月刊短波2019年9月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


 

◎World Music Radio免許抹消で短波休止に 4版新規

 
デンマーク政府はWorld Music Radioの短波放送免許を抹消した。その結果同局は5840及び15805kHzで行っている短波放送を9月16日07:00以降は停止せざるを得なく なった。再度申請して免許を取得できる可能性はあるが、数ヶ月の時間を要することになる。現状のスケジュールは5840kHz(100W)が24 時間、15805kHzが土・日の16:00-05:00。(SW Bulgaria News 9/13-14)

◎Radio Thailand日本語放送一時中断に 
3版新規
 
9月12日にRadio Thailandは10月1日以降日本語放送を一時中断し英語放送に切り替えると発表した。(JSWC 大武逞伯氏) 22:00-22:15 9390kHz。日本語放送は1978年7月より41年あまり行われている。

◎ニッポン放送が一時1kW送信に ~12日に完全復旧 
 ニッポン放送は台風15号による停電により9月9日の3時過ぎに木更津送信所(100kW)への電力供給が停止し、自家発電に切り替え て放送したが、10日8時過ぎに自家発電が故障して同送信所からの送信ができなくなり一時停波した。急遽足立送信所の1kW予備送信機により放送 を継続したが、遠方では放送が聞こえない事象が発生した。10日22時25分に自家発電装置を再稼働させて木更津からの100kW送信を復活し た。更に9月12日午前に東京電力からの電力供給が復旧した。(埼玉県 鈴木哲大氏、ニッポン放送HP、他) 東京のAM民放各社 は23区内に1kWの予備送信所を確保しているそうです。千葉県に送信所のあるラジオNIKKEIも9月10~18日に第一放送を減力して放送し ていました。

◎ロシアが短波DRM送信試験 3版新規

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ロシアは短波DRM試験送信を行っているが9月5日以降の送信は以下のように行われる事になっている。送信所は極東の Komsomolsk-na-Amure。
  05:00-12:00 12025 100kW 34度 ロシア語
 12:00-19:00 15735 100kW 34度 ロシア語
 05:00-19:00 11615 250kW 34度 伝播試験
 米国のJordan Heyburn氏によれば、期日は9月5日~10月27日。ロシアのDmitry Mezin氏が当局に問い合わせたところ、「あるラジオセンター向の送信だが、試験送信であるためどこ向かは回答できない」とのことであった。 (WWDXC TP 1396) Komsomolsk-na-Amureはハバロフスクの北東400kmにあります。チュクチ自 治管区の首都AnadyrにあるDalnevostochny Regional Centerが極東からの短波送信を望んでいるとのニュースが以前にありましたので、送信方向から見てそちら向けの可能性があります。何故DRM放送なの かは不明です。

◎Reach Beyond日本語放送は「ハムフェア2019」特番を放送 2版新規
 Reach Beyond(HCJB)日本語放送では9月7日(土)、14日(土)の「サタデートーク」の番組を変更し、「ハムフェア2019」のレポートを特別に放 送する。これに伴い予定されていた「関西リスナーの集い」の番組は2週間後ろにずらして放送される。また大橋太郎氏による「令和版BCL マニュアル復刊物語」を9月の「PROGRAM NOTE」にpdf版として提供する。http://reachbeyond.chowder.jp/を参照のこと。(Reach Beyond via JSWC 大武逞伯氏、赤林)07:30-08:00 15410、20:00-20:30 15565kHz。

◎「粤港澳大湾区之声」発足 2版新規
 
中国の「中央人民広播電台華夏之声」(第7放送)は9月1日より「中央広播電視総台粤港澳大湾区之声」と改名した。略称は「大湾区 之声」であ る。ロゴには「中央広播電視総台」の英文名China Media Groupの略称「CMG」が使用されている。周波数はFM101.2MHz(中央人民広播電台音楽之声の中山中継局に使用されていた)と AM1215kHz(中央人民広播電台華夏之声の珠海中継局に使用されていた)である。なお「音楽之声」中山中継局の周波数は104.9MHzに 変更された。標準中国語の他今後粤語、潮汕語、客家語、上海語、閩南語でも放送を行う予定である。本部は広州に置かれ、深圳にはニュースセンター が設置される。(Cahcn的自留地 8/28) 「粤港澳大 湾区」とは香港・マカオ及び対岸の広東省珠江デルタの9都市を含む巨大なベイエリアのことで、中国はここをサンフランシスコやニューヨークに対抗する巨大 都市圏に統合する計画です。香港やマカオもこの都市圏に吸収されることになります。

