月刊短波2021年7月号(第3版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


◎ドイツの洪水でKall-Krekel送信所送信不能に 3版新規
 ドイツ西部を襲った暴風雨とそれに伴う洪水でドイツShortwaveserviceのKall-Krekel送信所が送信不能となり、3985、6005、6085kHzの電波が出ていない状態である。(WWDXC TP 1472)
   同送信所からの送信は7月18日15:00現在も停止中である。同送信所から中継されているRadio Mi Amigoも出ていないが同局のHPには水に浸かった6085kHz用短波送信機の写真が掲載されて、尋常な被害でないことがわかる。短波送信だけでなく同送信所から行われているFM放送も停止している。(スペイン Manuel Mendez氏 via ドイツ Wolfgang Bueschel氏)
  復旧を急いでいるが、6005kHzの放送が最も早く復旧する見込みである。(Shortwaveservice 7/17)
  ドイツShortwaveserviceのChristian Milling社長によると、同社のあるEifel周辺は洪水で橋・鉄道線路・家屋が流出し、電気・水道・ガス・通信も断絶して復旧の見通しは立っていない。上流にあるSteinbachダムが決壊しなかっただけ増しではあったが。Kall-Krekel送信所には15トンもの水が侵入し、送信機等が水浸しとなった。修理復旧には相当の時間がかかると見られる。復旧のため資金の寄付を募っている。
 https://www.radioeuskirchen.de/artikel/spendenmoeglichkeiten-1010578.htmlを参照して欲しい。水没したTelefunken製5kWFM送信機、Rohde and Schwarz製NA6000 DAB送信機、 Transradio製TRAM10中波送信機については補修部品の在庫が無い状態なので心当たりがあったら助けて欲しい。(WORIG 7/18)

浸水したKall-Krekel送信所の6085kHz送信機(Radio Mi AmigoのHPより)



◎WRMIからペルー独立200周年記念番組 3版新規

 WRMIはペルーの独立200周年(1821年7月28日リマ解放)を祝して「Perú le canta a las Américas」(アメリカ人に向けてペルーが歌う)と題したスペイン語特別音楽番組(Luis Alejandro Vallebueno、Estefania Rivera出演)などを7月29日の12:00-13:00(ペルーでは7月28日22:00-23:00)に5800kHzでラテンアメリカ向に放送する。(WORIG 7/14)

◎RTIがドイツ語放送復活の試験放送 2版新規
 
英国のAlan Holder氏によると、台湾国際放送(RTI)は8月後半よりドイツ語放送を復活することになり、そのための試験放送を来たる7月18日(日)に実施する。スケジュールは以下の通り。すべて淡水送信所、250kW、325度、欧州西部向。言語はドイツ語。受信報告はdeutsch @ rti.org.twへ。
 02:00-02:10 11995
    02:15-02:25 11705
    03:00-03:10 9545
    03:15-03:25 7250
(WORIG 7/5) 最良の周波数を決定するための試験とのことです。 

◎WBCQの500kW送信機が故障 2版新規
 
米国のDave Zantow氏がWBCQのAlan Weiner社長のTwitterで確認したところによると、9330kHz用の500kW送信機が故障した。終段管のTH576が切れたためである。送信機メーカーのThales社からは数十年持つと言われていたのだが。現在スペアの球を探している。コストは20万ドルかかる。(WORIG 7/5)

TH576(Thales社のカタログより)



◎Asian DX Review 7月号発行 2版新規
 
インドのSandipan Basu Mallick氏によると、「Asian DX Review」の7月号が発行された。中華ラジオレビューとしてC.Crane SKYWAVE、Tecsun PL-380が取りあげられている。またTrans World Radioの全貌紹介(すべての支局の連絡担当者のリスト付)など全部で8アイテムのDX関連記事が掲載されている。https://idxci.in /wp-content/uploads/2021/07/ADXR-Volume-39-No-561-July-2021.pdfより無料でダウンロードできる。(WORIG 7/1)

