月刊短波2023年1月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間 JST
謹賀新年

◎アルゼンチン南極局が1/22にBCL向特別放送   4版新規
 
ウルグアイのHoracio Nigro氏によると、アルゼンチンの南極局LRA36 Radio Nacional Arcangel San Gabrielは来る2023年1月22日の00:00及び04:00(再放送)より15476kHzUSBで特別短波放送を行う。番組は「UNIENDO Voces」(声をあわせて)というRAE (Radiodifusión Argentina al Exterior)との共同制作番組で、世界中の短波リスナー、DXer、アマチュア無線家向の内容で、インタビュー、同局のサウンドアーカイブから放送開始時のアナウンス、DXerからの受信音声、RAEのDX番組担当Arnaldo Slaen氏制作の「La Rosa de Tokio」(東京ローズ)の録音等がその内容である。
 同局では2月には短波送信機更新のために送信施設の評価・測定を実施し、また現用のCCA社製10kW送信機はメンテナンスのためにアルゼンチン本土に送り返される予定となっている。また現在25Wで送信中のFM放送(96.7MHz)の出力を250Wに増強する。特別短波放送に対する受信報告やコメントは従来通り〈lra36nacional @ gmail.com〉で受けつける。(WORIG 1/18)

◎Space Shuttle Radioが「Radio Brenda Lee」の試験放送  
3版新規

 
オランダSpace Shuttle RadioのDick Spacewalker氏によると、同局は「Radio Brenda Lee」の試験放送を2023年1月17日の17:00より9290kHz(または9270kHz)で実施する。試験送信は短時間でpopsやrockを放送する。受信報告は<spaceshuttle @ yahoo.com>へ。(WOIRIG 1/15)

◎WRTH2023の発行遅れる   3版新規
 World Radio TV Handbook 2023年版は2023年1月14日に最終校正を終え、印刷工程に入った。ページ数は2022年版以前より増えて848ページとなった。(WRTH発行チーム 1/14) 2023年1月17日発行予定でしたが、2月2日に順延された模様でカウントダウンが表示されています。詳しい価格や発行形態の詳細は未発表です。

◎台湾国際放送の韓国語放送変更 ~試験送信も  2版新規
 台湾国際放送(RTI)によると、同局は2023年1月1日より韓国語放送のスケジュールを以下の様に変更する。
 19:30-19:58 9570
    07:00-07:30 6085
    08:00-08:30 9570
    更に以下の周波数で受信状態改善のための試験送信を実施する。なおこの試験送信期間中は9570kHzでの送信は行われない。
 1/9-15 19:30-19:58 9700
    1/16-22 19:30-19:58 11620
(BRDXC-UK iogroup 12/28 via WWDXC TP 1528)


◎Radio Northern Europe InternationalはDRMでステレオ短波送信試験 
2版新規

 
Radio Northern Europe InternationalはDRMを使ったステレオ他の送信試験を来たる1月15日に実施する。これはDRMの通常の音声部分にLチャンネル、データ部分にRチャンネルを載せて送信し2つの信号を同時に再生することで短波によるデジタルステレオ放送を実現しようという試みである。既にChannel 292で6070kHzで良好な結果を得たため、2023年1月15日21:00-22:00にChannel 292より9670kHzで再度試験送信を行う。試験送信では最初にLチャンネル、次にRチャンネルが放送される。(WORIG 1/3)

◎1月8日にRadio Andorraのリバイバル放送 ~送信地を変更  2版新規
 
次回のRadio Andorraのリバイバル放送は1月8日の02:00-04:00に7220kHz(Erevan 100kW 305°)で行われる。欧州西部向フランス語。以降毎月第1土曜日の次の日曜の同じ時間に行われる。以前はMoosbrunn送信所より6180kHz(100kW 270°)で行われていた。(Bulgarian DX blog 1/6) 送信所切換に伴い、2022年年末にShotwaveserviceがErrevan送信所より7220kHzの試験送信を実施したとのことです。

◎1月の出版物更新  2版新規
 
次のDX出版物が2023年1月初頭で更新されている。
 ①Tony Rogers氏の「DX Guideシリーズ」;DX Guides Europe on Shortwave、Africa on Shortwave、Middle East on Shortwave、Asia-Pacific on Shortwave、The Americas on Shortwave、DX India、DX South Asia、Mediumwave Frequency Guide、Europe on Mediumwave、Africa on Mediumwave、Middle East on Mediumwave、Longwave - Now and Then;http://www.dxguides.info/。
 ②European private SW stations ; https://www.radioheritage.com/?mdocs-file=28318
    ③Tropical Bands Monitor ;http://www.dswci.org/tbmonitor/2022.pdf
(WORIG 1/2)

◎ RFAが「うさぎ年」QSLカードを発行

 
Radio Free Asiaは2023年がうさぎ年であることを記念して、「うさぎ年」QSLカードを発行する。このカードはRFAが公式に発行する81種類目のものであり、2023年1月~4月間の正しい受信報告に対して送られる。(Radio Free Asia)



◎北京広播電視台のラジオ放送3波が停波

 
2022年12月29日に北京広播電視台は年内で3つの放送を停止すると発表した。停止するのは以下の3放送。
 北京故事広播 603kHz(25kW)  95.4MHz
   外語広播 92.3MHz
   青年広播  927kHz(25kW) 98.2MHz
   聴取者は他の放送を聴くようにとしている。各局のFM周波数が今後どのように割り振られるかが注目される。北京広播電視台は2018年以来今回も含めて12の放送を廃止してきている。2021年2月に西洋ポップスを流していた北京国際音楽広播(94.5MHz)が停止させられた後、青年広播は西洋ポップスの放送を止め中国の古典的な歌を流していたが停止を免れなかった。現記事はhttps://cahcn.github.io/posts/2022-12-29-brtv.htmlを参照のこと。(Cahcn自留地 12/29)