◎KTWRがDRM放送のスケジュールを変更 2版新規
 
KTWRのAsia Broadcast Technical Operations DirectorであるMike Sabin氏によると、同局はリスナーからの要望に基づいてDRM放送のスケジュールを次のように変更する。
 9月12日以降 毎週木曜日の日本・韓国向放送は19:26-19:56 11995kHzから21:15-21:45 9900kHzに変更
 9月15日以降 毎週月曜日の南アジア向放送は21:15-21:45 11580kHzから19:26-19:56 9900kHzに変更
  毎週水曜日の中国向放送は19:26-19:56 11995kHzで変わらず、また現在中断中の火曜日19:25-19:56 11995kHzオーストラリア向放送はそのまま中断する。
(大阪府 影山敦久氏)

◎ラジオマニア2019発行 2版新規
 
三才ブックスより9月5日「ラジオマニア2019」が発行された。国内放送受信中心の内容だが、短波BCL関連の記事も多数掲載し ている。内容は●巻頭カラー:スペシャルインタビュー この人に訊きたい~話題の女性アナウンサー編、radikoプレミアム対応コンポ YAMAHA CRX-N470使用レポート、北米の人気短波ラジオレビュー、手回し充電ラジオ無印良品MJ-RR1を試す、●第1章 ラジオ番組を楽しもう!:ラジオ マニアニュースTOPICS、AMラジオは本当になくなるのか?、ラジオの裏方 お仕事内容紹介、ラジオ 記憶のすみっこ、各局イチ押し!フレッシュプログラム、●カラー企画: KBS京都Radio徹底特集!、Eton ELITE EXECUTIVEを使ってみた!、FMステレオ・デスクトップラジオの製作●第2章 受信に役立つ情報&テクニック: 2019年版 短波BCLの最新動向、現行短波ラジオ4機種+ICF-SW7600徹底比較実験、ワンセグTV音声対応ラジオどちらが買いか?、広帯域受信機IC- R30 ラジオ放送受信の実力は?、 隣県のワイドFMが受信できる環境を整えよう!、デジタルラジオ放送 DAB+受信体験記、●第3章 ラジオハイパーマニアックス: ヘンタイラジオマニア番付、ラジオ魔改造、Google Nest Hubで自転車ラジオ、FM補完中継局 解体新書、執筆後記~ラジオ、その愛、●第4章 30年前にタイムスリップ! ラジオ番組表アーカイブ、とマニア向けの内容が並んでいる。国内局全データ を掲載した「RADIO-MANIA handbook 2019-2020](116ページ)が付録としてついている。A5版178ページ、税別価格\1,500。(赤林)





◎「令和版BCLマニュアル」発行
 
電波新聞社より9月6日に「令和版BCLマニュアル」が発行された。「BCLの神様」といわれた故山田耕嗣氏 (1940-2008)は1975年に初版の「BCLマニュアル」を同社から発行、11978年には改定版の「新BCLマニュアル」、1980年には第2 版が発行され、どの版も当時のBCLから熱狂的な支持を受けて総計20万部近くを売り上げた。現在も1980年版を中心に非常な高値で取引さ れている状況で、復刻版を待ち望む声も大きかった。そのような中当時編集を担当していた大橋太郎氏(現電波新聞社特別相談役、電子工作マガジン編 集長)が中心となり復刊プロジェクトが立ち上がり、2019年ハムフェアを目処に「令和版BCLマニュアル」が発行されることになった。当時の山 田耕嗣氏の原稿をなるべく生かし、現在のBCLの状況に合わせて修正・加筆して令和の現在に使用してもそのまま役立つように工夫がなされている。 執筆には長谷巌、川添充則、赤林隆仁、大武逞伯、須藤達也、高畑依実、皷浩伸、塚田浩、佐波匠、捧克之、森沢あつし、尾原栄、金井昌行、 岡崎慎太郎 の各氏が当り、尾崎一夫、和田謙郎、西田和明、山下透、関山礼一郎の各氏が寄稿している。構成は、●巻頭特集、●序章 山田耕嗣先生とBCL、●第1章  BCLの楽しみ方、●第2章 電波の知識、●第3章 日本語放送のすべて、●第4章 中波やFM・マルチメディア局を受信しよう、●第5章 公 益・業務無線局とア マチュア無線局、●第6章 受信設備のすべて、●第7章 BCL実践ガイド、●第8章 BCLに便利な機器を自作しよう、●第9章 便利なBCL資料編、 となっており現代のBCLのほぼすべての領域をカバーしている。東京ビッグサイトで開催された2019年ハムフェアの電波新聞社ブースで先行販売 したところ初日の8月31日の午前中ですべて売り切れてしまった。B5版242ページ。税別価格\2,200。(赤林)


