月刊短波2022年7月号(第2版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎FRS-Holland夏の特別放送 2版新規
 オランダのFRS-Hollandは2022年夏の特別放送「Summer Splash 2022」を3週連続で行う。スケジュールは以下の通り。周波数は7700、5800 、6185kHz。
 7/25  8/1  8/8  03:59-08:04  
   受信報告には今回特別に用意した9種類のQSLカードの内1種類が送付される。eQSLは無料だが、紙のQSL発行は有料でPaypal等による送金が必要である。詳しくはhttp://www.frsholland.nl/20-latest-news/161-frs-summer-splash-2022.htmlを参照のこと。(FRS-Holland)
 
◎BBC World Serviceが新QSL発行サービス
 英国のChris Greenway氏によると、BBCはeQSLによる新QSL発行サービスを開始した。希望者はhttps://eqsl.tools.bbc.co.uk/より受信報告を送るとeQSLが発行される。(WORIG 6/27) BBC本体がQSLを発行するのは画期的なことです。

BBC WSの受信報告入力画面



◎HCJB日本語放送でJSWC創立70周年特別番組
 
HCJB日本語放送では日本短波クラブ(JSWC)創立70周年を記念して特別番組を7月16・23・30日(何れも土曜日)に放送する。この番組の受信報告にはJSWCからも70周年記念QSLカードが発行される。e-QSL希望の場合は<jswc70qsl @ gmail.com>へ、紙のQSL希望の場合はSASE(宛先を書いて84円切手を貼った封筒)に発行手数料84円切手1枚を同封の上〒 248-8691 鎌倉郵便局私書箱44号 JSWC70 QSL係へ受信報告を送付する。なお今回の70周年記念QSLはJSWC会員で版画作家である小笠原広行氏の制作によるものである。当日のHCJB日本語放送のスケジュールは07:00-08:00 15410kHz、20:00-20:30 15565kHzである。(JSWC 大武逞伯理事)

JSWC創立70周年記念QSLカード


◎新型Perseus22発表
 
オーストリアのChristoph Ratzer氏によると、イタリアTelecom社は同国Elad社と協同で現在のPerseus受信機の後継機種としてPerseus22を発表した。 見本機は6月24-26日にドイツFriedrichshafenで久しぶりに開催された2022 Ham Radio Messeで披露された。10kHz-70MHz、70-225MHzを同時に2チャンネルずつカバーし、100種類の選択度を有する。また論理的に混信を排除する機能を装備しているなど新時代の受信機にふさわしい性能を有している。PCとの接続はUSB3.0で行う。発売は2022年10月頃、価格は 2300ユーロ程度になる予定である。(Shortwave Bulletin 6/26 via WORIG 6/26)  22は2022という意味?

Persueus22受信機(Microtelecom社HPによる)



◎Madagascar World Voice Mahajanga送信所A22改訂スケジュール

 Madagascar World VoiceのMahajanga送信所のA22改訂スケジュールは以下の通り。出力は100kW。
1)KNLS
   03:00-04:00  9885 355°   欧州東部向ロシア語
   04:00-05:00  9845 355° 欧州東部向ロシア語
   11:00-12:00 11880 40° 南アジア向英語
   12:00-13:00 13760 40°   南アジア向英語
2)African Pathways Radio (https://www.africanpathways.org/home/)
   03:00-04:00 13670 310°  アフリカ西部向英語
   05:00-06:00 11965 295°  アフリカ中部向英語
   13:00-14:00 11825 295°  アフリカ中部向英語
3)Radio Feda (WCV制作アラビア語番組)
   04:00-05:00 13670 340°  中東向アラビア語
   05:00-06:00 13710 355°  中東向アラビア語
   07:00-08:00 11610 325°  アフリカ北西部向アラビア語
4)The Light of Life (WCV制作中国語番組「生命之光広播電台」、https://www.smzg.org/home/)
  06:00-07:00 11610 325°  欧州西部向中国語
  13:00-14:00 17530 55° 東アジア向中国語
5)Palavra Alegre (https://palavraalegre.com.br/)
  06:00-07:00  9675 265°  南米向ポルトガル語
  07:00-08:00  9675 265°  南米向ポルトガル語
6)La Voz Alegre (TWR制作、https://www.twr360.org/programs/ministry_id,44/lang,2)
  11:00-12:00  6180 265°  南米向スペイン語
  12:00-13:00  6180 265°  南米向スペイン語
(Bulgarian DX blog 6/1)

