月刊短波2021年1月号(第3版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

謹賀新年

◎4940kHz中南米不明局の正体が判明 3版修正
 
英国のAllan Pennington氏によると、2020年9月より4940kHzに出現してDX界を騒がせている中南米局について、2021年版World Radio TV Handbookでは、コロンビアMaicaoにある「La Montaña Colombia」、出力1kWとしている。Maicaoは南米最北端に当たるGuajira半島のベネズエラ国境近くに位置する町である。受信報告は同国のDXerであるRafael Rodríguez氏(Bogota在住)経由で送るようにとされている。局は宣教師Russell Martin Stendal氏の運営で、ターゲット地域はベネズエラである。そのためベネズエラ時間で放送を行っている。Stendal氏はコロンビア国内で左翼ゲリラに5回誘拐監禁されたが、現在は未開民族やゲリラに対する宣教活動を行っている。資金はカナダの慈善団体Colombia Para Crisco(CPC)が集め、Galcom International社が送信施設と無料の短波受信機を提供している。Galcom社のpodcast「Impact Radio」に同氏が出演し、ベネズエラに向けた放送について語っている。 https://soundcloud.com/user-21912684/nov-21-russell-stendalを参照のこと。なおWRTH2021に記載のURL(http: //www.lamontanacolombia.com)の内容はコロンビアの映画であり、直接はこの局と関係がない。
(WORIG 1/10) 

◎Oromia National Mediaの周波数変更 
3版修正
 NEXUS IRRSより放送されている秘密局「Oromia National Media」は2020年12月7日より周波数を11990kHzから9555kHzに変更したが、2021年1月13日よりは9835kHzに変更する。放送はアファン語、オロモ語。
 火・木・日曜 01:30-02:30 9835 Kostinbrod 50kW 195度
(Ivo Observer 1/12)


◎中国之声DRM試験放送の最新スケジュール 2版新規
 
2020年12月23日更新の中国之声DRM試験放送の最新スケジュールは以下の通りである。なお烏魯木斉局は12月7-27日には停波していた。
周波数kHz 放送時間 送信所 出力kW 送信方向 度 ID 備考
6030 05:25-03:05 北京 30 0 3FF 火曜15:00-18:00休波
9655 07:00-10:00 烏魯木斉 30 98 3EC  
9655 17:00-21:00 烏魯木斉 30 98 3EC  
9870 18:00-21:00 斉斉哈爾 30 203 1 1月に13710kHzより変更 
11695 08:00-18:00 東方 30 41 3E8  
11990 13:00-18:00 斉斉哈爾 30 225 1  
13825 10:00-18:00 北京 30 175 3EA  
13850 09:00-13:00 斉斉哈爾 30 225 1  
15180 10:00-13:00 昆明 30 32 2  
15180 17:00-20:00 昆明 30 32 2  
17770 10:00-18:00 東方 30 16 3E8  
17800 13:00-17:00 昆明 30 32 2  
17830 10:00-17:00 烏魯木斉 30 98 3EC  
(Cahcn的自留地 12/23)(Ivo Observer 1/8) 

◎Unique Radio Australiaの最新スケジュール

 Unique Radio AustraliaのAussie Tim氏によると、同局の最新スケジュールは以下の通りである。
  月曜 01:00-03:00 3210  18:00-21:30 3210USB
  金曜 18:00-21:30 3210USB
  土曜 16:30-20:30 5045USB
  日曜 04:00-05:00 3210USB  15:00-20:30 5045USB
(WORIG 11/30)

◎短波がなくなってもカットされるRCIの予算
 英国のMike Terry氏によると、CBCは2012年の短波廃止後も細々と残っているRadio Canada International(RCI)の予算を更にカットすることになった。結果としてRCIの職員数は現在の20人から9人に削減される。カナダの状況を伝えるには放送の必要はなく、webサイト上での文字表示で十分である、CBCの国内向放送は英語・フランス語で放送されているので、この2言語は不要というのがその理由である。元記事はhttps://www.rcinet.ca/en/2020/12/03/canadas-public-broadcaster-announces-new-cuts-to-radio-canada-international/を参照のこと。(WORIG 12/6)