 

◎民放のFM転換を事実上容認
 
総務省の有識者会議は8月30日、中波民放ラジオ局が中波放送を廃止してFM放送へ転換することを容認することで一致した。中波と FM両方を維持する負担を解消し、ラジオ局の経営改善につなげるのが目的である。2023年の中波免許一斉切替時にも中波を廃止する民放ラジオ局 が出てくる見通しである。将来は国内の大半の地域で民放の中波放送が消滅する可能性がある。民放中波局の多くは広告収入の低迷で経営が苦しくなっ ており、FMによる補完放送(ワイドFM)に一本化し、設備投資を効率化したいという考えである。現行では中波の停波は認められておらず、日本民 間放送連盟が総務省に制度変更を求めていた。なおNHKは従来通り中波放送を継続する。(東京新聞 8/30)

◎ロシアはアナログ放送併存方式採用か

 Rus-DX 7/21が、ロシアKrutov Media社のCEOであるYulia Golubeva氏の話として伝えたところによると、同国のラジオアカデミーは西欧で行われているアナログ放送からDAB+放送への切替の動きに賛同して いない。西欧では DAB+の利点として同一周波数で多くの音声チャンネルを流すことができることを唱っているが、その点はあまり魅力ではなく、むしろ現在のイン ターネット放送でおこなわれている以上の高品質・高機能を実現し、更に同じ周波数で現在のアナログ方式の放送を継続して流すことが望ましいとして いる。これは米国で提唱されているHD Radioとほぼ同じ考え方である。(DXLD 1930)

◎St.PetersburgでDAB+放送の試験開始 ~DRM+方式
 Rus-DX 7/21によると、7月18日よりロシアSt.Petersburgで95.9MHzにて初めてDRM+方式デジタル放送の試験放送が開始された。試験は 年末までの予定で、95.9MHzにてアナログとデジタル(DRM+方式)の同時放送の試験が開始された。アナログ放送は出力3kW、デジタル放 送は出力400Wで、デジタル放送部分では局のロゴ、イベントの写真集、ニュースのテキスト、天気予報などが音声番組とは別に流された。 (DXLD 1930)

◎AIR-Gangtokの近況
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radio-Gangtokは数ヶ月間停止していた4835kHzの短波放送を7月22日より再開した。スケジュールは10:00-14:00、 19:30-02:00である。同局はeQSLを発行している。受信報告はgangtok @ prasarbharati.gov.in宛にMr.A.Saha, DDE気付で。(DXLD 1930)
 Jose Jacob氏によると、現在のスケジュールは以下の通り。現在は独自QSLを獲得するチャンスだと思われる。
 4835kHz 10kW 10:00-14:00 19:30-02:00
  6085kHz 10kW 15:30-18:30
  1104kHz 20kW 10:00-14:00 15:30-18:30 19:30-02:00
(WWDXC TP 1394)

◎Unique Radio一時QRT
 オーストラリアUnique RadioのTim Gaynor氏によると、同局(在NSW州Gunnedah)の5045、3210kHzの短波放送は技術上の問題がアンテナと送信機電源に発生したため 一時放送を休止中である。8月4日現在WINBでの中継のみを行っている。(WWDXC TP 1392)

