月刊短波2022年11月号(第6版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎Radio 60がNauen送信所から11月26日に特別短波送信 6版新規
 
オランダのRadio 60が11月26日(土)の20:00-23:00に6045kHz(Nauen、100kW、233°)で欧州西部向に英語・オランダ語による特別放送を実施する。同国のGunter (Hitmix Radio) 及びToon (Telstar-Radio)と共同で制作した短波放送用特別番組が放送される。(Bulgarian DX blog 11/25) Radio 60はオランダのストリーミングラジオ放送局(http://stream.spdns.org/8000)で、過去にも特別短波放送を行っています。受信報告の宛先は<radio60 @ gmx.de>です。

◎Radio Classic Sundayが11月27日に放送 6版新規
 
毎月の最終日曜日にしか放送しないオランダのRadio Classic Sundayが11月27日(日)の18:00-20:00に6185kHz(Zwolle、1kW、無指向性)で欧州西部向に放送を行う。(Bulgarian DX blog 11/24) 局のURLはhttps://www.radioclassicsunday.com/

◎Moosbrunn送信所から比較送信試験 5版新規
 
オーストリアMoosbrunn送信所から11月20日(日)、アンテナとビームを変えた比較送信試験が行われる。スケジュールは以下の通り。何れもドイツ語、欧州西部向。
 11/20 19:00-20:00 6070 100kW 300° Radio DARC   LPD(logarithmic-periodic directional)アンテナ使用
 11/20 21:00-23:00 6070 100kW 無指向 SM Radio Dessau 無指向性(quadrant omnidirectiona)アンテナ使用
(Bulagarina DX blog 11/17) LPDアンテナの方が10dB程度利得があると言われています。

◎スウェーデンRadio Iglooが特別放送 5版新規

 「El Radioescucha」(https://elradioescucha.net/2022/11/13/radio-igloo-estara-de-nuevo-en-el-aire-6/)によると、スウェーデンのRadio Iglooが2022年11月20日(日)にドイツChannel292と米国WRMIより特別放送を行う。これは米国Texas Radio Shortwaveが送信時間を提供し、スウェーデンGothenburgのが番組制作に協力して行われるものである。番組内容は英語、スウェーデン語によるDX情報(Westcoast DX-Club及びSwedish DX-Ferderationによる)とスウェーデンのアーティストによる音楽である。スケジュールは次の通り。
 11/20 03:00-04:00 Chennel292 3955
    11/20   11:00-12:00 WRMI 5950
    11/20   21:00-22:00 WRMI 15770
   正しい受信報告には新QSLカードが発行される。受信報告にはオーディオクリップを添付し番組内容に関するコメントを書いて欲しい。
(WORIG 11/15) 受信報告の宛先は〈radioigloo @ gmail.com〉。

iglooとはカナダのイヌイット族がかって住んでいた氷で作った住居のこと


◎Grimeton Radio SAQが11月17日に特別送信 4版新規
 
ドイツのRalf Bender氏によると、スウェーデンの保存無線局Grimeton Radio SAQはUNESCO創立50周年を記念して、11月17日に特別送信を行う。特別送信は世界遺産となっている1924年製Alexanderson alternator送信機より200kW、周波数17.2kHzで行われる。当日のスケジュールは以下の通り。
 00:25 YouTubeで実況中継開始 (https://www.youtube.com/channel/UC-83S-l9JKD1iuhsXx3XQ3g)
 01:30   準備・調整送信開始
 02:00 本送信(CW)開始
 これに先立ち11月15日ないしは16日に短時間の試験送信を行う場合がある。受信報告は原則としてオンライン上の受信報告フォーム(https://alexander.n.se/receptionreport/)で送付されたもののみを受付け、eQSLを発行する。詳しくはhttps://alexander.n.se/enを参照のこと。(WORIG 11/11)

◎RNZ Pacific周波数変更 4版新規
 
Radio New Zealand PacificのAdrian Sainsbury氏によると、同局は2022年11月11日より日本時間で夕方の放送の周波数を13730kHzから13755kHzに変更した。具体的には15:59-21:58の太平洋向放送が13755kHzとなる。(WORIG 11/10) 

◎CNR短波DRM試験放送の最新スケジュール 
3版新規
 中国CNR第一放送(中国之声)短波DRM試験放送の2022年10月27日更新のスケジュールは以下の通りである。
 北京 05:25-03:05 (火曜 15:00-18:00停波) 6030 60kW 0° ID:3FF
              10:00-18:00 (2022年12月23日以降) 13825 30kW 175° ID:3EA
 東方   10:00-18:00 17770 30kW 17° ID:3ED
 昆明   10:00-13:00 15180 30kW 32° ID:2
              13:00-17:00 17800 30kW 32° ID:2
              17:00-20:00 15180 30kW 32° ID:2
 斉斉哈爾 09:00-13:00 13850 30kW 225° ID:1
                      13:00-18:00 11990 30kW 225° ID:1
                      18:00-21:00 13710 30kW 203° ID:1
 烏魯木斉 07:00-10:00 9655 30kW 98° ID:3EC
                      10:00-17:00 17830 30kW 98° ID:3EC
                      17:00-21:00 9655 30kW 98° ID:3EC
 HFCCのB22スケジュールには東方の11695kHzが登録されているが実際は使用されていない。
 原記事はhttps://cahcn.github.io/drm/参照のこと。
(Cahcn自留地 DRM )