◎バヌアツの放送にも中国が肩入れ?
 米国のRon Howard氏が中国の報道として伝えたところでは、バヌアツは6月1日中国との5分野に渡る協力条件に合意した。これは先に同国を訪問した中国の王毅外相と同国のBob Loughman首相との直接会談で提案されたもので、中国からの直行便、経済援助、気象観測所の提供等が含まれている。この経済援助の項目の中に最近調子が悪くオフエアーしているRadio Vanuatuの短波送信機に対する援助も含まれているものと思われる。
 スペインのManuel Mendez氏がニュージーランドのSDRで確認したところによると、6月2日の15:00頃3945kHzの基本波、2倍波の7890kHz、3倍波の11835kHzで出ているのが確認された。3倍波が最も良好であった。(WORIG 6/2)

◎海外向スペイン語放送リスト発表
 スペインのAsociatión Española de Radioescucha(AER)はA22の国外向スペイン語放送リスト「Lista Mundial de Emissiones en Español」を公開した。https://aer.org.es/listas-dx/lista-mundial-de-emisiones-en-espanolより検索して使用することも、周波数別、国別、時間別等のpdf版をダウンロードすることもできる。(WORIG 6/6)

◎今年のAlexanderson DayにはSAQの長波送信なし
 ドイツのHarald Kuhl氏によると、スウェーデンの「Alexanderson Day」に当たる2022年7月3日、保存局SAQは恒例の17.2kHz超長波送信を行わない。技術上の理由で現在オンエアすることができない状況だからである。代わりに同日20:00と22:00にYouTube https://www.youtube.com/c/AlexanderSAQ上で、送信機Alexanderson alternatorの起動、試験送信状況の実況、アンテナの紹介、SAQについての説明を行う。またアマチュア無線局SK6SAQによる記念送信は例年通り実施される。(WORIG 6/6)

◎モンゴルの長波放送は継続
 英国のTony Rogers氏によると、モンゴルの長波放送が継続されていることが、中国のリモートSDRによる受信で確認された。
 164kHz(Ulaanbaatar送信所、250kW)では第一放送が08:20頃受信でき、http://mnb.mr上で流れているストリーミング放送と同一内容であった。209kHz(国内3カ所から同時送信、各40kW、第一放送の筈)では08:45頃SDR画面上に弱い信号が検出された。(BDXC "Communication"6月号 via WORIG 6/7)

◎Trans World Radioロシア向放送の周波数変更
 Trans World Radioは5月30日、ロシア向放送の周波数を変更した。この内612kHzのAM波はモルドバGriogoripol送信所で一時ロシアのMayakの中継に使用されていたものであり、平日の現地時間朝にはPridnestrovian State Television and Radio Companyの「Radio 1 Plus」が放送されている。変更されたのは以下の2波。
 02:00-03:00 13660(KTWR Guam) ロシア語
 02:30-03:30 621(Griogoripol) ロシア語
(RUS-DX 6/5 via WORIG 6/7)
 
◎ロシアではVPN接続も不可能に
 ロシアのKonstantin Barsenkov氏によると、同国政府のインターネットブロッキングを回避するため、一部のユーザーは外国との接続にVPNを利用していたが、6月2日VPNを利用するためのアプリにも実行制限がかかるようになり、Proton VPNなどを利用していたユーザーはインターネットへの接続が出来なくなった。状況・対策等についてはhttps://topdialog.ru/2022/06/03/chto-delat-esli-ne-rabotaet-vpn-i-kakie-servisy-prodolzhayut-funkczionirovat/を参照のこと。(RUS-DX 6/5 via WORIG 6/7)

◎チェコTopolna送信所の長波用送信施設は保存
 2021年末までČeský rozhlas-Radiožurnálの放送を270kHzで送信していたTopolna送信所の長波用送信施設は解体される予定であったが、同国で最も古い送信所であることから解体を免れることになった。詳細はhttps://vk.com/radioko?z=video-161080476_456239044%2Fa279bc5974d721a8a5%2Fpl_wall_-161080476を参照のこと。 (RUS-DX 6/5 via WORIG 6/7)

◎米国FCC FM放送バンドの下方拡張を検討
 米国FCCは現在88-108MHzのFM放送バンドを下方に拡張して82-108MHzにする検討に入った。82-88MHzの帯域は現在アナログTVの第6チャンネルにアサインされている。この件に関するビデオ解説がhttps://www.youtube.com/watch?v=_btua_ZyMqQ上に公開されている。(IRCA via WORIG 6/7)

◎FRENDXの過去号を多数公開
 英国のMike Barraclough氏によると、NASWA(North American Shortwave Association)の会誌FRENDXの過去号が多数公開された。https://worldradiohistory.com/NASWA_Frendx.htm上で閲覧できる。最古のものは1962年3月発行の創刊号で、1971年3月号以降は2018年12月号まで約400号が掲載されている。現在掲載されていない号もスキャン作業が進んでいる。(WORIG 6/8)

