月刊短波2021年8月号(第5版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎Afghanistan International TV開始 5版新規
 
タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧した8月15日に、英国のVolant Media UK Ltd(秘密局Iran International TVの親会社)が新たにAfghanistan International TV (AITV)を立上げ24時間放送を開始した。目的はアフガニスタンに信頼すべき情報を届け、報道の自由を維持するためである。同社によれば米軍の撤退に伴う混乱を予測して国連世界平和の日に当る9月21日に放送を開始することを予定していたが、情勢の推移に伴い急遽予定を早めて立ち上げたものである。
  24時間放送は7600kHzで行われている。なおAITVは既にインターネット上ではラジオ番組のストリーミングを行っている。 (Bulgarian DX blog 8/18)
  インドのAlokesh Gupta氏によると、7600kHzで行われている放送の送信地はTashkent及びErevan-Gavarで、放送は11:30-23:30(Tashkent送信所、100kW、236度)、23:30-11:30(Erevan-Gavar送信所、100kW、100度)に行われており、同一周波数で送信所を切換えている。11:30-23:30の放送は正確には7599.8vkHzで、若干周波数がふらついている。(WWDXC TP 1476) 日本でも夜間良好に受信できます。ストリーミングのURLはhttps://afintl.com/、局の連絡先は〈info @ afintl.com〉。



◎タリバンの「Voice of Sharia」がKandaharから放送再開 5版新規
 
タリバンによるアフガニスタンKandahar制圧により、同地から「Voice of Sharia」(Shariat Ghag)の放送が1305kHz及び105.2MHzで出て来た。これはタリバンが同地の国営放送局を接収して開始したもので、 https://www.facebook.com/KandaharRadioTelevision/に出された声明によると、放送内容はタリバンを讃える歌、アフガニスタン国内での「ジハード」活動に関するニュース、イスラム教に関する番組などである。KandaharにはBBCのFM中継局 (89.2MHz)もあるが、これも閉局させられた。タリバンは1996-2001年にも、発祥の地である同地から同じ名称の放送を行っていた。 (WORIG 8/15)

◎Free Radio Service Hollandが8月30日に放送 5版新規
 
スペインのManuel Méndez氏によると、オランダのFree Radio Service Holland(FRS-Holland)が8月30日の02:52-07:05に放送開始41周年記念特別短波放送を実施する。周波数は7700、 4900、6185kHzの予定である。なお4900kHzは周波数が上下することもある。受信報告は印刷されたQSL希望の場合P.O.Box 2702 in 6049 ZG Herten, the Netherlandsへ、eQSL希望の場合はfrs @ frsholland.nlへ。

◎KTWRからタミール語DRM試験放送 ~自動音声 5版新規
 
GuamのKTWRは8月22日~9月26日の予定で、コンピュータによる自動音声でタミール語のDRM試験放送を実施する。スケジュールは毎週日曜日の19:14-19:26 15200kHz(Agana送信所、90kW、285度)である。受信報告はLinda Alvord, TWR Asia Broadcast Monitoring Department, P.O. Box 6095, Merizo, GU 96916-0395に。(Bulgarin DX blog 8/20) (WWDXC TP 1476)

◎Deutscher Wetterdienstがメンテナンスのため送信休止 5版新規
 
ドイツのDeutscher WetterdiensはPinneberg送信所の10kW送信機のメンテナンスのため、8月16-21日は全放送を、8月23-25日と8月30-31日は14:00-02:00の間の放送を休止する。スケジュールは15:00-15:30、21:00-21:30、01:00-01:30、05:00-05:30の1日4回で周波数は5905、6180kHz(Pinneberg送信所、10kW、無指向性)である。(Bulgarian DX blog 8/19)

◎ラジオマニア2021発   4版新規
 
BCL/ラジオファン向に毎年発行されている「ラジオマニア」の2021年版が今年も発行となる(8/17)。国内のAM、FM受信の他、短波の話題も含めて、「ラジオ」について広い範囲の情報を扱っている。主なテーマは「放送局の裏側」「ラジオ界全体の話題」「受信テクニック」「ラジオ受信機の話題」など。構成は、●巻頭カラー:ラジオマニアニュース、ラジオ局超ローカルニュース、パーソナリティ深掘りインタビュー「オテンキのり」、謎のハイテクライジョ Malahit DSP SDRって何?、3000円で買えるトイライジョレビュー、●第1章「ラジオ番組をもっと楽しもう」:TBSラジオの新型コロナ対策これまでとこれから、ラジオショッピングの裏側(ジャパネット)、AM局のFM転換でラジオはどこへ向かうのか、radikoで聴きたい各局イチ押しプログラム!、1局集中ガイド Lucky FM(茨城放送)、変わり種「券売機型FMラジオ」の製作、●第2章「受信機材使用レポート」:高性能FMチューナー入門、SDR事始め、PL-330輸出版、PL-368、ループアンテナMFJ-1886の実力、ATS-909X2の凄さ、現行短波ラジオ徹底比較実験!、●第3章「受信に役立つテク&情報」:FM送信所の地理的大研究、短波BCLの最新動向、お手軽スペアナで電波を見よう、ラジオ局超ローカルニュース、●第4章「ラジオハイパーマニアックス」:”車中ラジオ”充実化計画、英国のラジオ事情を探る、ラジオ番組表アーカイブ(1988年版)。付録として国内のAM/FM局の全情報を収録した「RADIO-MANIA handbook 2021-2022」(114ページ)がつく。A5版178ページ。価格\1,650(税込)。三才ブックス刊。(赤林)Amazon.co.jpより送料無料で購入可能。




