月刊短波2023年3月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間  JST


◎WRTH2023のB22 update発行 3版新規
 
米国のGlenn Hauser氏によると、World Radio TV Handbook 2023年版のB22スケージュールupdateが3月12日に発行された。pdf版3ページ。https://wrth.info/b22-international-schedules-update。(WORIG 3/12)

◎Shortwave Bulletin最新号 3版新規
  
スウェーデンThomas Nilsson氏による、Shortwave Bulletinの最新号が以下のサイトで閲覧できる。http://www.hard-core-dx.com/swb/archive.htm。(RUS-DX #1228 3/12 via WORIG 3/12) 3/5発行のNo.2023には南極局LRA36の話題が、2/19発行のNo,2022にはWRTH2023の話題が掲載されています。

◎Ydun's Medium Wave Info最新号 3版新規
 
デンマークYdun M. Ritz氏による「Ydun's Medium Wave Info」の最新版がhttp://www.mediumwave.info/2023/03で閲覧できる。(RUS-DX #1228 3/12 via WORIG 3/12)

◎HFCC A23スケジュール発表 3版新規
 
インドのJose Jacob氏によると、HFCCのA23スケジュールが発表された。http://hfcc.org/data/a23/index.phtmlよりダウンロードできる。(WORIG 3/12)

◎ITUのA23スケジュール  3版新規
 
インドのJose Jacob氏によると、ITUのA23スケジュールが公開されている。不完全なものであるが、参考にはなる。 https://www.itu.int/en/ITU-R/terrestrial/broadcast/HFBC/editions/A23T2.txt 。(WORIG 3/9)

◎NHKワールド Radio Japanがインターネット上での第一放送同時配信を停止~4月2日より  3版新規 4版追加
 
英国のAlan Roe氏によると、NHKワールドはHP上で、現在短波で在留邦人向に行われている第一放送との同時放送を2023年4月2日で打ち切ると発表した。悪いニュースの予感がする。(WORIG 3/10) 
    NHKワールド・ラジオ日本から発表されたA23スケジュールでは日本語短波放送の内容、回数ともにB22と変わらないので「悪いニュース」とは言えない。4月2日以降打ち切られるのはインターネット上で行われている同時配信であろう。NHKワールド・ラジオ日本の日本語放送の内容の殆どが国内向第一放送の中継であるため、海外に於いてインターネットで聞きたければ「らじるらじる」にアクセスするか、スマホの専用アプリで聞けば良いからである。国際放送のみの独自番組(「海外安全情報」、「今週の日本」など)はpodcastでの提供となるのであろう。(赤林)

◎秋葉原BCLクラブが「ABC50's」の第12号を発刊  3版新規
 秋葉原BCLクラブは「ABC50's No.12」を発刊した。表紙は「ご自慢のシャックや受信機」で長野県佐久市在住のKazu Kobayashi氏のシャックである。内容は以下の通り。・NHKワールド・ラジオ日本のベリカード&おまけ(A18~B19 シーズン受信)、・NHKワールド・ラジオ日本のベリカード&おまけ(A20~B21 シーズン受信)、・ベリカードの中の風景⑤、・思い出のベリカード、・開局訪問・移動受信の旅2022、・BCL旅日記 2022年4月~6月、・好評頒布中!みんなのBCLマニュアル 2022~2023、・読み物紹介 「む」は無線の「む」 (あびゅうきょ)、・実験試験局開設情報、・BCL用スマホ音声ケーブル3種、・アンテナチューナー大活躍、・近況報告(という名の戯言)、・秋葉原BCLクラブ忘年会2022のご報告。pdf版は無料でhttps://drive.google.com/file/d/1uqVBijKoxu_2VvPFjbRBsbVXyqFGE75Z/view?fbclid=IwAR1ChSvWtrJVVOzwxoFVHJdbYIisrAktwAIpUJ8JsHLzFLuKDqSisxrG7zcよりダウンロードできる。有料のオンデマンド印刷版も準備中である。投稿等はhttps://www.abc50s.net/mail/editor/に。(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏)全78ページ、無線実験局開設情報は大変詳しく掲載されています。また最終ページに同クラブ発行「あーゆぼーわん」の編集長であった金沢江美氏の逝去が報告されています。ご冥福をお祈り致します。



◎Radio Caroline Northが3/11-12に船上から番組放送 
2版新規
 
英国のMike Terry氏によると、コミュニティー中波局Radio Caroline Northが2023年3月11-12日の番組を元本当の海賊放送船として使われた同局のRoss Revenge号船上から生放送する。内容は1960-90年代のヒット曲、かつて海賊局であった同局のwebショップ販売等である。イングランド・オランダ・ベルギー方面は英国本土からの直接波648kHz、英国北部・北西部はManx Radio中継の1368kHzで受信可能。番組詳細はhttps://radiocaroline.co.uk/#home.htmlを参照のこと。(WORIG 3/5)