◎消え去るBBC中波局

 英国のAlan Pennington氏によると、BBCの中波局が続々と廃止されている。5月・6月にはEssex、Cambridgeshire、Devon、Leeds、Sheffield、Hereford & Worcester、Stoke、Lancashire、Ulster、Foyle等の計17中波局が全面廃止され、更にWales、Gloucestershire局は中継局の廃止で中波のサービスエリアが 減少した。BBCのKieran Clifton氏は、聴取者に受信料に見合ったサービスを提供できない中波局の廃止は当然のこととしている。廃止された中波番組の内容は地上波デジタルTVのサブチャンネル、携帯アプリ、インターネットで提供されるので問題ないとしており、近々に英国全土のBBC中波局を廃止することにしている。中波で現在放送中のBBC地方局はCumbria (756kHz)、Derby (1116kHz)、Gloucestershire (1413kHz)、Guernsey(1116kHz)、Jersey (1026kHz)、Norfolk (873kHz)、Somerset (1566kHz)の7局だけとなり、657、729、738、765、792、801、873、1341、1503 kHzはどの局も使用していない空きチャンネルとなってしまった。(BDXC "Communication" May via WWDXC TP 1467)

◎ベラルーシ国営放送局EBUより資格停止処分
 英国のRichard Langley氏によると、EBU(欧州放送連合)は5月28日にベラルーシの国営放送であるThe Belarusian Television and Radio Company (BTRC)を資格停止処分とした。同局が昨年の大統領選挙の際にルカシェンコ大統領の当選を疑う報道をした100人以上の職員を解雇し、彼らがその後逮捕された事件によるものである。なおRadio Belarusの海外向放送は現在もドイツのShortwaveService中継により短波3985kHzで行われている。(WWDXC TP 1467)

◎貴陽都市女性広播FMが放送終了
 中国貴州省貴陽市の貴陽都市女性広播FM(104.0MHz)が現地時間の6月1日午前零時で放送を終了した。この放送は貴陽広播電視台の第3ラジオ放送として1997年に「貴陽商業之声」として開始され、2005年より現在の局名で放送されてきた。貴陽広播電視台の番組整理に伴うもので、同時にTV第5放送も廃止された。(Cahcn自留地 5/31)



◎重慶文芸広播FMが放送終了
 中国四川省重慶の重慶文芸広播FM(103.5MHz)が現地時間の6月1日午前零時で放送を終了した。この放送は重慶広播電視台により2008年に「重慶故事広播」として開始され、その後現在の局名に改名された。ニックネームとして「経典1035」、「1035娯楽頻調」、「1035文旅頻調」、「楽游1035」の名称も使用されてきた。同電視台の周波数・チャンネル見直し整理の一環である。これに伴い同局の音声を中継していた衛星番組は重慶之声放送の中継に置換わる。(Cahcn自留地 5/31) 


◎Shortwave Radiogramの放送スケジュール
  米国からのShortwave Radiogramの放送は現在以下のスケジュールで行われている。詳細はhttp://swradiogram.netを参照のこと。
 金曜 08:30-09:00 9265 WINB 22:00-22:30 15770 WRMI
  土曜 00:00-00:30 15750 WRMI 09:00-09:30 9955 WRMI 11:30-12:00 9265 WINB 22:30-23:00 15770 WRMI
  日曜 17:00-17:30 5850 7730 WRMI
  月曜 08:30-09:00 7780 WRMI
(WORIG 6/3)

◎スウェーデン保存局SAQ特別送信
 英国のMike Terry氏によると、1924年にAlexanderson Alternatorによる運用が開始されてから97周年になる7月4日の「Alexanderson Day」にスウェーデンの同送信機保存局SAQ(Grimeton Radio)は記念送信を実施する。周波数は当時から使用されている17.2kHzで、送信時刻は17:30からと20:30からの2回である。送信モー ドはCW。なおYouTube上では送信の模様が実況中継される。詳しくはhttps://mailchi.mp/aff85163e64f/alexanderson-day-2021?e=2c0cbe870fを参照のこと。(WORIG 6/3)