◎アフガニスタンでRadio Azadi・Radio Ashnaの中継禁止

 英国のMike Cooper氏がBakhtar News Agencyの報道として伝えたところによると、アフガニスタン・タリバン政権の文化情報省は、12月1日に同国内13都市で行われていたRadio Azadi(RFE/RL系)の中継を禁止し、送信施設を接収した。外国にあやつられ、イスラム教の教えに背く報道を行っているというのが禁止の理由である。原記事はhttps://bakhtarnews.af/en/broadcasts-radio-azadi-fm-banned-in-13-cities-of-afghanistan/。
 スペインのManuel Méndez氏によれば、同時にVOA系のRadio Ashnaの中継も禁止された。VOAはこの措置に対して以下の声明を出して非難した。検閲されていない自由な報道を行い人々から支持されていたRadio Ashnaをタリバン政権が(前政権との)協定を破って禁止したのは不当である。同局はアフガニスタンの人々が電話で参加できる討論番組を放送し、タリバンが女性の権利を抑圧していることを考慮して多くの番組制作を女性に委ねてきた。タリバンの失政でアフガニスタンの生活レベルは低下の一途である。我々の放送を止めさせることは、我々にアフガニスタンへの放送の必要性を更に認識させるだけだ。アフガニスタンの成人人口の1/3に当る730万人がVOA系の放送を聴取しており、その内半分はラジオ放送を聴いている。VOAは今後24時間のTV衛星放送(Yahsat channel 469)、短波放送、中波放送(Tajikistan 972kHz)、webサイト(http://darivoa.com、http://pashtovoa.com)、Twitter・ Facebook・Instagram・YouTubeで攻勢を強めて行く。(WORIG 12/1)  この2局はタリバンが政権を奪取した2021年8月以降もアフガニスタン国内での中継放送を継続してきました。1296kHzのKabul中継も中止されたと思われます。

◎KNLSが北朝鮮向朝鮮語放送を開始に
 米国のStephen Michael Kellat氏が、World Christian Broadcasting Newsletterの2022年冬号の報道として伝えたとことによると、2006年にMadagascarに送信所を新設し3基のアンテナでアフリカ、南米、ロシア西部、中国、インド、キューバ等に福音の放送を送ることができるようになったアラスカKNLSを運営するWorld Christian Broadcastingは次のターゲットを北朝鮮と設定し2023年1月より放送を開始することになった。韓国のSang Yang氏、米国のBill Ramsey氏とその協力者によって企画・制作するもので、この国に福音を伝えるには政府にトレースされることがない「見えざるツール」である短波ラジオが効果的と判断した。(WORIG 12/2)

◎WRMIがVoice of Indonesiaの中継を開始
 英国のAlan Roe氏によると、米国WRMIは12月1日よりVoice of Indonesiaの中継を開始した。スケジュールは17:00-18:00に7780kHz(Okeechobee 100kW 222°)である。中米向だが、北米、ハワイ、オセアニアでも受信可能である。(WORIG 12/2)

◎Radio Maliの5995kHz復活
 ブラジルのSérgio Dória Partamian氏はRadio Maliの5995kHzが復活しているのを確認した。14:55には既に放送が開始されており、15:00過ぎにフランス語のIDが出た。また07:00-08:00にかけてはバンバラ語の放送を行っていた。英語ニュースは毎週日曜日の03:50-03:55にスケジュールされている。 (WORIG 12/2)

◎Radio Carolineが増力準備
 英国のMike Terry氏によると、海賊局の流れを汲み現在はコミュニティー放送局である英国OxfordnessのRadio Caroline1(648kHz)は、送信鉄塔を現在の160フィート高のものから350フィート高にものに変更するべく工事中である。主任技術者の Alan Beech氏によれば、今後Ofcomに現在の1kWから送信出力を増加する申請を提出する予定である。今後新アンテナを効率よく使用するため、 Maxwave社に依頼して新アンテナの検査・調整を実施する。(WORIG 12/3)

◎世界の海上気象FAX放送最新版
 カナダのAlan Beech氏によると、米国のNOAA(National Oceanic Atmospheric Administration)は世界の海上気象FAX放送のスケジュールをまとめたリスト「WORLDWIDE MARINE RADIOFACIMILE BROADCAST SCHEDULES」を発行しているが、その最新版が2022年10月21日に発行・公開された。https://www.weather.gov/media/marine/rfax.pdfよりダウンロードできる。(CIDX Messenger December via WORIG 12/3) 長波~短波で行われている放送の詳細が国別に記載されています。A5版132ページ。

◎ブラジルRadio Casaが2周波数で
 ブラジルのLucio Otavio氏によると、同国サンパウロ州AmparoのRadio Casaが最近4000kHzと5900kHzで出ている。以前使用されていた4755kHzでは聞こえない。(WORIG 12/5)

◎ボリビアのRadio Mosoj Chaski健在
 米国のMark Taylor氏によると、ボリビアのRadio Mosoj Chaskiが3310kHzで健在である。19:00頃受信確認した。(NASWA Flashsheet 12/4 via WORIG 12/4)

◎IRRSが中継番組を変更
 イタリアのIRRSは12月4日よりFuture Story News(FSN)の中継(英語)を日曜19:30-21:00に放送している。この時刻は旧来European Gospel Radioが使用していたものである。周波数は9510kH(Saftica 100kW 300°)、欧州西部向。(Bulgarian DX blog 12/4)

◎Pop Shop Radio
 英国のDoug Brown氏によると、Pop Shop Radioは週に1時間だけ放送するラジオ放送でカナダのBritish Colombia州Hopeで北米向に制作している。番組には商業色も政治色も宗教色もなく、1960年代・70年代にヒットした古い音楽を流すだけである。受信報告に対してはQSLカードの他、スケジュール表、バンパーステッカー、冷蔵庫用マグネット、1982年の映画ランボ(Hopeで撮影された)のステッカーが送られてくる。URLはhttp://www.popshopradio.ca/。(WORIG 12/6) 同局のB22スケジュールでは以下の様に放送中です。受信報告の宛先は<radiopopshop @ gmail.com>です。
 欧州向  木曜  01:00-02:00  日曜 07:00-08:00  Channel292 3955 9670
   北米向   月曜  11:00-12:00  WRMI 5950
  
◎短波放送の送信が今なお必要な理由
 KDDIより「短波放送の送信が今なお必要な理由」がアップロードされている。同社の所有・管理する茨城県の八俣送信所について記述したもので、第1話:国際通信の主要な手段は長波から短波へ、第2話:日本初の国際通信は3分100円 国際通信と経済成長、第3話:日本で唯一の海外向け短波放送を担う「KDDI八俣送信所」、からなる。https://time-space.kddi.com/tobira/article00009/?medid=ad_native&serial=popin&srcid=0040。
(赤林)