◎WRTH2023 JSWCより発送開始 ~月刊短波読者に割引き 
 
2月15日に発行されたWorld Radio TV Handbook 2023年版が日本にも到着した。例年通り日本短波クラブ(JSWC)は直送より安い価格で取り扱うことになった。日本語解説付も用意する。価格は以下の通り。本体の重量が重くなったため送料は昨年よりも高くなった。なお月刊短波読者に限り3月中は一般価格より149円安く販売する。
   日本語版解説には目次・巻頭言・WRTHの使い方・2023年の短波放送コンディション・短波受信機ガイド2023の日本語訳、海外からの日本語放送一覧(B22及びA23推定)、2022年DX界ハイライトが掲載されている。
 ①WRTH2023のみ; 送料共\5,999 (本体\5,479+送料\520)月刊短波読者価格 送料共 \5,850
 ②WRTH2023+日本語解説; 送料共\6,299 (本体\5,779+送料\520)月刊短波読者価格  送料共 \6,150
 月刊短波読者で購入希望者はどちらを希望するかと、住所、氏名を明記の上、上記料金を郵便振替で、00210-7-28136 IBSジャパンに送金する。3月上旬には手許に届く予定。(日本短波クラブ 大武逞伯氏)別途会員価格も設定されています、「日本短波クラブ」の項を参照して下さい。アマゾンでは3月下旬発送で\6,542、出版元直送(https://shop.radiodatacenter.net/product/wrth-2023-book/)の場合は英国経由DHL便で€46.90(約\6,800)です。

(左)WRTH2023 (右)日本語版解説
  

◎WRTH2023を手にして
 
新しい発行元となったWorld Radio TV Handbook 2023は従来の672ページから848ページと内容が増加した。体裁は同じだが、重量は従来の約760gから約920gに増加している。紙の質やバインド方法は同じである。本体の放送局データ部分はフォントが変更されて若干見やすくなった感じがする。送信所地図も配色が変更され、送信地点名が若干大きなフォントで表示されて見やすくなった。冒頭に新しい編集・発行者であるGünter Lorenz、Oliver Schmidt両氏の挨拶文が掲載されている。巻頭の特集カラーページには多くの記事(アンドラの放送史、フォークランド諸島の放送、交通情報放送の歴史、RDS<Radio Data System>の話、子供向ラジオ番組アプリAIRI、DXデータの収集・分析、BBC World ServiceのDRM放送、2023年の短波伝搬状況)が満載だが、その分フォントが以前より小さくなり、年配者は読むのにルーペがないと大変である。機器レビューではDatong AD-370の後継として発売されたアクティブダイポールアンテナ「Satmpfl Active Dipole」、高級短波受信機「Reuter RDR52」、SDR受信機「ELAD FDM-S3」にページが割かれている。最後の中波周波数リスト部分の一部でページが内側に印刷されている部分があるが、実用上の支障はない。広告は2022年版の22社から14社に減っている。(赤林)

WRTH2023の背表紙 最下部の発行元がRadio Data Centerとなっている


◎SM Radio Dessauが高出力特別放送実施
ドイツのHansjörg Biener博士によると、SM Radio Dessau(https://www.smradio-dessau.de) は2023年3月中旬に高出力特別短波放送を実施する。特にWoofferton中継は同局初となる。スケジュールは次の通り。
 3/12 21:00-22:00 6070 Moosbrunn 100kW ドイツ語 主題はHans Albers
 3/18 07:00-08:00 3955 Woofferton 125kW 英語 主題はBauhaus
 受信報告には特別QSLが発行される。(WORIG 2/26) 宛先はE-mail<maxberger @ smradio-dissau.de>、s-mail Max beger, Sarlestrasse 44, 06846 Dessau, Germany。

◎カナダPop Shop Radioが特別DRM放送
 
カナダのPop Shop Radioが2023年3月6日の05:00-06:00に5875kHzdrm(Woofferton 85kW 114°)で欧州西部向に英語による特別DRM放送を実施する。受信報告には印刷されたQSLカードが発行される。宛先は<radiopopshop @ gmail.com>である。(Bulgarian DX blog 2/25)

◎National Radio Arcangel San Gabrielの放送予定
 
ウルグアイのHoracio A. Nigro氏がアルゼンチンRAEのAdrián Korol氏から得た情報によると、南極のLRA 36 National Radio Arcangel San Gabrielは3月に以下のスケジュールで放送予定である。周波数は15476kHzUSB。
 3/2 06:00-08:00
    3/6 06:00-12:00
 受信報告は<lra36nacional @ gmail.com >へ。
(WORIG 2/27)

◎RFPIがアフガニスタンの女性向短波放送開始に

 フランスのRadio For Peace International(RFPI)が新たにアフガニスタンの女性を支援する放送を開始する。この放送は同国に今も留まっているジャーナリストの協力を得てペルシャ語で制作される。RFPIは既に2022年12月にこのような放送を実施すると約束していた。アフガニスタンではタリバン政権により女性のジャーナリストは職を追われ、女性向に放送されていたHeratのRadio Saharは2023年2月24日を以て閉局させられることになっている。このような状況の中で同国の女性の人権と同国の女性ジャーナリストの生活を守るためにRFPIでは2023年2月21日より週4回のアフガニスタン女性支援放送を短波で開始する。放送は毎週水曜~金曜日の20:45から15770kHz、土曜日の22:15より15770kHzで行われる。何れもブルガリアKostinbrod送信所からの送信である。http://www.rfpi.eu上で同時にストリーミング放送も行われる。(RFPI 2/20)