◎Texas Radio ShortwaveのQSLポリシー
 米国Texas Radio Shortywave(TRSW)は5月29日次のようなQSLポリシー(発行されるのはeQSL)を発表した。
 1)同一局・同一番組・同一受信者に対して1回限り発行する。試験送信等特殊な場合は除いて、異なった周波数に対して複数枚は発行しない。
 2)受信報告は英語で記載し、最低20分以上の受信番組内容(音楽や歌の場合はタイトルなど)、感想(具体的に、「音楽が好きだから」などというのは不十分)、受信状態(可能ならばmp3またはwav形式のサウンドクリップを添付する)を記述すること。移動先での受信、リモートSDRでの受信の場合は受 信地点、受信機が設置してある地点を記入すること。
 3)受信報告書に必ず記入する必要のある項目は以下の通り。受信者氏名、受信者住所及びメルアド、受信番名、受信月日、受信時間(UTC)、受信状態 (SINPOまたはSIOコード)、受信内容詳細(曲タイトル、アナウンスの内容)、受信番組に対する感想、受信機、アンテナ、その他のコメント。雛形が公開されている。
 2021年7月の放送予定は以下の通り。
 7/3   08:00 Channel 292 9670 TRSW Special: Marcia Ball (北米向試験放送)
 7/3   11:00 WRMI 5800 TRSW Special: Radio Igloo
    7/5   10:00 WRMI 5950 TRSW Prime: Marcia Ball
    7/5   11:00 WRMI 9395 TRSW Encore: America Proud!
    7/10 11:00 WRMI 5800 TRSW Special: Charleston Radio International
    7/17 11:00 WRMI 5800 TRSW Special: Radio Merlin
    7/17 17:00 Channel 292 6070 TRSW Prime: Marcia Ball
    7/18  02:00 Channel 292 3955 TRSW Prime: Marcia Ball
(WORIG 6/1)

◎Budapest工科大学DRM試験局から返信 ~6月以降送信中止
 ドイツのThomas Lindenthal氏は26060kHzで試験送信中のハンガリーBudapest工科大学DRM試験局の責任者Csaba Szombathy氏より返信を受け取った。それによると、同局はQSLカードの発行をしていない。送信アンテナはBudapest市内の丘の上にあるMagyar Telekomの施設内にあり、高さ60mの5/8λモノポールアンテナである。出力は100W、送信機はR&S SFE100である。試験送信の免許期限は5月いっぱいであるため、6月以降は送信を停止する。今後どうするかは検討中である。(WWDXC TP 1468)

◎Kyrgyz RadioがBBC WSを中継
 ルーマニアのRumen Pankov氏によると、Kyrgyz Radioは4010kHzでBBC World Serviceを中継している。中継スケジュールは以下の通りである。
 英語Sport News 月-金 18:26-18:30 土・日 19:05-19:10
    英語News 火ー土 01:00-01:06 日・月 00:00-00:06
    キルギス語放送  月ー金 22:00-22:30 (//612kHz) 火ー土 00:00-00:30(4010kHzのみ)
 なお同局では他にCRI及びRadio Libertyのキルギス語放送、トルコTRT第一放送(トルコ語)の中継も行っている。(WWDXC TP 1468)

◎Radio Pakistan QSL発行を再開
 パキスタンのTony Ashar氏がRadio Pakistanの母体でIslamabadにあるPakistan Broadcasting CorporationのAbid Sajid氏《bidhussainsajid @ yahoo.com》から受け取ったメールによると、同局はQSLカードの発行を再開した。その後同氏はRadio Islamabad 585kHzとRadio Mirpur Azad Kashmir 936kHzのQSLカードを受け取った。(WWDXC TP 1468)

◎RAE Arnald Slaen氏へのメールが届かない!
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、アルゼンチンRAEのQSLマネージャArnald Slaen氏《slaen @ ciudad.com.ar》が届かなくなった。「ciudad.com.ar」というドメインにslaenはないとメッセージが帰ってくる。 (WWDXC TP 1468)  《qsl @ ciudad.com.ar》に送りSlaen氏を指定してみたら?

