月刊短波2021年6月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


◎Radio Thailand日本語放送終了宣言 ~反対のメールや手紙を! 4版新規
 
Radio Thailandは6月30日で日本語放送を終了すると急遽発表した。今までもこういう事があったが、きちんと抗議しておかないと日本の重要さが理解してもらえなくなる恐れがある。日本語を含む部門を見ているのはMs.Kimであったが、現在も同じと思われるので、彼女宛に反対のメールを英語で送るのが効果的である。宛先は《rthworldservice @ gmail.com》または《radiothailand @ prd.go.th》である。また駐日タイ国大使館(〒141-0021 東京都品川区上大崎3-14-6、またはhttp://site.thaiembassy.jp/jp/contact/)に請願の手紙またはメールを送るのも有効である。(JSWC 大武逞伯理事)6月14日の放送で急遽通告されました。その録音がNDXCによりhttps://www.youtube.com/watch?v=jbAFjHs55KI上で公開されています。現在のスケジュールは22:00-22:15 9390kHz。

◎BBC WS真冬の南極向特別放送 4版新規
 英国のAllan Pennington氏によれば、毎年行われているBBC World Serviceによる真冬の南極向特別放送「Antarctic Mid Winter Broadcast」が今年も6月22日(火)の06:30-07:00に6035(Dhabayya)・6170(Ascension)・7305(Woofferton)・9505(Woofferton)kHzで実施される予定である。この番組はBoffin Mediaの制作によるもので、南極の英国基地にいる観測隊員35名に向けたものである。(WWDXC TP 1469)

◎WRMIがComb Stereo送信の試験を実施 ~短波でステレオ放送 2版新規
 
米国のGlenn Hauser氏によると、WRMI局は6月5日より毎週土曜日の10:45-11:00に5850kHzでComb Stereoの試験送信を実施する。放送で聞こえた信号内容を録音して、デコードソフト「CSDecoder」と「Virtual Audio Cable」を搭載したWindowsパソコンにオーディオ入力すると、  内容は2分間のCNNニュースと12.5分間の音楽がステレオで再生できるというものである。短波放送でステレオ受信を実現する方法の一つで、音質はFM放送以下だが雑音のないステレオ音声が聞こえてくる。詳しくはhttp://www.radiogumtree.comを参照のこと。またCSDecoderの入手とそのインストール方法についてはhttps://rnei.org/stereo/及びhttps://swling.com/blog/2021/05/guest-post-listening-to-comb-stereo-on-shortwave/を参照のこと。(WORIG 6/2)

◎ADXR6月号発行 ~中華ラジオ5機種レビュー 2版新規
 
インドIndian DX Club InternationalのSandipan Basu Mallick氏によると、Asian DX Review(ADXR)の6月号が発行された。今月号では中華ラジオ5機種徹底レビューを掲載している。無料でhttps://idxci.in/wp-content/uploads/2021/06/ADXR-Volume-39-No-560-June-2021.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 6/2)

◎A21 WRTH Bargraph Frequency Guide発行

 A21スケジュールに基づいて、周波数別のバーグラフスケジュールを掲載したA21 WRTH Bargraph Frequency Guideが発行された。対象は長波・中波・短波の国際放送及び短波の国内向放送である。CD版とオンライン版(ダウンロード)がありどちらも £9.99(CD版は送料込)である。http://www.wrth.com上で注文・ダウンロードが可能である。(WRTH 5/22)

◎2021年EDXC会議は延期 ~新型コロナの収束見えず
 2021年9月に予定されていたEDXC(European DX Council)会議は、①新型コロナウイルスの収束が明確に見えず、多くの国で入出国制限が続いていて、移動や旅行が困難であったり多くの費用がかかったりする、②メンバーの中にも懸念する意見、出席不能との意見が多かったこと、③この種の会議が突然禁止される可能性があること、などから2022年5月に延期することになった。詳細は今後決定・発表する。出席希望者はそれまで健康に留意してお待ち願いたい。なお代替措置として夏(期日未定)にはZOOMミーティングを再び開催する予定にしている。原記事はhttps://edxcnews.wordpress.comを参照のこと。 (EDXC事務局)ルーマニアの首都Bucharetで開催される予定でした。
 
