月刊短波2022年3月号(第4版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎HFCC A22スケジュール出る 4版新規
インドnoJose
Jacob氏によると、HFCCに登録されたA22のスケジュール表が発表された。http://hfcc.org/data/a22/index.phtmlよりダウンロードできる。(WORIG
3/12)
◎RFPIがロシア語試験放送 4版新規
フランスのChristian Ghibaudo氏によると、フランスのRadio For Peace
International(RFPI)は3月17日にロシア語の試験放送を実施する。目的はロシアの人々にウクライナ戦争に関する正しい情報を伝え、ロシア国内のプロパガンダ体制を打破することにある。放送は3月17日(木)の04:00-04:15に15770kHzでWRMI中継で行われる。番組はロシア人及びウクライナ人のジャーナリストが共同で制作したものである。結果が良ければ毎日15分短波で放送する予定である。(WORIG
3/13)
◎ロシアがNHKワールドの配信を遮断 ~短波放送の増強で対抗 3版新規
ロシア国内では、国際TV放送「NHK ワールド
JAPAN」の英語テレビ放送の配信が、3月8日未明(現地では3月7日夜)より突如停止された。同TV放送は現地委託先を通じて、衛星放送やケーブルテレビなどで、およそ1800万世帯に配信されていた。ロシア政府の命令で停止せざるをえなくなった模様である。
これに対応してNHKではRadio Japanのロシア語放送を3月9日より30分増強し、今後ロシア国内ではインターネット、短波、中波(Baltic Waves
International中継)、衛星(Intelsat 29/20及びAPSTAR 5C)で受信することができると発表した。
*インターネット
NHKワールドTVライブストリーミング(英語) www.nhk.or.jp/nhkworld/en/live/
英語ニュースサイト
www.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/
ロシア語サイト www.nhk.or.jp/nhkworld/ru/
ロシア語Radio Japanライブストリーミング https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ru/radio_live/
*Radio Japanロシア語短波放送
12:30-13:00 17560(八俣 300kW 305°) ロシア極東部向(3月9日より新設)
13:30-14:00 6165(Nauen 125kW 85°) ロシア西部・欧州向
14:30-15:00 11790(八俣
300kW 330°) ロシア極東部向 (A22も同一)
20:00-20:30 5985(八俣 300kW 330°)
ロシア極東部向 (A22では7355kHzに変更)
*Radio Japanロシア語中波放送(リトアニアRadio Baltic Waves
International中継・75kW)
12:30-13:00 02:30-03:00 1386 75kW) ロシア西部・欧州向
詳細はNHKの発表(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/upld/thumbnails/ja/information/japan_nhkworldjapan_pressrelease_russia_sub.pdf、https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/upld/thumbnails/ja/information/japan_nhkworldjapan_pressrelease_russiahowtowatch.pdf)を参照のこと。(赤林)13:30-14:00のNauen中継はA22より停止される予定でしたが変更されるかも知れません。
◎The Mighty KBCが3月27日高出力放送 3版新規
オランダThe Mighty KBCのEric van
Willegen氏によると、同局は2022年3月27日(日)の16:00-24:00に6095kHzでドイツNauen送信所より高出力放送を実施する。詳しくはhttp://www.kbcradio.nlを参照のこと。(WORIG
3/7)
◎ウクライナ侵攻でBBCがロシア・ウクライナ向に短波放送復活 2版追加 4版追加
3月3日よりBBCはウクライナ向に1日18時間のBBC World
Serviceの英語放送を行う。スケジュールは次の通り。すべてWoofferton送信所、300kW、ウクライナ方面向。
13:00-15:00
7370 78°
15:00-16:00 9745 78°
16:00-04:00 15730 86°
04:00-07:00 5875
78°
また同日よりロシア向ロシア語短波放送を再開する。スケジュールは以下の通り。
03:00-03:30 9770 Woofferton
250kW/66° 東欧・ロシア西部向
(Bulgarian DX
blog 3/3) 2月24日より1日2回4時間の放送を開始しましたが、3月3日から増強、周波数も若干変更されました。
米国のGlenn Hauser氏がNew York Timesの報道として伝えたところによると、ウクライナ侵攻後ロシアはウクライナの通信インフラを次々と破壊し同国民が正しい情報を得られないようにしている。それに対しBBCは第二次大戦で用いられた方法~短波放送を復活させて対抗しようとしている。まずウクライナの国民がBBC
World Serviceの英語ニュースを手持ちのポータブルラジオで受信できるように短波で放送する。(WORIG 3/3)
BBC World Serviceのロシア・ウクライナ向英語放送は3月12日より22:00-24:00 15730kHz(Woofferton
300kW 86°)のみに変更され、それまでの放送は廃止された。(Bulgarian DX blog 3/12)
◎ウクライナをリモートSDRで効率良くモニターするには 2版新規
米国のSteve
Whitt氏によると、ウクライナ戦争の勃発でウクライナ国内の放送局モニターの需要が高まりKiwi SDRマップに表示されたウクライナ国内外のリモートKiwi
SDRにはアクセスが殺到して利用出来ない状況が続いている。その場合「camp」機能を利用すると他のユーザーが受信しているのと同じストリーミング内容を別のサーバーから中継して同時受信できる。ウクライナの放送を受信できそうなリモートKiwi SDRは以下の場所にある。
http://kiwi.24x7.hk:8073/ (ウクライナ)
http://kiwisdr-dorohoi.ddns.net:8073/
(ルーマニア)
(Medium Wave News 67/10 28 March 2022 via WORIG 3/2)
◎Tropical Bands Monitor update発行 2版新規
米国のGlenn
Hauser氏によると、120~60mbの間の短波局情報を集めたTropical Bands Monitorの2022年3月1日版が発行された。編集はAnker
Petersen氏。http://www.dswci.org/tbmonitor/2022.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 3/2)
◎European Private Shortwave stations
list最新版発行 2版新規
米国のGlenn
Hauser氏によると、欧州の民営短波局の周波数表「European Private Shortwave stations
list」の3月1日版が発行された。https://www.radioheritage.com/european-private-shortwave-stations/より無料でダウンロードできる。(WORIG 3/2)