1962年3月創刊号 まだFREDXの名称が使われていない


◎VOAから新しいジャズ番組
 英国のMike Terry氏によると、VOAは6月5日16:00-17:00に新しいジャズ番組「Jazz from the heart of America」を開始した。番組はイリノイ州Glen Ellynにある非営利局WDCBの協力で制作され、ホストはWDCB局の局長Dan Bindert氏が務める。毎週放送され米国のジャズの過去・現在について熱く語る内容である。ジャズ番組はVOAのレガシーとも言うべきもので、1955年1月6日の開始された「Music USA」は40年以上にわたり人気番組となった。原記事はhttps://www.insidevoa.com/a/a-new-era-of-jazz-programming-begins-at-voa/6602540.htmlを参照のこと。(WORIG 6/8) 6月5日の初回放送分はhttps://archive.org/details/VOA_Global_English_20220605_130000?start=324で聴くことができます。

◎Sitkūnai送信所の1557kHz入札不調
 フランスのMicjhel Fremy氏によると、Lithuanian Radio and Television Commission (LRTK)は6月8日、Sitkūnai送信所からの1557kHzでのラジオ放送中継権の入札が不調に終わったことを発表した。入札希望者が皆無だったためである。LRTKでは再入札を実施するとしている。(WORIG 6/8)

◎オーストラリアの短波放送復活は?
 オーストラリアUnique RadioのTim Gaynor氏によると、オーストラリア労働党は公約で短波放送を復活することになるが、旧Shepparton送信所はアンテナの撤去は行われていないものの、既に新たなディベロッパーに売り渡し済であり、再利用される可能性はまずない。Northern Territory Shortwave Service用に使用されていた50kW短波送信所は現在そのままで存在しており再利用可能だが、電力供給にコストがかかるのが難点でベストとは言いかねる。Brandon送信所はそのままの形で維持されており、Queensland州に位置するため電力供給にも問題はないので、最も可能性が高いと思われる。
 同国のIan Baxter氏によれば、太平洋諸国に対する中国の浸透振りは許容できない状況にあり、いち早く短波放送を復活するには設備がそのまま残されているBrandon送信所がベストであるとしている。(WWDXC TP 1507)

◎Asian DX Review 6月号発行
 インドのJose Jacob氏によると、Indian DX clubよりAsian DX Reviewの2022年6月号(第40巻、通算572号)が発行された。https:\\qsl.net/vu2jos/ADXR_May_22.pdfより無料でダウンロードできる。(WWDXC TP 1507)

◎AWR Wavescanの「母」Violet Petersonさんが死去
 AWR WavescanのAdrian M. Peterson氏によると、同氏の妻でAWRの職員でもあったViolet Petersonさんが、去る3月31日に米国インディアナ州で死去した。88歳であった。Violetさんはオーストラリア生まれで、Adventist World Radio AsiaがインドのPuneに設立された時には10年間に渡りAdministrative Secretaryを務め、数千枚のQSLカードの発行(記入、タイプ打ち、サイン等)に携わった。発行先は100ヵ国に渡り、特に当時のDX番組 「Radio Monitors International」(当時の送信はスリランカのEkala送信所から行われていた)関連のQSLカードには発行番号をつけていた。65年間に渡りAdrian M. Peterson氏を公私ともに支え、多くの国で行われたAWR関連のイベントには同行した。氏との間には一男一女を設けた。(WWDXC TP 1507)

Violet Petersenさん(facebookより)

 
◎RNZ Pacificが2送信機同時使用
 カナダのRicky Leong氏によると、RNZ Pacificは6月11日の15:43現在9700kHzと11725kHzの両周波数で同時に出ている。スケジュール上では11725kHzの一波のみの筈である。2波は正確に同時送信されていた。その後6月13日より同局は15:00-17:00の放送を11725kHzから9700kHzに変更することを発表した。(WORIG 6/10 6/12)   Rangitaiki送信所で待機状態であった古い方の送信機を一時的に稼働させたと思われます。
  
◎廃止された米国中波局設備のリスト
 1980年代から現在に至るまでの、米国中波局で廃止された送信設備のリスト「Mesa Mike's List of Deleted AM Radio Station Facilities」を米国のMesa Mike氏がFCCのデータベースから作成した。http://mesamike.org/radio/cdbs/dfac.mvc?sortby=qth&show=both上で閲覧することができる。(WORIG 6/11)

