月刊短波2020年9月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎Voice of Vietnam 9月6日より短波放送を大幅削減 
~送信機の不具 4版新規
 Voice of Vietnamは送信機の不具合が生じたため9月6日より短波放送の大幅削減を実施している。削減されたのは以下の送信で、送信所はSon Tay、出力は100kW。
   極東向ロシア語 20:30-20:58  21:30-21:58 7220
   東南アジア向英語   21:30-21:58 12018.65 08:30-08:58 12018.65
   東南アジア向インドネシア語  22:00-22:28 12018.65  08:00-08:28 12018.65
   東アジア向日本語 07:00-07:28 9839.75 12018.65
   東アジア向中国語   07:30-07:58  9839.75 12018.65
 なお新サービスとして欧州向ロシア語放送が23:30-23:58に7280、9839.75kHz(Son Tay送信所、100kW、320度)が増設された。 
(Ivo Observer 9/14)

◎ベトナムの声が朝の日本語・中国語放送を停止   3版新規 
 
9月4日のベトナムの声日本語HPによると、9月7日より07:00-07:30に9840、 12020kHzで行われていた朝の日本語放送を停止する。同時にベトナム国内向日本語放送を(ハノイ時間)14:30-15:00に増設する。その他の日本語放送の放送時間は変わらない。また中国語HPによると06:30-07:00に同一周波数で行われている中国語放送も同日より廃止され、ベトナム国内向放送をハノイ時間14:00-14:30に増設する。(赤林)上記の送信機不具合によるものと思われますが、恒久的な「廃止」かどうかは不明です。国内向外国語放送はVOV5としてFM(Hanoi 105.5 Ha Long 105.7 Ho Chi Min 105.7MHz)で行われています。日本語放送は従来現地時間の11:30-12:00と20:30-21:00に行われていました。

◎新たなVLF実験局出現 ~超高空から電波を発射!   3版新規
 
英国のMike Terry氏がスウェーデンのVLF保存局SAQを運営するAlexander Associationから受取った情報によると、ポーランドのワルシャワ工科大学(Warsaw University of Technology)が来る9月12日の20:00-21:00頃に14.2kHzで試験電波を発射する。発射地点はポーランドのPrzasnysz空港 (北緯53°00’46.3″、東経 20°55’52.4″)、同地点から30km上空に高層気球を3時間程度浮遊させ、超高空から14.2kHzにてA1電波を発射する。使用するアンテナ は210mの垂直ダイポールである。この周波数は同国にあった海岸局Babice Radioがかつて対米通信に使用していたものである。この送信の共催者はBabice Radio Station Culture Park Associationで質問や受信報告はstowarzyszenie @ radiostacjababice.orgで受付ける。受信報告には正確な受信位置、受信帯域幅等のデータを記入して欲しい。詳細は https://www.facebook.com/radiostacjababice/を参照のこと。同団体のURLはhttp://trcn.pl/である。(WORIG 9/9)

◎Mike Radio新スケジュール   2版新規   3版追加

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、オランダのMike Radioは9月13日より、以下のスケジュールで放送する。放送は毎日。放送は欧州西部向オランダ語。
 02:00-08:00 3940 Heerde 1kW 無指向性
(WORIG 9/1)
 スペインのManuel Méndez氏によれば、同局が9月13日に放送開始したのを03:50-04:08に確認した。流行歌と英語のID"Mike Radio”が放送されていた。(WORIG 9/13) 同氏はTECSUN S-8800+8m長のロングワイヤで聞いているとのことです。

◎Ydun's Medium Wave Infoがサイト一新   2版新規
 英国のMike Terry氏によると、1998年よりデンマークのYdun M.Ritz氏により開設されている長波・中波の情報サイト「Ydun's Medium Wave Info」が9月1日よりサイトのデザインを一新した。https://mediumwave.info。(WORIG 9/1)

◎Radio Delta InternationalがHFCCに登録   2版追加
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、オランダから放送予定のRadio Delta InternationalはHFCCにA20スケジュールを登録したが、8月31日に内容を変更した。最新の予定スケジュールは以下の通り。放送はオランダ語、英語の予定。送信所はElburg、1kW、無指向性。
    木-土曜 16:00-03:00  6020
 土・日曜 06:00-11:00  6005
    6020kHzには03:30-06:00にCRIの欧州向放送(石家荘送信所)が出ている。(WORIG 8/22 9/1)  Elburgはオランダ中部にあります。イタリアに同名のFM局がありますが、関係は不明です。