◎韓国民間中波局10局が11月8日で停波 3版新規
 
韓国の百科メディア「ナムウィキ」によると、韓国では民間中波局の停波が進んでおり、2022年11月8日には次の10波が停波する。なお正式の廃止は2023年5月8日となる。
 文化放送(MBC)各局
  大田 765kHz HLCQ 10kW
  蔚山 846kHz HLAU 10kW
  ソウル 900kHz HLKV 50kW
  慶南昌原  990kHz HLAF 10kW
  浦項  1107kHz HLAT 10kW
  忠北清州 1287kHz HLAX 10kW
  基督教放送(CBS)各局
  光州 999kHz HLCL 10kW
  全北 1314kHz HLCM 10kW
  釜山 1404kHz HLKP 10kW
  ソウル放送(SBS)
      ソウル 792kHz HLSQ 50kW
  なおMBCの春川(774kHz)、済州(774kHz)、麗水(1080kHz)、釜山(1161kHz)、原州(1242kHz)、江原寧洞三陟 (1350kHz)、木浦(1386kHz)は2022年9月8日、安東(1017kHz)、慶南晋州(1215kHz)は2021年12月12日、忠北忠州(1332kHz)は2020年5月1日、大邱(810kHz)は2020年2月1日に停波している。CBSの大邱(1251kHz)は2021年12月12日に停波している。極東放送(FEBC)、米軍放送(AFN)、対北放送の756AMは中波放送を今後も継続する。MBCの光州(819kHz 20kW)、全州(855kHz 10kW)は今のところ廃止予定はない。CBCのソウル(837kHz 50kW)は廃止検討中である。
 原記事はhttps://namu.wiki/w/중파방송を参照のこと。(赤林)

◎中国の地方ラジオ局状況 3版新規
 
中国の国家ラジオ・テレビ総局は地方のローカルラジオ局に対して2021年10月~2022年9月の1年間で以下のような合理化を実施した。原記事は https://cahcn.github.io/posts/2022-10-31-nrta-data.html参照。
 閉局・廃止
  中央広播電視総台 外語教学広播
  黒竜江広播電視台(黒竜江省) 農村広播
  鶴岡市広播電視台(黒竜江省) 生活広播
  株州市広播電視台(湖南省) 文藝生活広播
  錫林郭勒広播電視台(内蒙古) 総合文藝広播
  泰安市広播電視台(山東省) 旅游広播
  晋城市広播電視台(山西省) 農村広播
 名称変更
  広東広播電視台(広東省) 南粤之声 → 珠江之声 
  張家口市広播電視台(河北省) 農業経済広播 → 旅游広播
  長春市広播電視台(吉林省) 少儿与老年生活広播 → 城市生活広播
  松原市広播電視台(吉林省) 総合広播 → 新聞総合広播
  遼陽市広播電視台(遼寧省) 経済広播 → 評書広播
  丹東市広播電台(遼寧省) 経済広播 → 交通広播
  西双版納州広播電視台(雲南) 傣語・哈尼語総合広播 → 総合広播
 新設・増設
  商丘市広播電視台(河南省) 文旅音楽広播
  喀什地区広播電視台(新疆) 総合広播に中国語を増設
(Cahcn自留地 11/1)

◎Shortwave Serviceの仲介で特別短波送信 2版新規
 
ドイツShortwave ServiceのChristian Milling氏によると、同局の仲介で特別送信が行われる。
 11/5 03:00-04:00 Gavar 6180 100kW 330°  Radio Terrassa(スペイン)欧州向 スペイン語
 11/6 02:00-03:30 Moosbrunn 6180 100kW 270° Radio Andorra Revival 欧州向 ”Serge Gainsbourg”
(WORIG 11/3)

◎Radio Pravda dlja Rossiiの100kW送信復活 2版新規
 英国のAlan Pennington氏によると、2022年8月より停止されていたRadio Pravda dlja Rossiiの100kW送信が2022年11月6日(日)より復活することになった。00:00-01:00 Moosbrunn 9745 100kW 55°。なお低出力のChannel 292中継(Rohrbach送信所 10kW)は11月7日(月)より03:00-04:00 6070kHzで行われる。放送はロシア語。9745kHzはHFCCには毎日放送と登録されているが、以前は水・金・日曜の週3回であった。(WORIG 11/3) Channel 292中継は週1回?

◎Tropical Bands Monitor11月版発行 2版新規
 
米国のGlenn Hauser氏によると、2022年11月版のTropical Bands Monitorが発行された。http://www.dswci.org/tbmonitor/2022.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 11/1)

◎Claudius Obrecht氏アジア向けにDRM試験放送  2版新規
 イ
ンドのAlokesh Gupta氏によると、スイスのアティーストClaudius Obrecht 氏は11月2日に続き11月5日の04:00-05:00にアジア向けDRM放送の試験を実施する。周波数は11710kHz。受信報告は<c.obrecht @ swissonline.ch>へ。(WORIG 11/2)

◎青木リスト復活
 
米国のRon Howard氏によると、A22スケジュールがなかなか出なかった青木リストがこのほどB22スケジュール分も含めて復活した。http://www1.s2.starcat.ne.jp/ndxc/より参照・ダウンロード可能である。(WORIG 10/30)

◎アルジェリア新短波送信所B22スケジュール

 英国のAlan Holder氏によると、HFCCに提出されたアルジェリア新短波送信所のB22送信スケジュールは以下の通りである。2つの送信所にはそれぞれ1基の短波送信機しかないため、同じ送信所の時間が重複している場合はどれか一波しか出ない筈である。放送はすべてTDAのアラビア語放送。
 Bechar送信所 300kW 310°
   6050 12:00-15:00
      7335 12:00-16:00
   9500 09:00-12:00 15:00-16:00
    11680 15:00-16:00
    15250 09:00-12:00 16:00-24:00
    17600 16:00-18:00 18:00-24:00
   Ouargla送信所 300kW 210°
      6040 09:00-16:00
      7440 09:00-16:00
    15400 16:00-21:00 04:00-09:00
    15410 16:00-09:00
    17700 21:00-04:00
(WORIG 9/30)
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、2022年8月初め以来Quargla送信所からの送信は確認されていなかったが、9月22日08:12以降初めて 13600kHzで変調の浅い信号が確認された。(BDXC Communication October 2022 via WORIG 10/5)



◎「Indonesia on Shortwave」の英訳版掲載
 米国のGlenn Hauser氏によると、フィンランドのDXer Hannu Tikkanen氏が地元のDXクラブ機関誌「RADIOMAAILMA」2022年4月号に掲載した、インドネシア短波局の歴史についての記事「Indonesia on Shortwave」の英訳版がShortwave Bulletinの2022年10月2日号に掲載されている。インドネシア局盛況時代を知るDXerにとっては過去を思い出させてくれる記事である。http://www.hard-core-dx.com/swb/2012.pdf。(WORIG 10/2) 日本を含む各国にインドネシア局専門DXerがいたほどの盛況を極めていました。