◎IRRSが長波207kHzで放送を計画
 英国のMike Terry氏らによると、イタリアのIRRS(Italian Radio Relay Service)は長波の207kHzでも放送することを計画しており、送信試験を実施したが、送信アンテナが短かすぎて満足な結果は得られなかった。現在は300m長のアンテナを建設中である。(WORIG 5/1)
  英国のMike Barraclough氏によると、長波の送信所は918kHzで出ている中波の送信所と同じ場所、すなわちPadva近郊のVilla Estenseである。送信出力は1kW。AM-Italia(http://www.am-italia.it)の番組を流す見込みである。 (WWDXC TP 1465)

◎キューバの旧ソビエトレーダー基地
 ロシアのRoman Lipovskaya氏によると、1970-1992年にキューバへ設置されていた旧ソビエトのOTHレーダー基地に関する報告が、当時の写真とともに 「キューバのソビエト人」サイトで公開されている。https://cubanos.ru/news/news228。旧基地はその後情報科学大学の敷地となっている。位置は北緯22度59分25秒76、西経82度27分52秒90である。(RUSDX 5/2 via WWDXC TP 1464)

◎Bayto Yiakl USAスケジュール変更
  米国のエリトリア向秘密局Bayto Yiakl USAが放送時間・周波数を変更した。新スケジュールは以下の通り。
 木・日曜 01:20-02:00 11760 Issoudun 250kW 125度 ティグリナ語
(SW Bulgaria Blog 5/2)

◎ケルンのDWタワー完全に解体
 オーストリアのWolfgang von Poellnitz氏によると、1970年代にDeutsche Welleの本部としてケルンの建設された3棟からなる「DWタワー」の解体がこのほど実施された。当時は隆盛を誇ったDWの本部として威光を放っていたが、内部に有毒なアスベストが大量に使われていることがわかり2003年に使用が停止され放棄された。(WWDXC TP 1464) 一世を風靡したBCLの象徴がまた消えました!解体の様子はhttps://www.ksta.de/koeln/baustelle-der-superlative-so-wird-das-ehemalige-funkhaus-der-deutschen-welle-zerlegt-33610044?cb=1622117694515を参照して下さい。

ありし日のDW Tower(1990年代発行のDWのQSLカードより)


◎IRRSが918kHzにQSY
 イタリアのIRRSは4月28日より中波放送の周波数を594kHzから918kHzに変更した。放送時間は04:00-08:00。欧州中部及び北部での受信状態改善が目的である。(WWDXC TP 1464)

◎メキシコXEPPMよりeQSL
 イタリアのAntonello Napolitano氏によると、メキシコのXEPPM Radio Educación(6185kHz)は現在eQSLを発行している。返信はMaria del Pilar Cruz Luisさんより来た。彼女のメルアドは<pcruz @ cultura.gob.mx>、実際に受信報告を送ったメルアドは<asolorzano @ cultura.gob.mx>、<ymorales @ cultura.gob.mx>、<ondacorta @ cultura.gob.mx>であった。彼女によると上記メルアドの内pcruz~とondacorta~が有効とのことである。 (WWDXC TP 1464)

◎ルーマニアの短波送信機2基が故障
  オーストリアのPaul Gager氏によれば、ルーマニアの短波送信所を管理するRadiocomは、Radio Romania International(RRI)の送信所にある短波送信機5基の内2基が故障していることを4月27日に発表した。故障した1基は Bucharest近郊のTiganesti送信所、もう1基は同国東部のBacau Galbeni送信所のものである。2基の故障でRRIの送信スケジュールにかなり大きな影響が生じている。原因は技術上のもので、鋭意修理中だが修理が完了するまではインターネット放送や衛星放送も併用して欲しいとしている。 元情報はhttps://www.rri.ro/de_de/senderausfall-2636155を参照のこと。(WWDXC TP 1464) 
 米国のStephen Luce氏によると、故障より1ヶ月を経てもTiganesti送信所は回復しておらず、信号は入感していないか非常に弱い状況である。Galbeni送信所は改善されている模様である。同局のHP上には何も言及されていない。(WORIG 5/26)
    1日3回出ている筈の同局のロシア語放送は現在22:00-22:54の1回のみが行われている。周波数は13160kHzのみで、パラで出ている筈の6190、11940、11810kHzは4月中旬以降出ていない。(RUS-DX 5/30 via WORIG 5/30)
    ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、Bucharest近郊32kmにあるTiganesti送信所の#1送信機が故障している模様である。時刻によっては東部にあるGalbeni送信所でカバーできるので、1波だけのロシア語放送はここから出ているのであろう。Tiganesti送信所には2007年に米国Continental社製の300kW短波送信機3基が設置されており、37/217, 97/277, 157/337 度方向に送信可能な21のカーテンアンテナから送信されている。(WWDXC TP 1467)