◎「ラジオマニア2020」発行
 三才ブックスから「ラジオマニア2020」が8月27日発売された。今年のキャッチフレーズは「ソフトからハードまでラジオを深く楽しむ!」。BCLラジオ各機種、国内局番組の記事の他、短波BCLについても扱っている。内容は以下の通り。
● 巻頭カラー:スペシャルインタビュー「この人に訊きたい 話題のDJ編」 大前りょうすけ(東海ラジオほか) 遠藤麻理(BSN新潟放送)、TECSUN H-501速報レビュー、高級短波ラジオ徹底比較、ソニーICF-M780N vs アイワAR-MDS25、●第1章 ラジオ番組をもっと楽しもう!:緊急企画 新型コロナウイルスとラジオ、ROK技術倶楽部~ラジオマニア出張版、radikoで聴きたい各曲イチ押しプロ グラム、カラー特集:1局集中ガイド bayfm徹底特集、ステレオDSPラジオの製作、●第2章 受信に役立つ情報&テクニック:FM補完放送中継局の大研究、2020年版短波BCLの最新動向、EP PRO徹底レビュー、R-108新旧徹底比較、TECSUN PL-990速報レビュー、●第3章 ラジオハイパーマニアックス:女子ウケ必至!?「デコラジ」の製作、対馬受信旅行記、そこに波は届いているか、AMの音が素晴らしいアナログラジオの製作、日本全国radikoで勝手にGoToキャンペーン、radiko音声比較、ラジオ局超ローカルニュース、●第4章 ラジオ番組表アーカイブ:TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、東海ラジオ、CBCラジオ、MBSラジオ、ABCラジオ、bayfm、TOKYO FM、J-WAVEの2001年ラジオ番組表。
 付録には例年通り国内局受信に威力を発揮するデータ集「RADIO-MANIA handbook」 (115ページ、本誌内に活用術が記載されている)がつく。A5版178ページ、価格は\1,500+税。Amazon、ヨドバシでは送料無料。(赤林)


 
◎オランダのAFN The EagleがDAB+化
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、オランダの米軍局AFN The Eagleが米軍局としては初めてDAB+化されることになった。North Brabant州のChannel 6Aで放送される。オランダのAFN The Eagleは同州のVolkelに本拠地があり、既に107.9MHzでFM放送を行っている。DAB+化でNorth Braban州のStaedte Eindhoven、Nijmegen、s'-Hertogenboschなどでも受信できるようになる。しかしこれを聞いているアメリカ人でカーラジオをDAB+化している人は少ないのが現状である。(WWDXC TP 1431) オランダのAFNはBrunssum(96.9/99.7MHz)、Schinen(96.9/99.7MHz)、Vilkel(107.9MHz)の3 カ所にあります。

◎ベルギーからHarmoy Radioの広帯域電波
 ドイツのRoger Thauer氏によると、5780kHzにて15:11頃11kHzの帯域幅を持ったAM局が出ている。この局はベルギーのRadio Harmonyである可能性が高い。同局のオンライン音声はhttps://onlineradiobox.com/ie/harmoy/?cs=ie.harmony&played=1&lang=deを参照のこと。E-mailはHarmonyQRZ @ gmail.com。(WWDXC TP 1431) BrusselsにHarmony Radio Belgiumという局がありますが、同じかどうか不明です。

◎スリランカTrincomalee送信所2基の短波送信機停止中
  8月初旬現在スリランカのTrincomalee送信所にある3基の短波送信機の内2基が現在停止状態にあり、Sri Lanka Broadcasting Corporation(SLBC)及びAdventist World Radio(AWR)の送信の一部が停止している。(WORIG 8/4)