◎ITUに初の女性事務総局長
 英国のMike Terry氏によると、国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)の20代目の事務総局長に米国のDoreen Bogdan-Martin氏が就任することが決まった。同氏は1865年5月のITU創設以来初の女性事務総局長でKD2JTXのコールサインを持つアマチュア無線家でもある。キム総局長選挙ではロシアの候補Rashid Ismailov氏を大差で破った。就任は2023年1月1日の予定。詳しい情報はhttps://www.bbc.co.uk/news /technology-63074895を参照のこと。(WORIG 10/3) 現在の事務総局長は中国の趙厚麟氏で、ロシアを打破して米国が主導権を取り戻した形です。

◎EC-130Jコマンドソロ機から「最後の放送」
 米国のGlenn Hauser氏によると、米空軍の第193特殊作戦航空団(193rd Special Operations Wing)のEC-130Jコマンドソロ機が2022年9月17日ペンシルバニア州LitizのLancaster空港で開催された「Community Days Air Show」にて最後の空中からの放送を披露して引退した。同機は1968年のベトナム戦争時以来使用されてきた空中放送用EC-130機の3台目で、イラク戦争やアフガニスタン戦争で空中から短波・TV放送を敵地に対して行い注目された。当面後継機の予定はなく54年間継続されてきた空中からの宣伝放送戦略は終止符を打った。(WORIG 10/4) 米空軍の発表はhttps://www.193sow.ang.af.mil/News/Article/3162013/historic-ec-130j-commando-solo-military-aircraft-performs-final-broadcast-over/を参照。放送聴取者が減少する中、放送を利用した「心理情報戦」も過去のものになりつつある模様です。
 
最終飛行を行うEC-130J Commando Solo III (第193特殊作戦航空団のHPより)


◎Time Pips Catalog
 米国のRuss Edmunds氏によると、同氏が世界各局の時報を収集した「Time Pips Catalog」を改訂した。http://www.radiodxing.com/TimePipsCatalog.xlsxより参照できる。(WORIG 10/5)

◎Canadian International DX Clubが創立60周年
 カナダのCanadian International DX Club (CIDX)は2022年で、1962年の創立以来60周年を迎えた。この期間ずっと非営利のボランティア活動によりラジオリスニング界に貢献してきた。現在CIDXの本部はケベック州Montrealにあり、西海岸支部がアルバータ州Sherwood Parkにある。世界の誰でもメンバーになることができ、pdf形式の電子会誌「Messenger」を発行している。(CIDX Messenger 2022 via WORIG 10/5)

◎アルジェリアの新短波送信所遅延の原因
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、2018年には完成していたアルジェリアのBechar及びQurgla両送信所からの本送信が4年も遅延した原因は、発注先の現Ampegon社(当時はThomcast Thales社)の事情による。300kWのTSW2300はほぼ完成していたものの、Thomcast Thales社が2017年に倒産し整理会社に一時売却されるという混乱の中で最終調整作業が大幅に遅延したのである。(WWDXC TP 1519)

◎イタリアRAIがすべての中波送信所を閉鎖
 デンマークのSimon Hockenhul氏、フランスのChristian Ghibaudo氏によると、イタリアRAIは2022年9月11日07:00に中波放送を終了し、すべての中波送信所を閉鎖した。この時刻直前に最後まで残っていた657、900、936、981、1062、1107、1116、1431、1575kHzではイタリア国歌が最後に放送され、時報の後は機械的なテレメトリー信号が流されていた。999kHzのTorino放送局だけは手動制御であったため、同日17:00まで放送していた。(BDXC Communication October via WWDXC TP 1519)
 
◎ニュージーランドでは放送開始100周年  ~2022年10月4日
 ニュージーランドのBryan Clark氏によると、同国では2022年10月4日放送開始100周年を迎えた。1922年10月4日Radio Dunedinが放送開始したのがニュージーランドのラジオ放送の始めで、これはBBCの放送開始より5週間早かった。ニュージーランドでは早期にラジオ技術が人々に受け入れられ、1921年11月17日にはOtago大学のRobert Jack教授により「ハロー・ドーリー」の歌が初めて試験送信された。この時の録音は残っていないが、放送開始50周年に当たる1972年にNZBCが記念放送でこれを再現した録音が残されている。https://ngataonga.us3.list-manage.com/track/click?u=208fc161efe91b8e64e02445c&id=bfd19b1374&e=0536994070。 (NZ DX Times Oct via WORIG 10/10)

◎World Music Radio最新スケジュール
 デンマークWorld Music Radioの最新スケジュールは以下の通り。
 土曜16:00-月曜03:00  5930 Bramming 100W 0° 欧州北部向
 土・日曜16:00-翌日05:00  15700 Randers 100W 180° 欧州東南部向
 毎日 24H 25800 Marslet Aarhus 600W 無指向性 欧州西部向
(Bulgarian DX blog 10/11)

◎Mighty KBCのB22スケジュール
 オランダのMighty KBCはB22には以下のスケジュールで放送する。放送は英語。
 日曜09:00-11:00 5960 Nauen 125kW 300° 北米向
 同局はエネルギーコストの上昇で苦戦を強いられており、寄付を募っている。PayPalでの寄付は<themightykbc @ gmail.com>へ。
(Bulgarian DX blog 10/11)

◎中国交通広播が相次いで閉局
 中国の中央人民広播電台は中国交通広播の全国展開を急いでいたが、河北省や湖南省の一部都市ではこのところ廃局が行われ2021年9月から2022年半ばまでに30局が廃止された。廃止されたのは北京総台直轄の張家口局(99.6MHz、実際には2020年12月より停波していた)、河北省で101.2MHzを使用していた張家口、承徳、衡水、秦皇島など26局、湖南省で90.5MHzを使用していた懐化、邵陽、吉首の3局である。河北省の各局は2018年に新設されたばかりである。廃止の理由は公式には明らかにされていないが、消息筋によれば送信費用と維持費用の捻出が困難になったためとされている。(Cahcn自留地 10/11)