◎WBCQ-3が3月より新スケジュール 2版新規
米国WBCQ-3は3月1日より以下の新スケジュールで放送している。
12:00-14:00 4790v Monticello 50kW 245° 中南米向Radio Angela英語
(Bulgarian DX blog
3/2)
◎秋葉原BCLクラブ「ABC50's」No.10発行 ~電子版は無料配布
2022年3月1日、BCLファンの情報誌「ABC50's
No.10」が秋葉原BCLクラブにより公開された。No.9と比べて20ページ増となっており、更に読み応えのある情報誌に仕上がっている。内容は、"ベネズエラのカラカス市にある「フアンマヌエルカギガル」天文気象観測所から送信された、南米YVTOで最も重要な時報の1つであったものの歴史的編集"(編註:ベネズエラ時報局YVTO物語)、Radio
Channel 292で番組を放送している局のベリカード、もう一つの”Special
English”、実は私ラジオ番組を制作しています、2021年度上期に開設されたコミュニティエフエム放送局、ベリカードの中の風景3
秋田県男鹿市
船舶気象通報局 にゅうどう、ROK技術倶楽部の受信戦略
(3)、ROTIマップで見る近距離Es伝搬の様相、BCL旅日記2021年4月~2021年9月、エコキューブラジオで遊ぶ、私のBCLライフ、BCLとわたし、私とBCL(秋葉原BCLクラブとの出会い)、~オカンとラジオタイランド日本語放送~など。A4版91ページ。秋葉原BCLクラブホームページ(https://www.abc50s.net/)「ABC書店」から無料でダウンロードできる。また今回よりABC50's
No.10とバックナンバーの印刷版を販売開始する。今号とバックナンバーの印刷版を希望の場合は、https://www.abc50s.net/shop.htmlを参照願いたい。(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏)
◎Ukraine Radioが中波放送を復活
ロシアの侵攻以来Ukraine
Radioは廃止した中波送信所の復活作業を進めている模様で、Odessa近くのMykolaiv
Luch送信所からは400kWの出力で549kHzの第一放送が復活した。またChernivtsiからの675kHzも復活した。(WWDXC TP 1496)
◎オーストリアがウクライナ向短波放送開始
ドイツのKai Ludwig氏によると、オーストリアのOesterreichischer
RundfunkはMoosbrunn送信所からのウクライナ向の短波放送を2022年3月1日開始した。国内向ドイツ語放送を中継している。スケジュールは次の通り。なお通常放送は15:00-16:20に毎日6155kHzで従来通り行われている。追加されるのは以下の放送である。
月ー土曜 20:00-21:00 13730 100kW 70°
02:00-02:30(土曜 02:20 日曜 02:15) 5940 100kW
70°
(WWDXC TP 1496)
◎Polish Radioが長波225kHzでウクライナ語ニュース放送開始
ポーランドPolish
Radioは2022年2月25日より、ロシアのウクライナ侵攻に対応して、長波225kHzでウクライナ語による3分間の特別ニュースを開始した。特別ニュースは毎日18:00及び01:00に国内向第一放送の一環として行われる。ニュースの制作は国際放送Radio
Polandのウクライナ語部門が行い、ポーランド国内のウクライナ人・ウクライナからの避難民・ウクライナの人々向に前線の戦況、自由主義諸国からのウクライナへの支援等について伝えて、ロシアによるフェークニュースやプロパガンダに対抗する。225kHzの電波はポーランド・ウクライナを含む欧州全域で受信可能である。(Wireless
on Flirt FM twitter 2/25 via WWDXC TP 1496)
他にルーマニアも長波153kHzの番組変更を行った模様です。
◎欧州ではロシアのプロパガンダチャンネルをシャットアウト
英国のMike
Cooper氏によると、ウクライナ文化省とウクライナのメディアグループは連名で、欧州各国の放送プロバイダーに対してプロパガンダを流すロシアのニュースチャンネルの中継を停止し、ウクライナの「United
News」に切り換えるように要請した。これに応えてポーランド、オーストリア、スロバキア、チェコ、カナダ、エストニア、リトアニア、ラトビアの20のプロバイダーが、2月26日以降が衛星、ケーブル、ネット等からロシアのメディアを締め出しウクライナの「United
News」に切り換えた。原情報はhttps://www.pravda.com.ua/eng/news/2022/02/28/7326941/を参照のこと。(WORIG
2/28)
◎VOAがウクライナ情報を伝える新番組「Flashpoint
Ukraine」開始
英国のMike
Cooper氏によると、VOAはウクライナの最新情報を専門に伝える英語番組「Flashpoint
Ukraine」(Steve
Miller氏制作)を開始した。放送は火~土曜の06:05-06:30である。放送されるエピソードはhttps://www.voanews.com/z/6932に掲載される。またpodcastはhttps://podcasts.apple.com/us/podcast/flashpoint-ukraine-voice-of-america/id1610018620上で提供される。(WORIG
2/28)
◎WRMIがRadio Ukraine Internationalの中継を再開
英国のRichard Langley氏によれば、米国WRMIはロシアのウクライナ侵攻を受けて急遽Radio Ukraine
International英語放送の中継を再開した。スケジュールは毎週金曜21:00-21:30 5010kHzである。(WORIG 2/24) 3
月1日改訂のWRMIスケジュール(https://docs.google.com/spreadsheets/d/13Hra1coQGQAKDzn8QGeAqPuXbvFsn7umGzESGJQUx5k/edit#gid=0)では毎日21:00-22:00
がRadio Ukraine
Internationalに割り当てられています。英語放送のない場合はウクライナ語放送の模様です。Okeechobee送信所、100kW、181°(カリブ海向)です。
◎ウクライナのTVを見る方法
米国のWalter Salmaniw氏によると、クライナNSTUのChannel5等のTV放送は次のサイトで視聴することができる。刻々と変わる情勢を伝えている。
https://wwitv.com/tv_channels/b6394-5-TV.htm
(WORIG 2/25)
◎ウクライナ軍の放送Armija FMが欧州各地で聞こえる
オーストリアのChristoph
Ratzer氏によると、現在Mecedoniaの810kHzが出ていないため、同周波数に出ているウクライナ防衛省の放送Armija
FMがオーストリアSalzburgでも受信できるようになった。周波数は若干810kHzよりも下に外れていた。また変調は浅かった。BBC
Scotlandが強くなると潰されてしまう。810kHzの送信所はウクライナ東部Donetsk州の人口1.1万人ほどの町Hirnyuskにある。この町は1938年に鉱山開発のために建設され、1958年には市となった。(WORIG
2/23)URLはhttp://www.armyfm.com.ua/で、ストリーミング放送も行っています。
◎Radio Ukraine Internationalを聞くには
英国のRichard Langley氏によると、Radio Ukraine Internationalはドイツの送信所からの低出力中継以外には衛星放送でしか受信することはできないが、ストリーミング放送は受信できる。