◎中国の地上波アナログTV放送全面停止に
 中国国家広播電視総局は2012年に決定した「地上波デジタルTV放送進展計画」に基づき2020年6月15日以降全国レベル~県レベルに至る全国の地上波アナログTV放送を停止する手続きに入った。詳細は以下の通りである。
(1)全国放送
 全国放送の地上波アナログTV局は6月15日から順次停止し、8月31日迄に停止を完了する。特殊事情で中国国家広播電視総局の許可を得た局も12月31日迄には停止する。
(2)地域放送
 全国放送と同じく6月15日より地上波アナログTV局を順次停止する。完全停止日は各地方の広播電視総局で決定するが、原則として12月31日迄に停止し地上波デジタル放送に置き換える。整備が遅れている地域でも2021年3月31日迄には完全に停止する。(Cahcn的自留地 7/30)

◎Radio Kahuziが送信停止中
 スペインのManuel Mendez氏によれば、コンゴBukavuにあるRadio Kahuzi(6210kHz)はここ数週間受信されていない。この件について局に確かめたところ、現在短波送信用アンテナを移設中であり放送は全面休止中であるとのこと。アンテナ移設が完了し、送信に必要な電力が確保できれば放送を再開するとのこと。(WWDXC TP 1434)

◎冷戦時代のBBCドイツ語放送のドキュメンタリービデオ
 オーストリアのPaul Gager氏によると、東ドイツが共産主義だった頃のBBCドイツ語放送に関するドキュメンタリービデオ「Briefe ohne Unterschrift」(名前なき手紙)が公開されている。冷戦時代25年間に渡って東ドイツの市民はBBCドイツ語放送に手紙を送り、これらは放送で読み上げられた。内容は日常生活上の問題やそれに対する不満が多かったが、当時の東ドイツ秘密警察シュタージ(Stasi)もこれを受信分析しており、 手紙の主を特定し逮捕したとの内容である。https://video.tagesspiegel.de /6168265062001?lightbox=1。 (WWDXC TP 1434)

◎Valley FM Costa Blancaが9670kHzで放送
 ドイツのHarald Kuhl氏によると、スペインのValley FM Costa Blancaが早速Channel 292の新周波数9670kHzで放送を開始した。放送は19:00からで英語放送である。同局のURLはhttps://valleyfm.esである。(WWDXC TP 1434)

◎Radio Europa 24のアドレス
 ドイツのWolfgang Bueschel氏がRadio Europa 24(6150kHz)のJoachim Thiel氏から受け取ったメールによると、放送に関する手紙等はE-mailでradioeuropa24 @ gmx.deに送って欲しいとのことであった。同局のS-mailアドレスはWRTH2020によればc/o Interessengemeinschaft Hochfrequenztechnik e.V., Johann-Strauss-Str. 22,  45711 Datteln, Germanyである、電話は+49 2363 731582。ノルウェイのGisle Vanem氏は上記のE-mailアドレスに受信報告を送りeQSLを受け取った。返信によれば出力200W、単一ダイポールアンテナから送信されている。なお現在上記E-mailのみが有効で、過去に公開されたyahoo系のメルアド(europa24onshortwave @ yahoo.comな ど)は無効である。(WWDXC TP 1434)

◎AIR Panaji送信所の送信技術者が引退
 ドイツのHansjoerg Biener博士がDX Indiaの報道として伝えたところによると、AIR-Panajiに35年間に渡り勤務した技術者P. F. A. Pereira氏が7月31日引退した。氏は1984年8月1日に技術者見習いとしてAIR Panaji局に就職し、その後Panaji送信所に転属し、1994年5月25日からは主任技術者としてその後25年間活躍した。氏はスイスABB製 250KW送信機2基をはじめ日本NEC製10kW中波送信機、Nautel製100kWDRM中波送信機など同送信所に設置されたすべての送信機に精通していただけでなく、短波の送信アンテナについても高い技術を有していた。(WWDXC TP 1434)