◎WRMI送信所のアンテナがハリケーンIanで倒壊-復旧のための寄付募集
 WRMIのJeff White社長によると、同局のOkeechobee送信所はハリケーンIanで送信アンテナが倒壊するなどの大きな被害を受け、一部は復旧したものの、欧州・アフリカ向の送信は不可能な状態である。欧州・アフリカ向のアンテナは保険料が莫大なため保険には入っていなかった。アンテナの復旧費用捻出のためWRMIでは一般の寄付を募っている。寄付は同局のHP(http://www.wrmi.net)またはhttps://www.gofundme.com/f/save-our-shortwave-wrmi-hurricane-ian-damage/donationsより。(WORIG 10/12)

◎Moosbrunn送信所からドイツQRP局年末特別送信
 ドイツのHansjörg Biener博士によると、同国のSM Radio Dessauの提唱による「100kW Shortwave Marathon」の第4回目が2022年12月26日に100kWオーストリアMoosbrunn送信所の大出力送信機より行われる。同日ドイツQRP局6局が18:00-24:00に特別放送を行う。周波数は6070kHz、出力は100kW。
    18:00-19:00 SM Radio Dessau
    19:00-20:00 Radio DARC
    20:00-21:00 SATzentrale - Dein Technikradio
    21:00-22:00 Jake FM
    22:00-23:00 Radio Power Rumpel
    23:00-24:00 Radio Klein Paris International
 この内SM Radio Dessau(https://www.smradio-dessau.de)は受信報告に対して特別QSLカードを発行する。宛先は〈maxberger @ smradio-dessau.de〉の同局Max Berger氏へ。(WORIG 10/14) SM Radio Dessauは通常は週1回程度Channel 292から放送しています。

◎Moosbrunn送信所の300kW短波送信機年内で廃止
 オーストリアのPaul Gager氏によると、オーストリアMoosbrunn送信所の300kW短波送信機は現地時間の2022年12月31日いっぱいで廃止される予定であるという。SM Radio Dessauは12月26日に続き12月31日の22:00-24:00にも6070kHzで「お別れ放送」を行う。(WORIG 10/14)
   ドイツのHarald Suess氏によると、この300kW送信機を2023年1月1日以降は使用しない予定であるということである。SM Radio Dessauの12月31日の特別放送は敢えてこの300kW送信機を2時間借用して行われる。なお2023年1月1日以降Moosbrunn送信所の送信機レンタル料は値上がりが予定されている。そのためRadio Joystickは既に送信所をブルガリアに変えている。他局がどうするかも注目して行きたい。Moosbrunn送信所のErnst Spitzbart所長は2023年半ばに引退するが、後継者はすでに決まっており、送信所は引き続き稼働するが、300kW送信機は使用せず100kW運用のみとなる。(A-DX via WORIG 10/16) この300kW送信機は1983年に導入したAEG社のS4005送信機と思われます。なお他に2000年導入の100kW短波送信機は2基ありますので、今後はそれらのみで運用するものと考えられます。

◎RTL Luxembourgの長波234kHzの放送年内で廃止
 英国のMike Terry氏によると、ルクセンブルクRTLの長波放送(234kHz)が現地時間の2022年12月31日で廃止されることになった。理由は欧州の電力危機で、年間6,000MWHも電力を消費する長波送信機の電力料金を賄えなくなったためである。リスナーはFM放送またはDAB+放送に切り換えて欲しいとしている。同長波放送の廃止で欧州に残る長波放送は英国198kHz、アイルランド252kHz、アイスランド189/207kHz、デンマーク 243kHz、ポーランド225 kHz、ルーマニア153kHzとなった。(WORIG 10/14)
   フランスのChristian Ghibaudo氏によると、10月17日以降RTLの放送では長波放送の終了についてのアナウンス(フランス語)を234kHzの放送でのみ頻繁に行っている。長波のQSLカードも発行されなくなるので、受信報告も速めに出した方が良い。宛先はBCE 45 bd. Pierre Frieden L-1543, Luxembourg。(WORIG 10/18)
   ベルギーのMichel Fremy氏によると、RTLの長波放送は1933年より行われてきた。RTL長波放送の終了でフランスで聞けるフランス語の長波放送はモロッコ Medi1の171kHz、アリジェリアRTAの254k(Tipaza送信所)のみとなる。(WWDXC TP 1529) 長波放送はRTL最後のAM放送で、Beidweiler送信所から昼間は750kW、夜間は375kWで、フランス向に227°で送信されています。この送信所は1972年に旧Junglister送信所に変わる施設として新設されたもので、現用送信機は2011年に導入されたTransradio社製 TRAM/P 1500LS送信機で最大出力は1500kW出すことができます。2020年以降現在の出力で放送されていました。アンテナは固定ビームで290mの高さがあります。


 
◎アルジェリアIssoudun送信所からの中継をキャンセル
 フランスのJean-Michel氏によると、アルジェリアRTAはフランスIssoudun送信所から行っていた短波中継を2022年9月で打ち切った。ドイツのKai Ludwig氏によると、実際には9月21日に打ち切られている。これは7年前から予告されていたものである。Issoudun送信所の「Eセンター」部分はアルジェリア専用に使用されており、送信がキャンセルされればユーザーがなくなる。(WORIG 10/15) 2カ所の新短波送信所が完成し本格運用を開始することになっていることに伴う措置です。

◎TWRのウクライナ向対応
 英国Medium Wave NewsのEditorであるSteve Whitt氏によると、Trans World Radioは2022年10月現在ウクライナで24時間受信が可能なようにウクライナ向放送以下の様に行っている。特記のないものはウクライナ語。ウクライナの各放送局でも中継されている。
 短波    01:00-02:00 15200 (KTWR 250kW 320°)
                02:00-03:00 13660 (KTWR 250kW 320°)  ロシア語
    中波    03:47-04:47 1377 (Gavar 500kW)
                04:00-05:00 1035 (Estonia Radio Eli 100kW)  一部ロシア語
       02:30-03:30 621 (Grigoriopol 150kW)  ロシア語
 webストリーム http://ice-edge.eclipse-streaming.co.za/TWR-ukraine.mp3
(WORIG 10/17)
           
◎米国の放送局数減少止まらず ~FM局も減少傾向
 「Inside Radio」の10月7日号によれば、米国の放送局減少が停まらない。AM局だけでなく、FM局も経済状況から運営が困難になりつつある。FCCによると、2022年9月末のAM局免許数は4,490局で6-9月の第3四半期内で8局、2021年9月末からの1年間で29局減少した。またFMは9月末現在6,677局で第3四半期内で12局減少した。(ARC mv-eko 10/17 via WORIG 10/17) ハリケーンIanで被害を受けた放送局にも廃局が出る可能性があります。