◎中国DRM試験放送最新スケジュール
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、8月6日現在の中国CNRによるDRM試験放送のスケジュールは次のように変更された。
 北京572送信所 13825kHz 10:00-18:00(13850kHzより変更) 6030kHz 05:25-03:05
  東方871送信所 17770kHz 10:00-18:00(15580kHzより変更) 11695kHz 10:00-18:00
  昆明501送信所 15180kHz 10:00-13:00(17790、21550kHzより変更) 17800kHz 13:00-17:00(17790、21550、15250kHzより変更) 5180kHz 17:00-20:00(17790、9540kHzより 変更)
 斉斉哈爾2021送信所 13850kHz 09:00-13:00(17800kHz 09:30-15:30より変更) 11990kHz 13:00-18:00(15735kHz 15:30-18:00より変更) 13710kHz 18:00-21:00(9870kHzより変更)
 烏魯木斉523送信所 17830kHz 10:00-17:00(13850kHzより変更) 9655kHz 07:00-10:00 17:00-21:00
(WWDXC TP 1392)

◎World Music Radio 15805kHz送信状況
 デンマークWorld Music RadioのStig Hartvig Nielsen氏によると、同局は7月より15805kHzの放送を土曜・日曜の16:00-05:00に開始した。ビームはRanders送信所から真 北のスカジナビア半島北部、北米西部、日本を向いている。実際の受信状況は、スカンジナビア半島北部では大変良好、日本(日没時)及び北米西部 (カナダのアルバート州及びブリティッシュコロンビア州)でも受信できる筈である。但し日本からの受信報告は現在来ていない、カナダ西部からは2 通来ているが、スカンジナビア半島北部からは関心がないと見えて来ていない。そこで8月始めに近々に3素子八木アンテナのビームを少し替えて見る こ とにした。(WWDXC TP 1392)
  Stig Hartvig Nielsen氏によると、デンマークのWorld Music Radioは15805kHz(200W)で毎週土・日(開始時間)の16:00-05:00に3素子八木アンテナで今度は南方に向けて送信している。 ターゲットは欧州南部、欧州中部、アフリカ北部、中東である。受信報告はwmr @ wmr.dkまたは返信料同封でWorld Music Radio, P.O.Box 112, DK-8960 Randers SØ, Denmarkに。なお従来通り5840kHz(100W)では24時間放送を継続中である。双方とも送信所はRandersである。(WWDXC TP 1394) 

◎Radio Sawa大幅縮小に
 英国のTony Rogers氏によると、米国USAGBは中東向放送Radio Sawaを大幅縮小することになり、以下の拠点から行われていた放送が削減された。
 Cyprus 990kHz エジプト向放送等を廃止、イラン向のみ残存
  Djibouti  1431kHz  スーダン・イエメン向放送を廃止しVOAの中継に切替
 Kuwait  1548kHz イラク・湾岸地域向放送を廃止し、地中海沿岸諸国(ヨルダン・パレスチナ・レバノン・イスラエル・シリア)向のみ残存
         1593kHz イラク向放送を廃止
(WWDXC TP 1392)
 キプロスのCosta Constantinides氏によれば、Radio Sawaの費用削減効果は年間950万ドルである。放送が聞こえなくなった地域ではインターネット上のストリーミング放送で聞くことができる。(DXLD 1930) Radio Sawaの当初目的は中東の若者に米国文化を浸透させて米国の勝利につなげるということでした。




◎アンドロイド用DRM復調アプリ提供
 New Zealand DX Times 8月号によると、アンドロイド端末用のDRM復調アプリDRM30が提供された。外部音声入力端子からDRM放送の音声を取り込むと復調できる。 DRM30は無料だが、更に機能を向上させたDRM+もありこちらは有料でUS$1.99または€2.09。再生中の受信機の隣にスマホや端末を 置いておくだけでもある程度は復調できる。復調された出力は自動的にイヤホンに出力される。音声切替アプリを使えば内蔵スピーカーでも再生でき る。制作したのは韓国のAlgorKorea社。操作画面等についてはhttps://play.google.com/store/apps /details?id=com.algorkorea.app.drm1、https://play.google.com/store /apps/details?id=com.algorkorea.app.drmplusを参照のこと。(WWDXC TP 1392) DRM+の日本円価格は\220。



