月刊短波2023年5月号(第5版)
編集 赤林隆仁  時間  JST

 

◎Texas Radio ShortwaveよりSDXFの「DX Parliament」特別放送 5版新規
 米国のTexas Radio ShortwaveのTerry Colgan氏によると、同局はSDXF(Swedish DX Federation)の年中行事「DX Parliament」の特別放送を以下のように予定している。
 5/28 10:00-11:00 5950 WRMI Okeechobee 北米向
 5/28 21:00-22:00 15770 WRMI Okeechobee 欧州向
 番組は「DX Parliament」開会の辞やSDXFの紹介の他、MSFK6で同クラブのロゴイメージの送信も予定している。SDXFの他、同局も今回の特別放送に対して特別QSLを発行する。宛先は<texasradiosw @ gmail.com>である。(WORIG 5/10)

◎WRTH Update第8版発行 5版新規
 World Radio TV Handbook 2023のUpdate第8版が2023年5月19日に発行された。https://wrth.info/ainternational-summer-schedules-update/よりpdf版がダウンロードできる。34ページ。(WORIG 5/22)

◎Eifeler Radiotageが5月13-15日に特別短波放送 4版新規
 
ドイツShortwaveserviceのChristian Milling社長によると、Christian MillingのEifeler Radiotageは新型コロナのために3年間遅れていた特別短波放送をShortwaveserviceのKall送信所より実施する。今回は特にテーマを設けず「big entertainment weekend」としてリスナーに楽しんでもらう。スケジュールは以下の通り。
 5/13 01:00-03:00 3985 03:00-06:00 6005 06:00-09:00 3985 09:00-翌日03:00 3985 17:00-翌日06:00 6005
 5/14 03:00-06:00 6005 06:00-09:00 3985 09:00-翌日03:00 3985 17:00-21:00 6005
 同局のwebサイトhttp://www.eifeler-radiotage.de上ではインターネット放送で、またドイツBad Kreuznach地区のDAB放送popEXPRESSのチャンネル12Aでも同時放送を行う。(WWDXC TP 1541) 連絡先は<info @ eifeler-radiotage.de>。実際には3985、6005kHzで同時に連続して行われているようです。Eifel(アイフェル)はドイツ西部の山岳地帯の名前で、「アイフェル人のラジオデー」というような意味です。

◎All India RadioがAkashvaniに改名 ~ヒンズー文化に回帰 3版新規
 
インドのAlokesh Gupta氏によれば、インド情報放送省は2023年5月3日、従来の「All India Radio」の名称を廃止し、以後「Akashvani」に改名する政令を出した。今後は「This is All India Radio」のアナウンスは出なくなる。同時に国内向サービス「Prasar Bharati」(インド放送協会)の名称も廃止しすべてヒンズー語の正式名称である「Akashvani」に統一する。これは同国のヒンズー文化を重視し、植民地時代の影響を排除したい現政府による政策の一環である。この「Akashvani」は1939年に同国の国民的詩人であったRabindranath Tagoreが作語した「全インド」を表象する意味の詩的な言葉で、Tagorは当時カルカッタで放送を開始した「All India Radio」をこの名称にするように求めたが、独立運動を警戒していた英国はこれを認めなかった。インドでは1997年の政令では一般名称としては「Akashvani」を使わないとしていたが、今回これを全面的に改めた。元記事はhttps://thewire.in/government/all-india-radio-akashvani-diktatを参照。
 5月7日現在の実施状況は次のようになっている。➀New Delhiから5分間国内向に行われているニュースでは全面的に「Akashvani」に改められた、②Jowai、 Meghalayaなどの小さな放送局は「All India Radio」と言っている、③海外向放送の内、ペルシャ語、バルチ語は「Akashvani」に改名、その他は「All India Radio」のままである、④南部タミルナードゥ州(ヒンズー教だがタミール人が多い)ではこの改名に反対しており「All India Radio」を継続使用している。(WORIG 5/3 5/7)

もうこのロゴも使用されなくなる?