◎Radio Pravda dlja Rossiiがスケジュールを一部変更
 英国のAlan Pennington氏によると、ドイツからロシア向に「真実の放送」を行っているRadio Pravda dlja Rossiiは、リスナーからのフィードバックと伝搬状態の変化により、Channel 292からの中継周波数の内04:00からの放送(6070/9670kHz)をキャンセルした。
 現在のスケジュールは以下の通りである。
 水・金曜 14:00-15:00 9670 Channel 292(低出力)
   水・金・日・月曜 00:00-01:00 13600 Moosbrunn(高出力)
(WORIG 6/15)

◎TWRがキルギスタンに2基目の高出力中波送信機を計画
 Ruben Medina氏によると、Trans World Radioは中東・中央アジアのペルシャ語系言語圏を強力にカバーする目的で、キルギスタンに第2の「シルクロード送信機」(Silk Road transmitter)にあたる高出力送信機を導入する計画である。正確な出力と周波数はまだ発表されていない。周波数は恐らく612kHzないしは1467kHzになり現行の送信機をアップデートする形になる見込みである。同局が最初に導入した「シルクロード送信機」は612kHz、200kWでさほど高出力とは言えない。(RUS-DX 6/15 via WORIG 6/15)

◎ウクライナ549kHzの送信所エリアをロシアが占領
 現在信号が停止しているウクライナ第一放送549kHzの送信所がある黒海沿岸のMykolaiv(Nikolaev)付近は現在ロシア軍が占領している。(RUS-DX 6/15 via WORIG 6/15)

◎Voice of Greece短波放送最後の日々
 ギリシアのZacharias Liangas氏によると、9420kHzで続けられてきたVoice of Greeceは予定通り現地時間6月15日で放送を終了した。その前後の状況は以下の通りである。
 6/11-12 短波送信なし
 6/13 ギリシアでは休日に当たるため送信なし
 6/14 21:10-22:23及び23:07-02:05に送信
 6/15 21:36-02:05に送信
 6/16以降 送信なし
 すべてが終わった模様で「さよなら」である。インターネット上ではhttps://webradio.ert.gr/i-foni-tis-elladas/でVoice of Greeceの番組が行われている。またhttps://webradio.ert.gr/deftero-laika/ではギリシア民族音楽のみの番組も開始された。(WWDXC TP 1508)

◎AIR External Serviceイラン向放送を増強
 インドのAlokesh Gupta氏によると、All India RadioのExternal Serviceは6月8日よりイラン向ペルシャ語放送を1日1時間45分から3時間に増強し、朝と晩に受信できるようになった。新スケジュールでは以下の様になった。
 第一放送 13:00-14:30 15030 (Bengaluru 500kW)
    第二放送 01:00-02:30 9620 (Bengaluru 500kW)
    更にインターネット上のlive stream、YouTube、DD Free Dish衛星放送、スマホアプリでも受信可能となっている。
(WWDXC TP 1508)

◎AIR External Service新スケジュールをわかりやすく表示
 インドのJose Jacob氏は6月8日からのAll India Radio External Serviceの新スケジュールをわかりやすく検索できるページを作成した。
 時間別 https://qsl.net/vu2jos/es/time.htm
 言語別 https://qsl.net/vu2jos/es/Language.htm
 周波数別 https://qsl.net/vu2jos/sw/freq.htm
(WORIG 6/19)

◎アマチュアバンド侵入リスト
 International Amateur Radio Union(IARU)が2022年4月に第Ⅰ地域でモニターした、アマチュアバンドの侵入してしている無線局のリストが、IARU News Letter5月号上で公開されている。https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2022/06/IARUMS-R1-Newsletter-2022-05.pdfよりダウンロードできる。(WWDXC TP 1508) 時節柄ロシアの無線が多いようです。
 
◎旧ソ連製通信型受信機R-399
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、同国で旧ソ連製通信型受信機の最高峰とされているKatran R-399のビデオが公開されている。
https://vk.com/radioreceiver?z=video-163779953_456243203%2F29d3638887324f6bf9%2Fpl_wall_-163779953。
 この受信機はロシアのBCLの間で未だに評価が高く、入手希望者が多い。ビデオに登場した受信機はGemeshev A.I. 氏が同国の「QIWI laboratory」に寄贈したものである。この受信機の詳しい情報は、http://www.cqham.ru/trx/r_399.html。 (RUS-DX #1189 via WWDXC TP 1508)

R-399受信機(上記HPより)