◎ビルマ秘密局がMadagascar送信所から19mbで 2版追加
 英国のRichard Langley氏によると、Madagascar送信所から6月5日より20:30-21:00に17800kHzでビルマ向秘密局が送信を開始した。オランダTwente大学のSDRで確認したところ6月5日と9日には確認できたが、その後は確認できていない。21485kHzも使用しているという噂もある。この放送は送信所を管理するMalagasy Global Business S.A.が直接仲介して行っているとのことである。(WORIG 6/13)
   Madagascar送信所から行われているビルマ向秘密放送は7月1日よりスケジュールを変更した。新スケジュールは毎週土・日曜20:30-21:00 17790kHz(250kW 55度)である。(SW DX Bulgaria News 7/5)

◎USAGMがビルマ向24時間衛星TV放送開始
 英国のMike Cooper氏によると、米国USAGMは6月よりビルマ向24時間衛星TV放送「Ludu Meitswe」(人民の味方)を開始した。番組製作にはVOAとRFAが共同で当っている。チャンネルはEutelsat 70B channel 101であるが、7月1日からはThaicom 6でも中継される予定である。クーデター以前の2020年12月にUSAGMの放送はビルマ人の35%に聴取されていたが、クーデター後は聴取人口が急増し、VOAのwebサイトには1日最大170万回のアクセスが殺到した、またRFAのインターネットLivestreamには累計1010万回のアクセスがあった。詳しくは
https://www.usagm.gov/2021/06/09/usagm-launches-24-7-satellite-tv-channel-for-burma-to-counter-military-censorship/を参照のこと。(WORIG 6/11)

◎Myanmar RadioのQSLポリシー
 ロシアのDXerはクーデター後のMyanmar Radioからメールによる返信を受け取った。それによると、現在QSLカードの更新中であるため発行はできないとのことであった。同局は数年前までは美しいeQSLを発行していたのだが。5985kHzでの受信報告を《nptradio.eng @ gmal.com》に送付したもの。返信だけでもQSLとは言えるが。(RUS-DX 6/13 via WORIG 6/13)

◎民放AM放送の大半は2028年迄にFMへ移行
 スポーツ報知その他メディアの6/15付報道によると、民放AM放送47局の代表は6月15日オンライン会議を開き、2028年迄に47局中の44局が 現在放送中のAM放送を停波しFMに移行することを発表した。ただしAMを補完的に使用する局はあるという。47局中北海道(北海道放送、STVラジオ)と秋田県(秋田放送)の3局は結論を保留した。TBS、ニッポン放送、文化放送の在京3AM局はAM停波の最終判断を2025年に下す予定である。また28局は2023年よりAM停波の実証実験を行うことにしている。広告収入の激減で民放AM各社は財政的に苦しく、今後必要となる老朽化したAM送信設備の更新に対応できない。また現在実施中のFM 補完放送とAM放送の同時送信も財政的に負担となっている。送信コストの安いFM放送に移管することにより生き残りを図る。またradikoを使ってインターネットや携帯電話で聴取するリスナーの数が若い世代を中心にラジオで聴くリスナーの数を上回っていることも背景にある。(赤林)47局の中にラジオNIKKEIは含まれていません。またNHKは同日「中波第二放送は廃止するが、第一放送は維持して行く」ことを再確認しました。

◎スペインREEが「Letters/Mailbag」番組復活
 英国のAlan Roe氏によると、スペインのRadio Exterior de España(REE)は6月14日より数年ぶりに「Letters/Mailbag」番組を復活した。この番組は英語のpodcastでも聴くことができる。6月14日には42分間の番組であった。今後同じように放送されるのかは不明。(WORIG 6/15)

◎ナイジェリア向秘密放送開始
 英国のAlan Pennington氏によると、6月7日より試験放送ベースでナイジェリア向の新しい秘密放送が開始された。局名はRadio Ominira Yoruba(自由ヨルバ放送)で毎週日・月曜06:00-07:00に9890kHzで行われる。放送は英語。同局のfacebookは https://www.facebook.com/RadioTv-Ominira-Yoruba-109579721340076。(WORIG 6/15) HFCCへの登録では送信所はWoofferton、出力は250kW、170度となっています。




◎パキスタンPBCがDRM FM放送の試験送信
 英国のMike Terry氏によると、パキスタンのPBC(Pakistan Broadcasting Corporation)は本部のあるIslamabadでDRM FM放送の試験を開始した。1kW(DRM出力は60W)のFM送信機を使用し、まず1波に3チャンネルの音声を載せる試験を行った。試験は成功しIslamabad 市内では良好な音質が得られた。次のステップでは局のロゴ、複数言語での文字情報(アーティストの名前や略歴、お知らせ、ニュース、スポーツの結果、交通情報、緊急速報、遠隔学習など)を伝送する予定である。同国では既にDRM方式で中波・FM放送をデジタル化することが決定されており、5月18日にはChaudhry Fawad Hussain放送情報相がPBC本部を訪れDRM試験放送の実施状況を視察・激励した。(WORIG 6/17)