◎対北放送周波数変更 3版新規
 
以下の対北放送が8月より周波数を変更した。送信所、放送時間は変わらない。北朝鮮向朝鮮語放送。
 CDNK北韓民主化放送: 火・木・土 23:00 9900kHz(Tashkent 100kW 76度)7580kHzより変更。
 新国(Sae Nala)放送: 水・金・月 01:00-01:30 9595kHz(Tashkent 100kW 76度) 7505kHzより変更。
(SWL Bulgaria News 8/7 8/8-9)

◎IRIBのURL変更 3版新規
 
Rifat J. Eusufzai氏によれば、イランIRIBのURLが変更されている。新URLはhttp://www.parstoday.irである。 (RUS-DX8/8 via WORIG 8/8) ここから日本語にもアクセスできます。

◎AIR地方局の生残りは3局! 3版新規
 
ドイツのHansjoerg Biener博士によるとAll India Radioは7月13日に国内向短波局のスケジュールを発表した。掲載されているのは以下の3局である。
 Leh (Ladakh) :  11:10-13:30 4760 kHz (2,5 kW) 15:30-18:30 6000 kHz (2,5 kW) 20:30-02:00 4760 kHz (2,5 kW)
    Srinagar (Jammu & Kashmir): 10:20-11:15 4950 kHz (50 kW)  11:25-15:05 6110 kHz (50 kW)  20:30-02:45 4950 kHz (50 kW)
    Jeypore (Odisha): 09:25-13:45 5040 kHz (50 kW)  16:00-18:15 5040 kHz (50 kW) 20:30-02:40 5040 kHz (50 kW)
    従来出ているとされていたGangtok (Sikkim)とAizawl (Mizoram) については言及がなく、廃止された模様である。
(WORIG 8/8)

◎オランダTexestar Radio8月に特別短波放送 3版新規
 
英国のAllen Dean氏によると、オランダのTelestar Radioは去る7月24日に続き8月28日の20:00-23:00に6045kHz(Nauen送信所)で特別短波放送を実施する。(BDXC Communicatons August via WORIG 8/8)

◎カナダの長波ビーコン28局が一挙閉局 2版新規
 カナダのWilliam Hepburn氏によると、カナダの長波ビーコン局28局が来たる8月12日に一挙に閉局となる。閉局されるのは以下の局。
 209 IB  Atikokan、212 BY  Beechy 、214 LU  Abbotsford、230 YMU Umiujaq、233 QN  Nakina、236 YHK Gjoa Haven、236 YZA Ashcroft、244 TH  Thompson、248 UL   Montereal、248 YLA Aupaluk、260 UFX Lourdes de Joliette/St. Felix de Valois、266 XD Edmonton、276 ZTH Thompson、278 NM Matagami、289 YLQ Tuque、302 QW  North Battleford、317 VC La Ronge、329 OU Quebec City/Ste. Foy、344 ZSB Greater Sudbury、358 NL St. John's/Signal Hill、358 YKG Kangsujuaq、373 YXK QC Rimouski、377 YRR Ottawa/Greely、392 ML La Malbaie/Charlevoix、395 YL Lynn Lake、396 YPH Inukjuak、399 ZHD Dryden、400 QQ Comox。出力は50W~1.6kW。(WORIG 8/5)欧米にはビーコンファンも多く、専門の資料も多く出されていました。

◎WRTH A21スケジュール7月update発行 2版新規
 ブラジルのJota Xavier氏によると、World Radio TV HandbookはA21スケジュールの7月アップデート版をリリースした。無料でhttp://www.wrth.com/_shop/wp-content/uploads/WRTH2021IntRadioSuppl3_A21SchedulesUpdate.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 8/4) 全4ページ。

◎Scandinavian Weekend Radioが週末24H放送 8/7~8/8 2版新規
 スペインのManuel Mendez氏によれば、フィンランドのScandinavian Weekend Radioは来る8月7日~8日に24時間連続放送を実施する。
 8/7 06:00-16:00 5980 11620
           16:00- 8/8 02:00 6170 11690
    8/8 02:00-06:00 5980 11720
(WORIG 8/4)

◎TDXCが「PROPAGATION」第9号を発行

 戸塚DXersサークル(TDXC)は通巻9号目を迎える会誌「PROPAGATION」を8/1に発行した。18名の執筆者による212ページのボリュームとなっている。特集は「緊急事態宣言」の合間を縫って3年連続で実施された岩手・北山崎ペディション。新型コロナ禍で開催を逡巡しながらも様々な対策を施して実行に移し、延べ10人のメンバーで過去2回に使用した以上の規模のアンテナ機材を設置して北米東海岸を目指してDXに挑んだこと、そこで思いもよらぬ素晴らしい出会いがあったことなどが綴られている。昨年7月にスタートしてBCL同士の間に人気を博している「ROK技術倶楽部」のスタッフと楽しく交流したオンラインインタビューも今号ならではの記事である。この他定番の技術系記事、BCL旅行記・ペディション記、書評、アマチュア無線関連、ラジオにまつわるエッセイなどが盛り沢山で多様な構成となっている。
 更に今号には、HCJB尾崎一夫氏より「PROPAGATION誌に寄せて」というタイトルで特別寄稿を頂いた。HCJB時代の想い出、ラジオ放送の持つ魅力と意義、そしてPROPAGATIONへの激励のメッセージを頂戴し、BCLブーム世代のTDXCメンバーは大いに感激させて頂くことになった。氏の「(本誌が)ラジオ愛好家の仲間に喜ばれ、発展していくことをお祈りします」という励ましの言葉を胸に、パンデミックという試練に負けずこの趣味の楽しみを追求する想いを新たにするものである。閲覧希望者は、下記URLよりpdf形式でダウンロードできる。http://my-bcl-life.sakura.ne.jp/PROPAGATION.htm。(TDXC 中川弘夫氏)