◎St.PetersburgのJamming Radio Center跡地利用決定
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、旧ソ連時代に西側から放送に対してジャミングをかけていたSt.PetersburgのJamming Radio Centerの跡地利用がこのほど決定した。跡地はVolodarsky橋近くの中島にあり広さは23haもある。土地は現在ロシア国家ラジオTV放送網の所有になっているが、これを政府住宅土地利用公社に譲渡することで再開発を行うことになった。元記事はhttps://vk.com/radioreceiver?w=wall-163779953_50856%2Fallを参照のこと。(RUSDX 5/2 via WWDXC TP 1464) 当時の写真についてはhttp://www.radiojamming.puslapiai.lt/photo.htmを参照して下さい。

◎チェルノブイリの旧レーダー基地「Duga」保存へ ~世界遺産化目指す
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、ウクライナの文化情報相は4月21日、同国チェルノブイリにある旧ソ連のレーダー基地「Duga」を文化財として保存し、UNESCOの世界遺産登録を目指すことを発表した。同基地は1986年のチェルノイブイリ原発事故により活動を停止したまま放置されていた。同基地には高さ100mのアンテナ群が多数存在し、ソ連当時900-3000km離れた敵に対する電波妨害に使用されていた。2019年からは見学者に開放されている。元記事はhttps://vk.com/radioreceiver?w=wall-163779953_50801%2Fallを参照のこと。(RUSDX 5/2 via WWDXC TP 1464) 旧原発跡地も含めて負の世界遺産登録を行い、2023年の指定実現を目指しているとのことです。

巨大な鉄塔群が立ち並ぶ旧Dugaレーダー基地(Wikipediaより)


◎BBC国内向中波局も続々と廃止
 英国のRobert M. Hopkins氏によると、BBCはこのほど国内向中波局10局を廃止した。その中には855kHzの「BBC Radio Lancashire」、999kHzの「Greatest Hits Lancashire」が含まれ古い聴取者には惜しまれている。「Greatest Hits Lancashire」は代替措置としてBlackpoolの96.5FMで受信するように推奨されているが、999kHzと比べてカバー範囲が狭く苦情が出ている。(WWDXC TP 1464) DABでは放送チャンネルが減らされ従来のようには受信できないと氏は嘆いています。

◎Shortwave Radiogramの最新スケジュール
 Shortwave RadiogramではMFSK32/64モード等で文字やイメージを送っている。最新の送信スケジュールは以下の通り。
 金曜 08:30-09:00 9265 WINB 22:00-22:30 15770 WRMI
    土曜 00:00-00:30 15750DRM WINB 09:00-09:30 9955 WRMI 11:30-12:00 9265 WINB 22:30-23:00 15770 WRMI
    日曜 109:00-11:00 9925 Mighty KBC 17:00-17:30 5850 7730 WRMI
    月曜 08:30-09:00 7780 WRMI
    詳細はhttps://swradiogram.net/を参照の事、受信報告は<radiogram @ verizon.net>へ。(WORIG 5/6)
 
◎Carnarvon Space and Technology Museum
 オーストラリアのCraig Seager氏によると、同国西オーストラリア州Perthの北900kmの熱帯地帯にCarnarvonの町がある。この町には米国アポロ計画用の追跡基地が1964年から1975年迄設置されていた。その跡地にCarnarvon Space and Technology Museumが開設されており、アポロ計画関連の展示物がある。この町にはRadio Australiaの臨時短波送信所が設置されていたこともあった。Darwin送信所の送信施設が1974年12月のサイクロン「Tracy」のよって 吹き飛ばされて全壊した時に、臨時の代替送信所としてBrown Boveri社製250kW、Harris社製100kW、Thomcast社製300kWを急遽設置して1975年に開設され、その後20年間同局のアジア向送信を担当した。Museumにはこの送信設備の一部も展示されておりBCLは一見しておく価値がある。訪問の際にはmuseum catのBuzzにも挨拶をしておこう。(ADXN May via WORIG 5/6)

荒野に巨大なパラボラアンテナ群が並ぶ構内(同博物館HPより)