◎FCCの米国放送局検索サイト
 米国のAM/FM/TV放送局を検索できる機能がFCCによって提供されている。
 AM局:AM Query Broadcast Station Search https://www.fcc.gov/media/radio/am-query
 FM局:FM Query Broadcast Station Search  https://www.fcc.gov/media/radio/fm-query
    TV局:TV Query Broadcast Station Search  https://www.fcc.gov/media/television/tv-query
    AM局の場合は530-1700kHz間の認可AM局がコールサイン、州、都市、周波数で検索できる。SW局は検索できない模様である

◎DXer用カナダ・米国のAM局検索サイト「Topaz」
 米国のTim Tromp氏によると、カナダ・米国のAM局検索サイト「Topaz」がカナダのBarry McLarnon氏によって開設されており、過去20年間に渡りDXerの役に立っている。コールサインの一部だけ、番組内容(station format)、日の出・日没時間、からでも候補を検索でき、局までの距離も自動計算で表示されるなどDXingで得た情報を元にどの局かを判断する材料となる。http://amdxer.com/ambc/。
(WORIG 12/7)

◎広東省の茂名農村之声放送停止
 広東省の茂名市広播電視台茂名農村之声(FM 106.1MHz)は2022年11月3日に放送を停止した。停止の理由は明らかにされていないが、中国国家広播電視総局の指示に基づき、本来農村向放送を行わなければならないにも拘わらず音楽番組を放送し続けたことで、放送目的と実際の内容が一致しないと判断され停止されられたものと推測される。茂名農村之声は元々は茂名音楽広播という名称であり、名称変更後もそのまま同じ番組を流し続けていた訳である。同局は信宜市の大田頂送信所から電波を発射しており、茂名市街の他に広東省の西部・東南部、海南島北部でも受信可能であった。(Cahcn自留地 12/8) 茂名(Maoming)市は広東省の西南部の南シナ海と広西壮族自治区に挟まれた人口620万人の「地級市」(省と県の間の行政単位)で、信宜 (Xinyi)市は茂名市の北東部にある「県級市」(県レベルの行政単位)です。大田頂は海抜1704mの広東省最高峰ですので、非常に広いサービス範囲を持っていたことがわかります。

(左) FM 106.1MHzのロゴ
(右)大田頂送信所(Sina新聞中心より)
  

◎中波バンドは残る ~FCCが発表
 英国のMike Terry氏が「Amateur Radio Newsline Report 2354」の報道として伝えたところによると、先日開催された第79回全米農業放送協会の年次大会で、FCC委員のNathan Simington氏は次のように語った。中波放送は新技術に駆逐された訳ではなく、300万人の米国農民に生活にとって、緊急警報の用途も含めて「不可欠な背骨」のようなものである。従って今後も存在し続け、FCCがこの帯域を他のサービスに再割当することはない。FM電波の届かない田舎では中波放送に頼るしかなく、代替手段として(有料の)衛星ラジオを設置するのはコスト面で割に合わず、次の世代のためにも中波帯を保持して行く必要がある。(WORIG 12/9)

◎Radio OZ-Viola混信で一時停波
 デンマークのRadio OZ-Violaは6055kHzの放送が近隣に混信を与えたため、同周波数での送信を一時停止して原因を調べている。同局のB22スケジュールは以下の通り。何れもHilleroed送信所、出力2kW、0°。
 土・日 21:00-23:00 6055(5980のこともあり)  欧州北部向デンマーク語・英語
 木 07:00-08:00 5980 欧州北部向デンマーク語・英語
(Bulgarian DX blog 12/12) 

◎BBC World Service90周年
 2022年12月でBBC World Serviceは放送開始90周年を迎えた。BBC World Serviceは長い期間Bush Houseを使っていたが、BBCはこれを記念してBush Houseの特集をweb上に掲載した。http://www.bbc.com/historyofthebbc/buildings/bush- house。
 また次のような参考資料が公開されている。
 Bush House, Wikipedia; https://en.wikipedia.org/wiki/Bush_House
 The BBC at Bush House, photos through the eras by Roger Wilmut;  https://rfwilmut.net/WS/WS_0.html
    Thames TV's Afternoon Plus, a 1982 documentary;  https://youtu.be/JPqqXHMwqKQ
    Hang On, I'll speak to the World, a BBC 1982 documentary;  http://www.youtube.com/watch?v=UhaWXvOASRY&t=118s
    Random Radio Jottings: This is London - World Service Memories; http://andywalmsley.blogspot.com/2011/02/this-is-london-world-service-memories.html?m=1
(BDXC Communication Dec 2022 via WORIG 12/8)

◎Hans Knot International Radio Report 2022年Christmas Edition発行
 英国のMike Terry氏によると、世界の海賊局・旧海賊局の情報を中心に集めたHans Knot International Radio Reportの2022年Christmas版が発行された。Radio Mi Amigo、Radio 5、Radio Noord、Radio Veronica、Radio Noordzeeの当時の情報等が掲載されている。また過去2ヵ月に多くの旧海賊局関係者が世を去ったことも記述されている。39ページ。 https://hansknot.com/reports /hans%20knot%20int%20radio%20report%20-%202022-06.pdf。(WORIG 12/7)

◎ABC Radio Australia's 83 years of broadcasting to the world
 英国のMike Terry氏、米国のRodney Johnson氏によると、ABCのHPにRadio Australia83年の歴史を振り返る「ABC Radio Australia's 83 years of broadcasting to the world」が掲載された。
 ABC Radio Australiaは秘密裏に放送していた訳でもないのに、オーストラリア人には殆ど知られていなかった。自分が朝の番組のホストをしていた9年間についていえば、番組でどんな話をしているかを知っている人は皆無、自分がRadio Australiaに勤めていると言っても何のことか分かる人はごく僅かであった。
 Radio Australiaは第二次大戦の初めの頃、Robert Menzies首相によって設立された。敵国であったドイツやロシア(注:ロシアは連合国なので日本の間違い)からの偽情報に対抗するためであった。
 全記事はhttps://www.abc.net.au/news/backstory/2022-12-03/australia-calling-radio-australia-83-years-broadcasting/101712052を参照のこと。(WWDXC TP 1525) 筆者Phil Kafcaloudes氏は、元Radio Australia職員で12月号で紹介した「Australia Calling」の著者。
 