◎Global Radio Guide第15版発行
 Teak PublishingよりGayle Van Horn著「Global Radio Guide」の第15版(B20対応版)が発行された。各地域別の短波放送局の紹介やお勧め番組、衛星放送受信、短波放送の音楽番組、1922年のラジオ放送、長波・超長波帯の紹介、SDR受信機購入ガイド、ポータブルBCLラジオ、短波ユーティリティ周波数帯のモニター、各局周波数表、短波放送界のニュース、QSL取得ガイド、DX番組ガイド、時刻別英語短波放送番組表など豊富な内容で、廃刊されたPassport to World Band Radioのような感じがする。738ページ。図版多数。AmazonのKindleストアから電子書籍としてダウンロードできる。価格は税込 US$8.99、日本アマゾンでは\938前後。(赤林)

Global Radio Guide 第15版(2020-2021)



◎パキスタンDRM受信可能なカーラジオを義務化か

 英国のMike Terry氏によると、Pakistan Broadcasting Corporation (PBC) は、政府にDRM受信可能なカーラジオの義務化を要請した。PBCは同国のAM放送及びFM放送をすべてDRM化する方針で、この方針に沿って同国産業生産省の推進する「自動車産業発展輸出計画2021-26」に方針を明記することを目指す。新車に義務づけ、販売済みの車のカーラジオも取り替えることを狙っている。元記事はhttp://www.asiaradiotoday.com/news/pakistan-policy-mandate-drm-all-new-carsを参照のこと。(WORIG 12/7) カーラジオは中国製なので中国の支配力が強まりそうです。
 
◎「短波」誌元発行人死去
 https://news.yahoo.co.jp/articles/78b965ef6dc39bf21a0c5dbc03a4175862a39cf0によると、旧日本BCL連盟より発行されていた「短波」誌の初代発行人であった御木貴日止氏が2020年12月5日に死去した。63歳であった。(TDXC 長谷川眞也氏)御木貴日止氏は1983年にPL教団の3代目教主となりましたが、2007年に脳の疾患で倒れ療養中でした。

◎KTWR日本向DRM放送のスケジュールを変更
 KTWRは1月から日本向け日本語DRMの放送スケジュールを変更する。KTWRのAsia Broadcast Technical Operations DirectorであるMike Sabin氏からのE-mailによると、日本向DRM放送のスケジュールを次のように変更する。毎週日曜日21:45-22:15 7500kHzの放送は2020年12月27日が最終放送となり、2021年1月からは毎週土曜日20:30-21:00 9910kHzとなる。最初の土曜日の放送は1月9日から開始となる。DRM放送の送信電力は90kWから50kWに下げられるが、アンテナの送信角は320度から350度へと変更されて日本方向に向いたビームとなるため、むしろ強い電波が届くようになると期待される。受信報告はE-mailで、ktwrdrm @ twr.orgへ。DREAMで作成でされるLOGファイル等を添付することが望ましい。 (大阪府 影山敦久氏)

◎KTWR DRMで新DX番組 ~毎週日曜日
 インドのArun Kumar氏によると、同氏はKTWRのために5分間のDX番組「DXers Diary」を制作することにした。この番組は2021年1月3日より毎週日曜日の19:26-19:56に13800kHzで放送されるKTWRのDRMモード放送の中で行われる。この番組へのレポートはdxersdiary @ gmail.comへ。(WWWDXC TP 1449)
  
◎KTWR新年からスケジュール変更
 グアムのKTWRは2021年1月3日より、以下のスケジュール変更を行う。
 土曜 20:30-21:00 9910DRM 50kW 350度 日本語
 月-金曜 21:45-21:55 12040 100kW 290度 ヒンズー語・英語
 毎日 21:45-22:00 11590 200kW 285度 FEBA-India(日-水 英語、木ー土 マラヤラム語)
    日曜 22:15-22:30 11590 200kW 285度  FEBA-India(バトリ語)
(Ivo Observer 12/10)