◎ベトナムVOVが200kW中波送信機導入

 ベトナムVOVは200kW中波送信機2基を導入して2023年1月15日より693kHz(VOV1)及び819kHz(VOV2)で運用を開始した。2基の送信機は中央部の髙地にあるBuôn Ma Thuôòt送信所に設置された。この送信所には従来6020kHz用及び7210kHz用の古い短波送信機が設置されVOV1を中継していたが、最近は停波していた。短波送信機を置き換える形で導入されたが、この2基の中波送信機は新製ではなく、メコンデルタにあるCantho送信所より移設されたものである。この模様がVOVのHPに写真入りで掲載されている。https://vov.vn/xa-hoi/dau-an-vov/vov-nang-cong-suat-phat-song-am-khu-vuc-tay-nguyen-post996605.vov。(Mediumwave News Feb. via WORIG 1/3)
   これによってサービスエリアは4倍の4万平方kmに拡大し、サービス対象人口は9百万人となった。新たに200kW中波送信機が設置され、VOV1は693kHz、VOV2は819kHzで放送している。(RUS-DX #1225 2/19 via WORIG 2/19) 従来は20kW中波送信機+10kW短波送信機でした。短波送信は停止のままか?

Buôn Ma Thuôòt送信所の全景(VOVのHPより)


◎LRA36の送信機入替計画
 ウルグアイのHoracio A. Nigro氏がアルゼンチンのアマチュア無線家LU6FLZから得た情報によると、アマチュア無線家Alejandro Álvarez氏(LU8YD)が最近LRA36のある南極Espreanza基地を訪問した。氏の訪問目的はLRA36の現用送信機(15476kHz用)を2024年までに10kWの新型送信機に置き換えるための予備調査である。また同基地にFM放送用250W送信機、アマチュア用1kWCollins社製短波送信機、6mバンド用ビーコンもアマチュアからの寄付で設置する予定である。(WORIG 2/1)

◎米国に強力なスペイン語海賊局出現
 米国のWalter Salmaniw氏によると、強力なスペイン語海賊局が6960kHzに出現した。「Radio Independiente, Radio Libre」というアナウンスを繰り返している。(WORIG 2/4)

◎Radio Diffusione Europeaが周波数変更
 イタリアのG.A. Marabello氏によると、同国TriesteのRadio Diffusione Europeaは周波数を1548kHzから1503kHzに変更した。同局では1503kHzでの受信報告を求めている。宛先は<qsl @ radiodiffusioneeuropea.net>である。同局のURLはhttp://www.radiodiffusioneeuropea.net。(WORIG 2/4)



◎米国アフガニスタンの1296kHz送信所を継続使用に ~タリバンと交渉

 RFE/RLのアフガンニスタン向放送Radio Azadiは2023年1月18日以降、一旦はタリバン政権によって禁止されたKabul近郊のPol-e Chark送信所からの1296kHz(400kW)の送信を現地時間の18:00-06:00(日本時間22:30-10:30)に復活した。
 元々米国はアフガニスタン政府との間で、空爆で破壊された同国のPol-e Chark送信所を修復して米国が放送する協定を2002年に締結した。この協定は2006年に改訂され、アフガニスタンはTani-Khostに 中波送信所を他の地域にFM送信所を米国が新設して運用することを認めた。この改訂の下で、Kohostに621kHz(200kW)の中波送信所が建設され、パシュト語地域やパキスタンに放送するようになった。2021年8月に米国がアフガニスタンを撤退した時、米国政府はタリバンと交渉してこれらの施設を米国が引き続き使用することで合意が成立していた。ところが2022年12月1日タリバン政権の情報省は米国が資金を投入する放送はジャーナリズムとして認めないと宣言し、上記の合意を破棄、Radio Azadiを含む一切の米国系放送のアフガニスタン国内からの送信を禁止した。その後米国はタリバン政権と交渉し、Pol-e Chark送信所を再びRadio Azadiに提供すること、FM放送網は廃止すること、VOA系のDeewa Radioはアフガニスタン国内から送信しないことで再合意した。当初米国はアフガニスタンへの短波送信所を設置要求も検討していたが、これは電力料金の安い中東その他の送信所で代用することにした。なおRadio Azadiは今後短波放送も強化して行く予定である。
(Radio Magazine F_B group 1/31 via WWDXC TP 1531) 12月1日~1月18日の間はDushanbe送信所から1296kHzを送信していた模様です。

◎メキシコRadio Educacionのアナウンス内容
 スペインのManuel Mendez氏によると、6185kHzで出ているメキシコのRadio Educacionは局名を以下の様にアナウンスしている「Vds escuchan Radio Educacion」、「Cultura Mexico Senal Internacional, la onda corta de Radio Educacion, banda internacional de 49 metros, desde la Ciudad de Mexico」。(WWDXC TP 1531)

◎DAB放送のDXing!
 英国のPaul Capewell氏はポケットDABラジオ「Robert Sports DAB5」を使用してDXingを行っている。英国のBexhillで受信できた外国のチャンネルは以下の通りである。Paris 6A、Paris 6D、LIEGE 2、NAM-LUX 2、Le-Mans-Etendu、DAB+ Vlaanderen2、Lille 7D、hr Radio 7B(Hessen)。VHF/UHFの対流圏伝搬が盛んな時刻に狙うと、遠くはドイツの局まで受信可能であった。英国南岸の海を望む崖の上が最も適したロケーションである。信号が来れば確実に復調できるので、FM放送のDXingより楽である。(BrDXC-UK io.groupnews 1/26 via WWDXC TP 1531) Robert Sports DAB5は€65位。将来はこういうラジオでDXingか?