◎Pop Shop RadioがWoofferton送信所より高出力短波放送 3版新規
 
インドのAlokesh Gupta氏によると、カナダのPop Shop Radioは2023年5月13日(土9の14:00-15:00に英国Woofferton送信所より高出力短波送信を行う。周波数は12005kHz(250kW 300°)で、北米・南太平洋向である。受信報告に対してはホログラム入りの特別QSLカードが発行される。(WORIG 5/7)

◎Radio Andorra Revival 5月8日に70周年記念放送 2版新規

 フランスのChristian Ghibaudo氏によると、Radio Andorra Revivalが来る2023年5月8日の01:00-03:00に3985kHzにて放送開始70周年記念の特別放送を行う。出演は1977年に同局で仕事をしていたDavid Gérard氏で番組はToulouseで制作された。同氏が持っている当時の録音等で70年の歴史を振り返る。(WORIG 5/5) ドイツKall送信所1kW。

◎チェコのRadio Dechovkaがチェコ放送開始100周年記念放送 2版新規
 英国のMike Terry氏がMW DX Club Facebookよりの情報として伝えたところによると、チェコのRadio Dechovkaは同国でのラジオ放送開始100年を記念して、伝統あるプラハのZbraslav送信所より復古周波数1233kHzで2023年5月18日の19:00より24時間の特別放送を実施する。受信報告には特別QSLを発行する。(WORIG 5/5) 1233kHz(40kW)はかってCesky Rozhlasが使用していた伝統ある周波数です。同局はプラハを拠点とするフォーク音楽専門の民間放送局で、通常は中波の792、1260kHz(10kW)及びFM96.8MHzなどで放送しています。メルアドは<studio @ radiodechovka.cz>、宛先はOrtenovo náměstí 1571/15a,170, 00 Praha 7, Czechia。



◎AFN沖縄の中波648KHz停波 ~6月まで 
2版新規
 
英国のMike Terry氏が、2023年4月26日付の「Stars & Stripes」紙の報道として伝えたところによると、AFN沖縄の中波放送648kHz(Surf 648)は2023年3月21日にアンテナ支柱を支えるワイヤーが断線停波している。AFNのスポークスマンJohn Clearwater氏によれば、現在修理チームが復旧に当たっており6月までには送信を回復する見込みである。AFN沖縄の送信所は北谷(ちゃたん)町Camp FosterのPlaza Housing地域内にあり、1945年5月17日以来送信を行ってきた。それまでは音楽中心のFM放送89.1MHz(Wave 89.1)や携帯アプリ「AFN GO」で聴いて欲しいとのことである。(Arctic Radio Club mv-eko May 2 via WORIG 5/2)

◎Radio Northern Europe International日本向放送は5月6日実施 2版新規
 
4月29日には不発に終わったRadio Northern Europe Internationalの日本向特別放送は、2023年5月6日(土)の18:25-18:55に9900kHz(台湾褒忠送信所 100kW 45°)で実施されることになった。(RNEI Rose氏 5/4) 今回は日本語が聞けました、最後にはデータ送信もありました。

◎欧州議会の放送Europarl Radioが特別短波放送 2版新規
 ベルギーにある欧州議会の放送Europarl Radioが短波でBrussels及びStrasbourgからの特別放送を以下の期日に短波で実施する。
 5月6日(土) 18:00-19:00
 5月10日(水)  02:00-03:00
 5月13日(土)  18:00-19:00
 周波数は6070、9670kHz(Channel 292 Rohrbach送信所 10kW)である。言語は英語を含む多国語。3回の放送についてそれぞれ異なった種類のeQSLを発行する。受信報告の宛先は<QSL @ europarl.europa.eu>。リモートSDRでの受信に対しても発行する。(HCDX 5/4)


◎Welle 370が高出力送信試験 2版新規
 
ドイツのMichaelBethge氏によると、同国のWelle 370は従来毎月第一日曜日19:00-20:00にオーストリアMoosbrunn送信所より6140kHz(100KW)で高出力送信を行っているが、今後周波数を増やすことを計画しており2023年5月7日に6140kHzに加えてNauen送信所より6095kHz(100kW)でも試験的に送信する。受信報告を歓迎する、宛先は <welle370 @ funkerberg.de>である。(WWDXC TP 1540)

◎Radio JoystickはA23より送信所を変更 2版新規
 ドイツのBernd Seiser氏及びHansjoerg Biener博士によると、同国のRadio JoystickはB22にはブルガリアKostinbrod送信所より11935kHz(100kW)で送信していたが、送信が遅れて始まったり、音質が悪い等のトラブルが続いたため、A23より送信所をオーストリアMoosbrunnに変更した。現在は毎月第一日曜日の19:00-20:00に7330kHz(100kW)で放送中である。(WWDXC TP 1540) 次回以降は5/7、6/4、7/2、8/6、9/3となります。