◎AIR Kurseongの新型短波送信機を電子入札
 インドのAlokesh Gupta氏によると、同国Prasar BharatiはAIR Kurseongに導入予定の新型50kWDRM短波送信機の電子入札を行う。同局には1962年に最初となる2kW短波送信機が設置され、1963年にはGates製HF20BX型20kW短波送信機、1995年にはBEL製HHB144型50kW短波送信機にレベルアップされていたが、送信機の老朽化で2019年7月30日で3355、4895、7230kHzで行われていた短波放送を中止し、現在は103.5MHz(10 kW)と102.3MHz(5kW)のFM放送のみとなっている。Kurseongの地方当局はインド政府に対して300kWの中波DRM送信機導入を要請していたが、同局のサービスエリアはインド東部の広大な山岳地帯で電波が届きにくい地域が多いためと、500~800km程度の山岳地域に効率的に短波を届けるNVISアンテナが設置されていることから、短波DRM送信機を導入する決定がなされた。(WORIG 8/7)

◎AIR国内向中波・短波に続きFM放送にもDRMを採用か?
 英国のMike Terry氏がRadio Worldの報道として伝えたところによると、All India Radio(AIR)は中波・短波放送のDRM方式によるデジタル化を推進しており、現在38基の高出力送信機がDRM波を送出している。送出形態はデジ タル単独及びアナログAM波とのハイブリッドである。AIRは数年前にデジタル単独送信の時間数を増やして行く方針を発表し、4大都市では最低1基の送信機はデジタル単独送信専用にすることが求められた。80%以上の聴取者がラジオ放送をデジタルで受信することを待ち望んでいるからだとしている。現在FM 放送のデジタル化にも着手しており、方式はDRMが有力である。既存のFMバンドで放送が可能であるのがその理由である。原記事は https://www.radioworld.com/tech-and-gear/digital-radio/commentary-use-drm-on-indias-fm-bandを参照のこと。(WORIG 8/10)

◎インスブルック・ツォイクハウスでモールス・テレタイプ機器展覧会
 オーストリアのPaul Gager、Harald Sues氏によると、同国インスブルック・ツォイクハウス(Zeughaus Innsbruck:元兵器庫で現在は博物館となっている)で、モールス機器からスマホに至る通信の歴史の展覧会「So Fern - So Nah」(そんな遠くがこんな近くに)が2月21日~10月4日まで開催されている。これに関連して同国内の送信ネットワークや送信塔を網羅した 「Sendeanlagen in Österreich」が公開されている。http://www.wabweb.net/radio/sender/rifu-1959.htm。 (WWDXC TP 1435) ツォイクハウスのURLはhttps://www.tiroler-landesmuseen.at/haeuser/zeughaus-in-innsbruck/。

Zeughaus Innsbruck(Wikipediaより)


◎Channel 292指向性アンテナを計画
 ドイツのWolfgang Bueschel氏らによると、世界中のリスナーの期待に応えてドイツのChannel 292は新周波数9670kHz用のアンテナにAlliss回転式アンテナを採用して指向性を明確に持たせる計画である。現在はダイポールアンテナである。(WWDXC TP 1435)

◎インドネシアCimanggis送信所の現状
 ドイツのArnulf Piontek氏が衛星写真等で調査・分析したところによると、かつて短波の大送信所であったインドネシアJakarta近郊のCimanggis送信所では大半のアンテナが撤去されている。入口には大きな病院が建てられており、西側の端に90mb用の現用アンテナが認められる。既存の送信施設の内残存が確認されるのは南側にある一基で、送信棟、アンテナシステムともに確認できる。また中波用の送信施設(RRI第3放送999kHz・150kW-24時間 放送、RRI第4放送1332kHz・10kW-07:00-02:00)は現用で存在している。150haあった送信所の内142haはインドネシア国際イスラム大学建設用地として宗教省管轄の更地となっている。残存送信施設は残りの8ha内にあり情報電気マスメディア省が管轄している。なお8haの内4.7haは地上波デジタルTV用送信施設用に使用されることになっている。(WWDXC TP 1435)