Robert Sports DAB5


◎まだ売れないWTWWの送信機とアンテナ
 米国のGlenn Hauser氏によると、WTWWのGeorge McClintock氏は2022年11月23日に売り出した送信機とアンテナがまだ売れていないため、2023年2月2日BCL関係者も含めて改めて買い手を探していると言ってきた。売却対象物件は以下の通り。送信機 Harris 100 100kW、アンテナ TCI社製短波用アンテナ。 アンテナは氏がKAIJ局から譲り受けた由緒あるものとのこと。(WORIG 2/2)

◎ZambiaのVoice of Hopeで2波がQRT
 デンマークのStig Hartvig Nielsen氏によると、 ZambiaのVoice of Hope Networkは6065kHz(現地の夜の放送)、11680kHz(現地の夜の放送)ともにこのところ送信を停止中である。同局のRay Robinson氏によると、送信機が故障中で、米国から修理用部品が届くのを待っているところで、復旧に数週間を要するとのことである。4965kHz(夜)と9680kHz(朝)は送信中であるとしている。(DX-FORCUS #2 via WORIG 2/6)
 休止となったのは以下の放送である。
 13:00-17:00 11680 100kW 315° アフリカ西部向英語
 23:00-06:00 6065 100kW 315° アフリカ西部向英語
(Bulgarian DX blog 2/9)

◎Radio Northern Starの1611kHzが復活
 ノルウェーのSven Martinsen氏によると、Radio Northern Starの中波放送が1611kHzで復活した。この周波数は2019年までThe Seaが使用していたLLE-4 400Wの送信機から出ている。現在は現地時間の夜のみ出ている。またLLE-3の5895kHzも1月30日に復活した。現在試験送信モードで14:59-03:31にRadio Northern StarとThe Seaの番組が両方出ている。1314kHzでは時々ノルウェー語で詩の朗読が放送されることがあるが、ほとんどの時間は出ておらずその理由も発表されていない。これらの送信に対してQSLが発行されるかどうかも不明である。 (Arctic Radio Club mv-eko Feb 6 via WORIG 2 / 6)

◎Don Moor氏のPhoto Album
 米国のGlenn Hauser氏によると、同国のDon Moore氏は2017年に退職し、その後は(過去に受信したことのある)世界各地を15年くらいかけて巡り歩く計画にしている。氏がかつて受信した局の想い出と、現在いる場所(南米エクアドル)での旅行状況を記した「Don Moore’s Photo Album」が公開されている。https://swling.com/blog/2023/01/don-moores-photo-album-cuenca-ecuador-part-one/#more-55489。(WORIG 2/6) 寝たきりになるまで働き続けるよりはこういう生活をしたいものですね。

◎BCLに興味のある歴史的雑誌のアーカイブ
 ラジオの歴史に興味のある人にはたまらないアーカイブ集「World Radio History」(http://worldradiohistory.com)にはBCL関係では以下のような歴史的資料を提供している。主なものは以下の通りである。
 Radex – The Radio Index – The All-wave DX Log of the World: 1925-1942年に発行された米国・カナダ向短波受信雑誌。当時の短波周波数、番組内容を記述。短波の受信方法の記事もある。
 Electronics Illustrated:1958-1972年に発行された一般的な電波雑誌。この電波雑誌の執筆者から後に73 Magazine、Popular Communications、S9などの雑誌発行者が育った。
 Monitoring Times: 1982-2013年に発行された米国の「ラジオライフ」のようなマニア向総合電波雑誌。
 73 Magazine:Wayne Green氏が1960-2003年に発行した、製作記事中心の雑誌。色々な製作アイデアに溢れている。
 Communications World: 1971-1981年に発行された短波BCL向雑誌。
 Ham Radio:1968-1990年に発行された、アマチュア無線用リグの製作雑誌。技術的レベルの高い製作記事が多い。
 The Modulator:1923年代にのみ発行された。ラジオを聞くには自分で作らなければならなかった時代のラジオ製作・啓蒙雑誌。
(CIDX Messenger Feb via WORIG 2/5)

◎Gavar送信所からのTWR新スケジュール
 ブルガリアのRumen Pankov氏、英国のTony Roger氏によると、アルメニアのGavar送信所からのTrans World Radio中継のスケジュールが1月から変更されている。新スケジュールは以下の通り。
 1350kHz 03:00-05:30 アラビア語(03:00-03:30のトルコ語はなくなった)
 1377kHz 03:00-04:45 ペルシャ語・他 04:47-05:47 ウクライナ語・ロシア語(1395kHzのOvercomer Ministriesの放送と送信段階で混変調を起こしている)
 864kHz 01:55-02:45(変化なし、01:55 カザフ語 02:10 トルクメン語 17:25 ロシア語・Karakalpak語)
 他の周波数1395kHzはArmenian Radioの海外向用(01:00-02:45)及びOvercomer Ministryの英語放送用(04:00-06:00)で変化なし。(BDXC Communication Feb via WORIG 2/6)