◎スペインRNEが中波放送の出力を減力
 スペインのPedro Sedano氏によると、同国のRadio Nacional de Españaは終日300kWで送信中であった国内向第一放送(RNE1)の送信出力を減力し、夜間は更に減力して送信中である。減力された300kW送信所は以下の通り。
  585kHz Madrid (Majadahonda送信所)  夜間100kW 昼間150kW
    621kHz Santa Cruz de Tenerife (Las Mesas送信所)  夜間75kW 昼間100kW
    639kHz A Coruña (Meson do Vento送信所)  夜間75kW 昼間100kW
    684kHz Sevilla (Los Palacios送信所)  夜間100kW 昼間150kW
    738kHz Barcelona (Palau de Plegamáns送信所) 夜間100kW 昼間150kW
    855kHz Murcia (Torre Cotillas送信所) 夜間75kW 昼間100kW
(AER El Dial 6/16 via WORIG 6/19)

◎スイス下院はFM放送の延命に反対
 英国のMike Terry氏によると、スイス上院はDABの普及率が90%に達するまで現行のアナログFM放送を継続する法案を可決したが、スイス下院はこの法案を反対多数で否決し、延命案の実施は見送りとなった。なお実際のFM放送廃止時期は議会でなく運輸通信委員会無線部門が決定することで、下院での否決が直接影響することはないとされている。延命派の主張は、緊急時の避難所等でDABの受信が困難なこと、現在まだ12%の国民がアナログFM放送を受信していることなどであった。(WWDXC TP 1508)
 
◎西側の部品供給停止はロシア放送界に全く影響なしと主張
 ロシアGazprom-Media RadioのVadim Tereshchuk会長はSt. Petersburgで開催されたInternational Economic Forumにおいて、次のように述べた。西側の敵性国家が放送機器の供給を停止することをロシアの放送業界は恐れる必要はない。これは放送機器に外国製品を使用していることが原因であり高性能のロシア製に置き換えれば問題がなくなる。ロシア企業の製品水準は外国製を上回っているからである。放送が西側の制裁で影響を受けることは全くないので聴取者はその事を気に掛ける必要もない。原記事は https://vk.com/radioreceiver?w=wall-163779953_65014%2Fallを参照のこと。(RUS-DX 6/19 via WORIG 6/19)

◎RFE/RLに10億ルーブルの罰金
 インターファクス通信によると、ロシア法務省は米国のRFE/RLのロシア法人に対して2021年以来累積10億ルーブル(約24億円)の罰金を科した。RFE/RLは法律で「外国の手先」と見なされているが、法律で定められた手順違反が2021年以来1044件認められたとしている。原記事は https://www.interfax.ru/russia/846604。(RUS-DX 6/19 via WORIG 6/19)

◎QSLカード紹介サイト一覧
 QSL news  – Alex Choroba, Germany http://www.radio-world.de/qslcards.html
 QSL cards - Francesco Harry Seldon, Italy   https://swli05639fr.blogspot.com/p/qsl.html
    FEATURED QSLs FROM THE WILLIAM GLENN HAUSER COLLECTION   http://www.worldofradio.com/QSL.html
    QSL GALLERY  - Walter Eibl, Germany他 https://www.wwdxc.de/qsl_gallery.shtml
 SWL QSL Card Museum http://dallasadmall.com/swlqsl/
(RUD-DX 6/19 via WORIG 6/19)

◎Radio RuralがRadio Aparecidaを中継
 スペインのManuel Méndez氏によると、6月18日に4925kHzで14:00頃ブラジルRadio Aparecidaのアナウンスを流している局が受信でき、Radio Aparecidaの新周波数かと思われたが、Radio Rural(Tefé)のURL https://www.radioruraltefe.com.br/上のストリーミング放送で調べたところ、同局がこの時間にRadio Aparecidaの番組「Com a Mae Aparecida」を中継していたことが判明した。(WORIG 6/19)

◎甘粛省張掖市で応急電台設立演習
 中国国務院地震救援司令部、緊急管理部、甘粛省政府は2022年5月11日共同で、甘粛省張掖(ちょうえき)市で、寒冷高地における地震救済活動の訓練「緊急任務2022」の演習を行い、この地域に地震等の緊急事態が起きた時に設立される国家応急広播張掖応急電台の周波数を105.9MHzと設定した。応急電台では災害発生時等に被災地情報、一時避難場所・公共避難場所の情報を移動放送で人民に伝えることができる。応急電台の制度は2014年に雲南省魯甸(ろでん)県でマグニチュード6.5の大地震が発生した時以来設けられたもので、四川省広漢市、成都市、楽山市犍為(けんい)県、貴州省長順県等でも設立運用訓練が行われてきた。2017年に貴州省長順県で行われた時には87.7MHzがこの地域の応急電台の周波数として定められた。(Cahcn自留地 6/20)