◎Radio Baltic Waves Internationalの新スケジュール
 リトアニアのRimantas Pleikys氏によれば、同国のRadio Baltic Waves Internationalは8月10日以降次のスケジュールで放送している。周波数は1386kHz、出力75kW、Viesintos送信所。
 NHK World 12:30-13:00 02:30-03:00 ロシア語
 Radio Poland  13:00-14:00 ベラルシ語 14:00-14:30 ウクライナ語 21:00-22:00 英語 00:30-01:00 ポーランド語 01:00-01:30 ロシア語 01:30-02:00 ドイツ語
 RFE/RL  03:00-04:00 05:00-06:00 ベラルシ語 04:00-05:00 ロシア語
 ドイツのKai Ludwig氏によれば、Viesintos送信所はリトアニアにおける中波放送施設を維持するために2017年、廃止になったドイツAFN- Weisskirchenの設備を移転して運用されているものである。なおRFE/RLのベラルシ語は2019年4月に同送信所からの送信を停止(それ以降地上波のラジオ放送はなかった)して以来の復活ということになる。(WWDXC TP 1345)  ベラルシ大統領選挙後の混乱に対処するためかも知れません。

◎Tecsun社オーストラリアでDRM受信機を発売 ~GOSPELL社のOEM品
 英国のAlan Pennington氏によると、Tecsun Radios AustraliaはDRM対応受信機Q-3061の発売を開始した。価格はA$500。この受信機は既に発売されているGOSPELL GR216と類似しておりOEMであると思われる。詳細はhttps://www.tecsunradios.com.au/store/product /tecsun-drm-radioを参照のこと。同社によればこのDRM受信機は中国本社の製品ではなく、Tecsun Radios Australia独自の製品であり、同国以外では入手できないとしている。CRIが昆明送信所からオセアニア向DRM短波試験送信を開始したことと関係があるのだろうか? 
  ギリシアのDemetre氏によれば、GR-216を製作販売しているのは中国の四川省成都にあるGOSPELL Digital Technology社(高斯貝爾数碼科技股份有限公司)で、情報はhttp://www.goscas.com/supplier-drm_radio_receiver-314000.html?maoyttrade?maoyttradeに掲載されている。 但しこの受信機の評判は芳しくない。(WWDXC TP 1345)

(左)TECSUN Q-3061 (右)GOSPELL GR-216 外装の色とスピーカーパネルの形は違う FM/AM/SW対応
  

◎WBCQがWRHIを買収!
 米国のRadio Insight誌によると、同国のFamily Broadcasting Corporationは配下の短波局World Harvest Radio(WRHI)を「The Planet」のAllan Weiner氏に125万ドルで売却することにした。Allan Weiner氏は短波局WBCQの他にTalk/Rock 780 WXME、98.3 W252DW、Kixx 94.7 WBCQ-FMなどのオーナーである。原記事はhttps://radioinsight.com/headlines/195902/station-sales-week-of-8-14/。(WORIG 8/15)
  米国のStephen Luce氏によれば、同国では驚くに当たらないことである。昨年のPalau局廃止あたりからその気配があった。今後注目すべきは現在 Monticello送信所に設置されている低電力の送信機をFurman送信所に移転するのかどうかである。(WORIG 8/14)
  Glenn Hauser氏からの問い合わせにWBCQのAllan Weiner氏は次のように答えた。WRHIを買収するのは短波放送を生かしておきたいからだ。世界中の短波放送が再起できないほどに痛めつけられている 時、未来の世代に短波放送を残すことに最善を尽くしたいのだ。GoogleもFacebookも短波ラジオから出てくる音ほどの感動を与えることはない。WBCQで放送されているWorld Last Chanceの番組をWRHIがどのように(悪く)紹介していたとしても、この買収は神の御心にかなうことなのだ。(WORIG 8/19)

◎ケンタッキーに小さなラジオ博物館
 米国のAndy Robinson氏によると、ケンタッキー州西部の町Cadizにある放送局WKDZ/WHVO局のスタジオの隣に「The D.J. Everett III Radio Room」という小さなラジオ博物館が2019年に開館した。同放送局のオーナーであったD.J. Everett III氏(1947-2015)のラジオコレクション275台を展示している。詳しくはRadioWorldの記事 https://www.radioworld.com/columns-and-views/roots-of-radio/a-visit-to-the-d-j-everett-iii-radio-roomを参照のこと。(WORIG 8/14)  博物館のURLはhttps://www.wkdzradio.com/d-j-everett-iii-radio-room/。

展示室の内部(同博物館のHPより)