◎BCLの副作用!!
 米国のHarold Frodge氏(Michigan AREA Tipsheetのエディター)によると、BCLなどラジオを聞き続けることで人間には次のような「副作用」(side effect)が出てくる。
 ①もっともっとラジオを聴きたいという欲求が抑えられなくなる。
 ②地理や言語に関する知識が止めどもなく増加する。
 ③ラジオを消したあとでも放送が聞こえる「聴覚性パレイドリア」(auditory pareidolia)に似た症状が起こるようになる、特にビーコンを長時間聞いた後に発生する。
 ④目的局が聞こえないことが多いので「この世に良いことは何もない、自分は運が悪いのだ」と思い込むようになる。
 ⑤(直接聞いても内容がわからない)デジタル信号にイラつく。
 ⑥ビバレッジアンテナを立てて聞いている奴がねたましくなる。
 ⑦IDが出るのではと(受信していなくても)毎正時になると気になってしまう。
 ⑧最新のAoki-Listが座右にないと不安でしょうがない「青木依存症」(Aoki dependance)になる。
 ⑨ダイヤルの捻りすぎ、ボタンの押しすぎで指がこわばる「knobulation」の症状になる。
 ⑩ラジオから椅子を離すとヘッドホンのコードが絡まり耳から外れてしまう現象「phonus interruptus」が起こるようになる。
 ・特に4時間以上受信すると起る「副作用」
 ①ヘッドホンの圧力で耳が平らになる現象「lobeulation」が起こる。この現象は椅子に座り放しだと尻が痛くなる「asspainification」と似ている。
 ②言葉にハウザー語「Hauserisms」(Glenn Hauser氏が多用する言葉・表現)が混じるようになる。
(Michigan ARE Tipsheet 10/14 via WORIG 10/17)

◎Radio Russiaが高出力中波試験送信開始
 ロシアのEvgenij、Andrey氏によると、Radio Russiaがカリーニングラード地域のBolshakovo送信所より中波1143kHz(500kW 無指向性)で10月13日より試験送信を開始した。試験放送は現地時間の昼間に行われている。500km程度離れた場所でも良好に受信できる。https://youtu.be/bXclZ6ByGyw、https://www.youtube.com/watch?v=bXclZ6ByGywを参照のこと。この送信所はソ連時代の1974年12月24日に「カリーニングラード第5ラジオセンター」(ソ連第607送信所第1地点)として開設されたもので、8年前に中波送信を終了して休止状態となっていた。Michel Fremy氏によると、ウクライナ戦争の影響で西側各国でロシアメディアへのアクセスが監視されているため、特にバルト海沿岸各国のロシア人に直接情報を届ける目的で再開されたものと思われる。(RUS-DX 10/16 via WORIG 10/17)  この送信所には短波送信機も設置され1980年代にはジャミング用として活用されましたが、ソ連の崩壊で中波・FM用送信所となり、中波送信は2007年に停止されました。高さ250mの鉄塔は残っているとのことです。今回の送信が新しい送信機によるものかどうかは不明ですが、ロシアから西側へのメディア戦術の一環であることは確かと思われます。

◎ロシアからの中波大出力送信復活 ~旧職員を動員
 ロシアで廃止されていた旧大電力中波送信所の運用が10月22日より正式に復活する。
 試験電波が出る送信所は以下の2カ所である。
 Kuban送信所(クリミア半島の東) 1089kHz 1200kW ロシア東部・ウクライナ・欧州西部・クリミア向
 Bolshakovo送信所  (カリーニングラード) 1143kHz   150kW 欧州西部・ヨーロッパロシア・ベラルシ・ウクライナ・バルト諸国向
 なお実際の放送は既にGriogoriol送信所(モルドバ)より999kHz(1000kW、ヨーロッパロシア・ベラルシ・ウクライナ・欧州西部・クリミア向)、1413kHz(500kW、クリミア・ヨーロッパロシア・ウクライナ向)で行われている。
 更に11月1日よりKrasnodar送信所からも1089kHz(1200kW)の試験電波を発射する予定で準備が進んでいる。中波の送信所は既に閉鎖されているが、送信機は残存しているものを使用する。30年前まで中波送信所に勤めていた人員が動員されている状況である。(RUS-DX 10/23 via WORIG 10/24) 流されるのは国内向Radio Russiaの放送となります。戦時体制の一環として中波大電力放送を復活させた模様です。

◎イタリアのDX巨匠Dario Monferini氏死去
 英国のAlan Pennington氏によると、2022年10月17日イタリアの著名なDXerであったDario Monferini氏がミラノの療養施設で死去した。72歳であった。氏は2020年5月に心臓発作を起こしてからこの施設で療養していた。
 氏は1975年、まだインターネットもメールもなかった頃に、アクティブなDXer向に週間DX雑誌「Play-DX」を創刊しイタリアを中心とするDXerにDXログ、DXニュース・話題、QSL情報を届けた。特に中波・FMのDXingに堪能で、各地で開催されたEDXC会議ではホテルのテラスでFM局を受信している姿が良く見受けられた。世界中の放送局を直接訪問し、放送局のステッカーやペナントも多数収集した。2016年に英国Manchesterで開催されたEDXC会議では「カナダへのDX旅行」の講演を行った。2019年にAndorraで開催されたEDXC会議にも参加した。(WORIG 10/17) 
    イタリアIRRSのRon Norton氏によると、Dario Monferini氏は過去30年にわたりIEESやNEXUS-IBAとも親密な関係にあった。氏の葬儀は10月20日にミラノSan Nicola Vescovo教会で行われる。氏はIRRSが1989-1990年に放送した「Play-DX Radio Show」を制作・出演した。IRRSは2022年10月21-23日、10月28-31日に再放送を行う予定にしている。氏についての詳しい情報を https://www.nexus.org/dario-monferini/に掲載している。(WORIG 10/19) Play-DXはHP化されており、http://www.playdx.comで保存されています。2016年以来更新されていません。