◎南アフリカはDRM方式中心で放送をデジタル化
 Steve Whitt氏によると、南アフリカ政府は4月23日に、「デジタル音声放送規則」を交付し、中波放送及びFM放送をデジタル化する方針を明らかにした。それによるとアナログ放送との両立を図りつつ、①中波放送はDRM30方式でデジタル化する、②従来の87.5-108MHzのFM放送はDRM+方式でデジタル化するか214-240MHzに設けられる新バンドでDAB+形式のデジタル放送を行う、としている。
  まずGauteng、Cape Town、Durbanの3市で先行実施する。既存のアナログ放送と一時共存するためにDRM方式を使用する点が特徴だが、現状では適切な受信機がない、また本当に需要があるのか不明で、完全デジタル化までには時間がかかる等の問題点がある。同様の決定を行っているインドでは送信機のDRM化に30億ルピーを投入した結果DRM放送を受信できるカーラジオの台数は200万台になったという。(Medium Wave News May/June via WORIG 5/4)

◎欧州民間短波放送局周波数表
 Stig Hartvig Nielsen氏は5月より欧州で正式に免許を受けて放送している民間短波局のリストを毎月初めに更新して提供する。2021年5月1日現在以下の周波数が使用されている。正式免許を受けた100-3000Wの局を掲載している。D:ドイツ、NL:オランダ、NOR:ノルウェイ、DNK:デンマーク、 FIN:フィンランド。
   3955 D Radio Channel 292 Rohrbach Waal 24H
   3975 D Shortwave Radio Winsen 毎日00:00-05:00
   3985 D Shortwaveservice Kall-Krekel 毎日23:00-07:00
   3995 D HCJB Weenermoor 24H
   5800 NL Mike Radio Heerde 週末不定期 15:00-09:00
   5880 NL Radio Piepzender Zwolle
   5895 NOR Radio Northern Star Bergen 毎日12:29-07:10
   5920 D HCJB Weenermoor 毎日15:00-01:00
   5930 DNK World Music Radio Bramming 24H
   5940 NL Radio Piepzender Zwolle
   5970 DNK Radio208 Hvidovre 24H
   5980 DNK Radio OZ-Viola Hillerød 木06:00-07:00 土・日20:00-22:00
   5980 FIN Scandinavien Weekend Radio Virrat 第一土曜(5月はなし)
   6005 D Shortwaveservice Kall-Krekel 毎日17:00-01:00
   6005 NL Radio Delta International Elburg 試験中
   6020 NL Radio Delta International Elburg 土18:00-22:00 日15:00-02:00
   6055 DNK Radio OZ-Viola Hillerød 計画中、5980kHzの場合あり
   6070 D Radio Channel 292 Rohrbach Waal 24H
   6085 D Shortwaveservice Kall-Krekel 毎日16:00-02:00 (Radio MiAmigo Int'lを中継)
   6115 D Radio SE-TA 2 Hartenstein 出ていない
   6140 NL Radio Onda(局はベルギー) Borculo, NL 週末のみ(将来は毎日15:30-04:00)
   6150 D Europe 24 Datteln 毎日17:00-01:00
   6160 D Shortwave Radio Winsen 毎日19:00-01:00
   6170 FIN Scandinavian Weekend Radio Virrat 第一土曜
   7365 D HCJB Weenermoor 17:00-22:00
   9670 D Radio Channel 292 Rohrbach Waal 24H
  11690 FIN Scandinavian Weekend Radio Virrat 第一土曜
  11720 FIN Scandinavian Weekend Radio Virrat 第一土曜
  15505 NL Radio Piepzender Zwolle 週末不定期
  15790 DNK World Music Radio Randers 土・日16:00-05:00他
  25800 DNK World Music Radio M'rslet, Aarhus  将来24H
(BCLNEWS via WORIG 5/4) 5800kHzのMike Radioは5月になってこの周波数をキャンセルしました。

◎米軍撤退後の在アフガニスタン米国放送設備は?
 英国のDave Kenny氏によると、米軍は2021年9月にアフガニスタンから完全撤退する予定だが、同国には米国が管理する3つの高出力中波送信設備が存在する。撤退後それらがどうなるかは不透明である。現状は以下のようになっている。
 621kHz Khost Tani送信所 200kW 10:00-04:00 Deewa Radio及びRFE Mashaal Radioを中継
 1107kHz Kabul Pol-e-Charkhi送信所 400kW 09:00-04:30 Radio Afghanistanを中継
 1296kHz Kabul Pol-e-Charkhi送信所 400kW 09:30-02:30 VOA及びRFE/RLを中継
(BDXC Communication May via WORIG 5/8)