◎中国・国営放送の番組転用が不可に
 2022年6月20日より福建省の蜻蜓FM(http://www.qingting.fm)、上海の喜馬拉雅(ヒマラヤ)網絡広播(http: //www.ximalaya.com)は、中央人民広播電台、中国国際広播電台対内広播からの中継や録音番組の放送を停止した。リスナーにはその理由を説明していない。2022年6月15日に中央人民広播電台や中国国際広播電台の番組放送権を現在中央広播傅媒集団有限公司が独占的に所有・管理することになったために、中継・録音放送に許可・著作権料支払いが必要になったためと推測される。http://news.cnr.cn/dj/20220615 /t20220615_525864942.shtmlを参照のこと。現在上海の阿基米德(アルキメデス)FM(http: //www.ajmide.com)上ではまだ両局の番組が放送されているが、将来的には停止される可能性がある。この措置は蜻蜓FM、喜馬拉雅網絡広播のリスナーからは不評である。国営の中央人民広播電台、中国国際広播電台の番組は国民共有の財産であり、著作権保護や利益創出のために一企業である中央広播傅媒集団有限公司が独占するのは不当であるとの意見が出ている。(Cahcn自留地 6/20)

◎コロンビアにおける放送の歴史 ~20世紀前半
 スペインのJuan Franco Crespo氏によると、コロンビアにおける放送の歴史~20世紀前半編が以下のサイト上で公開されている。https://www.socialhizo.com/historia/historia-de-colombia/la-radio-en-colombia-primera-mitad-del-siglo-xx。(WORIG 6/20)

◎CNR粤港澳大湾区之声とCGTN記録チャンネルがいよいよ香港に上陸
 香港の中国復帰25周年記念日に当たる2022年7月1日よりCNRの「粤港澳大湾区之声」とCGTNーTVの「記録チャンネル」が香港市内から送信を開始することとなり、現地時間の6月24日10:30に放送開始セレモニーが行われた。
 CNR「粤港澳大湾区之声」は新設のFM102.8MHzで出ることになっている。
 CGTN-TV「記録チャンネル」はRadio Television Hong Kong(RTHK)に新設される「港台電視34チャンネル」で放送されることになる。
 両局の新送信所がどこにあるかについては秘密とされている。(Cahcn自留地 6/24) RTHKのwebサイトに新チャンネル34に関する記述があります。https://app3.rthk.hk/press/main.php?id=1949を参照のこと。またCNRは既に第14放送として「香港之声」を中波の675kHz(RTHK第六放送として、出力 10kW)、FMの87.8MHz(深圳)で放送していますがこれとの関係は不明です。

◎RAE日本語放送の旧アナ佐藤アイデーさん死去
 アルゼンチンRAE日本語放送の植田敬子さんからのメールによると、RAE日本語放送の開始時より同放送のアナウンサーとして活躍した佐藤アイデーさんが6月11日自宅で死去した、91歳であった。佐藤さんは故高木孝臣アナウンサーとともに21世紀初めまで約20年間にわたり短波黄金時代のRAE日本語放送を支えた。(JSWC 大武逞伯氏)

佐藤アイデーさん(RAEのHPより)


◎USAGM長官人事上院外交委員会で承認
 米国のDan Robinson氏によると、バイデン大統領により昨年USAGM長官に任命されたAmanda Bennet氏の人事がこのほどやっと上院外交委員会で承認された。民主党のRobert Menendez委員長が共和党と裏取引を行うことで、VOA局長時代の問題について難しい質問を受けることなしに一括承認となった。しかし共和党議員には反対意見が多く、上院本会議で承認されるかは微妙な情勢である。詳しくはhttps://www.voanews.com/a/biden-s-usagm-nominee-bennett-wins-senate-committee-approval/6631145.html?nocache=1&fbclid=IwAR2bOFUxTlxhtaW1v7R4E66pIyJc_AyfhE44dxQEQlkkR0IUpKoi-9rrA-8を参照のこと。(WORIG 6/24) 米国上院の現有議席は民主党48、共和党50。

◎英国で無料の空中波ラジオ・テレビ放送に関する調査
 英国のMike Cooper氏によると、同国では空中波による無料放送を中止して有料のオンライン放送に移行する議論が活発である。通信会社Arquiva社がこのほど3,006人の英国人に対して実施した調査によると、電波によるラジオやテレビ放送を無料で聴取する事を望む人の割合が多数であった。
 政府や公共の空中波放送を従来通り維持するべきとの意見は85%であった。BBCが公共の空中波放送サービスの中心に有り続けるべきと考える人は83%であった。テレビ放送が無料で見られることを望む人は73%、ラジオ放送が無料で聞けることを望む人は84%であった。もしテレビ放送がすべて有料化された場合に一切見なくなるという人は25%、ラジオ放送が有料化された場合一切聞かなくなるという人は23%であった。BBCは6月初めにBBC Four(TV)、Children's BBC(TV)、Radio 4 Extraの3放送の空中波による提供を中止し、オンライン(将来は有料)に切り換えると発表した。(WORIG 6/24)