http://www.nrcu.gov.ua/schedule/play-live.html?channelID=4またはhttp://www.ukr.radio/uk/schedule/play-live.html?channelID=4。
ストリーミング放送は24時間行われているが、06:00、08:00、11:00、22:00の4回1時間の英語放送がある。他の時間にはウクライナ語、ロシア語、ドイツ語、ルーマニア語の放送が行われている。(WORIG 2/23)
米国のJohn
Figliozzi氏によると、ロシアが侵攻開始した2月24日には外国語の放送は一切なく、すべてのストリーミングチャンネルで国内向第一放送の番組を流していた。(WORIG 2/24) ロシア軍の侵攻後はアクセスが殺到している模様で、つながっても放送が聞こえません。
◎VOAがキエフに東欧支局
VOAはウクライナの首都キエフに東欧支局を設け、支局長にウクライナ語部長であったMyroslava
Gongadzeさんを任命した。彼女は近日中にキエフに赴任する予定である。ロシアがこれから起こそうとしている侵入と情報途絶に対処するのが目的である。ウクライナでのロシアの動き、中国の影響などを中心に報道する予定である。原記事はhttps://aib.org.uk/voa-appoints-myroslava-gongadze-as-first-eastern-europe-chief/。(AIB Media
Industrty Briefing Feb 2022 via WORIG 2/7) 開戦後どうなったのかは不明です。
◎ウクライナ危機の中でのラジオ事情
ロシアからの攻撃が近いとされるウクライナであるが、そんな状況の中でもラジオは情報提供やプロパガンダなど重要な役割を果たしている。その中には公式のラジオ局の他、海賊局、スパイ局もひしめいている。同国の現在のラジオ事情が、イタリアのwebサイト「RADIO MERNICA」
(https://www.radiohernica.com/)上にて録音付で紹介されている。https://www.radiohernica.com/2022/02/07/la-radio-nella-crisi-ucraina/?fbclid=IwAR1lPwM-UpRMTTFN2_bsaSS-iVCiYtzOymKbXI_QeQyIM5IMyRXUq3X2kEw。
(RUS-DX Feb 13 via WORIG 2/13) イタリア語です。
◎エストニアのロシア語民放
ロシアのAnatoly Klepov氏によると、エストニアの研究者Kantar
Emor氏は2021年7~12月にエストニア国内でロシア語を専門に放送する民間FM局の調査を行った。その結果Russian
Radioが最もロシア語社会では多くの聴取者を持つことが分かった。しかし20-55歳の若年人口ではSKR Radioが一位でRusskoe
Radioは4位であった・調査結果は以下の通り。
局名 |
代表的周波数・所在地 |
週間聴取人口(人) |
20~55歳週間聴取人口(人) |
Russkoe Radio |
101.2MHz Rõõmu |
79,000 |
47,000 |
Narodnoe Radio |
100.0MHz Narva |
77,000 |
49,000 |
SKY Radio |
98.4MHz Tallin |
74,000 |
56,000 |
Humor FM |
104.9MHz Tallin |
62,000 |
32,000 |
DFM |
90.2MHz Tallin |
56,000 |
49,000 |
Radio Volna |
106.9MHz Kohtla-Nõmme |
29,000 |
19,200 |
(RUD-DX #1172 via WWDXC TP 1495) エストニアではロシア系住民が25%、ロシア語を話す人口が30%(首都Tallinでは約50%)います。これはウクライナとほぼ同様の比率となっています。
◎ロシア・ウクライナ等宛郵便物は引受停止 3版追加
日本郵便は1月26日よりロシア宛の郵便物は新型コロナ蔓延の影響で全面的に引受を停止しているが、更にロシアのウクライナ侵攻を受けてウクライナ宛郵便物も2月22日より全面的に引受を停止した。更に欧州との航空路が遮断されているため英国・ドイツ・フランスなど欧州各国宛の航空便も引受が停止された。郵送の可否はhttps://www.post.japanpost.jp/int/information/overview.htmlで確認すること。(赤林)
◎ロシアが北方言語の放送を短波で実施する計画か?
英国のMike
Terry氏がTASS通信の報道として伝えたところによると、2022年2月7日にロシアのSt.Petersburgで開催された「北極文化遺産保存
国際シンポジウム」において、北極圏原住民に使用されている言語による短波ラジオ放送創設の提案がロシアから行われ検討された。その結果ノルウェイのSami
Radioが協力し、ロシア・ノルウェイ・フィンランドを対象としたパイロット放送を実施して、更にメンバー国を増やして行くことになった。Krasnoyarskの短波送信所を利用すれば1基の送信機でロシアの北極圏地域の80%を、ノルウェイに残る短波送信機を利用すればスカンジナビア諸国の北極圏地域を同様にカバーすることができる。更にアラスカに2基設置すれば全域をカバーできる見込みである。短波放送実現後は長波・中波でも実施したいとしている。各現地語の他、ロシア語と英語で放送したいとしている。原記事はhttps://tass.com/economy/1399001。
(WORIG 2/13) ロシアのウクライナ侵攻で実現は難しそうか?
◎オランダ新局Offshore Music Radio
オランダの新局Offshore Music
Radio(OMR)は1月29日より15:00-08:00に7575kHz(Nijmegen送信所、1kW
0°)で欧州北部向に放送している。放送はオランダ語。HFCCへの届出では「OMR Rockpower」の局名で24H
7280kHzとなっていた。(Bulgarian DX blog 2/1)
元々インターネット上のみで24時間放送を行っていました。URLはhttps://www.offshoremusicradio.com/ですが、短波放送について言及されていません。
◎Radio Teosの新スケジュール
PhilippinesのFEBCから送信されているロシアのカトリック局Radio Teosは、現在以下のスケジュールで放送している。送信所はBocaue、出力100kW、方向323°。
月曜 00:00-00:30 9920 ロシア語
月曜 00:30-00:45 9920 ウクライナ語
月曜 00:45-01:45 9920 ロシア語
放送では「モスクワ時間19:00-20:00に11650kHzで放送」とアナウンスしているが実際は「18:00-19:00に9920kHz」で、放送時刻・周波数共に誤っている。(Bulgarian DX blog 2/1)
◎サイクル25は「超強力」か?
英国のMike
Terry氏によれば、サイクル25に関しては様々な憶測が行われてきた。毎月の太陽黒点数はいつも予測値を上回っていた。我々は超強力な太陽活動の下に入るのであろうか?米国Virginia州にあるANSER研究所のRon
Turner博士は「そんな結論は性急にすぎる」という。サイクル25を前回のサイクル24の動きと重ねてみると始まりの状況では似たような動きをしている。サイクル24はその後連続して立ち上がって行くことがなく過去100年間で最低のサイクルであった。そのことから初期の立ち上がりだけで「超強力」と期待するのは早計であるとしている。詳しくはhttps://spaceweather.com/を参照のこと。(WORIG 2/3)
◎WWRB局のオーナーが死去 ~局の将来は?