◎Trans World Radioのロシア向中波放送の3周波数
 RUS-DX 12/6によると、Trans World Radioでは、999kHz(Grigoriopol送信所、500kW)でロシア方面向ロシア語・ウクライナ語・ベラルシ語の放送を03:30-05:00でB20に実施する。但し放送時間は変わることがある。また864kHz(Yerevan Gavar送信所、1000kW)では火-土曜日の01:25-02:55に中央アジア・コーカサス方面向けのロシア語放送を実施する。更に612kHz(Bishkek送信所)からは中央アジア向に火ー日曜の00:45-01:30及び月曜の00:45-01:00にロシア語放送が行われる。元記事は「RADIO」誌11/23に掲載されている。https://ftp.radio.ru/pub/2020/11/23.pdf。 (WWDXC TP 1449)

◎ブラジルDRM試験送信の詳細
 カナダのRichard Langley氏が得た情報では、ブラジルのRadio Nacional da Amazoniaが11910kHzで行っているDRM試験送信について、使用しているアンテナはHRS社製ダイポールカーテンアレイ4/4/0.5で、アンテナ自体の送信利得が20dB以上ある。送信機はブラジルBT社製SW2K5で、出力はわずか1.12kWだがDRMの特性で広大なエリアをカバー可能で、米国でも既に受信・復調されている。試験放送中は短波放送の資源を集中している模様で6180kHzでは出ていない。(WWDXC TP 1449)

◎Korches-Radio情報
 ドイツのBernd Seise氏によると、同国のKorches-Radioは毎月第1及び第3日曜日の20:00-21:00にChannel 292(Rohrbach送信所)より6070kHzで放送している。受信報告はSabrina Sander-Petermann, Erlenweg 4, 96264 Altenkunstadt, GermanyまたはメールでQSL @ Korches-Radio.deへ。(WWDXC TP 1449) URLはhttp://www.korches-radio.de/で、ここからコンタクトすることもできる。

◎B20 DRM放送スケジュール
 英国のMike Terry氏によれば、世界の30局以上のDRM短波放送B20スケジュールがHFCCのページに掲載されている。http://www.hfcc.org/drm。
 また2020年のDRM放送の概況報告(2020 DRM Review)がhttps://www.drm.org/wp-content/uploads/2020/12/DRM-Review-2020.pdfで入手できる。(WORIG 12/11)

◎VOAの混乱続く
 AP通信によると、USAGMにトランプ政権から送り込まれたMichael Pack氏は新政権と対決する方針であり、配下のVOA職員には恐怖と混乱が広がっている。 Pack氏はVOAの要職者を次々と解雇したが、解雇無効や報道の自由侵害の訴訟を起こされて敗訴が続いている。バイデン政権はPack氏に即時辞任を求め、解雇者を復職させる方針だが、Pack氏はこれを拒否、更に多くの職員を解雇し、また大統領権限が及ばない側近を次々と起用して徹底抗戦の姿勢を強めている。12月9日にはVOAの局長であったベテランのElez Biberai氏を降格させ、超保守派の評論家Robert Reilly氏を就任させた。Reilly氏は報道の真実性より国威の発揚を重要視する立場で、従来のVOAの報道姿勢とは異なる意見を有する。元記事は https://www.seattletimes.com/nation-world/nation-politics/appointment-of-new-voa-chief-raises-fears-for-us-broadcaster/を参照のこと。(WORIG 12/10)  Pack氏は2020年12月にVOAの他、RFA、Middle East Network、RFE/RL、Office of Cuban Broadcastingの局長も次々に入れ替えています。

◎VOIが国民歌「Bagimu Negeri」を使用
 米国のRon Howard氏によると、Voice of Indonesia(3325kHz)は英語やインドネシア語の番組間にインドネシアの国民歌「Bagimu Negeri」(我が国土を)を多く放送するようになった。メロディーはhttps://www.youtube.com/watch?v=wIep7XkDPL8を参照のこと。(WORIG 12/10) 国歌「大インドネシア」とは異なります。

◎KVOH Voice of Hope Americaの新スケジュール
 KVOH Voice of Hope Americaの12月11日以降のスケジュールは以下の通りである。何れも中央アメリカ向、Rancho Sim送信所、100kW、100度。
 火-日曜   09:00-11:00 9975 スペイン語
 火-日曜   11:00-16:00 9975 英語
(Ivo Observer 12/12)