◎コンゴで放送局の占拠横領が頻発
 英国のMike Cooper氏によると、コンゴ民主共和国東部では武装勢力による放送局の占拠や横領が頻発し、放送ジャーナリストに危険が及んでいる。反政府武装勢力M23は6月13日に同国の北キブ地方の都市Bunaganaを占領し、同地のコミュニティー放送局Radio the Voice of Mikeno (RACOM)を占拠し放送機材を破壊したり盗んだりした。占拠時に局員は身の危険を感じてすべて逃亡した。盗まれたのは送信機一式、太陽光発電パネル 12枚、音声ミキサー2台、コンピュータ8台、マイクロホン3台、発電機、デコーダー等である。放送局の局長や現地で取材しているVOA記者は敵の手先として殺害対象にされ、ジャーナリストの自由な活動はほとんどできない状況となっている。原記事はhttps://cpj.org/2022/06/m23-rebels-in-democratic-republic-of-congo-loot-radio-station-reporter-austere-mavilika-receives-threats/。(WORIG 6/23) コンゴ民主共和国(旧ザイール)では非民主的な政府と同じく非民主的な武装勢力M23との内戦がこのところ10年以上継続中です。

◎BCLにちょっと便利なサイト
 短波放送リスト EiBi: http://www.eibispace.de/ (ユーティリティ局も含む)
 カナダ海兵隊周波数 https://www.ccg-gcc.gc.ca/publications/mcts-sctm/ramn-arnm/part1-eng.html
           https://www.ccg-gcc.gc.ca/publications/mcts-sctm/ramn-arnm/part2-eng.html
 長波・中波ビーコン https://www.classaxe.com/dx/ndb/rna/
 放送局データベース http://mwlist.org (放送局データベース)
(Michigan ARE Tipsheet 6/24 via WORIG 6/24)

◎KBS国際放送が公式に250kWに増力予定
 米国のBill Harms氏が韓国KBS国際放送から受け取ったメールによると、同局は2019年7月8日に金城送信所の短波送信機がトラブルを起こして以来一部の放送が影響を受けていたが、このほど送信機の更新を行いトラブルが解消して正常に戻る目処がついた。9785kHzの英語放送は03:00-06:00に放送時間が変更されていたが、23:00-02:00に復帰し、出力は250kWに増力される。また11810、15575kHzの波も送信機更新により出力が従来の100kWから250kWに増力され受信状態の改善が期待される。新しい送信機からの放送に対する受信報告を歓迎する。(WORIG 6/23)
 2019年3月にスイスAmpegon社製新型250kW送信機は完成していた模様だが、これとペアで使用するALISS回転アンテナの到着が大幅に遅延していた。(ドイツ Wolfgang Bueschel氏)
 
◎生活的話語広播電台が日本語でも返信 ~英語局名も判明
 生活的話語広播電台(水・土 20:30-21:00 11925kHz 淡水送信所 300kW)に、英語の受信報告書をE-mailで送ったところ、19日後に担当のイブリン氏から日本語による返信があった。それによるとこの局の英語による局名は「Word of Life China Radio Broadcast」とのことであった。(日本 茶木直之氏)

◎Radio Iskatelが6月より3地点で放送開始
 ロシアのRadio Iskatel (Радио Искатель) Networkは6月よりロシア国内の3地点で放送を開始した。Tambov局 101.4MHz、Birobidzhan局 103.0MHz、Magadan局 106.5MHzである。極東ではKomsomolsk-on-Amur、Yuzhno-Sakhalinsk、 Birobidzhan、Blagoveshchenskにも開局する予定である。番組内容は男性ロック音楽と科学技術の教育番組に特化する。同局のURLはhttp://www.radioiskatel.ru。携帯電話アプリにも対応している。(RUS-DX 6/26 via WORIG 6/26)


 
◎ロシアの裁判所がRFIのwebサイト閲覧を違法と認定
 ロシアSt.PetersbergのKirovsky地方裁判所は、Radio France Intertnationale(RFI)のロシア語サイトで提供されている「ウクライナ特別軍事作戦」に関する情報はすべて違法と断定し、同webサイトの閲覧を禁止する裁定を行った。また同じ理由でベラルーシの「Belorusy i Rynok」の提供しているサイトの閲覧も禁止された。既に英国の「Daily Telegraph」、フィンランドYLEのwebサイト、Radio Libertyのアルメニア語webサイトも閲覧が禁止され、ブロックされている。(RUS-DX 6/26 via WORIG 6/26)