◎インド放送情報省の年間報告出る
 インドのJose Jacob氏によると、インド情報放送省(Ministry of Information and Broadcasting)は2019-20年の年間報告書を公表した。https://mib.gov.in/sites/default/files /Annual%20Report%202019-20.pdfよりダウンロードできる。放送に関しては97ページ以降に記載されている。(WORIG 8/19) 全280ページ。




◎MGB Eye Radioの9月1日からのスケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、MGB Eye Radioは9月1日より以下の様にスケジュールを変更する。言語はアラビア語Juba方言を中心として、英語、Dinka語、Nuer語、Shilluk語、Bari語、Zande語、Lutoho語。ターゲットは南スーダン。#は新型コロナウイルス特別放送。
  月-金 12:59-13:57 7430 St.Maria di Galeria 250kW 151度
  毎日 13:59-14:45 11650 Madagascar 250kW 335度 #
  火-土 00:59-01:57 15410 Issoudun 250kW 138度
  毎日 01:59-02:45 15410 Issoudun 250kW 138度 #
(WORIG 8/20)

◎英国カーラジオにDAB装備義務づけに
 英国のMike Terry氏によると、英国では9月1日より個人向新車に装備するカーラジオにはDAB受信可能なものを義務づける。カーラジオへのDAB装着率は10年 前には5%であったが、最近は95%に上昇している。なお商用車は対象外となる。原記事はhttps://www.musicweek.com/digital/read/all-car-radios-to-come-with-digital-as-standard-in-uk/080866。(WORIG 8/22)

◎CFVP 6030kHzは送信機修理中
 カナダのHarold Sellers氏が、CalgaryのCFVP局(6030kHz)の技術スタッフから受取った連絡によると、故障していた送信アンテナのアースは復旧した。しかし送信機も故障しており、現在取り外して修理に出している。これが解決したら送信フィダーやマッチングユニットの清掃とインピダンスチェックを行 うことになっている。(WWDXC TP 1436)

◎All India RadioがDRM中波放送の周波数変更
 インドのAlokesh Gupta氏によると、同国のAll India Radioは9月1日より中波DRM放送の周波数を変更する。従来はAMとの同時放送の場合はAM放送の周波数+9kHz、DRM単独放送の場合はAMの 周波数で行っていたが、9月1日以降は双方ともにAMの周波数-9kHzで行う。新しい周波数リストはhttps://qsl.net/vu2jos/drm/loc.htmを参照のこと。(WWDXC TP 1346) 「同時放送」はmulti channel simulcast、「単独放送」はsingle channel simulcastのことを示すものと考えられます。

◎ポーランド長波でベラルシ向特別ニュース放送
 ハンガリーのHorst Mehrlich氏によると、Polish RadioはSolec Kujawski送信所から行われている225kHzの長波放送(国内向第一放送)がベラルシ全土に届くことを利用して、大統領選挙後の混乱が続くベラルシに向けて、8月22日より現地時間の06:30、12:00、22:00にベラルシ語のニュースをこの周波数で放送する。ニュースは海外放送部門のベラルシ語課が特別に制作したもので、情報統制が行われているベラルシ国民に正しい情報を伝えることが目的である。(WWDXC TP 1436) 海外放送は前述のようにRadio Baltic Waves  Internationalより中波で行われています。

◎Radio Purga試験送信状態が継続
  ロシアのAnatoly Klepov氏によると、Radio Purgaは現在もKomsomolsk-na-AmurからのDRM試験送信を継続している。しかも送信方向はヤクート共和国を向いている。現在のスケジュールは以下の通り。出力は20kW。
  05:00-08:00 9850
  08:00-13:00 12025
  13:00-19:00 15735
  試験放送の内容はノンストップの音楽のみである。(WWDXC TP 1436)