◎BBC過去のアーカイブを充実
 BBCは過去の放送アーカイブ「BBC Genome」の充実を図り、検索システムを改善して、初期のBBC雑誌「Radio Times」を初めとする1,000万点の資料、20万点の番組録音・動画にアクセスし閲覧できるようにした。Radio Times誌の場合1923年の創刊号から2009年までの毎週発行された内容にアクセスできる。アクセスは https://genome.ch.bbc.co.uk/。(WORIG 6/16)

1923年9月23日発行のRadio Times誌第1巻第1号(上記アーカイブより)


◎CFVP 6030kHzが6月19日に復旧
 カナダのHarold Sellers氏が同国Alaberta州CalgaryのFunny 1060局(CKMX 1060kHz/CFVP 6030kHz)の技術スタッフから聞いた話によると、現在6030kHzの短波送信機の修理に当っており、現地時間の6月19日には復旧の予定である。受信報告はqslcalgary @gmail.comで受付ける。(WORIG 6/16)
 カナダのHarold Sellers氏によると、現地時間の6月19日09:00より6030kHzでの放送が再開された。(WORIG 6/20) 西海岸のKiwi SDRでは比較的良好に入感しているのが確認できます。



◎デンマークRadio 208/WMRの現状
 デンマークWorld Music Radio/Radio 208のStig Hartvig Nielsen社長《shn @ wmr.dk>》によると、World Music Radio《http://www.wmr.radio/》は6月14日の20:00より11mbの25800kHzでの送信を開始した。出力は100Wで、同国Aarhus市南部のMarsalet送信所にある110m高のアンテナより送信されている。24時間放送でデンマーク第二の都会であるAarhus市をカバーしているだけでなく、近隣でも受信できる。また今後太陽黒点数が増加してくると遠距離受信も可能となる。またCopenhagenのHvidovre送信所からは4月14日より当初50Wで 927kHzの送信を開始したが、現在出力は250Wに改善されており、7月には500Wとなる予定である。こちらの方はCopenhagen市内、Zealandの一部、遠くはスウェーデン東南部まで届いているが、送信開始後すぐに同一周波数にてイタリアの海賊局(Milan東南部から送信しているらしい)が出現したため欧州の多くの地域では受信不可能となり、デンマーク国内でも夜間には強く混信を受けるようになった。Bramming送信所からは 5930kHz・200Wで送信しているが、1年半前から部品を購入して500Wに増力する工事を行っている、まだ完成には遠いが諦めた訳ではない。06:00-09:00頃を除いては混信もなく受信できる筈である。Randers送信所からは3エレメント八木アンテナを使って15790kHz・200Wの送信が継続されている、通常は土・日曜の16:00-05:00(翌日)の送信だが、土曜16:00から月曜06:00または07:00迄連続送信を行う場合もある。受信可能地域はスカンジナビア北部、ロシア、中東、北アフリカ、ブラジルである。
  Radio 208《http://www.radio208.dk/》の方はCopenhagenのIshoj送信所より1440kHz・500Wで24時間送信を安定して行っている。5970kHzの短波送信の方は2月9日より100Wで実施されており、3月28日より24時間送信を行っている。但し混信が多くて聞きづらい状況である。故障した5805kHz・250kWの送信機の修理は終了しているため、この送信機から5970kHzの波を出せるように改造を行い8月位迄には出せるようにしたい。
 WMRは1月以降、フルQSLカードは印刷されものだけを発行している。フルQSLを欲しい人は受信報告を手紙でWorld Music Radio, P.O.Box 112, DK-8960 Randers S+, Denmarkに送る必要がある。その時返信料としてIRC2枚または€5.0を同封して欲しい。E-mailで受信報告を送る場合はPayPalで 《paypal.me/worldmusicradio》宛に50DKK(デンマーククローネ)を送金して欲しい。Radio 208は以前と同じでeQSLを発行する。
 以上のような設備を維持して行くには多大なコストがかかる。AM放送の維持を望む人は寄付を行って欲しい。送金先は上記のPayPalの他、銀行送金ではHartvig Media, Hovedvejen 17, DK 8920 Randers, Denmark - BAN DK1093310007162081 - SWIFT KRONDK22へ。(WWDXC TP 1469)