◎Scandinavian Weekend Radio今後の放送予定
 フィンランドScandinavian Weekend Radioの2023年の放送予定が同局のFacebookで明らかにされた。放送日は2/4、3/4、4/1、6/3、7/1、8/5、10/7、11/4、12/2である。1月、5月、9月には放送がない。他の月は第一土曜日である。なお同局で永年DJを勤めた英国出身の「Tricky Trev」ことTrevor Twyman氏は去る2023年1月15日に急死したことが明らかになった。(BDXC Communication Feb via WORIG 2/6)

◎VLF帯英国でのモニター結果
 英国のNick Rank氏が最近モニターしたVLF局は以下の通りであった。
    11.90 23:46 RSDN-20 (Alpha) 無線航行信号 (2 beeps)
 12.65 23:46 RSDN-20 (Alpha) 無線航行信号 (2 beeps)
 14.88 23:47 RSDN-20 (Alpha) 無線航行信号 (3 beeps)
 16.4 22:50 JXN Novik, Norway FSK
 18.1 00:03 RDL ロシア各地 FSK 00:05 s/off
 18.3 23:56 HWU Rosnay, France
 19.6 22:58 GQD Anthorn, Cumbria, UK
 23.4 00:39 DH038 Rhauderfehn, Germany
 24.0 00:15 NAA Cutler, Maine, USA FSK
 25.0 18:06 RJH77 Arkhangelsk, Russia CWによるID・報時信号
 25.0 19:06 RJH66 Chaldovar, Kirghiz CW ID
 25.2 00:16 NML4 Lamoure, ND. USA FSK
 25.5 17:30 RJH90 Novi Novgorod, Russia 25.1kHzよりQSY
 26.7 00:20 TBB Bafa, Turkey FSK
 37.5 00:38 TFK Grindavik, Israel
 40.4 17:35 SRC Grimeton, Sweden SAQのアンテナから出ている
 40.8 17:40 NAU Aguadas, Puerto Rico
 52.0 00:35 GYW1 Crimond, Aberdeenshire, UK FSK
 60.0 00:23 MSF Anthorn, Cumbria, UK 報時信号(毎正分に0.5秒の抜け)
 66.6 00:05 RBU Taldom, Russia データ付報時信号
 77.5 00:10 DCF77 Mainflingen, Germany 報時信号
 81.0 01:38 GYN2 Inskip, Lancashire,UK FSK
(BDXC Communications Feb via WORIG 2/6)

◎Tallin Radioの気象通報放送
 エストニア海岸局Tallin Radioの気象通報放送が英語で03:35に3310kHzUSBで行われている。(RUS-DX #1223 2/5 via WORIG 2/6)

◎「Letters from Radio Moscow」発行
 ウルグアイのHoracio A. Nigro氏が英国RGSBの会誌RadCom2022年12月号の情報として伝えたところによると、英国のアマチュア無線家Andy Thomas氏(G0SFJ)が「Letters from Radio Moscow and other essays about the USSR」をKindleで出版した。旧ソ連でのラジオの勃興、旧ソ連によるラジオ放送の利用、満州等におけるアマチュア無線やプロパガンダ国際放送Radio Moscowを利用したソ連スパイの活動について当時のRadio MoscowのQSLカードや通信機器の写真等を用いて記述している。また付録として在ロシア英国大使館に対するKGB工作員の活動についても記述している。英国Amazon(http://www.amazon.co.uk)よりKindle版で£8.99。(WORIG 2/7)日本のAmazonでは取り扱っていません。「Letters from Moscow」という別の書物と紛らわしいので注意が必要です。



◎Gospel Miracle TimeがIRRSからアジア向放送開始
 宗教局Gospel Miracle TimeがNEUS IRRSより、2023年2月13日よりアジア向放送を開始する。スケジュールは以下の通り。放送は英語。
 月曜 01:00-01:30 15385 Galbeni 300kW 100°
 なお他の日には同送信所、同周波数、同時刻で140°の方向にエチオピア・エリトリア向秘密放送Arraata Biyyoolessa Oromiyaa/Oromia National Media(アファール語)が出ている。(Bulgarian DX blog 2/11)
 NEXUS IRRSのJohn Norton氏によると、この放送はニュージーランドでJohn Bayliss氏によって制作されているもので、IRRSでは従来European Gospel Radioの中で欧州向に放送されてきている。そのスケジュールは以下の通りである。
 日曜 03:30-04:00 1323 7295
日曜 04:30-05:00 木曜 05:30-06:00 1323
 QSLはIRRSが代理発行(European Gospel RadioのQSLが発行される)する、受信報告はhttps://nexus.org/QSLから。
(WORIG 2/11)