◎コロンビアの放送歴史サイト
 コロンビアのRafael Rodríguez氏によると、同国で最初の無線局Morato無線局がEngativáに開設されたのは1923年4月12日、最初のラジオ放送HJN(Bogotá)とLa Voz de Barranquillaが放送を開始したのは1929年のことである。これらの放送の歴史や録音を取り扱ったサイト「コロンビアにおける放送の先駆者達」が開設されている。https://www.senalmemoria.co/pioneros-de-la-radio-colombia?。 (Arctic Radio Club mv-eko 12/14 via WORIG 12/14)

◎1960年代沖縄の米軍第6927移動通信部隊の写真公開
 1960年代に沖縄恩納村にあった米軍第6927移動通信隊(6927th RSM)に勤務していたCarl Masthay氏が撮影した当時の通信基地内部や周辺の261枚にわたるカラー写真が公開されている。当時の通信設備、沖縄の風俗、VOAの送信所等が 写っており貴重な記録である。http://6927.53merc.com/photos/carl-masthay/index.html。 (Arctic Radio Club mv-eko 12/14 via WORIG 12/14)

◎AIR External Serviceの英語放送大半がなくなる
 米国のAndy Reid氏によると、All India Radio・External Serviceの英語放送の内、欧州・アフリカ・豪州・アジア向の大半が中止されており。現在定期的に受信できるのは東アジア向19:00 15410DRMと欧州向02:45 7550DRMのみである。双方共DRM放送で、英語放送の時間は10分間である。(WORIG 12/18)

◎Radio Educacao Rural中波廃止後も短波は残る
 ブラジルのLucio Bobrowiec氏によると、同国のRadio Educação Rural de Tefe (別名Radio Rural)は2020年12月7日に中波の1270kHzを廃止しFM93.9MHzに変更した。同局は過去55年間中波で放送を行ってきた。なお中波廃止後も短波の4925kHzは残存している。(WWDXC TP 1450) URLはhttps://www.radioruraltefe.com.br/。



◎RFIがMandingo語及びFulfulde語放送を強化
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、RFIは2020年12月24日よりアフリカ西部向のMandingo語(従来週末のみ2時間の放送であった)及び Fulfulde語(従来1時間の放送であった)の放送を強化する。新スケジュールは以下の通りで毎日放送される。送信所はIssoudun、出力は 500kW。
 Mandingo語:  16:00-16:30 9710 198度 17:00-17:30 15445 198度  21:00-21:30 17815 198度  02:00-02:30  11780 200度
 Fulfulde語: 16:30-17:00 11875 180度  17:30-18:00 15445 180度  22:00-22:30 17860 180度  02:30-03:00 11780 180度
 ドイツのHansjoerg Biener博士によれば、Fulfulde語はアフリカ中部で広く話されている言語で、約5千万人の潜在リスナーがいると言われている。国は異なっても同じ言語を話す人々がRFIの朝のニュースで目を覚まして共通の正しい認識を持ってもらうことが強化の狙いである。放送内容はニュースの他、教育、経済、 環境、男女平等、健康など多岐に渡る。(WWDXC TP 1450)



◎All India Radio国内向放送を再編
 インドのJose Jacob氏によると、2021年1月1日より、All India Radioは中波・FMの国内向放送を再編する。国内各州・各地域(Jammu & Kashmir、Chandigarhを除く)はそれぞれ独自の放送網を有することになる、2020年12月末迄は自局制作番組と首都New Delhiの本局で制作された全国番組を放送するが、1月以降番組はすべて各州・各地域の主都にある放送局で制作され、必要に応じて他の放送局が中継する体制となる。ラジオには現在のVividh Bharatiの他9つの地域娯楽チャンネルが新設される。詳しくはhttps://www.deccanherald.com/national /all-india-radio-all-set-for-rebranding-streamlining-of-services-925631.htmlを参照のこと。(WWDXC TP 1450)

◎Mike Radioスケジュール変更
 オランダのMike Radioは2021年1月1日よりスケジュールを変更する。新スケジュールは以下の通り。
 毎日 24H 5810 Heerde送信所 1kW 無指向性 欧州西部向オランダ語・英語
 金・土曜の6195kHz、月ー木曜の6205kHzは廃止される。(Ivo Observer 12/21)