ミラノの自宅でのDario Monferini氏(Play-DX HPより)


◎AWR-Europeの連絡先
 ドイツのHansjörg Biener博士によると、Adventist World Radio-Europeのアドレス及び責任者は以下のとおりである。 
 アドレス:Sandwiesenstr.  35, D - 64665 Alsbach, Germany
    電話:+49 6257 9440984 携帯:+49 160 9484 4349
 責任者:Giuseppe Cirillo氏(Frequency Engineer & Monitoring Department)
(ドイツWolfgang Bueschel氏)

◎BBC放送にMike Terry氏らBDXCメンバーが出演
 英国のAlan Pennington氏によると、現地時間10月17日に行われたBBCのラジオ放送「Dorset Breakfast」にBDXCのメンバーであるMike Terry、Tim McClellan、David Morris氏が出演し、「Unveiling a new blue plaque to BBC radio station launched in Bournemouth in 1923」としてスコットランドでの最初の放送のこと、スコットランドで1923年最初に放送を聞いたのはDXerであったことなどを説明した。この放送は11月15日までhttps://www.bbc.co.uk/sounds/play/p0d26c92で公開されている。(WORIG 10/18)

◎RNZ Pacificが新短波送信機導入へ
 インドのAlokesh Gupta氏がAmegon社の情報として伝えたところによると、Radio New Zealand PacificはRangitaki送信所の短波送信機を更新することになり、2022年9月スイスのAmpegon Power Electronics AG社に正式発注を行った。新たに導入されるのはTSW-21-V4型100kW短波送信機である。この送信機はAMの他DRMでも送信できる。AM送信時にはキャリアを抑圧して電力を節減可能である。DRM送信時には40%ほど電力を節減できる。RNZ Pacificが太平洋諸国の22放送局に向けて提供している24時間放送に使用される。新送信機は2023年に設置され、運用開始は2024年となる。原情報はhttps://ampegon.com/shortwave-transmitter-contract-with-rnz/を参照のこと。 (WORIG 10/18) Rangitaki送信所には1989年導入のThomson社製TRE2315と2006年導入のThales(現Ampegon)社製 TSW2001Dの100kW送信機が1基ずつあります。この内TRE2315を更新することになります。

◎ブラジル120mb局復活
 ブラジルのSérgio Dória Partamian氏によると、同国のRadio Cacique de Sorocaba(在São Paulo州Sorocaba)が2470kHzで短波放送を復活した。10月19日の15:00-16:04には「Madrugada Cacique」という番組が放送されていた。(WORIG 10/19) 同局はFM96.5MHzとAM 1160kHzで放送を行っています。URLはhttps://radiocacique.com.br/、QTHはRua Saldanha da Gama, 168 Centro, Sorocaba - SP, Brasil、E-mailは<ouvintes @ radiocacique.com.br>です。

caciqueは「頭」、「長」の意味


◎BVBのB22スケジュール
 Tony Ashar氏によると、カナダのBible Voice Broadcastingの全B22スケジュールが以下のサイトで冊子として入手できる。https://www.hagcm.org/_files/ugd/22d1db_b472842f98304902b7c4ee5cbb2861a6.pdf。(WORIG 10/20)
 
◎DWがアフガニスタン向放送を中止
 ドイツのHansjörg Biener氏によると、Deutsche Welleは2022年9月15日でアフガニスタン向のパシュト語・ダリ語の放送を中止した。(WORIG 10/29) 23:00-24:00に6100kHz(Tashkent)及び15230kHz(Dhabayya)で行われていました。前半30分がダリ語、後半 30分がパシュト語でした。残るはアフリカ向のアムハリ語及びハウサ語放送のみとなりました。

◎オーストリアADXB年内で解散
 オーストリアのDXクラブAustrian DX Board(ADXB)の会長Harald Suess氏によると、同クラブは2022年いっぱいで解散することになった。理由はクラブ運営を引き継ぐ後継者がいなくなったためである。クラブメンバーはドイツ支部ADXB-DLに移籍した形となり今後はドイツで運営する。なおHarald氏自身はドイツのDXクラブ連合体AGDXの副会長として今後も活躍する。(WWDXC TP 1520)

◎カナリア諸島に残る中波局
 スペインのManuel Mendez氏が現地で2022年10月に確認したところ、現在カナリア諸島で放送している中波局は以下の通りである。
     576kHz RNE第一放送 Mesas de Galaz, Gran Canaria  ID:"Radio Nacional de Espana Canarias" "Espana Rural"
     621kHz RNE第一放送 Tenerife  ID: "Espana Rural"
     720kHz RNE第五放送 Tenerife  ID: "Radio 5 Todo Noticias"
     747kHz RNE第五放送 Mesas de Galaz, Gran Canaria  ID: "Radio 5 Todo Noticias"
     837kHz COPE Las Palmas, Gran Canaria
     882kHz COPE Tenerife  ID:"Cadena COPE"
   1179kHz Radio Club Tenerife Tenerife  宗教番組など
(WWDXC TP 1520)

    

◎電力料金高騰でShortwaveServiceからの中継が激減
 ドイツのMike Bethge氏によれば、ロシアによるエネルギー封鎖でドイツの電力料金は欧州で最も高くなり、それに伴い短波送信所の中継料金も大幅に値上がりした。そのため同国ShortwaveServiceのKall-Krekel Eifel送信所から中継を行っていた局の内Radio Prague、Polskie Radio、Radio TiranaがB22では契約を行わず、B22スケジュールで中継を行う局はRadio Mi Amigo、Radio Slovakia International、スイスSRF(Schweizer Radio und Fernsehen)だけになってしまった。(WWDXC TP 1520)
 英国のAlan Roe氏によれば、B22スケジュールは以下の通りである。
 6005kHz  20:00-01:30  Radio Slovakia International(独・英・仏・西・独・英・仏・独・英・仏・西語の順で30分づつ)
 3895kHz  02:00-03:00  独語 "Echo der Zeit"
                     03:00-05:00  Radio Slovakia International(独・英・仏・西語の順で30分づつ)
 6085kHz  17:00-03:00  Radio Mi Amigo
(WORIG 10/29)