米国WWRB局のオーナーDave
Franz氏が2022年1月初めに死去したことが明らかになった。局の運営を引き継ぐことが出来る人材はいない模様である。Dave氏自身はDXerをあまり好きでなかったようで、生前に「彼らは獲物を貪るハンターのようだ。ちょっと放送を聴いただけで受信報告を送りQSLカードを要求してくる。そして新しいデザインのQSLカードを発行するか、受信コンテストを実施するか、ペナント等を用意しない限り、二度と聴いてはくれない。自分の受信に対する褒美を得ることだけに関心があり、番組内容には興味がない。ハンターが猟銃に凝るのと似て、微弱な信号でも受信できるすごい受信設備を持っている。そんな受信設備で聴いた受信報告で、放送局は放送が目標エリアに届いていると錯覚してしまうのだ。」(2003年スウェーデンのLennart
Weirell氏がHCDXに寄稿した氏の談話)と発言している。長々と続く宗教番組以外の番組(旧HCJBの「DX Party
Line」や「エクアドル音楽の時間」のような)も放送すれば聴取者をつなぎ止められたのでは?(New Zealand DX Times
February via WORIG 2/3) WWRBはコールサインであるとともに局名「World Wide Religious
Broadcasting」の略称でもあります。Dave氏は腹の底ではそう思いつつも、七福神巡りの色紙のように受信報告7回分のシールを貼ると満願になるQSLカードやリスナーズクラブの結成等努力はしていたようです。
◎ロシアがDWを追い出す
ドイツのHansjörg
Biener氏によると、ロシア当局は2022年2月3日、DWのモスクワ支局に閉鎖を命じ外国人スタッフの在留資格を剥奪した。またロシア全土においてDWの放送を中継したり、衛星放送を受信することを禁止した。またDW関係者のロシア入国も禁止された。理由はDWがロシアの宣伝放送「Russia
Today」を報道の自由を脅かし世情を混乱させる機関であると批判したことがロシアの「外国の手先」法に抵触したためであるとしている。(WORIG 2/3)
英国のMike Cooper氏がFinancial
Timesの報道として伝えたところによると、これはBerlin市がロシアの宣伝放送「Russia
Today」ドイツ語放送を、市の送信許可をとっていないとして、市内で中継送信することを禁止したことへの報復措置である。「Russia
Today」はドイツ政府にとって悩みの種であった。同局のジャーナリストはドイツ政府の記者会見では質問の名目でロシア政府の意見を繰り返し、また新型コロナのワクチン接種に関しての虚偽情報をドイツ国内で拡散したとして批判されていた。(WORIG 2/4)
ロシアのAnatoly Klepov氏によると、ロシア当局から突発的に以下の事項を即時実施するようDWに対し命令が発せられた。
1)DW支局の閉鎖。
2)DW支局で雇用中の職員の解雇。
3)ロシア国内でのDWの放送(衛星放送を含めて)の全面停止。
4)DWが西側の手先であることを公に認めること。
5)ロシア向番組作成組織の人員リスト作成とロシア政府への提出(リストに掲載された人間はロシアへの入国を拒否)。
(RUS-DX #1172 via WWDXC TP 1495)
◎TWRが1377kHzのロシア語放送復活
ロシアのAlexander Berezkin氏によれば、Trans World
Radioは2022年1月25日より、休止していた1377kHz(Yerevan-Gavar送信所)のロシア語放送を復活した。時間は
03:00(02:45の日もある)-03:15。なお同局ではこの放送に関して技術上のアドバイスは歓迎するがQSLは特に発行する予定はないとしている。ドイツのWolfgang
Bueschel氏によると、1377kHz用の送信アンテナは米国Kintronics社製6エレメントの「Double Cone Skirt」で、出力1000kW、送信方向30°、Trans World Radioが資金を負担して2006年に設置したもの。(WWDXC TP
1494)
◎ブラジル 放送局の30%減力を承認
英国のMike
Terry氏によると、新型コロナ蔓延(死者は60万人を超えている)に伴う経済活動の停滞でブラジルの各放送局は経営危機に陥っており、費用削減のため
送信出力を絞らざるを得ない状況となっている。そこでブラジル通信省はラジオ・TV局に対して届出出力の30%以内ならば半年間聴取率の低い時間帯に減力することを公式に承認した。ブラジル民間放送連盟のFlavio Lara
Resende会長はこの決定を歓迎している。原情報はhttps://blog.radioreporter.org/brazil-radios-cut-power-by-30-due-to-crisisを参照のこと。(WWDXC TP 1494)
◎ShortwaveServiceが国際放送中継を入替
ドイツのHansjoerg
Biener博士によれば、同国のShortwaveServiceはKall送信所から3985kHzで行われている各国の国際放送中継を入替えた。Radio VaticanとRadio Belarusの中継が中止され、新たにRadio
Bulgariaが加わった。新スケジュールは以下の通りである。
01:00-01:30 Radio Tirana(ドイツ語)
01:30-02:00 Radio Slovakia International(フランス語)
02:00-03:00 Swiss Radio(ドイツ語)
03:00-03:20 Radio Bulgaria(ドイツ語)
03:30-03:50 Radio Bulgaria(英語)
04:00-04:30 Radio Slovakia International(ドイツ語)
04:30-05:00 Radio Slovakia International(フランス語)
(WWDXC TP 1494)この時間帯の前後も他局の中継を行っています。Radio Bulgariaの20分の放送の後10分は繋ぎの音楽が放送されます。
◎ドイツのMainflingen長波時報局
ロシアのEvgeny
Kornykhin氏によると、ドイツMainflingenから送信されているDCF77
77.5kHzの時報信号に対する受信報告に対しては同局のDirk Piester博士から返信が届く。博士のメルアドは〈ekkehard.peik
@ ptb.de〉である。(RUS-DX #1170 via WWDXC TP 1494) QSLカードは郵便で送付されます。
◎無指向性ビーコンハンドブック2022年版発行
ドイツのMichael Oexner氏によれば、同氏は2022年版の無指向性ビーコン(NDB)ハンドブックを冊子版/CD版/ダウンロード版で発行した。CD版/ダウンロード版には画面サンプルやサウンドクリップもついている。
GNDBH(Global Non-Directional Beacon Handbook)は世界17,100局の情報を収録し、CD版/ダウンロード版のみ。
ENDBH(European Non-Directional Beacon Handbook)は欧州・北アフリカ・中東の8,300局の情報を収録し、冊子版/CD版/ダウンロード版がある。
NANDBH(North American Non-Directional Beacon Handbook)は北米・中米・南米・太平洋の5,900局の情報を収録し、冊子版/CD版/ダウンロード版がある。
価格は地域と冊子版/CD版/ダウンロード版で異なる。詳細はhttps://ndblist.info/beacons/NDBpublications2022.pdfを参照のこと。
(WWDXC TP 1494)
◎Radio Azadi放送開始20周年
RFE/RLのPress Releaseによると、同局のアフガニスタン向放送Radio