◎Radio Rankingmanスケジュール変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、従来02:30-03:00に7580kHzで放送されていたイランLGBT向放送Radio Rankingmanは8月1日よりスケジュールを01:30-02:00 7535kHz(Grigoriopol 500kW 116度)に変更した。但し周波数は8月初旬現在変更されておらず7580kHzのままである。(WWDXC TP 1392)
 Ivo Ivanov氏によると、イラン向LGBT支援秘密局Radio Rankingman(Radio Rainbow)は8月1日から放送時間が1時間早まって01:30-02:00 7580kHzとなったが、送信所であったGrigoriopolはその後HFCCから登録を抹消した。従って現在の送信地は不明である。(DXLD 1933)

◎スイス「2人のBobおじさん」の一人死去
 スイスの「2人のBobおじさん」の一人Bob Zanotti氏によると、もう一人のBobおじさんBob Thomann氏が8月3日静かに息を引き取った。91歳であった。Bob Thoman氏は1950年代にRadio Swiss Internationalの名物番組「Swiss Shortwave Merry-Go-Round」を創設した。1970年には当時入社したばかりのBob Zanotti氏とチームを組んでお便り番組を担当し、「2人のBobおじさん」と称した。「2人のBobおじさん」のお便り番組は1970年から 1994年まで24年間に渡り世界のリスナーに親しまれた。この番組は今でも http://www.switzerlandinsound.com内に保存されている。(WWDXC TP 1392) 

Swiss Shortwave Merry-Go-Round 50周年記念QSLカードに描かれた2人のBobおじさん(左がBob Thomann氏)



◎Eye Radio短波再登場
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、米国政府による南スーダン向秘密放送Eye Radioが7月22日より短波放送を復活した。スケジュールは以下の通り。
 火-土曜 01:00-02:00 15410kHz(Issoudun 250kW 139度)アフリカ東部向
 月ー金曜13:00-14:00 7340kHz(Santa Maria di Galeria 250kW 150度) アフリカ東部向
 放送はアラビア語Juba方言だが、一部英語/Dinka/Nuer/Shilluk/Bari/Zande/Lutohoの放送もある。
(WWDXC TP 1393)

◎Pastor Melissaの短波放送スケジュール
 米国のHarold Frodge氏によると、死去したGean Scott氏(1929-2005)のUniversity Networkに代わってPastor Melissa Scott氏(2000年よりGean Scott氏の2度目の妻)の宗教番組が以下のスケジュールで行われている。短波放送は以下の通り。
 Caribbean Beacon 月曜 01:00-07:00 11775 火曜 10:00-13:00 6090  水曜 10:00-14:00 6090 19:00-22:00 11775  木曜 21:00-01:00 11775   金曜 09:00-13:00 6090 16:00-19:00 6090  日曜 02:00-05:00 11775
  WWCR    火-日曜 05:00-09:00 13845  月曜 03:00-09:00 13845  毎日 09:00-20:00 5935
 短波放送を含む全スケジュールはhttps://www.pastormelissascott.com/shortwave- schedule.html上に発表されている。(DXLD 1932)

Melissa Scott氏(facebookより)

 

◎シブチIBB中継局のその後
 英国のTony Rogers氏によると、シブチのIBB Dorale中継局1431kHzは、Radio Sawaの中継を終了した後VOAの中継に使用されている。現在確認されているスケジュールは次の通り。
 00:30-01:00 英語、01:00-02:00 英語、02:00-03:00 ソマリ語、03:00-03:30 英語、03:30-05:30 フランス語、05:30-06:00 火-土 英語 日・月 フランス語、06:00-06:30 火-土 フランス語 日・月 英語、06:30-12:30 英語。
(DXLD 1932)

IBB Dorale中継局の600kW中波送信用タワー(TSE-EJC社のHPより)