◎Radio Six International夏スケジュール
 Radio Six InternationalのDirector of Programmes、Tony Currie氏によると、同局は夏期次のように放送する。
 放送日は7/4(日)・8/1(日)・9/5(日)、時刻は21:00-22:00、周波数 3995 9670kHz(Rohrbach送信所、10kW)、またNew ZealandではFMの88.2、107.6MHzで中継する。オンライン放送はhttp://radiosix.comで行われる。受信報告は letters @ radiosix.comへ、印刷したQSLカード希望の場合は$1または€1同封の上 Radio Six International, The Studio, Port Ramsay, Island of Lismore, Argyll, Scotland PA34 5UNへ。(WORIG 7/3)

◎Radio Romania Internationalの送信機故障の現状
 米国のStephen Luce氏がRadio Romania International(RRI)英語部門から得た情報では、Radiocom社の管理するTiganesti短波送信所で起きている送信機故障について、同社では8月中の復旧を目指して更なる修理作業を行うことにした。送信機の故障によりRRIの英語・フランス語・ロシア語・ドイツ語・スペイン語・中国語放送は深刻な影響を受けており、ターゲット地域で受信が困難になっている場合もある。故障は2ヶ月以上継続しており、定時周波数の一部が使用できない状況となっている。(WORIG 7/1)

◎崇左経済生活広播がチワン語放送を開始
 中国・広西壮(チワン)族自治区の崇左(すうさ)経済生活広播はFM89.8MHzにて6月28日より毎日11:00-15:00及び18:00-21:00に壮 (チワン)語放送を開始した。番組内容は「壮語新聞」(ニュース)、「崇左故事」、「壮語空中党史学習課堂」(崇左における共産党活動の歴史学習)、「岜莱歌坡」(壮族の民謡・故事・伝説)など。広西壮族自治区では市・県レベルの放送局ではチワン語の番組を放送していなかったが、崇左を皮切りにすべての放送局での100%実施を目指す。(Cahcn自留地 6/27) 崇左市では人口の90%が壮族です。

◎NRCがDX Audio Serviceを公開
 英国のMike Terry氏によると、米国のNational Radio Club(NRC)は1985~2015年に行われていた音声によるDXニュース「DX Audio Service」のすべてをHP上で公開した。https://nationalradioclub.org/audio/。(WORIG 7/5)

◎英国のEU離脱で250局が英国から放送免許移転
 英国のEU離脱(Brexit)により、250局の放送免許が英国からEU諸国に移転された。EU諸国での聴取を目的とした放送免許が英国では許されなくなったためで、2018年に放送していた局の90%が2020年末には移転を終えた。かってこれらの局は英国Ofcomの免許管理下におかれ、ロンドンが欧州の放送界のハブの役割を果たしていた。免許を移転した主な局は、Discovery、Disney、NBC、NENT、Sony、SPI International、Turner、Viacomなどで、元々英国の局であったBBC海外向やSky Channelsも免許を移した。免許の移転先はオランダが多く、結果として放送免許の集中度はオランダが27%と欧州でのハブの地位を獲得した。2位はルクセンブルグの19%、3位はスペインの15%で、英国は10%の4位に後退した。(Medium Wave News July/August 2021 via WORIG 7/5)

◎イスラエルの旧IBAビル解体
 イスラエルJerusalemにある旧Israel Broadcasting Authority(IBA)のビルが7月3日解体された。同ビルには旧国際放送Kol Israelの本部等が置かれていたがここ数年は無人のまま放置されていた。(WORIG 7/3) 2017年3月に使用が中止され、ホームレスの人々が住み着いていましたが、2019年9月火災に遭い内部が焼けました。

JerusalemのRomenaにあった旧IBA本部ビル(Wikipediaより)


◎RAEのDX Show
 英国のPeter Jones氏によると、アルゼンチンRAEはDX番組リストに掲載されていないDX番組「DX Show」を英語で放送している。番組はpodcstとして同局のHP上から原稿内容と共に参照することができる。6月25日版はhttps://www.radionacional.com.ar/dx-com-ar-june-25-2021/。(WWDXC TP 1471)

◎Unique Radio短波撤退 
 米国のGlenn Hauser氏が、オーストラリアUnique RadioのTim Gaynor氏から受け取った手紙によると、同氏はUnique Radioの短波放送(3210kHz)を停止することを決断し実行に移した。放送内容をpodcastで提供した方が広く届くと判断したためである。Unique Radioの記事が取りあげられなくなるのは仕方が無いことである。(WWDXC TP 1471) 5045kHzのBay Island Radioの送信を肩代わりする計画はどうなったのでしょうか?