◎Voice of Greeceの送信機正常化
 英国のJohn Gleeson氏によればVoice of Greeceの9420kHzの信号は6月初旬現在正常に戻っており、音声の質も改善されている。英国のAlan Holder氏によれば、今回の送信は故障したContinental社製の送信機(Pulse Width変調を採用)を修理して使用している模様で、Marconi製とは明らかに音調が異なるので余剰のMarconi社製送信機を使ったのではないことが分かる。(WWDXC TP 1469) Avlida送信所には1996年導入のMarconi社製100kW短波送信機2基と米国Continental社製250kW送信機がある筈です。

◎Vividh Bharati 短波放送の廃止理由
 インドのZeeshan Naiyer氏は、Bengarulu送信所から行われていたVividh Bharatiの短波放送(9865kHz)についてAll India Radioの技術部長Amod Kumar氏から次のような手紙を受け取った。Vividh Bharatiの短波放送(9865kHz)は2021年3月20日で廃止された、理由はVividh Bharatの放送が現在インド全土でFM放送、インターネット、衛星放送、携帯アプリにより受信可能であるため、短波放送の必要がなくなったためである。 (WWDXC TP 1469)

◎RTE長波放送6月15日より保守停波
 英国のMike Terry氏によると、アイルランドRTEの長波放送252kHzは6月15日より約2ヶ月間の予定で停波している。252kHzの長波送信所はClarkstownにあり、停波期間中に送信機の保守を行い、終了後の8月14日から以前と同様国内向け第一放送を送信する。この保守停波は2020年に実施される予定であったが、新型コロナウイルスの影響で1年間延期されていた。今後も長波送信を継続させるためには必須の作業で、作業には子会社のRTE Transmission Networkが当たる。RTEは6月11日に発表した「Keep Listening」(http://www.rte.ie/keeplistening)でこの間の代替手段を提供している。詳しい説明はhttps://about.rte.ie/2021/06/11/essential-maintenance-of-rte-longwave-transmitter/を参照のこと。 (WWDXC TP 1469)

Clarktown送信所の長波鉄塔(上記HPより)


◎IRRS 15170kHzにカシミール向秘密局
   IRRSは00:00-00:30に新たなウガンダ向秘密局の放送をルーマニアの送信所から15170kHzで行うことになっていたが、実際には出ていなかった。米国のGlenn Hauser氏がIRRSのAlfredo Cotroneo氏より得た情報では、話は進んでいたものの直前にキャンセルされたとのことである。代わって6月10日より毎週木曜日の同時刻・同周波数でインド領カシミール向の秘密放送を実施している。受信報告はIRRSに送れば制作者に転送するとのことである。ドイツのKai Ludwig氏によれば同局は2020年には「Radio Free Kashmir」という秘密放送を短期間中継していたことがあったがこれと同じかどうかは不明である。(WWDXC TP 1469) HFCCにはMilano送信所、300kW、149度と登録されていますが、Milano送信所は存在しない様です。

◎ペルーのRadio Tawantinsuyo短波復活
 ブラジルのLucio Otavio Bobrowiec氏によると、ペルーのRadio Tawantinsuyoが数ヶ月ぶりに6174kHzで復活した。米国のGlenn Hauser氏は09:00台に確認した、10:00前にs/offしている模様である。(WORIG 6/22)