◎ジャンムー・カシミール州の一部がラダック州に
 英国のDan Goldlfarb氏によると、インドはジャンムー・カシミール州の内ラダック地方を新たにラダック州として直轄の州にする。そのためLehや Kargilはラダック州に属することになった。AIRの放送局がある以下の都市がラダック州となる。(都市の後の数字は中波放送の周波数) 
 Diskit 1602、Drass 1485、Kargil 684、Kargil 1584、Khalatse 1485、Leh 1053、Nyoma 1485、Padam 158、Tiesuru 1602。
 ジャンムー・カシミール州のままの都市は以下の通り。
 Jammu 990/999, Kupwara 1350、Naushera 1089、 Srinagar 1116 1224。
(DXLD 1932) 
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、ラダック州の中波局詳細は以下の通りである。
  684kHz Kargil 2006年9月1日 200kW送信機設置
 1053kHz Leh 1971年設置
 1485kHz Dras 2006年9月1日 1kW送信機設置 
 1485kHz Khalatse
 1485kHz Nyoma 2007年1kW送信機新規設置 国境地区放送強化用
 1584kHz Kargil
 1584kHz Padam 2008年1kW送信機新規設置 国境地区放送強化用(2008: As part of J & K special package for boosting border
 1602kHz Diskit 2007年1kW送信機新規設置 国境地区放送強化用
 1602kHz Tiesuru 2006年9月1日1kW送信機設置
(WWDXC TP 1394) イスラム教徒の多いジャンムー・カシミール州には特別の自治権が認められていましたが、今回これを剥奪して、中央政府直轄にしてしまいまし た。

◎メキシコ中波局パターンマップ
 米国のTim Hall氏によると、2016年12月現在のメキシコ中波局のパターンマップが同国の選挙管理機関INE(Institute Nacional Electral)から公開されている。メキシコではFM化が進んでおり掲載局の中には既に放送していない局もある。(DXLD 1932) 州別、コールサイン別に表示されます。

◎中国から安価なループアンテナMLA-30
 中国製の安価なループアンテナMLA-30が米国で発売された。価格はUS$43と非常に安いが、ALA-1530と同様な動作原理のアクティ ブ磁気ルー プアンテナである。現在評価中だが、ALA-1530には及ばないものの悪くはないようだ。https://tinyurl.com/magaloop 参照のこと。(DXLD 1932) カバー範囲は0.1-30MHz、直下型プリアンプとコントローラー、アンテナ本体(簡単なピアノ線)、同軸ケーブルがついています。中国ア リババの通販サイト Ali Express(https://ja.aliexpress.com/)では、日本への送料込みで\4,500くらいです。アンテナ本体は交換可能で、 ΔLoop等の自作ループを取り付けることもできます。

MLA-30アンテナ




◎RFA放送開始23周年記念QSL発行
 Radio Free Asiaは来る9月30日に放送開始23周年を迎える。最初の放送は1996年9月30日の6時に行われた中国語の放送であった。これを記念してお目でた い冨貴竹をデザインしたQSLカードを発行する。RFAとしては71作目のQSLカードとなる。対象は9月~12月の間の受信報告である。受信報 告 は郵送の他、Tecweb(http://techweb.rfa.org/)、E-mail(qsl @ rfa.org)を利用できる。(RFA Al Janitschek氏)





◎北朝鮮が3560kHzでDRM試験放送
 英国のAlan Pennington氏によると、北朝鮮が3560kHzでDRMの試験放送を行っている。8月20日以降色々な時刻に受信されている。なお米国 「North Korea Tech」によれば3560kHzでは既に2012年及び2017年にもDRM試験放送を行っている。DRM Consortiumはこれについて何も言及していない。(WWDXC TP 1394)

◎BBCがカシミール向放送を拡充 ~情報封鎖に対応~
 英国のMike Terry氏がBBC Media Centreの8月15日付発表として伝えたところによると、インドはカシミールの自治権を剥奪するとともに、同地域のインターネットや携帯電話網も封鎖 したため、同地域では情報途絶状況になっている。そのためBBCは同地域向短波放送を拡充して住民に情報を伝えている。
 8月16日より9515及び11995kHzで行われているヒンズー語放送を30分延長して現地時間の19:30-20:30の1時間放送とし た。8月19日には15310及び13650kHzで現地時間21:30-21:45にウルドー語ニュース放送を新設した。11795、 9670、9580、7345、6040kHzで行われている英語放送は今後現地時間08:30からの放送を1時間延長し、更に夕刻の放送の開始 時刻を1時間早くして現地時間16:30とする。
  カシミールの住民はBBCのヒンズー語、ウルドー語、英語放送の他パシュトン語、ダリ語の放送も利用できる。BBCではこれらを含めた南アジア諸言語放送 でカシミール情勢を詳しく報道することにしている。(WWDXC TP 1394)