Azadiが2002年1月31日に放送を開始してから今年で20周年となる。RFE/RLのダリ語・パシュート語放送は1993年に冷戦が終結したという理由で廃止されたが、2001年の911を機に本格的に復活したものである。2021年8月の米軍撤退でアフガニスタンは再びタリバンの支配下に入ったが、Radio Azadiは同国の人々の信頼できるニュースソースとして、特にデジタルプラトフォーム上での放送に力を入れている。特徴としては他のメディアでは取りあげない小さな話題や、女性・若者に関する情報も広く扱っている点がある。USAGMが2019年に行った調査では、成人のアフガニスタン国民でRadio Azadiを週1回以上聴く人の割合は47%になっている。現在Radio
Azadiはタリバンの支配後、特に女性・少数民族・異なった宗教の人々の生活がどのように変化したかにフォーカスしており、電話番組には多くの聴取者から現状を訴える声が寄せられている。Radio
Azadiは20周年に際して過去20年を振り返るビデオや関連したジャーナリストの写真ギャラリーを作成した。なおタリバンの支配下に入る前の4年間に4人のRadio Azadiジャーナリストがアフガニスタン国内でテロや暗殺で命を失っている。2021年8月以降Radio
Azadiはカブール支局を閉鎖し、身に危険が迫るジャーナリストの一部をアフガニスタン国外に避難させたが、旧スタッフの大半はアフガニスタン国内に残っている。米国政府も国際社会も彼らを難民とは認定しないため、現在非常に不安定な状況にあるのが気がかりである。(Australian DX
News Jan-Feb 2022 via WORIG 2/5)
◎Radio Symbanの現状
オーストラリアのDavid Foster氏によると、同氏は同国のRadio Symbanの局長Angelos
Matsouka氏の妻で同局のアナウンサーでもあるElena
Matsoukaさんからメールを受取った。それによると、現在の2368.5kHzで行われている短波放送の送信出力は40W。局の所在地は#608
New Canterbury Road, Hurlstone Park
(Sydney)で、アンテナも同じところにあるとしている、同局の入居するHelmos HouseはHellenic Australia
Radioを経営するHelmos Associationが所有するビルである。なおRadio Symbanの電話番号はHellenic
Australia
Radioと同じである。2368.5kHzの短波送信機はギリシア製と伝えられている。Sydney西部のWedderburn送信所からは中波の1692kHz・120Wでも放送している。但し以前行われていたFM93.3MHzは出ていない。またストリーミング放送も行われている。
(WORIG 2/7)
◎Charleston Radio Internationalがベルリンから
ドイツCharleston Radio
Internationalの英語放送がBerlinの送信所から5140kHzで行われている。無指向性送信だが送信出力は不明である。確認されたのは
2月6日の20:48である。(Bulgarian DX blog 2/7) 海賊局?
◎Voice of Greece 3月いっぱいで消滅に
ギリシアERTがAvlis送信所から9420kHzで行っているVoice of Greece短波放送について、ERTのGiorgos
Gambritsos会長は2022年3月31日で同送信所を閉鎖する命令を下した。国防省・外務省が異存をとなえない限り計画通り実行される。現在
Avlis送信所からは150kW・323°で、03:00頃-17:05に欧州西部向ギリシア語放送が行われている。また時々は17:05-21:00にも放送があり、公式には17:05-17:15にアラビア語・セルビア語・アルバニア語、18:05-18:15にスペイン語・ルーマニア語・ロシア語
の放送が出ることになっているが最近は確認されていない。(Bulgarian DX blog 2/10)
ギリシアのZacharias Liangas氏によれば、この決定は皮肉にもWorld Radio
Dayの2月13日に行われたもので、理由は「短波は時代遅れの技術である」というもの。短波廃止後はERTのニュースサマリーをインターネット上で流すのみとなる。またERTは同時にMegara、Rhodes、Chania、Komotin、Malgara等にある中波送信施設の解体に着手することも決定した。閉鎖されたAvilis短波送信所については外務防衛省に引取りを要請し、その回答を近日中に行うように要求した。ギリシアは海運国で、ギリシア船舶とギリシア人船員は世界中におり、インターネットが
(技術的には利用可能だがコストが高くなるため)利用出来ない海上では短波放送が母国と結ぶ唯一の情報手段だとギリシア船員組合は言っている。詳しくはparallaxiのギリシア語記事https://parallaximag.gr/thessaloniki/ert-tima-tin-pagkosmia-imera-radiofonou-me-mavro-sta-vracheaを参照のこと。(WORIG 2/13)
ギリシアのZacharias
Liangas氏によれば、ERT各局のラジオストリーミングはhttps://webradio.ert.gr/eraspor/で、TVストリーミングはhttps://www.ertflix.gr/epg/now-on-tvで聴取できる。(WWDXC TP 1495)
◎Reach BeyondのKununurra送信所ビデオ
オーストラリアのIan Baxter氏によると、Reach
BeyondのKununurra送信所のビデオがYouTube上で公開されている。2019年4月にアップロードされたものである。https://www.youtube.com/watch?v=lx_wQE-fyDY。
(WORIG 2/8)
Kununura送信所(同ビデオより)
◎米国・カナダ3文字コール局一覧
米国のHarold Froide氏は現在放送中の米国・カナダにおける3文字コールサインの中波局をまとめた。それらは次の通りである。
540 CBT Grand Falls-Windsor NL, 10/10 kW (FMに移行予定、CBK Regina SK, 5/50 kW
550 WGR Buffalo NY. 5/5 kW
560 KLZ Denver CO, 5/5 kW、KPQ Wenatchee WA, 5/5 kW
570 KVI Seattle WA, 5/5 kW
580 KMJ Fresno CA, 50/50 kW、WHP Harrisburg PA, 5/5 kW
590 KID Idaho Falls ID, 5/1 kW
600 WMT Cedar Rapids IA, 5/5 kW
640 KFI Los Angeles CA, 50/50 kW、 WOI Ames IA, 5/1 kW、CBN St. Johns NL, 10/10 kW
650 WSM Nashville TN, 50/50 kW
690 CBU Vancouver BC, 25/25 kW
700 WLW Cincinnati OH, 50/50 kW
710 WOR New York NY, 50/50 kW
740 CBX Edmonton AB, 50/50 kW
750 WSB Atlanta GA, 50/50 kW
760 KGB San Diego CA, 50/5 kW、KGU Honolulu HI 10/10 kW、WJR Detroit MI, 50/50 kW
770 WEW St. Louis MO, 1 kWD, CP for 10/0.2 kW
810 WHB Kansas City MO, 50/5 kW、WGY Schenectady NY, 50/50 kW
850 KOA Denver CO, 50/50 kW
870 WWL New Orleans LA 50/50 kW
890 WLS Chicago IL, 50/50 kW
930 KHJ Los Angeles CA, 5/5 kW、WKY Oklahoma City OK, 50/0.51 kW
950 WWJ Detroit MI, 50/50 kW、KJR Seattle WA, 50/50 kW