◎オランダRadio Onda放送一時休止 ~送信所を移転
 ドイツのSiegbert Gerhard氏によると、ベルギーとの国境付近にあるBorculo送信所から6140kHzで放送しているオランダのRadio Ondaは、送信所を移転させるため2022年12月~2023年2月の予定で放送休止中である。2023年2月中に移転先の送信所から2周波数で送信を再開する。(WWDXC TP 1525)

◎WLCのB22スケジュール
 WBCQより24時間放送中のWLC(World Last Chance) Radioの新スケジュールは以下の通りである。周波数はすべて9330kHz。毎時57分~00分は休止する。
 09:00-14:00 500kW 57° 欧州向 09:00 英語 10:00 ドイツ語 11:00 スペイン語 12:00 ポルトガル語 13:00 フランス語
 14:00-16:00   500kW 190° 北米・南米向スペイン語
 16:00-19:00   500kW 170° ブラジル向ポルトガル語
 19:00-09:00   250kW 253° 北米向英語
(Bulgarian DX blog 12/12)

◎Kostinbrod送信所停電で送信一時停止
 ブルガリアのKostinbrod送信所で12月7日停電が発生し、同所から送信しているBRB Denge Welat、Brother HySTAIRical、Bible Voice Broadcasting BVB、Radio Taiwan Internationalはすべての放送が停止した。Radio Joystick The Charlie Prince Show、Radio Dabanga、BBC、Dimtse Radio Erena、IRRS、Radio City The Station of the Carsは送信されていた。(Bulgarian DX blog 12/12)
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、ブルガリア SPC-NURTS Spaceline社が運営するKostinbrod送信所の電源は2022年12月17日正常に復帰し、Radio Taiwan International、TOM Brother Stairの中継は正常に戻った。(WWDXC TP 1526)

Kostinbrod送信所 (Wikimapiaより)


◎BRB Denge Welatが送信拠点を変更 ~停電のKostinbrod送信所を見切り、一時Issoudun、年末にはTashkent!
 クルド秘密局BRB Denge Welatは送信拠点をブルガリアKostinbrod送信所から、2022年12月13日にフランスIssoudun送信所に変更した。 Kostinbrod送信所が停電で使用不能になったための措置である。一時12:30-01:00 11540 Issoudun 250kW 90°、01:00-07:00   7460 Issoudun 250kW 90°で放送を行っていたが、12月23日より更にTashkentに送信所を変更した。新スケジュールは以下の通りである。何れもTashkent送信所、100kW、236°。放送は西アジア向クルド語。
 12:30-13:30 11540、 13:30-21:00 11550、 21:00-23:00 11580、 23:00-01:00 11530、 01:00-02:00  7460、 02:00-05:00  7485、 05:00-07:00  7470。
   なおトルコからのジャミングが12:30-01:00 11540、01:00-07:00 7460(何れもEmirler送信所、250kW、105°)で出ており、これを回避するために周波数の切換は予定時間より早く行われることが多い。またTashkent送信所からの周波数は200Hzほど公称より下にずれており、若干の変動がある。 (Bulgarian DX blog 12/23)

◎バチカンで「短波メディアG9平和伝道会議」
 英国のMike Terry氏がVatican Newsの報道として伝えたところによると、西側の主要短波放送局で構成される「G9」グループは2022年12月13日、バチカンで会合を開き、周波数使用方法の調整やメンバー間の技術協力を通じて、国際放送局に対する妨害電波の効果を弱めるための方策など、いくつかの問題について協議した。会議はバチカン庭園にあるRadio Vaticanの歴史的建造物(マルコーニによる最初のラジオ局に使われた建物)で行われた。結論として次の声明が出された。世界には短波放送以外の手段では情報に接することのできない人々が多数存在する。我々は「短波の伝道士」として優しさ、慈悲、平和、希望のメッセージを地の果てまで届けることができる短波放送の役割を改めて認識する。
 この「G9」は1960年代初めに誕生し、現在はVatican Radio、米国Adventist World Radio、英国Encompass、ドイツDeutsche Welle、フランスMedia Broadcast、米国FCC、米国USAGM、フランスTDF、マダガスカルMglob S.Aが加盟している。次回2023年の会議はUSAGMをホストとして米国ワシントンにて6月に開催される。原記事は https://www.vaticannews.va/en/vatican-city/news/2022-12/vatican-radio-hosts-g9-of-short-wave-media-missionaries-peace.html参照。(WORIG 12/13)

◎KTWRからの「DXers Diary」AMでも放送に
 インドのArun Kumar Narasimhan氏によると、同氏が制作して週1回KTWRでDRM送信(月曜日00:00 15205kHz DRM)されている英語DX番組「DXers Diary」がAMでも放送されるようになった。AMでのスケジュールは以下の通りである、
  水曜 20:01-20:07 11965
     水曜 23:30-23:06 9965
     番組への情報提供、受信報告は<dxersdiary @ gmail.com>へ。
(WORIG 12/13)

◎イランがRFE/RLの活動・聴取を禁止
  英国のMike Cooper氏がRFE/RLの発表として伝えたところによれば、イラン政府は2022年12月14日RFE/RLのペルシャ語放送Radio Fardaを「国際テロ組織」と指定し、その活動を支援したり、放送を聴取することを禁止した。同局が過去12週間以上に渡りイランでの反政府デモについて参加者、逮捕者、その家族についての報道を行ってきたのがその理由と見られる。これに対してRFE/RLのJamie Fly社長は「デモ参加者を殺害しているイラン政府にそんな資格はない」と強く反発している。9月16日に政府への抗議行動が始まってから11月30日までの2.5ヶ月間で、Radio Fardaの動画再生回数は、YouTubeで4.08倍、Instagramで6.19倍に増加した。Radio Fardaはイランで最も人気があり信頼されているメディアであり、今後もイラン政権に関する報道を行い、反検閲技術の活用で聴取者に情報を届けて行くとしている。原記事はhttps://pressroom.rferl.org/a/rferl-sanctioned-by-government-of-iran-denounces-designation-as-supporter-of-international-terrorism-/32173323.html参照。(WORIG 12/14)