◎WLMKに300kW短波送信機設置
 米国のWLMK Radioはfacebook上で以下の発表を行った。同局のペンシルバニア州Bethel送信所にAmpegon社製300kW短波送信機が新規に導入され設置作業が開始された。同局は2017年より送信を中止していたが、9275kHzの放送が近々復活しそうである。(BDXC Communication May via WORIG 5/8)

◎プラハ蜂起とCzech Radio
 米国のKim Elliott氏によると、第二次大戦末期の1945年5月5日に起きた「プラハ蜂起」から76周年になるのを記念してその舞台となったCzech Radioのことを解説した記事がRadio Pragueのwebサイト上に掲載されている。https://english.radio.cz/76-years-battle-czech-radio-sparked-prague-uprising-8716711。(WWDXC TP 1465) ドイツ降伏後の1945年5月5日、まだPragueを占領していたドイツ軍に対する蜂起をCzech Radioが市民に向けて呼びかけたもので、5月9日残留ドイツ軍はほぼ排除されました。しかしチェコはその後46年間に渡りソ連による支配に苦しむことになりました。

◎1959年製小電力送信機を復活
 スペインのManuel Mendez氏によれば、オランダのRadio Deltaでは1959年Rhode & Schwarz社製SK080中波送信機を再生復活させた。この送信機は800Wの出力を出すことができたが、復活させたものでは300W程度が出る。 詳しくはhttps://www.youtube.com/watch?v=FCuQITyQfv0を参照のこと。(WWDXC TP 1465) 元々軍用に制作された小電力送信機でしたが、安価に放出されたため1970年代以降の海賊局に重宝されました。Radio Deltaも過去に使用したことがあるそうです。

SK090中波送信機(上記ビデオより)


◎ウクライナでOIRT FMバンドのみ使用しているのは宗教局2局
   RUS DX #1132によると、ウクライナでは宗教局2局が現在でもOIRT FMバンド(65.8-74MHz)のみを使用している。Kiev拠点のカトリック局Radio Maria 69.68MHzは2010年6月1日より放送を開始した。そしてこの10年間にOIRT FMバンド内の国内11周波数で放送するに至っている。もうひとつの宗教局はペンテコスタ教会系のSvitle Radio Emmanuyilで、OIRT FMバンド内8周波数(Kiev 67.28MHz他)で放送している。Adventist World Radio系のGolos NadiyiもOIRT FMバンド内で4周波数(70.97、72.98MHz他)を出しているが、他に3周波数を国際FMバンドで出している。Radio Maria及びSvitle Radio Emmanuyilはこのバンドの聞こえる受信機やカーラジオで聞き続けているリスナーが多いため当面このまま放送を続けるとしている。(WWDXC TP 1465)

     

◎ウクライナ ロシア国境部ではVHFアナログTV放送継続
 RUS DX #1132によると、ウクライナはロシア及びロシアに接するDonbass地区とロシア占領されたクリミアに接するKherson地方ではVHFのアナログTV放送を継続する方針である。VHFアナログのR2チャンネルの音声周波数65.75MHzが同国・ロシアで使用されているOIRT FMバンド用ラジオで受信できるという点に着目してる。(WWDXC TP 1465)

◎IRRSが新秘密局を中継 3版追加
 イタリアIRRSは5月15日より、新たなエリトリア向秘密局を中継している。局名はRadio Danadalidababa、スケジュールは日・月曜の00:00-00:30 15170kHz。言語はアファン語・オロモ語。ロシアのSDRで放送の実施が確認されている。(Bulgarian DX bloh 5/16)
   ドイツのHansjörg Biener博士によれば、送信所はKonstinbrod、実施母体はUnion of Oromo Evangelical Churchesである。(WORIG 5/15) 既に放送を停止し入れ替わったという情報があります。

◎RCI英語部完全廃止
 英国のMike Terry氏によると、第二次世界大戦時から続いたRadio Canada International(RCI)の英語部がこのほど廃止されることになった。RCIは最盛期の1990年には14カ国語で放送し、200名の専任スタッフを有していた。2012年の劇的予算削減で短波放送・衛星放送を廃止した後も英語・フランス語・中国語・アラビア語・スペイン語・ポルトガル語・タガログ語部門は残り、インターネットで放送をしていたが、2020年12月更なる予算カットが命じられ、2021年5月でカナダの言語である英語・フラン ス語の放送は不要として廃止を命じられた。これによりRCIのスタッフはわずか8名となる。RCIの英語HPには5月14日に「さよなら」メッセージが掲載された。https://www.rcinet.ca/en/2021/05/14/rci-english-section-goodbye/。 (WORIG 5/18)