960 KMA Shenandoah IA, 5/5 kW
970 WHA Madison WI, 5/0.5 kW
990 CBW Winnipeg MB, 50/46 kW、CBY Corner Brook NL, 10/10 kW
1010 CBR Calgary AB, 50/50 kW
1030 WBZ Boston MA, 50/50 kW
1040 WHO Des Moines IA, 50/50 kW
1050 WDZ Decatur IL, 1/0.25 kW
1060 KYW Philadelphia PA, 50/50 kW
1070 KNX Los Angeles CA, 50/50 kW
1110 WBT Charlotte NC, 50/50 kW
1140 CBI Sydney NS, 10/10 kW
1160 KSL Salt Lake City UT, 50/50 kW
1190 KEX Portland OR, 50/50 kW
1230 KOY Phoenix AZ 1/1 kW、KXO El Centro CA, 0.83/1 kW、KWG Stockton CA, 0.9/0.9 kW
1250 WGL Fort Wayne IN, 2.3/1 kW
1280 KIT Yakima WA, 5/1 kW
1300 WJZ Baltimore MD, 5/5 kW
1400 CBG Gander NL, 4/4 kW
1410 KQV Pittsburgh PA 5/0.075 kW
1420 WOC Davenport IA, 5/5 kW、WHK Cleveland OH, 5/5 kW、KUJ Walla Walla WA, 5/0.9 kW
1450 WOL Washington DC, 0.37/0.37 kW
1510 KGA Spokane WA, 50/0.54 kW
(WORIG 2/11)
W及びKコールは米国、Cコールはカナダ局、出力は昼間/夜間の出力。中波の3文字コールは米国では1920年代初めの放送黎明期から1931年まで割り振られましたが、1920年代既に4文字コールを割り当てられた局もあります。米国の場合1943年からはFM局、1946年からはTV局にも3文字コールが割り当てられ、現在FCCが割り当てた3文字コールで生きているものは2021年末で104あるそうです。中波局の場合経営者が変わっても3文字コールを引き継ぐ
ことがあり、必ずしも同じ局が続いている訳ではありません。受信ファンが多い3文字コールの中波局も今後減少して行くことが確実です。
◎チェコが中波でDRM放送試験
英国のMike Terry氏がhttp://www.lupa.czの報道として伝えたところによると、チェコの通信当局České
Radiokomunikaceは中波でDRM放送の試験を実施する予定である。廃止したアナログAM放送の置換候補として検討を行う。但し現在市場には受信可能なラジオがない状況である。計画によれば2021年末のAM放送全廃で役割を終えたČeské
Budějovice送信所より954kHz・3.16kWで試験電波を発射する予定である。原記事はhttps://www.lupa.cz/aktuality/v-cesku-zacne-zkusebni-vysilani-v-drm/。(WORIG 2/12)
◎My Work at Radio RSA
1966年から1992年まで南アフリカから海外放送を行っていたRadio RSAの職員であったColin Miller氏がRob
Wagner氏に寄稿した記事「My Work at Radio
RSA」がhttps://medxr.blogspot.com/上で公開されている。https://medxr.blogspot.com/2022/02/my-work-at-radio-rsa-colin-miller-guest.html?fbclid=IwAR00VM0d8JOQL9LpxZDQVmZjFcge2yaVObeTmpkWti8ebXAJO6w-DdeDXbs。(RUS-DX Feb 13 via WORIG 2/13)
◎アフリカではラジオが重要なメディア ~BBC MSが発表
英国のMike Terry氏によれば、2月13日のWorld Radio Dayに際して、BBC Monitoring
Serviceはアフリカにおいてはラジオが現在でも重要なメディアであると発表した。African Telecommunications
Unionによれば、アフリカでは約8億人の人々にICTインフラが行き渡っておらずインターネットへのアクセスもできない状況である。ケニアではTVの普及がラジオを浸食しているものの、まだ重要なメディアとして君臨している。2018年末現在全国で173局のラジオ局に免許が与えられている。ケニアの隣国ソマリアでは、文盲率が高く文化は伝統的に「口伝え」のためラジオが最も重要なメディアである。南アフリカのケープタウン大学によれば、同国のラジオ聴取率は世界平均を上回っているが、特に新型コロナでのステイホームを強いられている過去2年間では最も頼れる情報コンパニオンとして聴取率の上昇が著しい。ナイジェリアにも国営・私営合わせて140局のラジオ放送局がある。2016年にはイスラム過激派ボコハラムがカメルーン国境近くにFM放送局を設置したこともある、すぐに政府に停止させられたが。ITUによればアフリカでは現在でもラジオの周波数需要が多い状況である。ラジオは安価で入手も手頃に出来るからである。これに対応してITUではアフリカ地域で87.5-108MHzのバンドⅡと呼ばれるFMアナログ周波数帯域を効率的に使用できるように検討中である。(WORIG 2/13)
◎FTIOM及びUMBPがChannel 292からの送信を停止
米国Tilford ProductionsのBill Tifford氏によると、同氏は6年前からFTIOM(From The Isle of
Music)と5年前からUMBP(Uncle Bill's Melting Spot)の番組制作を開始し、米国WBCQとドイツChannel
292より送信してきた。同氏は番組制作費・送信費のほぼ全額を自己負担しているが、リスナーからの財政的支援はほぼゼロなため運営は限界に近づきつつある。そのため2022年3月5日でChannel
292からの送信を打ち切らざるを得なくなった。その後の放送はWBCQ送信のみとなる。スケジュールはFTIOMが毎週火曜日の
09:00-10:00、UMBPが毎週月曜日の08:00-09:00、周波数は7490kHzである。これはWBCQのAngela/Allan
Weiner夫妻がスポンサーになって実施される。またストリーミング放送がhtpp://www.wbcq.com上で同時に行われる。リモートSDRの受信も歓迎する。(WORIG 2/13)
◎Radio Prague Internationalが新しいジングルを導入
ドイツのHansjörg Biener博士によると、Radio Prague Internationalは2022年2月13日のWorld
Radio
Dayより新しいジングルを導入した。同局のジングルは1930年代の放送開始より導入され、共産主義時代の1950-1989年にはBCLの間では有名だった「Kupředu levá」が使用されていた。1989年の民主化以降はAntonín
Dvořákの「新世界」の一節が使用されていたが、今回同じく「新世界」の一節を使用してより現代的で容易に認識できる音調のジングルに変更した。実際の音はhttps://english.radio.cz/radio-prague-international-gets-a-new-jingle-8741724を参照のこと。(WORIG 2/13)
◎エリザベス王女による1940年のラジオ放送を公開
英国のMike Terry氏によると、同国バッキンガム宮殿は、World Radio