◎マニラ中波局録音ビデオ公開
 フィンランドのMauno Ritola氏によると、ZC Alvarez氏により、2022年10月にフィリピンのマニラ都市圏で収録された現地中波局の録音集が局のロゴとともにYou Tube上で公開されている。https://www.youtube.com/watch?v=M7WgNxvuIF8&t=428s。 (WORIG 12/14)

◎Radio National  Archangel Gabriel 2023年も女性チームで運用
 世界唯一の南極短波局LRA 36 Radio National  Archangel Gabrielは過去1年間女性だけによるアルゼンチン軍専門技術チームにより運営されてきたが、2年目の2023年も女性だけで運営されることになり、2022年12日7日に関係者の出席の下任命式が行われた。現在運営に当たっている4人の女性チーム全員が置き換わる。原記事はhttps://www.facebook.com/Radiosdumonde/。(WORIG 12/13)

◎Twitter社マスコミ各社ジャーナリストの利用を拒絶 ~VOA記者も
 英国のMike Cooper氏がAP通信の報道として伝えたところによると、Elon Musk氏が経営するTwitter社は、New York Times、Washington Post、CNN、VOAなどマスコミ各社に属するジャーナリストのアカウントを2022年12月15日に突然停止した。VOAのSteve Herman記者もアカウントを急に停止されて利用不可能になったため、他の仲間に確かめたところ広範囲に利用不能にされていたことが判明した。元記事はhttps://apnews.com/647b3b9d5961da3cd8bd0c0041d05b49。(WORIG 12/16)
 米国のStephen Michael Kellat 氏によると、その後何人かのジャーナリストのアカウントは復活されたが、Steve Herman記者のものは復活されていない。Twitter社はSteve Herman記者の復活条件としてElon Musk氏に関する記事やTweetの削除を要求しているが、氏はこれに応じずTwitterの使用を今後行わず、他の手段に切り換えるとしている。(WORIG 12/17)

◎” Gruß an Bord"にMoosbrunn送信所が使われない理由
 ドイツのKai Ludwig氏によると、NDRの2022年クリスマス特別短波放送” Gruß an Bord"にはMoosbrunn送信所が使用されていないが、それには理由がある。2021年まではこの送信には同送信所の固定カーテンアンテナ「Doppelwandantenne」に手を加えて東方向に31mbの波が出せるようにして使用していた。ところが2022年はこのアンテナを支えているロープが破損してアンテナ自体が使用不能になったのである。破損を修理する予定は現在のところない、理由は常時このアンテナを利用していたEncompass社がBBCの送信所をイタリアSanta Maria di Galeria送信所に変更してしまったからである。現在Moosbrunn送信所で使用可能なアンテナは回転式ログペリアンテナと無指向性のquadrantアンテナのみとなった。(WWDXC TP 1526)

Moosbrunn送信所の「Doppelwandantenne」(Wikipediaより)


◎2023年EDXC会議はフランスMetzで開催
 European DX Council(EDXC)のChristian Ghibaudo氏によると、2023年のEDXC会議は9月7-10日にフランスのMetzで開催されることになった。Metzには英国からならば列車で直接行く事ができる。会場はMetz駅近くのHotel Campanileである。参加者は9月7日に到着すると、翌日ザール地方FelsbergにあるEurope 1の旧長波送信所を見学することができる。本会議は9月9日・10日で、9日の夜には恒例の晩餐会が開催される。またMetz市内観光も予定している。まだホテルの予約はできないが、参加希望者はその旨を<chr.ghibaudo @ gmail.com>宛に知らせて欲しい。会場となるホテルの宿泊料金は一泊、シングル€90、ダブル/ツイン€99、トリプル €129である。晩餐会参加費は€30、会議参加費は€50である。(BDXC 「Communication」2022年12月号 via WWDXC TP 1526)

会場となるHotel Companile Metz (同ホテルの紹介ページより)


◎Radio Baltic Waves B22中継スケジュール
 Weeri mediumwave.info 11/1によると、Radio Baltic WavesのViesentos送信所からの1386kHz広域中波放送(75kW)のB22中継スケジュールは以下の通り。
 22:00-23:00 Radio Poland (英語)
 00:00-00:30 NHK World Japan (ロシア語/英語)
 01:00-02:30 Radio Poland (01:00 ロシア語 01:30 ポーランド語 02:00 ドイツ語)
 02:30-03:00 NHK World Japan (ロシア語/英語)
 03:00-03:30 Deutsche Welle (ロシア語)
 03:30-06:00 RFE/RL Radio Svododa (ロシア語)
 06:00-12:00 Ukrainian Radio (ウクライナ語)
 12:30-13:00 NHK World Japan (ロシア語/英語)
 13:00-14:30 Radio Poland (13:00 ベラルシ語 14:00 ウクライナ語)
(BDXC「Communication」2022年12月号 via WWDXC TP 1526)
 
◎Klingenfuss Publicationsの2023年版新出版物
 Klingenfuss Publicationsから以下の2023年版新出版物が2022年12月9日に発行された。諸物価高騰のため前版より€5値上がりしている。
 1) 2023/2024 Guide to Utility Radio Stations:0-150kHz及び1.6-30MHz間のユーティリティー局のリスト、1600局9307波の情報を網羅。240枚のスクリーンショット、種々の資料が付録としてつく。A4版550ページ。送料共€55。2024年には補充版が無料で発行される。
 2) 2023 Shortwave Frequency Guide:4190波の世界の短波放送の周波数リスト、国別放送局リスト、9307波のユーティリティー局周波数リストを掲載。A4版350ページ。送料共€45。
    3)Super Frequency List on CD:4190波の放送局周波数リスト+9307波のユーティリティー局周波数リスト+24079波のユーティリティー局旧使用周波数リスト、略語集 (930語)、デジタル信号のスクリーンショット多数を収録したCD。詳細検索が可能な検索ソフト附属。送料共€30。
    4) 2023 Frequency Database for the Perseus LF-MF-HF SDR:4190波の放送局周波数リスト+9307波のユーティリティー局周波数リストを持つPerseus受信機用データーベース、CDで提供される。送料共€50。
    5) 1997-2023 Digital Data Decoder Screenshots on USB Stick:1967年以降取得された色々な局のスクリーンショット24,000枚以上を収めたUSBメモリー。送料共€210。
 製品を組み合わせて注文すると割引が適用される。詳しい内容、注文方法はhttp://www.klingenfuss.orgを参照のこと。(Klingenfuss Publication)