◎Deutche WelleのB22スケジュールはこれだけ!
 ドイツのMike Bethge氏によれば、Deutche WelleのB22スケジュールは以下の通り。I:Issoudun、S:Sao Tome。
 エチオピア向アムハリ語 01:00-02:00 11830I 15275I
    アフリカ西部向ハウサ語 15:30-16:00 7230S 9830I 11800I  22:00-23:00 9830S 11980S 17800I
      03:00-04:00 9830S 11980S 15215I 土曜23:25-01:30 15195I 17840I (プロサッカー中継)
(WWDXC TP 1520)


 
◎B22シーズンのHFCC登録スケジュール公開
 米国のStephen Luce氏によれば、2022年10月30日開始のB22登録スケジュールがHFCCより公開された。http://hfcc.org/data/b22/より閲覧できる。 なお廃止されたDWのアフガニスタン向放送がまだ掲載されているなど不完全である。(WWDXC TP 1520)

◎BBCアラビア語放送は2023年1月いっぱいで廃止
 ドイツのKai Ludwig氏が2022年10月6日付けのエジプト「Al-Ahram」オンライン版の報道として伝えたところによると、BBC World Serviceのアラビア語ラジオ放送は2023年1月31日で廃止される。現記事はhttps://english.ahram.org.eg /News/477265.aspx。
 他の言語の廃止時期も同様だと思われるが、まだ検討中らしい。BBC World TVで行われている国外向放送は4月までは放送されるものと思われる。(WWDXC TP 1520)

◎Radio Carolineの放送免許2027年まで延長
   英国のMike Terry氏によると、同国Ofcomは648kHzで放送しているRadio Carolineの放送免許を2027年まで5年間延長することを決定した。(WORIG 10/23)  同局は20世紀の海賊局Radio Carolineの「末裔」で「コミュニティー局」としての放送免許が与えらています。英国では中波放送は原則廃止ですが、コミュニティー局では当面認められています。



◎WRMI  11/6よりの全スケジュールを発表
 イタリアのNino Marabello氏によれば、WRMIの2022年11月6日以降の送信スケジュール表が公開されている。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/13Hra1coQGQAKDzn8QGeAqPuXbvFsn7umGzESGJQUx5k/edit#gid=0より閲覧できる。(WORIG 11/6)

◎QSLコレクションのデータベース
 約50,000枚のQSLカードコレクション「Broadcast QSL Online](BQO)がオーストリアのHarald Suss氏によって公開されている。http://www.bcqsl.org/ (RUS-DX 10/23 via WORIG 10/24) 戦前のNHKのQSLカード(外国向)もあります。
 
◎「Cold War Radio」発行 ~VOA・RFE/RLロシア語放送の内情
 英国のMike Cooper氏によると、「Cold War Radio: The Russian Broadcasts of the Voice of America and Radio Free Europe/Radio Liberty」が米国Potomac Pressより発行された。米国人の大半はVOAやRFE/RLについて「冷戦時代の産物」程度にしか思っていない。BBC World Serviceとは異なりこれらの局は確かに冷戦時代に生まれて成長したのだが、現在に至るまでこれらの局がどのような働きをしてその効果はどうだったのかは知られていない。著者のMartha Bayles氏は米国Virginia大学Institute for Advanced Studies in Cultureの研究員で、1980年代にVOAロシア向放送やRFE/RLの職員であったMark Pomar氏の記録や言動を通してこれらの放送がロシアに対して担った役割やその問題点について考察している。1980年代末のVOAやRFE/RL局内では、若い世代に西側の民主主義的な風潮を聞かせればその内にソ連は崩壊して西側と同じような自由主義国となって行くという考えが主流であった。しかし内部にはソ連が崩壊して共産主義がなくなれば抑圧されていたロシア正教と結びついた「国民主義」が復活し独裁的な指導者が現れて拡張戦争を始めるだろうとの危惧から中高年世代にもっとアピールすベきとの意見もあったという。307ページ、価格$34.95。(WORIG 10/25)  40年後危惧は現実になりました。日本のAmazonでは¥約5,400+送料¥257で取り扱っています。Kindle版もあります。



◎Radio Qillabanbaが元気!
 オーストラリアのRob Wagner氏によると、ペルーのRadio Quillabambaが5025kHzで19:001にs/onしているのが受信できる。キューバのRadio Rebeldeが出ていない日を狙うのがコツである。(NASWA Flashsheet 10/23 via WORIG 10/24) 昔からの伝統ある周波数です。Quillabambaはアマゾンのジャングルの中にあり、20世紀にはCuzcoからMachu Pichuに向かう列車が山を下りてQuillabambaまで行っていました。平原哲也氏が現地の日系新聞「ペルー新報」で読んだところではMachu Pichu-Quillabamba間の鉄道(1990年代に土砂崩れで不通となり廃止)は1960年代三菱商事がコントラクターとして受注したそうで、日本と関連があるのです。

スローガンは「声なき人の声」


◎米国ではオーディオデバイスでの聴取時間がラジオを上回る
 米国のエジソン研究所の調査によると、同国では2021年第4四半期において、音声を携帯電話・音楽プレイヤー等のオーディオデバイスで聞く時間の割合が32%、ラジオで聞く割合が33%とオーディオデバイスによる聴取時間がラジオに逼迫してきていたが、ついに2022年第3四半期の速報値では 33.3%対33.1%となりラジオを上回った。2014年にはラジオの聴取時間が49.1%と圧倒的であった。原記事はhttps://www.edisonresearch.com/weekly-insights-10-19-22-americans-spend-more-time-with-audio-on-mobile-devices-than-radio-receivers/参照のこと。(WORIG 10/24)

◎1960年代のAFN Europeの活動ビデオ公開
 ウルグアイのHoracio A. Nigro氏によると、1960年代に欧州各国で放送していたAmerican Forces Network (AFN) Europeの活動を伝えるビデオが公開されている。この頃は欧州各国の一般人にも人気を博していた。https://youtu.be/4EUx1UJyaeY。 (WORIG 10/26)