◎AIR各局のパノラマ写真
 SW TXer Site Projectによると、以下のインドAIR各局のパノラマ写真等をGoogle Map上で見ることができる。
 Delhi Kingsway送信所 https://\goo.gl/maps/ZswvhJfbJ7iYUwPy6
 AIR Thiruvananthapuram局(在Muttattara) https://goo.gl/maps/g8yp2vLLWWVmaKJ66
    AIR Thiruvananthapuram局の中波1161kHzの送信所 https://goo.gl/maps/6Rmy9QrMjeBZmbC87
(WWDXC TP 1471)

◎ラトビア ロシア語専門放送の免許剥奪
 ロシアの Anatoly Klepov氏によると、ラトビアの電波監理を行うNational Council for Electronic Media (NEPLP) は、ロシア語専門局Radio PIK 100FMの放送免許を剥奪した。理由は①下品・猥褻な内容の放送を行った、②ラトビアでの軍事衝突や政権転覆を煽る番組を放送した、③ロシアの立場のみに偏った討論・分析番組を放送した、の3点である。同局はロシア語専門局としては歴史の古い局で、政治・文化・経済についての番組を放送している。(RUS DX #1140 via WWDXC TP 1471) FM100MHzで放送、URLはhttps://pik.lv/。ラトビアは国民の27%がロシア系で、首都リガでは半数の住民がロシア語を話します。同国は ロシア拡張の次のターゲットとなっていると言われています。



◎タイの国営中波局閉局
 フィンランドのMauno Ritola氏が、Alan Davis氏から得た情報では、タイの国営国内向中波局が4月1日より順次閉局している。閉局が予定されているのは以下の局である。
 Radio Thailand国内向: 531 Mahasarakham、639 Nakhon Si Thammarat、648 Khon Kaen、720 Krabi、0 Sangkhlaburi、837 Bangkok、846 Phetchabun、864 Phatthalung、864 Si Sa Ke、909 Surin、918 Bangkok、927 Bueng Kan、981 Mae Hong Son、981 Nakhon, Phanom (7 FM中継局も)、1026 Betong、1098 Mae Sot、1116 Ta Kua Pa、1134 Lampang、1206 Satun、1215 Surat Thani、1260 Chiang Rai、1296 Pattani、 1341 Phang-nga、1368 Nan、1377 Chumphon、1422 Amnat Charoen、1557 Trat 1
 Education Network: 558 Songkhla、711 Ubon Ratchathani、927 Chanthaburi (2 FM中継局も)、936 Nakhon Sawan,、963 Krabi
(WWDXC TP 1471)
 
◎WBCQのWHRI買収にFCCが「待った」
 ドイツのKau Ludwig氏によると、WBCQによるWRHIの買収に対してFCCの承認が遅れている理由は短波放送施設移管の技術的問題だけではなさそうである。WBCQは買収後のWHRI・Furman送信所を時間貸しする計画であるが、時間貸しを米国にとって好ましくない外国の政府や団体に行わないと明確に規定していない点が問題視されている模様だ。またWBCQの背後にはContinental Electronics社とAmpegon社(最近 Ampegon Power Electronics社と改名)があり、放送企業ではないこれらの会社が送信内容を支配する懸念も推測される。FCCが特に問題視しているのは、WHRI がFurman送信所からの送信契約を結んでいたエジプトのある団体が提供する「Superstation」という番組について、WBCQが買収後の Furman送信所へMonticello送信所の500kW短波送信機を移転して9330kHz・500kWで世界に放送する可能性である。(WWDXC TP 1471)

◎Peter Tate氏の短波局2325kHzで試験送信
 オーストラリアのRob Wanger氏によれば、New South Wales州Wee Waaで開局予定の短波局が6月20日の19:00過ぎより2325kHzで試験送信を行った。内容はpopとrock音楽でIDは出なかった。局の名称は未定である。この局はVK5ARGのPeter Tate氏が免許を得ている。氏はどこかの放送局の関係者だったとのことである。免許出力は80Wだが、80Wの免許は2021年6月2日に失効することになっており、その後は1kWにの増力することが認められている。氏はこのほかに、Alice Springsで2310及び2350、Razorback Rangeで3230、4835kHz、New Lambton Heightsで4910kHz、Wee Waaでも他に5025kHzの放送免許を取得しているが、これらの局はまだ電波を出していない。(ARDXC Australian DX News July 2021 via WORIG 7/8)

◎大規模な太陽フレアが出現
 Yahoo Newsによると、米国NASAは2017年以来となる「X級」と呼ばれる大規模な太陽フレアが7月3日に観測されたと発表した。太陽フレアからは強力なX線パルスが放射されこれが地球の上層大気のイオン濃度を増加させ、過度になるとF2層による短波伝搬を不可能にしてしまうほどの威力がある。このような大規模フレアが現れるのは2025年7月にピークになるとされているサイクル25の太陽活動が今後盛んになる予兆とされている。また太陽プラズマ内のコロナの渦の観測分析からも同様な結果が予測されるとしている。「X級」太陽フレアはXの次の番号によってエネルギーの大きさを表すが、今回はX1.5とされている。今までに最大のものは2003年11月に表れたX28であった。サイクル25は過去最低と言われたサイクル24よりは力強くなると期待されている。(WORIG 7/8) 太陽フレアは太陽黒点付近の磁力線の相互作用によって引き起こされるエネルギーの爆発的放射。

◎チェルノブイリのOTHアンテナ世界遺産に申請
 ウクライナのチェルノブイリにある「Duga-1」と呼ばれる旧ソ連時代のOTHレーダー用アンテナが、隣の旧原発とともに世界遺産に申請されることになった。このアンテナは1970-1980年代に使用された。OTHレーダーの信号はキツツキのような10Hzのパルス音を短波帯に撒き散らすため「Russian Woodpecker」と呼ばれて嫌悪された。米国から旧ソ連に飛来するミサイルを早期の段階で検知するための仕組みで、アンテナから約40マイル離れた受信所で分析検知を行う。チェルノブイリ原発の事故、冷戦の終結、技術の陳腐化で発射が難しくなり、更に雑音に対する苦情もあり1990年代初めには利用が停止された。長さ2300フィート、高さ450フィートの巨大なアンテナは「鉄の塊」として長年放棄され、周囲は原発事故による立入禁止区域になっていた。ARRLによれば、旧ソ連はOTH-Rというレーダーシステムを採用し、チェルノブイリの「Duga-1」の他にシベリア東部には「Duga-2」が設けられていた。その送信出力は10MWに達したと言われている。なおOTH-RレーダーシステムについてはChad Cracia氏が「The Russian Woodpecker」というドキュメンタリー映画を制作し「2015 Sundance Film Festival」で賞を獲得している。「Duga-1」の旧レーダーサイトについては他のドキュメンタリーにも登場しており、更にビデオゲームや小説の題材にもなっている。(WORIG 7/8)