◎WBCQとChannel 292が9月8日に5局共同制作番組を放送
 米国のBill Tilford氏によると、米国のWBCQとドイツのChannel 292は9月に各局コラボ番組を放送する予定である。
 Channel 292は9月8日の06:00-07:00に3955、6070、9670kHzで、「Alt Universe Top 40」 (ロック専門局)、「Encore」 (クラシック音楽)、「From the Isle of Music」(キューバ音楽)、「Uncle Bill’s Melting Pot」 (世界の面白い音楽)、「Voice of the Report of the We」(リクエスト音楽と評論)の5局が共同制作した「Showcase 292」を放送する。
 WBCQは9月8日の11:00-12:00に5130、6160、7490kHzで、「Area 51」、「beHAVior night」、「the Lost Discs Radio Show」、「Marion’s Attic」、「Uncle Bill’s Melting Pot. 」の5局が共同制作した「WBCQ Works!」を放送する。
 両局の放送ともに受信報告には各局からeQSLが発行されるが、取得方法は番組内でアナウンスされる。(WORIG 8/23 8/30)

◎IRCA Mexican Log 第23版発行
 IRCA(International Radio Club of America)のPhil Bytheway氏によると、「IRCA Mexican Log 2020-21」(第23版)が発行された。メキシコ国内の中波局について、周波数、コールサイン、所在地(州、都市)、出力(昼間、夜間)、スローガン、放送スケジュール、番組フォーマット、系列についての情報を網羅したもので、コールサイン、所在地、送信所などをキーに検索することもできる。また局 のwebサイト、インターネット放送、facebookと直接リンクするスプレッドシートやスペイン語についての早わかりガイドもついている。A4版59 ページ。pdf形式でhttps://www.ircaonline.org/editor_upload/File /2020-21_IRCA_Mexican_Log.pdfより無料でダウンロード可能である。(WORIG 8/26)

◎カナダの放送局多数が新型コロナウイルスの影響で閉局の危機
 英国のMike Terry氏がThe Canadian Press8月26日号の報道として伝えたところによると、カナダでは40局以上のTV局と200局以上のラジオ局が今後3年以内に閉局せざるを得なくな る見込みである。原因は新型コロナウイルスによる財政収入の減少である。カナダ民間放送連盟(CAB: Canadian Association of Broadcasters)はこれを回避するためには2022年までに10.6億カナダドルの支援が必要であると試算している。最も危機的なのはローカル AM局や独立系のラジオ・TV局であり、地域はカナダ全土に及ぶ。
  CABによれば民間放送局の収入は昨年に比べて年間で3億8300万カナダドルの減少となる見込みで、このままではラジオ局50局以上が今後4~6ヶ月以内に倒産し、18ヶ月に以内では倒産ラジオ局数が150局以上に及び、2000人の放送関係者が職を失う。またTV局では全部で94局ある民間TV局の内 40局が今後1~3年以内に倒産するとしている。CABでは同国のCanadian Radio-Television and Telecommunications Commissionに適切な対応を求めている。原記事はhttps://www.boundarycreektimes.com/business /media-study-says-hundreds-of-canadian-radio-stations-tv-outlets-risk- closure/を参照のこと。(WORIG 8/27)

◎Radio SE-TA 2が短波放送開始に 3版修正・追加
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ドイツのRadio SE-TA 2が短波放送を開始する。送信はSaxony州Hartensteinの自前送信所から6115kHz、1kW、無指向性で行われる。スケジュールは土・ 日曜の19:00-20:00で、言語はドイツ語である。将来もこの送信所から定時放送を継続したい意向である。なお同局はこれとは別に来る10月3日の 19:00-21:00にNauen送信所から6095kHz(125kW、233度)で2時間の特別送信を予定している。同局のChristoph氏によると、将来の放送計画は決まり次第発表する。なお既報のようにNauen送信所からの特別送信は10月3日の後は2021年2月1日の 20:00-21:00、2021年4月3日の19:00-20:00に同じ6095kHz、125kWで行う予定である。受信報告はse-ta @ web.deへ。(WWDXC TP 1437)

 スペインのManuel Mendez氏が同局から受取ったメールによれば放送開始は91日であったものが1010日に延期された。(WORIG 9/8)


◎Deutschlandfunkの「Seefunknacht」公開
 ドイツのRainer氏(DK6ZK)によると、同国のDeutschlandfunkは2015年、「海岸局の夜」という3回の55分番組を土曜日の夜に放送した。20世紀における海岸局の役割や活動についての話で、ラジオファンには興味ある内容である。その全部の録音(ドイツ語)が次のペー ジで公開されている。https://we.tl/t-YWkRSz2HT4。(WWDXC TP 1437) 同氏は20世紀には船舶通信士をしていました。同氏のHPはhttp://www.qrz.com/db/DK6ZKです。