◎Radio Free Asiaから丑年QSL
 Radio Free Asiaは2021年の干支である丑のQSLカードを発行する。丑年に生まれた人は親切で、思いやりがあり、論理的で、積極的で、常識があり、地に足がついた生活を行うとされている。また家庭を快適にしたり安全にするために一生懸命働き、知的で意思堅固だという。このQSLカードは2021年1月1日~4月30日の受信報告に対して発行される。受信報告はhttp://techweb.rfa.orgから直接、またはE-mailでqsl @ rfa.org、ないしは郵送で受け付ける。(RFA Andrew Janitschek氏)丑年生まれの人はいいことづくめの筈なのですね!

カードのデザインはRFA職員のBrian Powell氏(「丑」ではなく闘牛の「牛」のようで何とも西洋的だ!)



◎WAVESCANの過去アーカイブ公開
 米国のRay Robinson氏によると、AWRで長年放送されているDX番組WAVESCANの過去20年分の原稿がアーカイブとして公開されている。http://www.ontheshortwaves.com/Wavescan/wavescan.html。(WORIG 12/22)

◎Radio VanuatuがQRT中
 ニュージーランドのBryan Clark氏がRNZPのTechnical ManagerであるAdrian Sainsbury氏から聞いた話では、VanuatuのPort VillaにあるVTBC(Radio Vanuatu)の短波放送は送信機の故障で現在送信停止中である。補修部品を発注しているところだが、新型コロナウイルスの影響で海外からの送付が遅れている状況である。修理後は以下のスケジュールで放送することになる。
 19:00-04:00 2485  15:00-19:00 3945  04:00-05:00 3945  05:00-09:00 5040  06:00-10:00 5055  10:00-16:00 7260(ドイツ  Wolfgang Bueschel氏)

◎Winter SWL Festival 2021はオンライン開催か?
 NASWA(North American Shortwave Association)のRich D`Angelo氏によると、恒例行事である「Winter SWL Festival」について、2021年は新型コロナウイルスのため、従来の集合形式の大会は中止することが決定された。現在NASWAでは大会をZOOMによりオンライン開催ができないかを検討中である。もしオンラインで開催することになれば、期日は予定されていたものと同じ2021年2月26-28日になる。近日中にNASWAから詳しいアナウンスメントが出されることになるので注目のこと。(WORIG 12/23)

◎米国の無線史アーカイブ
 英国のMike Terry氏によると、米国の無線史を形成する雑誌や本などの資料を電子化した「American Radio History」が公開されている。https://worldradiohistory.com上で閲覧・ダウンロードが可能である。(WORIG 12/24)

◎旧DW Trincomallee送信所をEncompass社が利用に 
 インドのAlokesh Gupta氏によると、スリランカ北東部Trincomalleeにある旧Deutsche Welle(DW)中継送信所の送信時間を英国のEncompass Digital Media社が購入することになった。この送信所はDWが1980年に主として短波中継用に建設したものだが、南アジア向の中波送信設備も有している。原記事はhttps://economynext.com/sri-lanka-to-sell-airtime-on-ex-dw-relay- station-to-encompass-digital-media-77342/を参照のこと。(WORIG 12/29)

◎ベルリンの旧米軍放送が送信終了
 英国のMike Terry氏によると、1945年以来75年に渡り放送を継続してきたドイツ・ベルリンの旧米軍局「KCRW Berlin」が12月中旬に送信を終了した。現在この局に番組を提供している米国カリフォルニアのKCRWが新型コロナウイルスで経営困難に陥ったというのが第一義的な理由だが、米国のトランプ政権とドイツ政府の間に溝が深まりつつあり、米国が局の存在価値を見限ったという見方もある。
 同局は連合軍が勝利した1945年夏Berlin-Dahlemに設置された送信所からAmerican Forces Networkとして放送を開始した。欧州に国営局しかなかった1950年代にロック音楽を流す英語局は大きな人気を博し、鉄のカーテンを隔てた東側共産主義諸国には西側の文化を象徴する「武器」としても作用し、戦後最も有効で成功した米軍放送として評価された(当時の註独米国大使John Kornblum氏)。
 冷戦が終結し、ベルリンから米軍が撤退した1990年代に一時閉局されたが、2000年代となり米国文化をドイツに伝える目的で放送が再開された。当初は米国のNPRが番組供給を行っていたが、2017年にカリフォルニア州のKCRW局が番組供給を引き継ぎ、「KCRW Berlin」として放送を継続してきた。原記事はhttps://www.politico.eu/article/us-radio-station-kcrw-berlin-closes/。(WORIG 12/29) ベルリンのWinterfeldtstraße送信所より104.1MHz 600Wで送信されていました。https://kcrwberlin.com/上ではpodcastが提供されています。