Dayの2022年2月13日、1940年に当時14歳のエリザベス王女(現在のエリザベス女王)が、英連邦の子ども達にラジオで放送したメッセージの録音を公開した。これは当時のBBCの番組「子どもの時間」に出演して話したもので、傍らには妹のマーガレット王女もいた。エリザベス王女は放送で次のように述べた、「私たちは皆、最後にはすべてがうまくいくことを知っています。神様が私たちを見守っており、勝利と平和を与えてくださるからです。そして平和が訪れた時に、明日の世界をより良く幸せな場所にするのは、今は子どもである私たちであることを忘れてはなりません」。原録音はhttps://www.geo.tv/latest/398937-queen-elizabeths-first-audio-message-from-1940-released-on-world-radio-dayを参照のこと。(WORIG 2/13)
◎BBCモスクワ特派員がピアノで弾く往年のIS
英国のAlan Pennington氏によると、現在BBCのモスクワ特派員であるSteve
Rosenburg氏は、10歳にしてBCLラジオを手に入れ、毎晩ベッドで世界の短波放送に聞き入ったとのことである。2022年2月13日のWorld Radio
Dayを記念して氏が懐かしく思っている当時のISをピアノで演奏したものをその局の資料ショットと共に公開した。https://twitter.com/BBCSteveR/status/1492768235200163840。(WORIG
2/13) 氏は現在54歳ですので、10歳の時は1978年、日本でも世界でもBCLブームでした。
◎バイデン政権Radio and TV Martíの予算を更にカット
米国のPedro Sedano氏がDiario las
Americasの報道として伝えたところによると、バイデン政権は次期会計年度もキューバ向放送Radio and TV
Martíの予算をカットすることを決めた。実施されれば今年度に続き2度目のカットである。この計画に対してフロリダ州南部選出の国会議員には反発の動きが出ている。原記事(スペイン語)はhttps://www.diariolasamericas.com/america-latina/biden-propone-recorte-presupuestario-radio-y-tv-marti-n4240360。(WORIG
2/14)
◎トンガ噴火ではラジオが活躍
2月16日付の朝日新聞によると、1月のトンガ海底火山大噴火による津波でトンガでは4人の死者が出たが、ほとんどの住民は高台に逃げるなどして無事だった。その裏には地元で愛されてきたラジオ局の奮闘があった。地元FM局Radio
Nuku'alofa(88.6MHz、1kW)のパーソナリティーFilipe
Huni氏(36)は1月15日の大きな噴火音を聞きスタジオ外に出たところ噴煙が空に立ち込めていた。すぐにスタジオに戻り、「津波が迫っておりすぐ高台に避難するように」と避難を呼びかけた。放送を聞いて住民は続々と避難所に集まった。またリスナーから局にかかってきた安否の電話をそのまま放送で流した、件数は1万件に上り、ラジオが伝言板の役割を果たした。また住民からの明るい曲やラブソングのリクエストにも応えて流し、災害で傷ついた心を癒すことにもなった。(東京都
紺野敦氏)原記事はhttps://news.yahoo.co.jp/articles/9a06eab6338d6c8034d6ff1013bdcde5e94325dcを参照して下さい。
◎ShortwaveService中継のRadio BulgariaはQSL発行せず
ドイツのHansjörg Biener博士によると、Radio Bulgariaドイツ語サービスのRossitsa
Radulova氏は、ドイツShortwaveService中継で再開された同局のドイツ語・英語短波放送に対する受信報告にはQSLを発行しないと語った。これは局内で相談した結果決まったものである。QSL不発行の理由として、自分たちは番組制作を行っているだけでKall送信所からの短波放送の送信には関与していないこと、この短波送信に関してBulgarian National
Radioの同意を取り付けている訳ではないため発行責任を負えないこと、QSL発行の手間や費用をこれ以上捻出不可能なことがあげられる。(WORIG
2/15) 最後の「手間と費用」が本当の理由でしょう。
◎World Radio Dayにアンドラで記念行事
フランスのChristian Ghibaudo氏によると、アンドラの文化スポーツ省は2022年2月13日のWorld Radio
Dayにちなみ、初めての試みとしてAixovallにあるRadio Andorra及びSud
Radioの保存施設を一般公開した。一般公開は2月12日の現地時間10時と12時に、予約者向ガイドツアーとして実施された。また現在のRadio
Television of Andorra (RTVA)はRadio
Andorraに関するドキュメンタリー番組を2月13日の晩に放送した。番組内容はhttps://www.andorradifusio.ad/endirecte/rnaで聞くことができる。(WWDXC TP 1495)
◎アマチュアバンド内に「新型コロナ対策妨害放送局」出現
国際アマチュア無線連盟IARUの「Monitoring System Region
1 Newsletter」2022年1月号(https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2022/02/IARUMS-R1-Newsletter-2022-01.pdf)によれば、アマチュアバンド内で違法放送を行っていた「新型コロナ対策妨害放送局」が送信を停止した。この局は2021年9月より7210kHzUSBでイタリア北部から英語とイタリア語で放送しており、政府の新型コロナウイルス対策に従わないようにと放送しており、欧州各地で受信された。(WWDXC TP
1495) この資料には7MHzアマチュアバンド内で出ている放送局として他に7110KHzのRadio
Ethiopia、7140kHzのVoice of Broad Mess of Eritreaがリストされています。
◎ABCが太平洋向放送の予算増額を要求 ~中国の脅威に対抗
オーストラリアのMatt
Francis氏が、http://radiotoday.com.auの報道として伝えたところによると、同国ABCのDavid
Anderson会長は上院の公聴会で、太平洋諸国で中国が放送に対する援助の名目で宣伝放送を実施しようとしているとして、これに対抗するため、ABCがこの地域でのプレゼンスを高める必要性があると陳述した。このままでは太平洋全体に中国のプロパガンダが及ぶとして、ABCの太平洋向放送を強化すべきと訴えた。2017年にABCはRadio Australiaの短波放送を全廃したが、2018年以降中国はRadio
Australiaの使用していた周波数で太平洋向短波放送を強化している。ABCは現在インドネシア・パプアニューギニアを含む46の放送局に番組提供を行っているが、中国は習近平主席の方針でCGTN(China Global TV
Network)の拡大に力を入れ、太平洋諸国のどこでも聴取できるようにしようしている。このような状況下、ABCには太平洋向放送拡充の費用として更に年間1,200万オーストラリアドル(約10億円)が必要であるとしている。(WORIG 2/16) 短波放送も復活させてほしいですね。
◎BCL受信機の価格推移
米国のアマチュア無線家N2EI6氏によると、同国で人気のBCL受信機とその価格は以下の様になっている。
1963年 Hallicrafters S-120(米国製) 当時の価格$70 2020年の換算価格 $650
1974年 Radio Shack DX-160(日本のOEMで米国販売) 当時の価格$140 2020年の換算価格 $800
1983年 Sony ICF-2010(日本製) 当時の価格$450 2020年の換算価格 $1270
現在 Tecsun PL-880(中国製) $170
(WORIG 2/18) 短波放送が多かった昔は時代が進むについて短波受信設備のコストも増加、現代は短波放送がなくなりつつあるのに、受信設備のコストは超減少!