◎Texas Radio Shortwaveの2022年11月放送予定
 
米国のTerry Colgan氏によると、同国のTexas Radio Shortwaveの2022年11月の放送予定(10/24発表)は以下の通りである。
 11/6 08:00-11:00 WRMI 5950  21:00-22:00 WRMI 15770
    11/13 09:00-12:00 WRMI 5950  21:00-22:00 WRMI 15770
    11/19 18:00-19:00 Channel292 9670 
    11/20 03:00-04:00 Channel292 3955  09:00-12:00* WRMI 5950  21:00-22:00*2 WRMI 15770
    11/27 09:00-12:00 WRMI 5950  12:00-13:00 WBCQ 6160  21:00-22:00 WRMI 15770
    *11/20の11:00-12:00及び21;00-22:00はスウェーデンのRadio Iglooの中継。
(WORIG 10/27) Radio Iglooについては2022年2月号を参照して下さい。

◎メキシコが夏時間を廃止 ~米国との国境地域を除く
 メキシコの上院は2022年10月26日、夏時間の制度を廃止することを59対25票で承認した。但し北部の米国国境に接する一部自治体は除かれる。既に下院では承認されえているため、結果は大統領の承認を得て発効する。時間を1時間進ませたり遅らせたりすることは国民の健康上良くないというのが廃止の主な理由である。(WORIG 10/27)

◎Encore - Classical Music on ShortwaveのB22スケジュール
 英国のBrice Avery氏によると、Encore - Classical Music on ShortwaveのB22スケジュールは以下の通りとなる。webサイトはhttp://www.tumbril.co.uk、受信報告歓迎。
 初回放送: 金曜 11:00-12:00 WRMI 5850 米国向
                            土曜 20:00-21:00 Channel292 6070 9670 欧州向
    再放送: 日曜 10:00-11:00 WRMI 7730 5850 欧州・米加向
      月曜 02:00-03:00 Channel292 9670 欧州向
      月曜 07:00-08:00 Channel292 3955 欧州向
      月曜 12:00-13:00 WRMI 5950 米加向
      火曜 22:00-23:00 WRMI 15770 欧州・北米東岸・アイスランド東岸向
      土曜 05:00-06:00 Channel292 6070 欧州向
(WORIG 11/1)

◎今年もNDRから「Gruss an Bord」放送決定
 ドイツのHansjörg Biener博士によると、ドイツの公共放送NDRは2022年10月27日、今年のクリスマスイブにも例年通り船員向の特別短波放送「Gruss an Bord」 を放送すると発表した。海上にいる家族や友人に音声メッセージを贈りたい人は12月11日と18日にLeer及びHamburgのスタジオで録音収録を行う。詳しくはhttps://www.ndr.de/nachrichten/info/veranstaltungen/Gruss-an-Bord-Ein-frohes-Fest-auch-allen-Seeleuten,grussanbord690.htmlを参照のこと。この放送は1953年から行われDWがドイツ語放送を停止するまではDWから行われていたが、その後はNDRが独自に送信所を確保して行うようなったものである。(WORIG 10/28) 「航海中の船上へこんにちは」というような意味です。詳しいスケジュールは12月に発表されます。

◎「冷戦時代のRFE」展ドイツで開催
 オーストリアのPaul Gager氏によれば、ドイツMunich(ミュンヘン)のMunich Stadtmuseumで「冷戦時代のRFE」展(「Stimmen im Kalten Krieg」、「RFE Voices from Munich during the Cold War」)が2022年9月30日~2023年3月5日に開催されている。MunchenもRFEの送信所があった冷戦時代の1950年代~1990年代初頭における同局の活動について、写真、出版物、放送機材、録音等で展示・説明している。詳しくはhttps://www.muenchner- stadtmuseum.de/en/exhibitions/special-exhibitions/radio-free-europe-voices-from-munich-during-the-cold-warを参照のこと。(WWDXC TP 1521)

◎AWR-Germanyのアドレス
 AWRのGiuseppe Cirillo氏によると、AWR-Germany(Frequency Engineer & Monitoring Departmentがある)の現在のアドレスは、Sandwiesenstr. 35, D-64665 Alsbach, Germanyである。電話は+49 6257 9440984、携帯は+49 160  9484 4349、E-mailは<pino @ awr.org>、URLはhttps://awr.org/listen/radio-schedule/。(ADDX 10/18 via WWDXC TP 1521)

◎AIRのB22スケジュール発表
 インドのJose Jacob氏によると、All India RadioのB22スケジュールは以下のサイトで発表されている。
 時間別 https://qsl.net/vu2jos/es/time.htm
 言語別   https://qsl.net/vu2jos/es/Language.htm
    周波数別 https://qsl.net/vu2jos/sw/freq.htm
 (WWDXC TP 1521) Leh局の周波数も掲載されています。

◎Radio Saturno再び復活
 ニュージーランドのBryan Clark氏によると、2021年11月~2022年1月に6150kHzで一時受信されていたブラジルBelo HorizonteのRadio Saturnoが10月13日の18:00頃6150.2kHzで再び出現した。6155kHzのORFが混信する。(WORIG 10/29)

◎広西北部湾之声B22スケジュール 

 広西北部湾之声のB22スケジュールが発表されたが、一部の番組が変更されただけで大きな変化はなかった。短波放送のスケジュールは以下のようになる。周波数は5050kHz(南寧 100kW 232°)及び9820kHz(南寧 100kW 191°)。
 夜の放送 18:30-01:03
       18:30 ベトナム語 19:00 中国語 19:30 CRI中国語 20:00 CRIベトナム語 21:00 中国語学習(各国語*)21:02 ベトナム語 22:00 左江土語 22:20 中国語
  22:35 各国語* 22:40 中国語 23:10 CRI中国語 23:20 中国語 00:10 英語 00:15 中国語 00:20 広東語 00:30 タイ語 00:45 中国語
 朝の放送 07:48-10:02
       07:48 音楽 08:00 CNR大湾区之声(中国語・広東語)08:50 音楽 09:05 CNR文芸之声(中国語) 10:02 ベトナム語**
    *月 カンボジア語  火  ラオス語  水  ビルマ語   木  タイ語  金  ベトナム語   土・日  不定
 **月-金のみ土・日は音楽
    同局のオンライン放送を行っている「北部湾オンライン」は2022年4月よりAdobe Flash Playerの使用を中止してHTML5プレイヤーに切り換えた。https://stream.bbrtv.com/?channelId=32。
(Cahcn自留地 10/30)

出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  


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