チェルノブイリDuga-1の鉄塔群(Wikipediaより)


◎Offshore Music Radio Rockpowerの最新スケジュール
 オランダの新局Offshore Music Radio Rockpowerは7月15日より6170 (7275kHzより変更)、7215(不変)、7220(新設)、13685(不変)、15270(不変)、17515kHz(不変)で24時間放送中であったが、7月22日よりは19:00-02:00 7220kHzのみとなった。Nijmegen送信所、1kW、無指向性送信である。放送はオランダ語。(Bulgarian DX blog 7/15)

◎WBCQから9330kHz復活
 米国のDave Zantow氏によると、WBCQの9330kHzが7月16日復活した。送信管が故障した500kW送信機が復旧したのか、他の送信機から出ているのかは判然としない。(WORIG 7/16)

◎VOAベンガル語ラジオ放送を終了
 英国のMike Cooper氏によると、VOAは7月17日でベンガル語ラジオ放送を終了させると発表した。同放送はバングラデシュ及びインドの西ベンガル州、アッサム州、トリプラ州向で1958年以来過去63年間行われてきた。短波放送だけでなくFM中継も同時に廃止される。放送が始まった1958年には、現在のバングラデシュは東パキスタンと呼ばれており国営ラジオ放送以外は行われていなかった。しかし昨今ではバングラデシュでもSNSの発展で、VOA短波放送の聴取者数は1%以下となり、逆に週1600万人がSNSや衛星TV放送を通じてVOAベンガル語サービスを聴取している状況である。(WORIG 7/15)

◎VOA職員トランプ時代の不当解雇認定される
 英国のMike Cooper氏がWashington Postの報道として伝えたところによると、米国の国務省監査官室(The State Department's Office of Inspector General)はトランプ大統領時代に行われた6人のVOA職員の解雇が不当であったと認定した。なおこの内5人はバイデン政権になってから復職している。6人はトランプ政権からUSAGMに送り込まれたMichael Pack長官が配下の放送機関の局長をすべて解任した人事に抗議したところ、内規違反を理由に解雇されていた。Michael Pack長官の在任はわずか6ヶ月であったが、その期間中に30件もの内部告発が議会、裁判所等に寄せられた。元記事はhttps://www.washingtonpost.com/opinions/2021/07/13/voice-america-whistleblowers-have-been-vindicated/を参照のこと。(WORIG 7/14)

◎All India Radioの放送最新情報
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radioの国内外向放送のHPが7月13日に更新された。国内向放送では新局と中波停波の情報が、海外向放送も最新情報に更新されている。参照はhttps://prasarbharati.gov.in/radio-network/で。(WWDXC TP 1472)

◎IRRS仲介のカシミール向新放送は「Kashmir Civitas」
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、イタリアIRRS仲介の新しいカシミール向放送は「Kashmir Civitas」という名称である。スケジュールは毎週金曜00:00-00:30 15170kHzである。送信所名・出力などは秘密とされている。言語はウルドー語。(WWDXC TP 1472) インド領カシミールに反対するパキスタン系の放送のようです。

◎Radio Ibrahim
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、スウェーデンIBRA MediaによるRadio Ibrahimは00:00-00:30に9390kHz(Tashkent送信所、100kW、131度)でベンガル語放送を行っている。(WWDXC TP 1472)

◎イスラエルの軍局Galei Tzahalが閉局を決定
 米国のGlenn Hauser氏が、https://www.media-radio.info/radiodiffusion/index.php?radiodiffusion=Israel&id=180&cat_id=70の報道として伝えたところでは、 イスラエルの軍局Galei Tzahalが閉局することを決定した。同局は1950年9月24日にイスラエル陸軍の兵士向に開始され、1956年に国防省による国営放送となった。イスラエル国外で活動する兵士向に短波でも放送していたが、短波放送は2004年に中止され、その後はインターネット放送と国内向FM放送のみとなった。イスラエルでは近年民間局にFM波が解放されたが、同局は放送税を納めておらず、競合する民間放送に対して不公平であるとされたため廃止されることになったという。(WORIG 7/18) 全国にネットワークを有し、交通・音楽専門局Gal Galatzとともに現在ではFMでのみ放送しています。URLはhttp://glz.co.il。短波で放送していた時代は日本でも良く受信できました。




◎アルジェリアの新短波送信所更に遅れる

 Radio du mondeの報道によると、2019年3月31日完成予定のアルジェリアOuarglas及びBecharの新短波送信所は、その当時で80%程度の進捗率であり、空調設備と電力供給設備の不備で更に遅延する見込みである。(WORIG 7/18)