◎日本政府ウクライナに送信機提供
 ウクライナでは2022年3月に首都キーウのTV塔がロシアの攻撃を受けて破損するなどロシアによる放送施設への攻撃が続いている。日本政府はウクライナ公共放送に対して2023年2月9日国際協力機構(JICA)を通じて移動送信設備を提供した。同放送はロシア軍による送信施設の破壊に対して移動送信設備で対処してきたからである。林外相は提供した設備を通じてウクライナに人々に正確公正な情報が行き渡り民主主義が強化されることを望むと述べた。(NHK World News 2/10)

◎短波プロパガンダ放送の歴史
 米国のRon Howard氏によると、世界で短波によるプロパガンダ放送が開始されてからの歴史を日付順に記述した「Significant Dates International Shortwave Propaganda Broadcast」が公開されている。http://bit.ly/3YHjLhI。(WORIG 2/11) 米国のNational VOA Museumが作成したもので、1921年~2014年4月1日までの事項が記載されています。全25ページ。

◎露英仏アマチュア無線用語集公開
 ロシアのVasily Korobkov氏によると、現ベラルーシのMinskで1989年にわずか15,000部しか印刷されなかったBenzar V.K.氏著の「露英仏アマチュア無線用語集」(РУССКО-АНГЛИЙСКО-ФРАНЦУЗСКИЙ РАДИОЛЮБИТЕЛЬСКИЙ РАЗГОВОРНИК、25ページ)がpdf版として公開されている。https://vk.com/doc328382294_657180740?hash=iCuFQs4ZXrPCZi67TC8jjjRiANRxR0MrTGiMzdWKpDz&dl=VpeCBd3y5ky615zK9jm6VvhRT2EnXbs42Vpb0IHaOM。(RUS-DX #1224 2/12 via WORIG 2/12)

◎ロシアで一番人気の放送局はAvtoradio
 Mediascope社による調査では、2022年下期においてロシアで最も聞かれているラジオ放送局はAvtoradioであることが分かった。以下Europe Plus、Dorozhnoe Radio、Russkoe Radio、Retro FMの順であった。原記事はhttps://www.gpmradio.ru/news-page/uid/29150を参照のこと。(RUS-DX #1224 2/12 via WORIG 2/12)

◎Tropical Bands Monitor
 デンマークのAnker Petersen氏編集のTropical Bands Monitorの最新版が2023年2月1日に発表された。http://www.dswci.org/tbmonitor/。(RUS-DX #1224 2/12 via WORIG 2/12) 続いて3月1日版も出ています。

◎BBCアラビア語放送停止に批判
 英国のMike Cooper氏が2023年2月13日付Sunday Telegraphの報道として伝えたところによると、バーレーン中央銀行総裁のRasheed Mohamed al Maraj氏はBBC World Serviceが、85年続いたアラビア語放送を廃止したことを批判し、「通勤時も家に帰ってからもBBCのアラビア語放送で情報を得ていた。現在はバーレーンからの代替ニュースを聞いているがBBCのものと比べ程度が低くて役立たないものが多い」と苦言を呈した。Tony Blair元首相のアシスタントであったAlastair Campbell氏は、BBCの影響力が過小評価されており、多くの国で貴重な情報源になっているのに」と批判している。これに対してBBCのMohamed Yehia氏は「視聴者が好む近代的なプラットフォームに移行したまでだ」と批判を一蹴した。(WORIG 2/13)

◎短波放送の有用性を強調
 英国のMike Terry氏によると、2023年2月13日のWorld Radio Dayに際して国際通信連合無線通信部門(ITU-R)の第6研究部会(Study Group 6:放送業務を担当)議長のNHK放送技術研究所主任研究員の西田幸博氏は、ラジオ放送、特に短波放送は災害時や緊急事態の時に大きな役割を発揮するとその有用性を強調した。詳細な内容はhttps://www.itu.int/hub/2023/02/broadcast-radio-the-most-reliable-medium-for-disaster-updates/を参照のこと。(WORIG 2/13)

◎カナダ上空で撃墜した気球はアマチュア無線用短波ビーコン発信バルーンの可能性
 米国のLucas Bandura氏が2023年2月16日付RTL-SDL.COM(https://www.rtl-sdr.com/the-us-airforce-may-have-shot-down-an-amateur-radio-pico-balloon-over-canada/)の発表として伝えたところでは、米空軍がカナダ上空で破壊撃墜した小形気球の内の一つはアマチュア無線用「pico」バルーンである可能性が強くなった。アマチュア無線用でも、重量1.8kg以上のバルーンの打ち上げにはFAA(Federal Aviation Administrstion:連邦航空局)の規制条件遵守と認可を必要とするが、単純な趣味・実験用として開発された「pico」と呼ばれる小形バルーンは地上での直径が1m程度、重さは1.8kgより軽いため、FAAの認可なしでも打ち上げ可能である。「pico」にはヘルウム電池、小形太陽光パネル、アンテナ、送信機が搭載されており、短波帯で連続的にWSPR(Weak Signal Propagation Reporter)ビーコン信号を送信している。これを各地で受信して短波の電波伝播経路の調査を行っている。「pico」は落下するまで数ヶ月の寿命があり、その間に地球を数回回ることができる。撃墜されたらしいバルーンは2022年10月10日に米国イリノイ州から打ち上げられたK9YO-15と見られ、123日の間に6周以上し7回目の周回に入っていた。大きさは81cm、重量16.5kgで無許可で打ち上げられる範囲内であった。内部にはGPSモジュール、ワンボードマイコンArduino、WSPR及びAPRS(Automatic Packet Reporting System:位置情報を発信するアマチュア無線用システム)用のSI5351送信機、太陽パネルが搭載されていた。(WORIG 2/16) 「pico」バルーンについてはhttps://www.picoballoon.org/を参照して下さい。