◎冬の嵐でドイツHCJB送信所に被害
ドイツのHansjörg Biener博士によると、同国WeenermoorにあるRadio
HCJBの短波送信所は2022年2月18~19日に同地域を襲った嵐の被害を受け、2月19日現在3995、7365kHzの送信を停止している。なお5920kHzは送信を続けている。(WORIG 2/19)
◎ロシアVolmet局2局
Syktyvkar
Volmetは年配の男性が気象情報を読んでいる。送信開始時には咳払いの音なども聞こえる!周波数は2869/6693/8888/11318kHz(USB)で送信時間は毎時00分及び30分。Amderma、Archangel'sk,、Vorkuta、Noril'sk、Nizhnevartovsk、Pechora、Surgut、Syktyvkar、Usinsk、Ukhta、Chatangaの気象情報が流される。
Rostov-Meteoは11297(現地時間の昼間のみ)/8939/8939/2941(現地時間の夜間のみ)kHz(USB)で毎時25分と55分に女声による気象情報を放送している。Rostov、Krasnodar、Soci、Mineral'nyje Vody、Stavropol'、Volgograd、Anapa、Astrachan'の気象情報が流される。(RUS-DX 2/20 via
WORIG 2/20)
◎Pridnestrovian Radio Centerの紹介スライド公開
ウクライナのAlex
Miatlikov氏によると、モルドバのPridnestrovian Radio Center(Grigoriopol短波送信所:在Mayak
village, Grigoriopol
district)の設備紹介スライドが公開されている。https://vk.com/public158109176?z=photo-158109176_457239934%2Falbum-158109176_00%2Frevまたはhttps://vk.com/public158109176?z=photo-158109176_457239944%2Falbum-158109176_00%2Frevを参照のこと。(RUS-DX 2/20 via WORIG 2/20)
◎2022年EDXC会議正式に5月開催
EDXC(European DX Council)事務局のChrissy
Brandさんによると、2022年のEDXC会議は2022年5月20-22日にルーマニアのBucharestで開催することが正式に決まった。会場はMercure Hotel、主要な会合は21日と22日午前中である。また20日にはRadio Romania
Internationalの見学、22日午後にはBucharest市内見学が予定されている。詳しくはhttps://edxcnews.wordpress.com/2022/02/20/invitation-to-2022-edxc-conference/を参照のこと。(WORIG 2/21) 元々2020年開催予定でした。
◎往年のRugby無線局が現在は学校として使われる
英国のMike Terry氏が「The Architects
Journal」2月23日号の記事として紹介したところにると、往年のRugby無線局が現在は学校となっている。第一次大戦後の1926年初頭、Rugby近郊にあるHillmortonに当時の英国逓信省は巨大な対米長波無線送信施設を建設した。米国側では1927年メイン州Houltonに専用の受信施設を設けた。当時の施設の内「C
Station」の呼ばれた地区の送信棟は現在学校として使用されており、生徒1,200人が学んでいる。地区の商業地域には「Houlton」の名称がつけられている。「C
Station」地区には当時12本の250m無線鉄塔が聳えていた。Rugby無線局が使用されなくなった後は送信棟も含めて個人の所有であったが、現在は公共の地区となっている。原記事はhttps://www.architectsjournal.co.uk/buildings/rugby-radio-station-transformed-into-school-by-van-heyningen-and-hawardを参照のこと。(WORIG 2/23)
開設当時はGBRのコールサインで16.0kHzを使用していました。その後は短波ユーティリティ局として2003年まで使用されました。
◎Denge Welatが第2周波数を使用
ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、クルド秘密局Denge
Welatは2月より第2周波数を使用開始している。第2周波数の送信所はKonstinbrod(50kW/90°)である。全スケジュールは以下の通り、すべて中東向クルド語。
12:30-15:00 7350 Issoudun 250kW/90°
15:00-22:00 11540 Griogoripol 300kW/130°(11530kHzの場合もある)
16:00-23:00 15285 Kostinbrod 50kW/90°
22:00-24:00 11540 Griogoripol 300kW/116°(11530kHzの場合もある)
23:00-02:00 9480 Kostinbrod 50kW/90°
00:00-01:00 11540 Issoudun 250kW/90° (11530kHzの場合もある)
01:00-07:00 9525 Issoudun 250kW/90°
02:00-04:00 9550 Kostinbrod 50kW/90°
04:00-07:00 6180 Kostinbrod 50kW/90°
07:00-09:00 5945 Kostinbrod 50kW/90°
なおこの放送に対するトルコからの妨害電波が11530kHz(Emirler送信所、250kW/105°、トルコ語)で15:00-22:00、22:00-00:00、00:00-01:00に出ている。(Bulgarian DX blog 2/25)
◎WRMIのA22シーズンで7780kHzと7730kHzを入替 ~航空無線への混信回避
WRMIのJeff
White社長よると、2月27日に米国FCCと連邦航空局の係官がOkeechobee送信所を訪れ、送信所の東サイド上空を飛行する航空機に対する電波の影響調査を行った。その理由は同送信所から出ている7780kHzの17倍高調波がフロリダ州上空を飛行する航空機の無線周波数と混信するというものであった。協議の結果A22シーズンよりWRMIは現在の7780kHzを出している送信機の周波数を7730kHzに変更することになった。同時に現在別の送信機から出ている7730kHzの周波数を7780kHzに変更する。別の送信機の送信方向は北米西部と太平洋であるためこれが航空無線に影響を与える可能性はないと考えられるからである。従って3月27日以降のA22シーズンでは現在7780kHzで出ている放送は7730kHzに、7730kHzで出ている放送は7780kHzに変更されることになる。(WORIG
2/28)
◎2022年Winter SWL Festivalまだ参加可能
CIDXのSheldon Harvey氏によると、3月4日・5日のオンラインで開催される予定のWinter SWL
Festivalには$10の参加料で世界中どこからも参加できる。現在200名が参加登録を行っているが、http://www.swlfest.com/forums-events/上より直前まで参加登録が可能である。(WORIG
2/27)
◎Offshore Music Radio Rockpower周波数が±10kHz上下
オランダのOffshore Music Radio RockpowerはB21の届出スケジュールでは15:00-09:00
7280kHz(Nijmegen送信所、1kW
0°)であるが、2月26日には7260kHz、27日には7270kHzで出ている。(Bulgarian DX blog
3/1)7575kHzと大きく外れていたこともあったので、届出周波数に戻そうとしているのかも知れません。
◎Radio Andorra Internationalが3月6日に再び放送
フランスのChristian Ghibaudo氏によると、Radio Andorra
Internationalが再び放送される。スケジュールは3月6日(日) 02:00-03:00
6175kHz(Moosbrunn送信所)である。1979年頃の同局の人気番組「Contacts」が放送される。放送はフランス語。(WWDXC TP 1496)
出典の略称
WORIG : World of Radio io group
WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
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