◎ロシア当局RFE/RLに罰金220万ドル ~「外国の手先」法に違反
  ロシアの司法当局は、同国内で放送するRFE/RLに対して、「外国の手先」であることを登録・宣言しなかった罪で1億6900万ルーブル(約228万ドル)の罰金を科した。これはそれまで有罪とされた504件についての罰金で、さらに167件が審判中、146件が起訴準備中である。現在のところ罰金が支払われたという情報はない。原記事はhttp://onair.ru/main/enews/view_msg/NMID__80583/。(RUS DX 7/18 via WORIG 7/18)

◎スペインの旧Radio Liberty施設に保存運動
 スペインのPalsにある旧Radio Liberty本部ビルの解体計画に対して、地元で反対運動が起きている。反対運動を行っているのはCatalan History CircleとRadio Liberty Virtual Museumで、同建物を冷戦時代を象徴する歴史的建造物として保存し、周辺を歴史・科学・自然公園として整備するように求めている。これに対応して地元議会も解体計画に「待った」をかけて審議することになった。(WORIG 7/17) スペイン北東部のカタロニア州の東端、地中海に面した海岸にあり、旧米国BBGの大規模な短波送信所も併設されていました。

Palsに残るRadio Liberty旧本部ビル(Wikimedia Commonsより)



◎中国国家広播電視総局が最新放送局リスト発表

 中国国家広播電視総局は7月19日、2021年6月現在の最新ラジオ・TV放送局リストを発表した。リストは3部に分かれており、Excel形式でダウンロードできる。
 国家・省・大都市レベルの局; http://www.nrta.gov.cn/art/2021/7/19/art_113_57166.html
 県・小都市レベルの局; http://www.nrta.gov.cn/art/2021/7/19/art_113_57168.html
 教育局; http://www.nrta.gov.cn/art/2021/7/19/art_113_57167.html
(Cahcn自留地 7/19) 国家・省・大都市レベルの局は400局、県・小都市レベルの局は2108局、教育局は36局が収録されています。所在地、局のレベル、許可番号、ラジオ・ TV各チャンネルの放送内容、ラジオ放送チャンネル数、TV放送チャンネル数が記述されています。国家広播電視総局の管轄外放送局(香港・マカオ局、私営局、軍営局、有料TV局、携帯TV局など)は掲載されていません。

◎米国・カナダ中波局パターンマップ提供
 米国のGlenn Hauser氏によると、WE7WのBill Scott氏が開発した送信パターン描画ソフトを利用して米国及びカナダの中波局5000局以上の昼間及び夜間の送信パターンをPC上に表示できる「North American MW Coverage Maps」が英国のMedium Wave Circleから6地域に分かれて提供されている。使用は有料(£3/€4/US$4.5)だが、パタ-ンマップ集を購入するよりは安い。詳細は https://mwcircle.org/north-american-mw-coverage-mapsを参照のこと。(WORIG 7/21)

◎Number Stationの解説podcast公開
 謀略指令を伝えているといわれるNumber Stationの関する解説podcastが「Twenty Thousand Heltz」内で提供されている。https://www.20k.org/episodes/thebuzzerより入手できる。(WORIG 7/21)

◎米国FCCが中波・FM局に関する規則を改定
 米国FCCは7月12日より放送規則の改定案に対するパブリックコメントを求めているが、内3件は中波・FM放送に関するものである。その内容は以下の通り。
 1)認可電力を上回る最大定格電力の規定を削除する。現在は25-50kWの認可を得るには最大定格電力50kW、5-10kWには10kW、2.5kWには5kWというように最大定格電力が認可条件として定められている。
 2)中波局がFM中継局を設置する場合の設置認可基準を緩和する。2009年策定の現規則では昼間の中波信号強度が2mV/m以下で送信所から25マイル以上離れている地域と定められている。
 3)カナダ及びメキシコ国境から320マイル以内の地点に設置されるFM送信所及びFM中継局に関する設置規制を緩和する。
(NRC DX News July 27 via WORIG 7/20)

◎NRC AM Radio Log 2021年版8月に発行
 米国のNational Radio Club(NRC)のWayne Heinen氏によれば、同クラブは毎年発行の「AM Radio Log」の最新版(第42版)を8月に発行する。304ページに渡り米国及びカナダの中波局詳細データ(FM中継局のデータも記載)が記載されている。また地域別、周波数別の索引もついている。価格は送料共で、外国の非会員は$55.75である。送金・注文はNational Radio Club, P.O. Box 473251, Aurora, CO 80047-3251, USAまたはPayPalで。詳細はhttp://www.nationalradioclub.org/参照のこと。(WORIG 7/20)

◎ARDXC創立56周年
 英国のMike Terry氏によると、Australian Radio DX Club(ARDXC)はこの6月に創立56周年を迎えた。1965年の創立以来、短波、中波、FM、TV、ユーティリティー、アマチュア、衛星の各分野でDXing/SWLingに貢献してきた。年11回会誌「Australian DX News」(ADXN)を発行している。現在電子版会誌は年間US$20.0で講読できる。(WORIG 7/20)  なおNew Zealand DX Leagueは相互交換の一環としてメンバーにはADXNのコピーを配布しているそうで、こちらは年間NZ$10で(=US$7.00)だそうです。

ADXN 2021年7月号の表紙はワライカワセミにループアンテナ


◎Ham Radio Outletがフロリダに新店舗
 英国のMike Terry氏が、Amateur Radio Newsline Report 2281の報道として伝えるところによると、米国に残る数少ないアマチュア機器販売店の「Ham Radio Outlet」はフロリダ州に新店舗を開設すると発表した。これで同社の店舗は本社のあるカリフォルニア州、デラウェア州、アリゾナ州、テキサス州、ジョージア州、ニューハンプシャー州などに12店舗となる。ジョージア州のAtlanta店まで行って利用していたフロリダ州在住者は便利となる。同社は世界中に通販を行うとしている。(WORIG 7/20)

2021年で創立50周年を迎える!