◎BBC World Service 90周年記念放送
 英国のAlan Pennington氏niyoruto,BBC World Serviceは2022年に放送開始90周年(1932年12月19日にEmpire Serviceとして放送開始)を迎えた。これを記念した50分の英語特別番組が2022年12月18日の21:05、19日の01:05、17:05に放送される。番組はhttps://www.bbc.co.uk/programmes/w3ct4lzhで聴取できる。(WORIG 12/17)

◎11mbのWorld Music Radio
 米国のGary Pence氏によると、デンマークWorld Music Radioの11mb波28500kHzが、2022年12月16日の21:53の米国ニューハンプシャー州NewtonのリモートSDRでS4で直接受信できた。使用されたのはアマチュア無線10mb用グランドプレーンアンテナ。(WORIG 12/17)
   スペインのManuel Mendez氏によると、19:41頃にスペインでも受信できた。15700kHzとパラであった。(WWDXC TP 1527) 太陽活動が盛んになっているため11mbは今後注目すべきバンドです。日本でも受信できたということです。 

◎Tashkent中継のAWR周波数変更 ~10倍波が航空無線に混信!
 インドのJose Jacob氏によると、Adventist World Radioは12月2日よりTashkent中継で00:00-00:30に行われているタミル語放送の周波数を12040kHzから12085kHzに変更した。変更の理由は12040kHzの10倍波である120.4MHzがTashkent空港の航空無線の周波数と同じとなり妨害を与えているのを回避するためである。12040kHzはB22の2022年10月30日より使用されてきた。(WORIG 12/18)

◎オランダMike Radioの最新スケジュール
 オランダMike Radioは2022年12月25日以降は次のスケジュールで放送する。送信所はHeerde、出力1kW、無指向性。放送はオランダ語。
 日曜 09:00-01:00 5870 (5880kHzより変更)
 月曜 01:00-09:00 5840 (3940kHzより変更)
(Bulgarian DX blog 12/18)

◎Radio Delta Internationalが送信再開 ~定期放送復活に
 オランダのRadio Delta Internationalは2023年1月までは不定期に放送を行うが、近日中に毎週週末の定期放送を復活することにしている。その場合のスケジュールは以下の通り。送信所はElburg、出力1kW、無指向性。番組は英語・オランダ語。
 日曜 16:00-02:00 6020 11730
 土・日曜 02:00-翌日16:00 6005(代替周波数として9760kHzの場合あり)
(Bulgarian DX blog 12/18)
 6020kHz用のアンテナはNVISで短距離内での受信用である。11730kHz用には2素子のphased vertical arrayを使用しており、これは遠距離での受信用である。またRadio Monique International(918kHz)と協力関係にあり、送信施設(100W)を共用している。送信所については YouTube(https://www.youtube.com/channel/UCsQLLrcKm7UA9047cdim9kA)を参照のこと。当放送局への電話での連絡は+31 6 50 22 82 57に。(Radio Delta International)
 英国のPeter Jones氏によると、年末の2022年12月31日と年始の2023年1月1日には16:00-25:00に6020、11730kHzで放送する予定である。11730kHzは大陸間試験送信モードである。(WWDXC TP 1527) 
 スペインのManuel Mendez氏によると、これらの送信の受信報告の宛先は<radiodelta @ icloud.com>で、eQSLが発行される。(WWDXC TP 1527)
 
◎Global Radio Guide第19版発行
 米国のTeak Publishingによると、「本物の有事が洋の東西で迫る中」、現在世界唯一の短波放送出版物Global Radio Guide第19版が同社より発行された。各国国際放送の2022-23年の冬スケジュールをカバーするだけでなく、ユーティリティー局や軍事通信にも言及している。世界500局24時間周波数リストの他、特別記事として「危険水域」(東シナ海周辺の放送・軍事通信)、「アジア・太平洋への窓~短波ラジオ」、中波DX用ポータブルラジオ、新Handbook2冊の紹介、SDR購入ガイドなどが掲載されている。詳細は http://www.teakpublishing.com。AmazonのKindle電子ブックとして発行される。価格はUS$8.99で、購入は https://www.amazon.com/dp/B0BNSYN8PK/より。(WWDXC TP 1527)



◎WBCQアンテナ性能の改善作業中
 英国のAlasn Holder氏が米国WBCQのAllan Weiner社長から受け取ったメッセージによると、現在送信所の大型アンテナ「Flat Earthers」を最終的に5-22MHz間のどの周波数用にも使用できるように調整中である。このアンテナは回転式であるため、これが可能になれば現在の9330kHz以外の周波数でも世界各地に向かって送出できるようになる。(Bulgarian DX blog 12/18)

◎Radio Australiaをマーシャル諸島でも中継
  米国のGary de Bock氏によると、マーシャル諸島の国営局V7AB(1098kHz)は5年振りにRadio Australiaの中継を再開し、同島では「Pacific Beast」というニュース番組内等でRadio Australiaの番組が聴けるようになった。この局はハワイ州Konaでも時々受信することができ、受信証を得たDXerもいる。なお1098kHz の放送は現在減力放送を行っているとのことだが、何kWからどれだけ減らして放送為ているのかは明らかにされていない。(IRCA DX Monitor 12/19 via WORIG 12/20)

◎秋葉原BCLクラブが「みんなのBCLマニュアル2022-2023」を発行
 秋葉原BCLクラブは「みんなのBCLマニュアル2022-2023」を発行し、頒布を開始した。内容は以下の通りで、国内局、海外日本語局中心である。
  第1部読み物:国内民放中波局返信状況(2022年版)、国内中波放送局ベリカード2022、国内中波放送局受信報告書送付先一覧、NHK中波放送局受信確認証発行状況、懐かしのベリカード、国内放送局の現状、民放ラジオ局系列局一覧表、BCL FAQ(よくある質問)、BCLこれだけは知っておこう~BCL用語集、国内民放中波局受信ガイド☆聞こえなくなる前に、海外日本語放送ガイド、ラジオ沖縄 ROK技術倶楽部の受信について、B22 海外日本語放送スケジュール、秋葉原BCLクラブからのお知らせ、あとがき
 第2部資料編:国内中波局周波数リスト、国内FM局周波数リスト、路側ラジオ無線局一覧
 A5版、194ページで、価格は¥2,750(送料共)。注文はhttps://www.seichoku.com/item/DS2004229へ。オンデマンドで印刷・製本、直送される。
(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏)