◎アルジェリア新短波送信所に短波送信機納入
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によれば、アルジェリアのRTAは2006年に「Sahel Shortwave計画」と銘打って、BecharとOuarglaにサハラ・中央アフリカ地域向の新たな短波送信所を建設することにした。建設は当初Thomcast社が請け負ったが、経営の移転によりThales社、更にはAmpegon社となり、その国籍もフランス、ドイツ、スイスと移転して いる状況である。Bechar送信所の短波カーテンアンテナは2017~2018年に完成し、Ouargla送信所では2018~2019年に完成したことが衛星写真から判断できる。当初の予定ではOuargla送信所には、Ampegon社製TSW2300送信機(300kW)と210度方向の 49~19mb用#146型カーテンダイポールが納入され、5995,7250,9490,9600,9675,9895,11715,11770,11830,11965,13790,15235,15255kHzで送信する予定であった。またBechar送信所にはTSW2300送信機(300kW)と131度方向の49~19mb用#146型カーテンダイポールが納入され、7265,7335,7340,9565,9600,9815,9850,11690,11760,13750,15120,15185,15220kHzで送信する予定であった。ところがAmegon社は2021年6月に100kW短波送信機TSW-2100を4基アルジェリアに向けて出荷したことを明らかにした。多分両送信所に2基づつ配分されるのであろう。同社によればTSW-2100は価格も安く、DRM送信もできて地域向短波放送用にはより効率的であるという。「10ドルDRMラジオ」の発売を念頭に置いた措置でもあるという。(WWDXC TP 1470) Becharはアルジェリア北西部のモロッコとの国境近くに、Ouarglaは中南部に位置する。何れもサハラ砂漠の中にあります。

Ampegon TSW-2100 100kW送信機(同社のリーフレットより)


◎インドネシアCimanggis送信所の今
 かってRRIの大送信所であったジャカルタのCimanggis送信所跡では、1基だけ残存していたアンテナ鉄塔が撤去された。同時に送信棟も撤去されている。かって多数の鉄塔のあった場所には病院と大学の建設が始められている。2019年9月にはまだ古い鉄塔10基と、4750kHz用の鉄塔2基が存在していたのが確認されている。(SWsites groups.io 6/21 via WWDXC TP 1470)

◎アルゼンチンXバンド局
 アルゼンチンのXバンド局は2021年5月末現在以下の通りである。
 1610 Radio Mágica (Laboulaye, Córdoba)
 1610 Radio Luz del Mundo (Rafael Calzada, Buenos Aires)
 1620 Radio Sentires (Merlo, Buenos Aires)
 1620 Radio Italia (Villa Martelli, Buenos Aires)
 1620 AM 16-20 La Radio (Mar del Plata, Buenos Aires)
 1620 Radio Mitre (Cañada de Gómez, Santa Fe)
 1630 LRI234 Radio América (San José, Entre Ríos)
 1650 Radio A (Adrogué, Buenos Aires) - 試験放送中
 1660 LRI232 Radio Ciudad de Nogoyá (Nogoyá, Entre Ríos)
 1660 Radio Revivir (Gregorio de Laferrere, Buenos Aires)
 1710 Radio Selva (Ituzaingó, Buenos Aires)
 以下の局は出ていない;1650 Radio Estrellas (Longchamps)、1650 Radio El Mensajero (Rafael Castillo)、1670 Radio Bethel (East Lanúss)、1680, Radio G (Villa La
Florida)。(NZ DX Times 6月号 via WORIG 6/27)
 

◎オランダの新短波局2局がHFCCに登録
 英国のAlan Pennington氏によると、オランダの新短波局2局がHFCCに登録された。
 Radio Europe Netherlands; 24H 5975kHz Alpen aan den Riin送信所 1kW 6/28-10/29
    Offshore Music Radio; 24H 6170/7215/7275/15270/17515kHz Niimegen送信所 1kW未満 7/29-10/27 http://omr-oldies.com/
  登録したからといってそのスケジュール・周波数で必ず出る訳ではない。
(WORIG 6/29)

     


◎WRMIがアラスカKSKO局を特別送信
 
英国のAlan Roe氏が、WRMIのPaul B. Walker Jr氏から受け取った情報によると、WRMIはアラスカのMcGrathにあるFM局「KSKO 89.5」の番組「The Friday Night Request Show Dance Party Thingy」を来たる7月10日(土)の12:00-14:00に7780kHz(北米東岸、欧州西部向)・7730kHz(北米西岸、ハワイ、南太平洋向)・4980kHz(カリブ海・南米向)で特別に放送する。聴取者はライブで番組に参加できる。この放送は局から有料で請け負ったものではなく、WRMIが自主的に行うものである。(WORIG 6/29)



出典の略称

 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  
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