◎短波放送の開始信号を分析
 ドイツのNils Schiffhauer氏(DK8OK)はSimon Browns氏制作の信号分析ソフトを使用し、短波各局のs/on時の信号状況を1ミリ秒単位で分析した。その結果はhttps://dk8ok.org/に公開されている。(WWDXC TP 1437)

◎海峡之声広播電台が周波数・番組改編
 海峡之声広播電台は8月1日より、周波数・番組の改編を行った。内容は以下の通りである。
 ・福州地区にてFM90.6MHzで行われていた「汽車生活広播」(自動車生活放送)を停止し、90.6MHzでは中波666kHzで行われている「新聞広播」を放送するようになった。
 ・福州地区にてFM99.6MHzで行われていた「都市陽光FM」の名称を「海峡之声文化生活広播」に改称し、24時間行われていた欧米音楽番組を中国音楽番組に改めた。
 ・廈門地区にてFM97.9MHzで行われていた「海峡之声総合広播」を停止し、97.9MHzでは中波783kHzで行われている「閩南(アモイ)語広播」を放送するようになった。
 結果として従来5系統あった番組は3系統に整理され。それぞれの周波数は以下の通りとなった。
 新聞広播 666・4940kHz FM90.6MHz(福州)
 閩南語広播 783・4900kHz FM97.9MHz(廈門)
 文化生活広播 FM99.6MHz(福州)
(Cahcn的自留地 8/24)

◎海峡之声英語放送「Focus on China」終了
 米国のRon Howard氏によると、中国福州からの海峡之声広播電台からの唯一の英語放送として2005年より週末に放送されていた「Focus on China」が終了した模様である。最新スケジュール(http://www.vos.com.cn/about/program.shtml)上にも記載がなくなっている。(WORIG 8/29) 8月1日の番組改編と関係があるものと思われます。

◎中国交通広播8月に大増備
 中央人民広播電台は2018年に、2020年末までに第15放送である「中国交通広播」を全国で聞こえるようにするという計画を発表した。その計画に従ってこの8月には次の各局が開局した。すべてFM放送、周波数はMHz。
 8月1日 山東省済南 94.1
    8月7日 広西省南寧 88.7
    8月11日 吉林省長春 90.5
   上記局以外の8月中旬現在の全国のカバー状況は以下の通りである。
 99.6 北京・天津・河北省廊坊・張家口
 101.2   河北省の主要都市
 98.5 河北省雄安新区・西安新区
 90.5 湖南省
 94.8  湖北省武漢
 95.5 上海
 100.6 内蒙古自治区呼和浩特
 103.5 陕西省西安
 106.5  山西省太原
 91.7   甘粛省蘭州
 101.9   寧夏回族自治区銀川
 91.7 新疆維吾爾自治区烏魯木齊
 104.7   河南省鄭州
 101.4  黒竜江省哈爾浜
 87.5 江蘇省
 87.7 四川省成都
 87.5 浙江省(予定)
 100.4 安徽省合肥(予定)
(Cahcn的自留地 8/24)
 
雑誌『メディア展望』に「重要さ増すオープンソース・インテリジェンス」連載開始
 放送研究家でジャーナリストの鳥居英晴氏によると、同氏は新聞通信調査会(https://www.chosakai.gr.jp/)発行の雑誌『メディア展望』に「重要さ増すオープンソース・インテリジェンス」という連載を開始した。英国のBBC Monitoring Service(BBCM)や米国の旧Foreign Broadcasting Information Service(FBIS)の活動について説明している。『メディア展望』は無料で閲覧することができる。9月号サイトはhttps://www.chosakai.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/20200900_705.pdfである。連載第1回は「知られざる米OSEと英 BBCMの歴史と現状」で、30~32ページに掲載されている。(赤林)「オープンソース・インテリジェンス」(open-source intelligence: OSINT)とは公開されている情報を収集・分析する手法を用いる諜報活動のことです。
 
 

出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   SRSB: Shortwave Reception from Sofia Bulgaria
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  
   WRTH FB: World Radio TV Handbook facebook


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