◎オランダMike Radio周波数変更
 オランダのMike Radioは2023年2月15日より周波数を5875kHzから6105kHz(Heerde送信所、1kW、無指向性)に変更した。スケジュールは毎週土・日曜の17:00-21:00(従来は24H)で、欧州西部向オランダ語・英語である。(Bulgarian DX blog 2/16)

◎Bangladesh Betarの歴史公開
 米国のRon Howard氏によると、バングラデシュの国営放送Bangladeh Betarの歴史を書いたNazrul Islam氏著「History of Bangladesh Betar」が公開されている。 https://app.box.com/s/sdbga992tk5bsgjzhk70azv8kvwqho94よりpdfファイルとして入手できる。短波に関する記述はほとんどなく、「海外放送」の章でも触れられていない。(WORIG 2/15) 18ページ。Bangladesh BetarはKazi Nazrul Islam Avenueにあります!

◎Bay Islands Radio/Island FMが試験送信
 米国のRon Howard氏によると、オーストラリアBay Islands Radio/Island FMが2023年2月13日に試験電波を5045kHzで発射した模様である。2月15日の23:15-24:10にも受信された。ノンストップのpopsのみである。(WORIG 2/15)

◎Kaliningrad Radio Centerの中波が始動
 ロシアKaliningrad 第5Radio Centerでは2023年2月15日17:00より中波549kHz(100kW)と1143kHz(150kW)での試験送信が開始され、翌2月16日の17:00までRadio Russiiの番組が流された。同センターでは今後も試験放送の音質に関する報告を受けつける。宛先はQSL代行の<andrey_hamradio @ mail.ru>だが、試験放送に対してはQSLカードの発行は行わない。(RUS-DX #1225 2/19 via WORIG 2/19)

◎航空書簡74年の歴史に幕
 日本郵便プレスリリース等によると、日本郵便は航空書簡(エログラム・額面90円)と国際郵便はがき(額面70円)の販売を今年9月末をもって終了する。利用低迷のためとしている。購入済みの航空書簡は通常の国際郵便物との差額を支払うことで、国際郵便はがきはそのままで、10月以降も使用できる。航空書簡の裏面にまで受信報告書をビッシリと書いて海外の放送局に送っていたBCLも沢山いた。(東亜BCL聯合 石田直樹氏)航空書簡は 「アエログラム」、「エアログラム」(元はフランス語の「aérogramme」)とも言われ、1946年から販売が始められ手軽な海外への通信手段として人気を博しました。特にBCLには受信報告の手段として重宝されました。当初同封物は許されませんでしたが、現在は紙ならば25gまで許可となっています。電子メールの普及、プリンターで印刷しにくいこと、国際郵便制度全体の衰退が原因と思われます。QSLレターが航空書簡で来た局もありました。

現在の航空書簡(日本郵政のPより)


◎Hans Knot's International Radio Report 冬版発行
 英国のMike Terry氏によると、Hans Knot's International Radio Report の2022/23冬版が発行された。海賊局、面白局、AFNを含む欧州局の話題満載である。32ページ。pdf版でhttps://hansknot.com/?fbclid=IwAR08FNh9hGlQIfJ4Dc2AoW1MjeMckSRermULOP5UEdJAxDpB-Y5kxTafNOg上よりダウンロード可能。(WORIG 2/21)

◎USAGM Kuwait中継局が設備拡張のための調査
 米国のMichel Fremy氏によると、米国USAGMはクウェートAl Jahra付近にあるUSAGM Kuwait中継局における短波放送送信機数台の供給について、試運転、訓練作業も含んだ予算・計画の予備調査に入った。所要条件としては、5.8-21.85MHz間の任意の周波数に30秒以内で切換可能なこと、モードとしてAM/DRMに対応できること、MDCLに対応している、キャリア出力250kW・平均出力125kWで連続動作できることとなっている。(WORIG 2/20)
    ドイツのWolfgang Bueschel氏によれば、USAGMのKuwait中継局は以前のKabd(クウェート湾の南)からAl Jahra(クウェート湾の北)の北43kmにあるこの地点に移転している。正確なロケーションは29°30’ 45.59”” N 47°40'17.84" E。(WWDXC TP 1533)  MDCLとはModulation Dependent Carrier Levelの略で変調の深さ等に応じてキャリア(信号は載っていない)の出力を制御し、送信機全体の電力消費量を落とすテクノロジーのことです。

◎ロシア国歌を繰り返し流す不明局出現
 米国のGlenn Hauser氏によると、9310kHzUSBでロシア国歌(21世紀の新歌詞のもの)を3分29秒おきに繰り返し流す不明局が出現し、米国でも受信されている。(WWDXC TP 1533)