英語部門廃止を伝えるRCIのHP(2021年5月14日)


◎RCI50年史パンフレットがダウンロード可能に
 とうとうインターネットの英語放送も廃止されてしまったRadio Canada Internationalが、予算削減前の1995年に発行した50年史パンフレット「Canada's International Voice for 51 years」(A5版16ページ)のpdf版が公開されている。http://www.ontheshortwaves.com/Stations /RCI_1945-1996.pdf。(WWDXC TP 1466) 当時は日本語放送もありました。RCIも過去を懐かしむだけの局になりました。



◎Radio Delta InternationalがDX番組
 オランダのRadio Delta InternationalはDX番組「Radio Delta Goes DX」を毎週土曜日の18:00-19:00に6020kHzで放送している。(WORIG 5/14)

◎ソマリア新秘密局Issoudun送信所から
 フランスIssoudun送信所よりソマリア向の新たな秘密局Raadiyyoni Dirree Shaggarが放送を開始した。02:00-02:30 15445 500kW 127度である。WRMIの仲介によるものである。(Bulgarian DX blog 5/20) facebookはhttps://www.facebook.com/OPMRDS/。


 
◎Encore - Radio Tumbrilの5月20日以降のスケジュール
 英国の「Encore - Radio Tumbril」社長のBrice Avery氏によれば、同局は「Classical Music on Shortwave」の番組を5月20日以降以下のスケジュールで実施する。 
 基本放送   土曜 19:00-20:00 6070 9670 (Channel 292) 欧州向
    再放送 日曜 07:00-08:00 5950 (WRMI) 欧州・米国・カナダ向
     日曜 10:00-11:00 7780 5850 (WRMI) 欧州・米国・カナダ向
     月曜 11:00-12:00 5950 (WRMI) 米国・カナダ向
     月曜 01:00-02:00 9670 (Channel 292) 欧州向
     月曜 06:00-07:00 3955 (Channel 292) 欧州向
     金曜 07:00-08:00 5950 (WRMI) 米国・カナダ向
     土曜 04:00-05:00 6070 (Channel 292) 欧州向
 なおWRMI中継の一部は電力事情で放送されない場合がある。URLはhttp://www.tumbril.co.uk、E-mailは<encoretumbril @ gmail.com>で受信報告にはeQSLが発行される。

◎エジプトERTの621/1008kHz停波 3版追加
 Ahmad Ghamrawi氏によると、エジプトERTの621kHz(Batra送信所300kW) が5月10日で送信を停止した。エジプトも中波のない国の仲間入りをする模様である。(ARC mv-eko May 17 via WORIG 5/19)
 イスラエルのOffer Barth氏によると、621kHzのVoice of Arabsの他、1008kHz(El Arish送信所50kW)で出ているイスラエル向ヘブライ語番組及びパレスチナ向パレスチナ方言の番組も同様に送信を停止している。(WWDXC TP 1468) 621kHzは欧州では夜間強力に受信できた局です。同国にはまだ他にいくつかの高出力中波送信所がありますが。

◎RFE/RLがロシア政府を欧州人権裁判所に訴える
 英国のMike Cooper氏がルイターの報道として伝えたところによると、RFE/RLはロシアが制定した「外国の手先」法規によって不当に報道の自由が阻害されているとして同国政府を相手取り欧州人権裁判所に訴えを起こした。ロシアはここ数年間RFE/RLのモスクワ事務所の活動を「虚偽の情報を垂れ流す西側の手先」として禁止し、過料、職員の逮捕を行っている。当局が「外国の手先」とみなしたメディアの活動が禁止される事例は相次いでおり、政府から独立したメディアがその対象となっている。原記事はhttps://www.reuters.com/business/media-telecom/radio-free-europe-sues-russia-european-court-over-foreign-agent-action-2021-05-19/。(WORIG 5/19) 欧州人権裁判所(Cour européenne des droits de l'homme)はフランス・ストラスブールに本部のある人権救済機関でロシアも加盟しています。

