別短波放送を来る9月4日、18日、10月1日の22:00-02:00に15320kHz(Meyerton送信所、250kW、 310度、南アジア向)を実施する予定である。
 アイルランドのEamonn O'Connor氏によると、RTEではこの送信に対してQSLを発行する可能性がある。E-mailでhearus @ rte.ieにコンタクトして欲しい。
(WWDXC TP 1353)




出典の略称

 DXLD: DX Listening Digest
 DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
 WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
 HCDX:  Hard-Core-DX
 JSWC:  Japan Shortwave Club
 NDXC: Nagoya DXers' Circle
 WRTH: World Radio TV Handbook



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