◎短波データ伝送国際商業放送FCCは認めず
 米国のBennett Z. Kobb氏によると、米国FCCは一部から出されているHFT(High Frequency Trading)局の国際商業放送化を当面認めない方針である。HFT局とは短波を利用してデジタルデータを伝送する放送局であり、現在は研究目的の実験放送にのみ限定期間免許が与えられている。ところが Parable、Turms Tech、DPA Macの3社が個人や団体への国際間のデータ伝送を目的として国際商業放送免許を申請してきた。特にTurns Tech社は既にNew Jersey州に送信所を建設済みとして早期の免許交付を要求している。FCCによれば短波放送免許は音声放送のみに認められるものであり、データ伝送のみを目的としたものには認められないとしている。DPA MacはDRM短波放送免許を申請中だが、実態はDRMを利用したデータ伝送のみのため認められず、既に2回拒絶されている。今後何が「放送」で何が「放送でない」かの議論が進められて行くのであろう。(WORIG 7/19)

◎Radio Andorra記念放送再び ~82周年記念
 フランスのChristian Ghibaud氏によると、Radio Andorraの特別リバイバル放送が再度行われることになった。期日は2021年8月8日(日)の02:00-05:00 6180kHz(Moosbrunn送信所)である。この日(欧州では8月7日)はRadio Andorraが開局してから82周年に当る。(WORIG 7/23)

◎Encore - Classical Music on Shortwave 7・8月のスケジュール
 英国スコットランドEncore - Radio TumbrilのBrice Avery氏によると、「Encore - Classical Music on Shortwave」は7月22日以降次のスケジュールで放送する。
 土曜 19:00-20:00 6070 Channel 292 欧州向 -//9670kHz  (本放送、他は再放送)
    日曜 07:00-08:00 5950 WRMI 北米向  10:00-11:00 WRMI 7780 5850 欧州・北米向
 月曜 01:00-02:00 9670 Channel 292 欧州向 06:00-07:00 3955 Channel 292 欧州向 11:00-12:00 5950 WRMI 北米向
 木曜 22:00-23:00 15770 WRMI 欧州・北米東部・アイスランド向
    金曜 07:00-08:00 5950 WRMI 北米向
    土曜 04:00-05:00 6070 Channel 292 欧州向
 同局のE-mailは《encoretumbr @ gmaila.com》、URLはhttp://www.tumbril.co.uk。受信報告にはeQSLが発行される。
(WORIG 7/22 7/26)

◎Radio Piepzenderの近況
 フィンランドのKari Kalio氏によると、オランダのRadio Piepzenderは新QSLカードを発行している。E-mailによる受信報告は《radioqsl @ hotmail.com》 でのみ受付ける。他のアドレスでは拒絶されるので注意して欲しい。印刷されたQSLカード希望の場合は€5を同封の上、受信報告をPO Box 2702, 6949ZG Herten, Netherlandsに送付して欲しい。現在Zwolle送信所(Amsterdamの東100kmに位置)では3920または6185kHzで、高さ25mの逆Vアンテナから200Wで送信している。(WORIG 7/26) Radio Piepzender自体の放送は毎週月曜の03:00-06:00に3920kHzで行われています。場合によって6185kHzが併用されることがあります。なお不定期放送が火曜、Radio GAARの中継が木曜、Radio Continentalの中継が日曜に行われるとのことです。「Piepzender」はオランダ語で「ビープ音発信器」のような意味です。

◎豪州ABCが中波DRM試験放送を実施
 英国のAlan Pennington氏によると、オーストラリアABCは747kHzでDRMの試験放送を実施している。放送はVictoria州では受信されている。文字メッセージでは「ABC Radio National」、「ABC is testing the future of radio」、「You're listening to the ABC DRM demonstration」、「ABC is looking to the future of radio」、「Today is 2021-7-25」、「Now it is 6:30 AEST」等と表示されている。(WORIG 7/26) 7月21日の試験放送受信の様子がhttps://www.youtube.com/watch?v=s0sYjihXvTgにアップされています。747kHzはABCの4局(8JB/4QS/7PB/6SE)が使用していますが、DRM試験用にMelbourneの北東にあるDockers Plains送信所から出ている新周波数のようです。

◎次期カナダ総督は旧CBC北部向短波放送に従事
 英国のRichard Langley氏によると、カナダの次期総督に任命されたMary Simon氏は、1969~1973年にはCBC Northern Quebec Shortwave Serviceの職員でプロデューサー、アナウンサーとして活躍した人物である。同サービスはSackville短波送信所から9625kHzで行われており、2012年12月1日に廃止された。(WORIG 7/26)

◎Radio Congo 6115kHz復活
 スペインのManuel Mende氏によると、放送局側が公式に廃止したとしているBrazavilleのRadio Congo・6115kHzが7月21日の15:00より受信された。翌22日にも受信された。オーストリアのChristoph Ratzer氏も02:30-03:30頃受信した。更にポルトガルのCarlos Latuff氏は7月19日の11:30に確認している。(WWDXC TP 1473)

◎WMRの15790kHz送信機が故障 ~超低出力送信に
 デンマークWorld Music RadioのStig Hartvig Nielsen社長によると、同局の15790kHz用の送信機が7月25日に故障し、急遽予備用の送信機に切り換えて放送しているが出力は2Wである。受信できれば超DXであるが!この状態はしばらく続くが24時間放送しているので、927、5930、25800kHzで受信して欲しい。(WWDXC TP 1473)