◎IRCAコンベンション今年は開催
 2021年の「IRCA/Decalcomania Convention」は6月10-12日にカリフォルニア州AnaheimのSheraton Hotelで開催されることになった。詳しくはhttp://www.ircaonline.orgを参照のこと。(WORIG 5/18) Anaheimでの開催は昨年9月に続いて2回連続です。

◎Bible Voice Broadcasting仲介の他放送局
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、カナダのBible Voice Broadcastingは以下の他放送局の送信仲介を行っている。
 Voice of Preaching the Gospel(米国)
    金曜14:00-14:15 Nauen 9735 250kW 120度 アラビア語・英語
    同局のQTHはP.O.Box 15013 Colorado Springs, Colorado 80935, USA、URLはhttps://www.vopg.org、E-mailは<hope @ vopg.com>である。
 Worldwide Victorious Life Bible Tape Ministry(米国)
    月曜03:15-04:15 Nauen 9635 250/125kW 130度 英語
       同局のQTHはc/o Betty Jean Nutter, P.O.Box 423, Morton, IL 61550, USA。
(WWDXC TP 1466) 後者はカルトに近い閉鎖的団体とされています。

(左)Voice of Preaching the Gospelのロゴ (右)Worldwide Victorious Life Bible Tape Ministryのロゴ


◎ギリシアの短波送信機不調

 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、ギリシアERTの短波放送9420kHz(Avlida送信所)はこのところ過変調気味で占有帯域も広くなっている。Avlida送信所には1996年導入のMarconi社製100kW短波送信機2基と米国Continental社製250kW送信機があるが、前者はこのところ全く使用されておらず、故障したのはContinental社製の送信機と思われる。なお不調は2017年ころからしばしば発生している。(WWDXC TP 1466) Continental社製の送信機は5基ある筈ですが、相互の部品交換ではメンテナンスが追い付かなくなったのではないでしょうか?

◎GTRK AdygeyaのA21スケジュール
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、同国GTRK AdygeyaのA21スケジュールは以下の通り。周波数は6000kHz、送信所はKrasnodar Armavir、出力100kW、188度。中央アジアの旧オスマントルコ諸国向。
 火曜03:00-04:00 アディージェ語
 土曜03:00-04:00 アラビア語・トルコ語
 月曜04:00-05:00 アディージェ語
(RUS DX #1129 via WWDXC TP 1466)

◎Shortwave Bulletinのアーカイブ提供
 スウェーデンでShortwave Bulletin(SWB)を編集・発行しているThomas Nilsson氏がSWB#1976(5/16号)に発表したところによると、同氏は1961年に発行が開始されたSWBとそれに関連する資料のアーカイ ブをHCDX(hard core dx)上に整備した。
    SWB No.1~1406 http://www.hard-core-dx.com/swb/archive-old.htm
 SWB No.1407~最新号 http://www.hard-core-dx.com/swb/archive.htm
 Dateline Bogota 1993-1998 http://www.hard-core-dx.com/swb/Dateline.htm
 HCDX上のSWBページはhttp://www.hard-core-dx.com/swb
 スウェーデンでは1950年代後半にBCLブームが炸裂し、津々浦々の小さな町にもDXクラブが乱立する盛況さを呈していた。各DXクラブでは独自の会誌を競っていたが、中でも「Teknikens Vaerld」と「Teknik foer Alla」は技術的面が優れており多くの読者を獲得した。1961年にKjell Ekholm氏とMalmoe短波クラブが呼びかけ、同国のMalmoeに有力なDXerが集まって同国におけるDXingのあり方について協議を行った。そこで同国内の有力DXer間で、各クラブの月刊の会誌交換だけではDX情報を知るのがかなり遅くなってしまうことが問題として上がった。解決案として実現されたのが有名DXer間で直接情報のやり取りができる新たな出版物であり、会合の数ヶ月後には名称は定まっていなかったが現在のSWBの第1号が週刊で発行された。この雑誌は会員制ではなく、購読料も取らなかったが、各有力DXerには毎日曜日中に前週の受信実績やQSL獲得結果等の情報提供が求められ、月曜日にはまとめられて郵送された。雑誌には当面「JP's bulle」という愛称がつけられた。その後「DX bulletin」、「Tip Top DX Bulletin」、1964年8月5日発行のNo.160よりは「Shortwave Bulletin」という名称となった。当初はラテンアメリカが主なターゲットであったが、徐々にアフリカやアジアをターゲットにするファンも加わった。(WWDXC TP 1466)