◎Radio Slovakia Internationalが6枚組の新QSLカード発行
 オーストリアのPaul Gager氏によると、Radio Slovakia International(RSI)は2023年用に6枚組の新QSLカードの発行を開始した。2023年のモットーは「スロバキア成立30周年、RSIも30周年」である。図柄は①Radio Slovakiaのビル、②スロバキア国立銀行の建物、③ブラチスラバ城、④大統領官邸、⑤スロバキア政府の建物、⑥最高裁判所の建物である。(WWDXC TP 1533)

◎BBC MonitoringがCaversham Parkの施設を売却
 英国のDavid Cole氏は同国の「Economics」誌の報道として伝えたところによると、1943年以来放送の傍受を行ってきたCaversham ParkのBBC Monitoringの施設がついに売却されることになった。20世紀の戦争・紛争では諜報手段として敵国にスパイを潜入させる他、敵国のラジオ放送を傍受することが有用であった。英国がラジオ傍受の有用性に気づいたのは第二次大戦中であり、当初は3名の規模であったものが、1943年のBBC Monitoringの創立時には、Caversham Parkに受信機、タイプライター、テレプリンター、当時のナチス占領下の欧州から集められた多数のモニターを集結させて大規模な放送傍受活動が開始された。戦後もこの活動は継続され、「鉄のカーテン」の向こう側の数々の情報を西側に伝えた。この機能はベルリンの壁崩壊までは多いに役立った。最盛期には40ヵ国以上の放送を150人のモニターを動員して傍受し、毎日50万語に及ぶ報告を出し、その枚数は現在までの80年間で1500万枚に上っている。しかし共産圏の崩壊とともにその重要性は薄れ、インターネット時代の到来で活動目的がはっきりしなくなった。BBC Monitoringはロンドンに移転してその組織・機能は残存する。Caversham Parkの施設の跡地には退職者向住宅群が建設されることになっている。(WORIG 2/23) 2017年より売りに出されていました。

Cavensham Parkにある宮殿のようなBBC Monitoringの建物(BBC Newsより)


◎Voice of Turkeyが送信施設を修繕
 英国のAlan Holder氏によると、Voice of TurkeyはこのほどEmirler短波送信所の修繕を終えた模様である。修繕は5基の短波機(ジャミング用も含まれる)全部と音声フィードに及んだようで、送信中の鳥の鳴き声のような雑音、変調度不足、変調ハム音が解消された。また音声処理の調整も適正化されて、長年聞かれた低音域がカットされた「切れの悪い」音も是正された。その結果送信音質が著しく改善されている。(WORIG 2/26)

◎アイスランドの長波207kHz終焉
 ドイツのTom Kamp氏がBenelux DX Club Facebook groupからの情報として伝えたところによると、アイスランドRUVの長波放送207kHz(Eidar送信所 50kW)は最近放送終了のアナウンスを繰り返し流していたが、ついに2023年2月28日の00:11に送信を停止してその役割を終えた。Eidar送信所の218m高のアンテナマストからもう電波は出ていない。(WORIG 2/28) もう一波の189kHzは残っています。

◎Radio Gibraltar放送開始65周年
 Radio Gibraltarは1958年2月16日の放送開始から2023年で65周年となった。欧州では数少ない中波局として現在も地元に情報や娯楽を届けている。関連記事が同局のwebサイトhttps://www.gbc.gi/news/radio-gibraltar-marks-65-years-airに掲載されている。この記事に出てくる同局のGeorge Du Boulay氏自身もこの局からオンエアーして50周年になるそうだ。ただし1458kHzの中波放送は欧州でも受信が難しい。(Mediumwave News March via WORIG 2/28) かつて対岸のモロッコで受信したことがありますが、信号は強くありませんでした。現在ではスペインでも英国のLyca Radio 1458が強力に聞こえてしまっています。

◎ルクセンブルグの長波放送に関するビデオ公開
 2022年いっぱいで送信を停止したRadio Luxembourg RTLの長波放送234kHz(Beidweiler送信所 750kW)は、その前身のJunglinster送信所からの送信を含めると90年の歴史を持ち、高出力送信のため当時スイスから出ていた放送と電離層内で混変調を起こしたためこれを「ルクセンブルグ現象」と呼ぶようになった。この長波放送の歴史を語ったビデオがhttps://www.youtube.com/watch?v=IbUhA6Vt6Sk上で公開されている。(Mediumwave News March via WORIG 2/28)

◎BBC Monitoringがジャミングに関する情報募集
 英国のChris Greenway氏によると、BBC Monitoring内の有志がBBC World Serviceの以下の放送に対するジャミングの情報を募集している。
 19:00-21:00 11945 インド・バングラデシュ・ミャンマー・タイ向
    21:00-22:00 12065 インド・パキスタン・ネパール・バングラデシュ向
 10:00-11:00 21:00-22:00 15310 インド・パキスタン・ネパール・バングラデシュ向
    09:00-10:00 5980 インド・パキスタン・ネパール・バングラデシュ向
    19:00-21:00 9580 ベトナム・カンボジア・ラオス向
 これらの放送に対するジャミングの情報を<worldservice.letters @ bbc.co.uk>に送付する、題名は「HF Jamming Checks」とし、どこで受信したかを明記すること。(WORIG 2/28)


出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  



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