◎ルーマニアTsiganeshti送信所使用停止中
 Rus-DX 8/11によると、Radio Romania Internationalの短波送信の約半分を担っていたTsiganeshti送信所は施設の故障で使用が停止されている。同送信所から出ていた DRM放送も停止されている。同送信所を管理するRADIOCOMによれば部品交換のために時間を要するため、今後数週間は同送信所以外 (Galbeni、Saftika)からの周波数で受信して欲しいとのことである。(DXLD 1933)

◎ロシア極東のAM送信施設を掲載
 Rus-DX 8/11によると、Bruce Portzer氏編集の「Pacific-Asian Log」の7月2日更新版にはロシア極東の中波ビーコン局、残存中波放送局、稼働可能な短波局の情報が掲載されている。(DXLD 1933) 実際には放送していないものや既に終了したものも含まれている模様です。

◎NRC AM RADIO LOG 第40版発行
 IRCA DX Monitorの8/17号によると、米国National Radio Clubが伝統ある出版物「AM Radio Log」の第40版を発行する。米国・カナダの中波局情報を満載しており、この方面に興味を持つDXerには必須の資料である。今回索引を充実したために ページ数も増加した。海外非会員向の価格は送料込みでUS$52.65である。予約は http://www.nationalradioclub.org 上から行うことができる。(DXLD 1933)




◎米加中波局パターンマップ公開 
 米国のMark Durenberger氏によると、米国及びカナダの中波局送信パターンマップの2019年更新版がweb上で公開された。https://radio- timetraveller.blogspot.com/よりダウンロードできる。(DXLD 1933)

◎復興廣播電台がQSLマネージャーの存在を否定
 「月刊短波」2019年4月号に掲載された「中国・台湾3局のQSLマネージャー」の記事について、台湾の復興廣播電台は次のような声明(原文 は https://www.fhbs.com.tw/event/content.aspx?auid=115)を発表した。この人物と同局は全く 関係がない。国外の人間にQSLマネージャーを委託することはない。受信報告は局に直接送って欲しい。その場合に返信料等は不要である。同局がこ のような声明を発表するのは極めて異例なことである。なおこの声明は4月に発表されたが、同局はこの時点では短波放送を停止していた。5月になっ て復活させたがこの事実が刺激になったものと思われる。(アジア放送研究会 近藤哲也氏)

◎Radio Pragueが改名
 オーストリアのPaul Gager氏によると、チェコのRadio Prague(Czech Radioの海外放送)は9月1日以降「Radio Prague International」と改名する。1936年8月31日に最初の海外向放送を開始してから83年になるのを記念した措置である。今後もインター ネットやpodcastを中心に放送を提供して行くとしている。(WWDXC TP 1395)

You Tube上に発表された新局名とロゴ



◎Deutscher WetterdienstがeQSL発行
 ロシアのKonstantin Barsenkov氏によると、ドイツのDeutscher WetterdienstはeQSLを発行しており、レポート送付後即時に発行される。宛先はinfo @ dwd.de。(WWDXC TP 1395)

◎アイルランドの長波一時停止
 英国のMike Terry氏によると、アイルランドRTEの長波放送252kHzは来る9月10日~10月17日に停波する。Summerhill長波送信所の送信塔を 交換する工事のためである。(WWDXC TP 1395)

◎Radio Kuwaitのウルドー語放送DRM化
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、01:00-03:00に15540kHz(250kW、100度)で行われていたRadio Kuwaitの南アジア向ウルドー語放送は8月27日以降DRM化された。なおその後の03:00-06:00に同一周波数(250kW、310 度)欧州西部向に行われている英語放送は既にDRM化されている。(WWDXC TP 1395)

◎スイスのFM放送は2024年以前に終了
 英国のMike Terry氏によると、FM放送を廃止してすべてDAB化する方針のスイス政府は、FM放送の終了・廃止を2024年とすることを決定した。スイスでは DAB化が進み、2019年6月現在FM放送を聞いている人は17%に過ぎないという。(WWDXC TP 1395) 




出典の略称

 DXLD: DX Listening Digest
 DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
 WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
 HCDX: Hard-Core-DX
 JSWC: Japan Shortwave Club
 NDXC: Nagoya DXers' Circle
 WRTH: World Radio TV Handbook



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