違法とされたRFIロシア語サイト


◎中国人民解放軍と中国華藝広播公司
 ドイツのHansjörg Biener 博士によると、「Global Taiwan Institute」の機関誌に「対台湾政治戦争に於ける人民解放軍311基地の役割」という調査結果がLong Term Strategy GroupのアナリストElsa B. Kania氏により掲載された。
 福建省福州市にある中国人民解放軍311基地には6以上の連隊からなる同軍61716部隊が配属されており、「世論工作、心理工作、法律工作」の3方向から台湾に対する工作を行っている。平時においては世論工作に重点が置かれており、そのための機関として設けられているのが中国華藝広播公司 (CHBC、6185kHz)で、1991年に設立されている。同放送では「中国文化の促進」と「同胞感情の凝集」が目的とされており、日頃台湾内の政治的争いや社会的問題などを取りあげ台湾に否定的な報道を行っている。311基地の司令官が同局の理事長を兼任している。2010年には311基地の司令官であった汪澍少将が務めていたが2015年に転任した後には邱雨氏が務めているが、彼が311基地の司令官であるかは発表されていない。同局は両岸交流会を頻繁に開催して世論工作を行っている。全記事はhttps://globaltaiwan.org/2017/02/15-gtb-2-7/を参照のこと。(WORIG 6/25)  もう一つの局である海峡之声広播電台(4900/4940kHz)は同部隊直営局で以前は「福建前線広播電台」と称していましたので、戦時の役割を持つようです。

◎RAIが中波放送全廃
 英国のMike Terry氏によると、イタリアRAIの中波放送が2022年9月10日に全廃されることが決定した。これに伴い廃止される盲人向けTV放送の説明番組の今後の聞き方がhttps://www.rai.it/dl/easyweb/articoli/COME-ASCOLTARE-LAUDIODESCRIZIONE-270a8731-a91d-4510-8844-ee3a7319c8a5.htmlに説明されている。(WORIG 6/26)

◎Radio /TVのペナント集発表
 イタリアのStefano Mannelli氏が集した1071枚のラジオ・TV局のペナントが公開されている。http://www.iz3enh.it/tvPennants.php。(Shortwave Bulletin 6/26 via WORIG 6/26)

◎7月のRadio Andorra Revival
 ドイツのChristian Milling氏によると、2022年7月のRadio Andorra Revivalの放送は7月3日の以下の時間に行われる。送信所はオーストリアMososbrunn、出力100kW。番組については https://www.aquiradioandorra.com/obrelli-patrick.htmlを参照のこと。
 02:00-04:15 6180 270° 欧州向
 07:00-09:15 13730 295° 北米向
(WWDXC TP 1509)

◎WMRが11mbの使用を開始
 スペインのManuel Mendez氏によると、デンマークWorld Music Radio(WMR)が11mbを使用開始している。01:40過ぎに25800kHzで確認できた。
(WWDXC TP 1509)

◎マレーシアKajang送信所の短波送信機の修理完了
 米国のRon Howard氏は、マレーシアのSarawak FM(9835kHz)及びWai FM(11665kHz)の受信状態が改善されたことについて、Kajang送信所のHead of Assistant Director (Operation)であるKhairuddin HJ Osman氏(E-mail<khair @ rtm.gov.my>に問い合わせたところ、3月にトラブルを起こした送信機の修理を終了し現在正常な送信が行われているとの回答があった。 (WWDXC TP 1509)

◎ロシアのBCLサイト<dxsignal.ru>永久閉鎖
 ロシアのBCLサイト<dxsignal.ru>を運営していたDmitriy Mezin氏によると、ロシアと世界のBCL向に情報を提供していた同サイトは6月で「永久閉鎖」となった。理由は「最近の世界情勢の緊迫化」で、「平和な解決策が予見できる将来には存在しない」と考えたためである。同サイトに掲載された2007年5月13日~2022年6月3日までの情報はhttps://web.archive.org/web/20220603061702/http://dxsignal.ru/で見ることができる。またQSLギャラリーはhttps://web.archive.org/web/20220102112146/http://dxsignal.ru/qsl/index.htmで閲覧可能である。(WWDXC TP 1509) 戦時体制とBCLは両立不可能か。

http://dxsignal.ruには「永久閉鎖」の文字が



出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  

トップページ