◎2024年いっぱいで終焉を迎えるスイスのFM放送
 英国のMike Terry氏によると、スイスでは2024年12月31日で現行のFM放送が廃止される。DAB+と比べて電力消費量が大きく、カバーエリアも小さいFM 放送にメリットはないというのが廃止の理由である。現在スイスでのFM放送聴取者は13%にすぎず簡単に廃止できるとしている。スイスは2012年に10 年後にFM放送を全廃すると宣言しているためそれに近づいたことになる。但し地方のFM放送の中には10年前とは状況が異なりFM放送の廃止とともに他の国で見られたようにラジオを聴かなくなる人が多くなるとの懸念もある。現記事はhttps://www.redtech.pro/switzerland-prepares-to-cut-fm/。(WORIG 12/23)

◎2022年Lapland DXpedition ~BBCでも放送される!
 フィンランドのMika Makelainen氏によると、2022年11月19日~12月3日に北極圏のLaplandで「DXpedition AIH163」が行われた。今回はBBCがジャーナリストのErika Benke氏をこのペディションに派遣・取材し、クリスマスにその報告が放送された。https://www.bbc.co.uk/programmes/p0drc52k。DXingの成果としては太陽活動の活発化を反映して、米国・フィリピン方面の中波局が良好であった。受信結果はhttp://www.dxing.info/dxpeditions/aih163report.htmを参照のこと。(WORIG 12/26)

BBCで「ここが正真正銘世界で一番中波DXingに良い場所だ」と解説するMika Makelainen氏


◎Radio JoystickがMoosbrunn送信に復帰
 ドイツのJens Hofstadt氏によると、Radio Joystickは2022年秋にはブルガリアのKostinbrod送信所から11935kHzで送信していたが、誤送信や停電が発生したため、2023年1月からはオーストリアMoosbrunn送信所からの送信に戻る。1月からは毎月第1日曜日の20:00-21:00に7330kHz(Moosbrunn 100kW)で送信する。なおhttp://www.radiojoystick.deでは24時間のインターネット放送を実施している。QTHはPf. 595, 55529 Bad Kreuznach, Germanyである。(WWDXC TP 1527)

◎モロッコSNRTが長波放送を計画
 Adam Birchenall氏によると、モロッコのSNRT(Société Nationale de Radiodiffsion et Television)は近い将来207kHz、400kWで放送を開始する予定である。現在は中波の540、596、612kHzで出ている。(AER 12/23 via  WORIG 12/27)
   スペインのJuan I. Gutiérrez氏によると、SNRTは2010年からDémnateに大出力の長波送信所を建設する予定にしていた。この送信所にはThomson社製S7HP 400kW送信機4基を設置する計画であったが、2017年にThomson社が倒産しそのままになっていた。SNRTは2017年に「800kW中波 /DRM送信機(400kW送信機はを2基結合)」と「300m送信アンテナの保守」に関する入札を実施したが、落札者はいなかった。そこで最近になって新たに「S7HPの保守部品」の入札を行ったがこれも失敗に終わった模様である。(WORIG 12/29) それでも長波局開設を発表したのは、ほったらかしになっているS7HP送信機に中国から安い部品を調達できる目処がついたからではないかとされています。

◎Radio Northern Starは停波中
 Northern Star Media Services ASのプレスリリースによると、ノルウェーで「The Sea」を24時間放送していた中波1611kHzは2022年12月12日より停波している。送信所へ信号を送るリレーが故障したためで、代替品が到着するまでは送信不能である。「The Sea」は過去3年この周波数を使っていたが、将来送信機を取り換えた時にはRadio Northern Starを放送し、「The Sea」は630kHzに移動させる予定であった。また5985kHzではRadio Northern Starと「The Sea]の両方を送出していたが、送信機の不調で2022年12月16日以降停波している。保険料が下りるかどうか不明で、復旧の見通しはまだ立っていない。現在放送はオンラインだけで行われている。解決のために中古品でも良いので100-400Wの送信機を探している状況である。(ARC mv-eko items 27 Dec via WORIG 12/27)

◎放送していないアフリカ局
 B22に放送計画を提出していながら実際には放送していないアフリカ局は以下の通りである。
 中央アフリカ Radio Maingo 6030kHz、Radio  Ndeke Luka 6030kHz
 コンゴ民主共和国 Radio CANDIP Bunia 5066kHz、Radio Kahuzi  6210kHz
    シブチ Radio Djibouti 4780kHz
 ギニア Radio Conakry  9650kHz
 赤道ギニア Radio Malabo 6250kHz
 ソマリア Radio Hargeysa 7120kHz、Puntland Radio One 13800 6160kHz
    ウガンダ Radio Uganda   4976kHz、Radio Dunamis Shortwave 4750kHz
(Bulgarian DX blog 12/27) 
 
◎新たな不明中国語放送出現
 2022年12月2日より、新たな中国向中国語の不明放送が出現した。毎週金曜23:00-24:00 Tashkent 7560kHz 100kW 76°。(Bulgarian DX blog 12/27)

◎欧州海賊局B22スケジュール
 欧州の海賊局でB22スケジュールが明らかにされているのは以下の通りである。
 ドイツ Charleston Radio International  12:00-08:00 Berlin 5140 出力不明 英語
     Mystery21 12:00-08:00 送信地不明 4875(4860のことあり) 出力不明 英語
     Radio 319 17:00-09:00 5805または5827 出力不明 英語
 英国   Laser Hot Hits 24H 送信地不明 6205 200W 英語
 アイルランド Reflections Europe 日曜23:00-月曜07:30 Donegal 12255 200W 英語
 イタリア Marconi Radio International 送信地不明 6170USB 11390USB 7720USB 100W  出ていない
 オランダ FRS Holland 不定期 17:52-04:00 送信地不明 7700 9330 出力不明 英語・オランダ語
     Radio Casa Nova 日曜 18:00-20:00 送信地不明 5800 出力不明 英語・オランダ語 旧6120
     Radio Rock Revolution 土・日曜 18:00-25:00 送信地不明 5800(5885のことあり) 英語・オランダ語
     Radio Merlin International 送信地不明 6305 出力不明 英語
(Bulgarian DX blog 12/27) 