◎アイルランドの252kHz一時停波
  英国のMike Terry氏が「Digital Spy Forum 5/23」の報道として伝えたところによると、アイルランドRTEの252kHz  (第一放送)は来る6月15日~8月12日の約2カ月間、 「基本的な保守作業」のために停波する。原記事はhttps://forums.digitalspy.com/discussion/comment /98962205#Comment_98962205。(WORIG 5/23)

◎GomaのRadio Kahuzi近くで火山噴火
 コンゴ東部のNyiragongo山噴火は近隣のGomaにあるRadio Kahuziにも影響を及ぼしている。同局のRichard and Kathy McDonald夫妻から来たメールでは、局の職員2名が有毒物質を含んだ火山ガスや火山灰が皮膚に付着するの防ぐため飛行機で避難した。2017年に同じ火山の噴火で使用できなくなったGomaの空港は何とか使用可能である。火山からの有毒物質は噴火後30分ほどでGomaに飛んできている。噴火が早く収まるように神に祈るしかない。(WORIG 5/22)

◎Tashkent中継の新たな対北放送出現
 RRTM TelecomのTashkent送信所から新たな対北放送が5月20日に出現した。スケジュールは水・金・日曜の01:00-01:30で 7505kHz(100kW 76度)、朝鮮語放送である。局名は「新国放送」という意味の「새나라방송(Sae Nala Bangsong)」と称している。(Bulgarian DX blog 5/21)

◎Shortwave Radio新スケジュール
 英国のAlan Roe氏によると、Shortwave Radioはスケジュールを更新した。新スケジュールは以下の通り。送信所はWinsen。
 00:00-07:00 3975
   19:00-01:00 6160
   なおEurope 24による6150kHzでの中継は継続される。
(WORIG 5/26)

◎新秘密局Radio Oni/Yoni
 エリトリア向新秘密局 Radio Oni/Yoniが5月28日より放送を開始した。スケジュールは以下の通り。
 01:00-01:30 Issoudun 15415 250kW 127度 アファン語・オロモ語
(Bulgarian DX blog 5/28)

◎Unique Radio放送再開 3版追加
 Unique Radio AustraliaのTim Gaynor氏によると、同局は5月28日3210kHzUSBで放送を再開した。送信時間は曜日によって異なるが、現地時間の早朝、金曜の夜~土曜の朝、日曜は放送する。また毎週金曜日の20:00、日曜日の00:00、日曜日の20:00にはGlenn Hauser氏による「World of Radio」を放送する。また5045kHzのBay Islands Radioは現在送信施設に問題が生じたため、3210kHzUSBで現地時間の夜間に中継するとともに、http://www.uniqueradio.biz上でストリーミング中継も行うことにしている。5045kHzでそのまま中継できるように当局と交渉中である。(WORIG 5/30) 
   米国のGlenn Hauser氏によると、同局は元々New South Wales州のGunnedahの送信所から出ていたが、現在は51.5km離れた同州Manillaに送信所を移している。位置的にはSydneyとBrisbaneの中間当りである。(WWDXC TP 1468) 元々5045kHzでも出ていましたが。詳細はHPを参照して下さい。

◎World Music Radioが19mbで定期送信開始
 デンマークWorld Music RadioのStig Hartvig Nielsen氏によると、同局は毎週土・日曜(開始時刻)の16:00-05:00にRanders送信所から15790kHz(出力200W)で19mb送信を開始した。欧州南部、北アフリカでは良好に受信されており、アイルランド、英国、アイスランド、ブラジル、カリブ海エリアでも聞こえることがある。(WWDXC TP 1467)

◎トルコTRT同一周波数でクルド秘密局Denge Walatを妨害
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、トルコのTRTは様々な言語の放送をクルド秘密局Denge Welatと同一周波数で送信して、同局の受信を妨害している。11530kHzでは17:30-18:25(アルメニア語)、01:00-03:00(01:00 ブルガリア語、01:30 スペイン語、02:30 ドイツ語)、9525kHzでは03:00-06:00(03:00 ドイツ語、03:30 英語、04:30 フランス語、05:30 ロシア語)が出ている。従来妨害用に出ていたRadio Recep Erdoganは出ていない。(WWDXC TP 1467)



出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  
   WRTH FB: World Radio TV Handbook facebook


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