◎RNZPのDRM放送の変則送信
 Radio New Zealand PacificのDRM放送は時によってオーディオが載っていない場合がある。これについて同局のAdrian Sainsbury氏は次のように説明している。DRM放送はターゲット先の放送局が良好な音質で中継するために送出されている。サイクロン等の影響で現地放送局が中継困難な場合は、送信機の養生のためにDRM放送を停止したりオーディオを載せない場合がある。Rangitaiki送信所には100kW送信機が2基あるが、内1基は導入後30年以上を経た老朽機でバックアップ用となっており、事実上1基のみ(2006年導入)で運用しているからである。 (NZ DX Times 2021年1月号 via WORIG 12/29)

◎韓国中波局の動き
 韓国ソウルに駐在しているChris Kadlec氏によると、韓国の中波局には以下の様な動きがあった。
 630kHz KBS順天(순천、スンチョン)第一放送は2020年5月23日より6ヶ月の予定で停波に入ったが、6ヶ月を経た11月23日以降も停波したままである。
 810kHz  MBC大邱(대구、テグ)は2020年2月1日より一時停波中で、現在も続いている。
 990kHz  MBC昌原(창원、チャンウォン)は送信塔近くの開発工事の関係で長らく停波中である。当初2018年7月迄の予定であったが現在に至るも停波したままである。局に問い合わせても回答はない。
 1134kHz  KBS서울(ソウル)第三放送は2020年9月15日より送信機の取替のために停波中である。当初12月4日に送信再開とされていたが、12月5日現在停波が続いている。
 1188kHz  FEBCは送信所を京畿道安山市に属する黄海上の島である大阜島(대부도、テブド)に移転し、2020年10月12日より運用を開始し た。正式な位置は北緯37度13分14秒3、東経126度33分29秒1である。同島にあるユニバーサルスタジオパークの西側になる。
 1332kHz  MBC忠州(충주、チュンジュ)は2020年5月1日より1年間の予定で停波中である。再開は2021年5月1日となる。
 1350kHz  MBC三陟(삼척、サムチョク)は2018年に送信所周辺の開発工事のために一時停波し、送信所を北緯37度27分43秒7、東経129度08分26秒8の地点に移転して放送を再開している。
 1440kHz AFN平沢(평택、ピョンテク、在Camp Humphreys)はソウルの旧AFN龍山(ヨンサン)が1530kHzで使用していた5kW送信機を転用して使用している。ソウル北郊のAFN Camp Casey(1197kHz)も2018年2月15日に閉局したため、ソウル周辺や38度線付近にはAFN局はなくなった。AFNは平沢の他に群山(クンサン) と大邱(テグ)に残っている。
(NZ DX Times 2021年1月号 via WORIG 12/29) FEBCの大阜島送信所は広さ4万8千平米、2本のマストで出力100kW。250kW新型送信機を設置すると言われていましたが、旧芳山送信所から100kW送信機を移転して運用しているのか、新250kW送信機を減力して使っているのかは不明です。これに伴いQSLカードも新送信所の図柄のものに変更されています。