◎ルクセンブルグ現象とRTL長波
 ルクセンブルグのGuido_Romaschewsky氏によれば、よく知られている「ルクセンブルグ現象」は1933年にルクセンブルグJunglistenm送信所からの長波放送252kHzにスイスのBeromunster送信所からの652kHzが混信して聞こえることが発見されたことによって名付けられた現象で、電離層の非直線線性によって両電波間で混変調が生じていることが原因と解析された。ルクセンブルグの長波放送はその後RTLの234kHzに引き継がれたが、現在でも「ルクセンブルグ現象」を観測することができた。フランスのAllouis送信所から送信されている長波報時信号162kHzにダイヤルを合わせるとBeidweiler送信所(ルクセンブルグではなくフランスにある)から送信されている234kHzのRTL の信号がかすかに重なって聞こえるのを確認することができた。そのRTL長波放送も2022年12月31日で廃止となり、2023年以降は162kHzでルクセンブルグ現象を観察することもできなくなる。(BCDX "Communication" 12/27 via WORIG 12/28)

◎2022年の「Gruss an Bord」内容公開
 米国のRichard Langley氏は2022年12月25日03:00-06:00に短波で放送されたNDR「Gruss an Bord」の録音内容を公開した。
 https://shortwavearchive.com/archive/ndr-gruss-an-bord-december-24-2022
 https://archive.org/details/ndr-gruss-an-bord-11.650-6.030-mhz-24-december-2022-1800-utc
 放送されている家族からのクリスマスメッセージは12月11日と18日に収録されたものである。ドイツ語が主体だが、英語、フィリピン語、ポルトガル語のメッセージもあった。ライブイベントにはBingumer Shanty Choir、Anne-Fleur Schochと彼女のバンド、Hamburgで活動するビートルズ専門家Stefanie HempelとThe Silver Spoonsが出演した。番組冒頭にはニュースも入っている。(WORIG 12/30)

◎2022年に放送していなかったブラジル局

 B22シーズンにおいて放送が確認できなたったブラジルの短波局は以下の通りである。
 2380 Radio Educadora de Limeira、  4755 Radio Imaculada Conceicao、 4785 Radio Caiari、 4815 Radio Difusora de Londrina、 4865 Radio Verdes Florestas、 4885 Radio Difusora Acreana、  4885 Radio Maria、    4975 Radio Iguatemi、 5015 Radio Cultura De Cuiabá、 5035 Radio Aparecida、 5965 Radio Trans Mundial、 5970 Scala FM94.9 Sao Paulo、 6000 Radio Guaiba、 6080 Radio Daqui、 6160 Radio Rio Mar、  9515 Radio Marumby、 9530 Radio Transmundial、 9585 SRDA Super Radio Deus e Amor、 9695 Radio Rio Mar、11750 Radio Voz Missionaria、 11765 SRDA Super Radio Deus e Amor、 11830 Radio Daqui、 11915 Radio Gaucha。 (Bulgarian DX blog 12/27) 23波がブラジルから消えたことになります。


◎イスラエルのKANをWRMIが中継

 イスラエルの公共放送KANをWRMIが14:00-15:00に15770kHz(Okeechobee 100kW 44°)で中継している。欧州西部向英語放送である。(Bulgarian DX blog 12/30) 以前は中波で放送していましたが、現在はFMのみとなりました。同局のURLはhttp://www.kan.org.il、QTHはKanfei Nesharim 23, Jerusalem, Israelです。

◎AWRのMoosbrunn送信分が300kWから100kWに
 インドのJose Jacob氏によると、オーストリアMoosbrunn送信所の300kW送信機が2022年いっぱいで廃止されるため、この送信を利用していたAdventist World Radioは2023年1月1日より
出力を100kWに変更する。変更するのは以下の放送分である。11:00-12:00 7340 南アジア向ウルドー語・パンジャブ語、13:00-13:30 6185 トルコ向トルコ語、14:00-14:30 9630 ナイジェリア向ハウサ語、15:00-16:00 11880 リビア向アラビア語、16:00-16:30 15610 アフリカ向フランス語、17:00-17:30 15145 アフリカ向フランス語、23:00-23:30 17765 南アジア向ウルドー語、00:00-00:30 11955 トルコ向トルコ語、00:30-01:30 15265 南アジア向け向パンジャブ語・ウルドー語、01:30-02:00 9770 イラン向ペルシャ語、02:30-03:00 17765 アフリカ向マサイ語、03:00-03:58 11955 リリビア向アラビア語、04:30-05:00 17765 アフリカ向フランス語、05:00-06:00 9535 アフリカ向Dyula語・フランス語。
(WORIG 12/30)
 
◎BCLも「避けられない事態」に備えよう
 Canadian International DX Club (CIDX)の会長であるSheldon Harvey氏によると、人は自分や周囲の物事が永遠に続くことを当然のことと思っているようであるが、何かが変わるとそうでないことがわかりショックを受ける。BCLの中には、部屋に収納箱やキャビネットがあふれ、機材は何台もあることを誇りにしている人が多い。私のBCLの友人であったAndy Ruggは最近亡くなったが、彼は死に際して充分な用意をしていた。葬式の席で彼の兄からAndyが生前用意した書類を渡された。それには彼のシャックとQSLコレクションのひとつひとつについて、その対処方法を良く知っている人物を指定して処理を依頼する内容であった。中にはBCL用に用意していた資金の処理を任された人もいた。BCLにも例外なく死は訪れるものである。手遅れになる前の時点でどうするかを決めておこう。この話を「避けられない事態に備える」という題名で2022年のWinterfestで講演したところ、聴いていた半分くらいの人は不快な表情をした。多分避けられないことを考えるのが嫌だったのであろう。自分自身も他の人たちがすべきであると言っていたことをまだやっていないのだが。(WORIG 12/30)


出典の略称

 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  

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