◎Kall-Krekel送信所の水害被害状況
 ドイツShortwaveserviceのChristian MIlling社長らによると、7月にベルギーのLimburg地域と、ドイツのEifel地域を襲った豪雨による水害でShortwaveradioのKall-Krekel送信所には 1.5万リットルもの水が浸入し数時間の内に水没してしまい送信不能となった。Radio Mi Amigoの中継に使われている6085kHz用の送信機は若干高い位置に設置されていたため、重要部分の浸水を免れ7月25日より送信を復活した。6005、3985kHz及びFM用の送信機は浸水の影響が大きかった。手持ちの1960年代の旧式送信機を総動員して 復旧作業に当っている。その結果3985kHzも復旧した。送信機には24時間通電して水分を蒸発させる努力を行っている。(WWDXC TP 1473)

◎All India Radioの9620kHz短波DRM送信再開
 インドのJose Jacob氏によると、All India RadioはBengaluru送信所からの9620kHzでの短波DRM送信を再開した。スケジュールは04:30-05:00で、External Serviceの欧州向フランス語放送が流されている。(WWDXC TP 1473)

◎REEのNoblejas短波送信所が開設50周年
 スペインRadio Exterior de Espana(REE)のNoblejas短波送信所は1971年7月21日の送信開始から今年で50周年を迎えた。この送信所は現在RNE(スペイン国立放送)としては最大規模の送信所であり、唯一の短波送信施設である。以前にはRNEは大規模送信所としてCanary諸島のSanta Cruz de Tenerife(1982年閉鎖)、MadridのArganda del Rey (1985年閉鎖)、コスタリカのCariari de Pococi(2013年閉鎖)にも大規模短波送信所を有していた。Noblejas短波送信所の現在規模は面積144ha、床面積8000平米の3階建て送信棟内に4基の短波送信機を設置して米州、アフリカ西部、南大西洋、中東、インド洋向に電波を発射している。アンテナは27基の指向性カーテンアンテナが3kmに渡って張られている。50年の歴史の中で送信所が停止したのは、スペイン政府が短波放送の廃止を決定した2014年10月から復活することを決定した同年12月までの2ヶ月だけだった。局では現在も6-26MHzの周波数で100kWの出力が出せるとしている。当時のフランコ総統が出席した開所式の模様がhttps://www.rtve.es/filmoteca/no-do/not-1490/1486589/で公開されている。(Ydun's Medium Wave Info via WWDXC TP 1473)

◎スイスでFM放送継続の請願
 英国のMike Terry氏がswisss.infoの報道として伝えたところによると、スイスでは2022年からFM放送を廃止して行く方針だが、それに対して6万人が署名したFM放送継続請願が政府に提出された。この署名活動を開始した私設ラジオの経営者Roger Schawinski氏によれば、FM放送の廃止は人々が放送へアクセスする自由を奪い法律違反であると主張している。またメディア専門家のUrs Saxer氏は公共放送のSwiss Broadcasting Corporationが一般国民に対するラジオのサービスを放棄することに等しいと批判している。スイス政府は2021年1月FM放送の廃止についてラジオメーカーと合意しており、2022年夏には本格的にDAB+放送への切換を開始する、また私設放送局に関しては2023年1月より切換を実施する。そして当初計画された2024年末の完全DAB+化を前倒しして達成する予定にしている。(WWDXC TP 1473)

◎台湾国際放送の今夏のドイツ語放送
 オーストリアのPaul Gager氏によると、台湾国際放送(RTI)は今夏以下の日(週末の土・日・月)にドイツ語放送を行う。
 7/31~8/2、8/7~8/9、8/14~8/16、8/21~8/23
 02:00-03:00 11705
    03:00-04:00 9545
   受信報告には特別QSLカードが発行される。受信報告は郵便、同局のHP上のフォーム、ないしはE-mailで《deutsch @ rti.org.tw》に。(WWDXC TP 1473)

RTIのドイツ語HP podcastもある 



◎Radio SE-TAが送信試験
 ドイツのRadio SE-TAは8月1日の17:00-18:02に6115kHz(Hartenstein送信所、1kW、無指向)の送信試験(ドイツ語)を実施した。A21の登録スケジュールは毎週土・日曜の19:00-20:00に同一周波数である。(SWL Bulgaria News 8/1)

◎Asian DX Review第39号発行
 インドのSandipan Basu Mallick氏によると、Asian DX Review第39号(通算No.562)が発行された。今月号の主要記事は、Supratik Sanatani氏による「Sailors in the Sea of Ether」、「The Use & Abuse of SINPO」、Jose Jacob氏による「This is High Adventure Radio - Voice of Hope」、Jose Jacob氏による「Focus on India」などである。 https://idxci.in/wp-content/uploads/2021/08/ADXR-Volume-39-No-562-August-2021.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 8/1) A4版22ページ。

◎2021 Winter DX Survey発行
 オーストラリアのRob Wagner氏は最近の受信成果をまとめた「2021 Winter DX Survey」(オーストラリアでは現在がwinter)を発行した。https://medxr.blogspot.com/2021/07/free-download-2021-winter-dx-survey.htmlよりダウンロードできる。(WORIG 7/30) 同氏がVictoria州で4.8-10MHz間の周波数で15:00-19:00に受信できた局について報告。発行は2017年以来。A4版13ページ。Tecsun PL-680、Trio R-5000等の受信機+100mの水平ループ(!)で受信。




出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  
   WRTH FB: World Radio TV Handbook facebook


トップページ