◎HCJB日本語放送BCL新年対談
 HCJB日本語放送は2021年の新年対談として、JSWC(日本短波クラブ)理事の大武逞伯氏と赤林隆仁氏との対談を1月2日(前半)及び1月9日(後半)の2回に渡って放送する。これは「BCLの神様」故山田耕嗣氏の誕生日に当たる昨年12月17日に収録されたものであり、2020年のBCL界を 振り返り2021年の期待を語る。番組への受信報告に対してはHCJB日本語放送からこの番組の収録風景を扱った1月のQSLカードが発行される他、 JSWCからは2021年丑年のQSLカードが発行される。JSWCからのQSLカードは、eQSL希望の場合にはE-mailでjswcqsl @ live.jpへ、報告書にはローマ字の氏名を明記することが必要である。印刷したQSLカードを希望する場合にはSAS(E返信先住所氏名を記入し84 円切手を貼った封筒)及び印刷経費ととして84円切手を同封し、〒248-8691 鎌倉郵便局私書箱44号 JSWC QSL係へ受信報告を送付する。(JSWC) 放送は07:30-08:00 15410 20:00-20:30 11905で行われます。

◎Radio Iran International周波数変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、イラン向秘密局Radio Iran Internationalが12月21日に周波数を6270kHzから5830kHzに変更した。現在のスケジュールは20:00-13:30 5830kHz(Yerevan-Gavar 100kW 100度)ペルシャ語である。(WWDXC TP 1451)
 
◎AIR-Kurseongの短波送信機入札は延期に
 インドのJose Jacob氏によれば、12月8日にAIR-Kurseongの50kW短波送信機の入札がキャンセルされたと報じられたが、これは「大きな仕様変更が生じ、費用の見積りをやり直す必要があった」からと説明されており、短波送信機を導入しないのではないことが判明した。
 同国のAlokesh Gupta氏によると、同局に導入される50kWDRM短波送信機の新たな入札仕様書が12月28日に公開された。 http://prasarbharati.gov.in/tenders/Engineering_193805.pdfを参照のこと。(WWDXC TP 1451)

Kurseongの丘上にあるAIRのアンテナ群(Wikipediaより)



◎KBS英語放送新型コロナ感染で番組に影響

 英国のAlan Pennington氏によると、韓国KBS World Serviceの英語部門では番組制作チームのメンバーの一人が新型コロナウイルスに感染した。チーム内への蔓延を防止するため当面「Korea24」と 「K-POP Connection」の番組を年末年始は停止し、「Korea24」は特別番組に置き換え1月4日に再開、「K-POP Connection」は過去の番組の再放送を行い、1月8日に再開されることになった。(WWDXC TP 1451)

◎Al-Waad Radio
 米国のRalph Perry氏によると、AWRのアラビア語サービスである「Al-Waad Radio」はレバノンBeirutのスタジオで制作されており、独自のQSLカードを発行している。同局のURLはhttp://www.al-waad.tv、E-mailはalwaad @ awr.orgである。(WWDXC TP 1451) Al-Waadは「約束」の意味。統括するAWRの本拠地は英国で、スケジュールは14:00-15:00 17790 15:00-16:00 11880 16:00-17:00 11980 03:00-04:00 11955 04:00-05:00 6120 04:00-05:00 11985。




◎中国華藝広播公司の中波放送復活
 福建省から台湾・香港・マカオ・東南アジア向に放送している中国華藝広播公司(873kHz、6185kHz、107.1MHz)は、送信機のアップグレードのため中波の873kHz(200kW)を2020年10月13日以降停波していたが、このほど再開した。2020年12月26日~2021年1月31日までは17:00-23:00のみに試験放送し、2月11日(春節の前日)以降は毎日05:00-23:00の放送となる。この期間は短波 6185kHz(15kW)、FM107.1MHz及びインターネットhttp://www.chbcnet.comでカバーし、番組内容に影響はない。(Cahcn的自留地 12/31)公式放送時間は05:00-24:00(水曜11:00-17:00は機器検査のため休止)。

◎大圏地図作成サイト
 Medium Wave News 2021年1月号によると、任意の地点を中心とする大圏地図を作画できるサイトが提供されている。http://www.wm7d.net/az_proj/az_html/azproj_form_short.shtml。(WORIG 12/30)





台湾国際放送からの年賀状


出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   SRSB: Shortwave Reception from Sofia Bulgaria
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  
   WRTH FB: World Radio TV Handbook facebook


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