◎TV-FM受信ガイド2023年PDF版配布
 
VHF-DX専門のサークルJapan V・UHF DXers Circle(JVUDXC)では、毎年、前年の受信結果をまとめた「TV-FM 受信ガイド」シリーズを発行している。冊子での発行は2011年で停止しており、2012年以降はPDF版のみ発行となっており、一般へのVHF-DXの普及を目的に、会員以外にも無償で配布している。従来一般向け配布は受信編のみで、資料編は会員特典としていたが、2022年はJVUDXC発足40周年記念事業として、会員限定である資料編も会員外に無償配布した。これが好評だったことから、2023年度も引き続き会員外にも資料編を無償配布することとした。入手を希望者は下記のストレージサービスのサイトからダウンロードすることができる。ダウンロードのパスワードには当サークルの略称6文字を小文字で入力する。https://firestorage.jp/download/1ff96d9bc894f49ca69dbee8f8a8042b2d87e131。(Japan V・UHF DXers Circle事務局 4/30 via「VHF-DX blog」《https://fmdx.blog.fc2.com/》)

◎小田原で臨時防災FM局2日間だけ運用
 
小田原市の小田原城址公園内二の丸広場「小田原オープンマルシェ」で開催されている「臨時防災FM展」の一環として2023年5月3日・4日の2日間、11:00-16:00に89.2MHzで特別FM放送が実施される。地元コミュニティ局「FMおだわら」(〒250-8555 小田原市荻窪300)、とJCBAインターネットサイマルラジオが共同で運用する。2023年4月28日に総務省より正式に発表された。出力、送信所は不明。「FMおだわら」は通常のCFM放送(87.9MHz)にはQSLを発行しておらず、今回の特別放送に関するポリシーは不明である。(JSWC 小林浩氏)

◎WRTHがwebアプリ利用権を提供開始

 World Radio TV Handbookではブラウザーを経由してオンラインで内容を閲覧できるwebアプリ利用権の提供を開始した。特徴としては次の諸点がある。①国内向放送、国際放送、周波数リストについて常に最新のものにアクセスできる、②ユーザーからのリクエストに応じてWRTH通常版に掲載されていないコンタクト情報(宛先、URL、SNS、その他)を提供する、③機能やデータの追加を常時行う。2023年版Webアプリ利用権は2024年3月31日まで有効で、その後は更新されたデータにはアクセスできないがそれ以前のデータは参照できる。
 アプリ利用権のみの価格は€24.90、US$24.90、£29.90だが、既に冊子版のWRTH2023を購入している場合は€10.00、US$10.00、£10.00である。また冊子版と同時購入する場合は送料別で€49.90、US$49.90、£54.90である。
 既に冊子版を購入しIDとパスワードを登録してある場合はhttps://app.radiodatacenter.net/、冊子版と同時に利用権購入する場合は https://shop.radiodatacenter.net/product/wrth-2023-bundle/より購入手続きができる。質問は<glorenz @ radiodatacenter.com>、<sales @ radiodatacenter.com>または電話+49 8161 496296で受付ける。(Radio Data Center) webアプリなので機種と関係なく動く筈です。アプリ利用権のみの購入はhttps://shop.radiodatacenter.net/product/wrth-web-app/、詳しくはhttps://wrth.info/web-app/を参照して下さい。

スマホ上でのWRTHアプリ画面(WRTH発表)


◎強力な磁気嵐が発生 ~短波帯が一時利用不能に
 英国のMike Terry氏らによると、太陽面に巨大なフレアが発生し、それに伴う強力な磁気嵐(G4クラス)が地球に到来している。4月23-24日にかけてその影響で米国各地や欧州、中国の中緯度帯でオーロラが観測された。また空間波が吸収され短波通信が全くできなくなる状況が発生した。太陽活動に関してはhttps://spaceweather.comを参照のこと。(WORIG 4/24)  
   米国海洋大気庁(NOAA:National Oceanic & Atmospheric Administration)の発表では2023年4月21日に太陽上に大きなフレアが発生し、プラズマが時速200万マイルのスピードで地球に向かい4月23日午後(日本時間)に地球に到達したものである。このような激しい磁気嵐はサイクル25が2019年に始まって以来3回目、2023年になってから2回目である。原記事はhttps://www.nesdis.noaa.gov/news/large-geomagnetic-storm-hits-earth。(WORIG 4/27)  アンテナや受信機が壊れたと慌てたBCLも多かった模様です。磁気嵐のクラスはG5が最大でG3以上で短波放送に影響が出るとされています。


◎Texas Radio ShortwaveがRadio Northern Starを中継
 米国のTerry Colgan氏によると、米国のTexas Radio Shortwaveが2023年5月14日の09:00-10:00にノルウェーのRadio Northen Star(通常は5895kHz 35Wで24時間放送)を5950kHz(WRMI Okeechobee送信所)で中継することになった。この放送に対してTexas Radio Shortwaveは特別QSLカードを発行する。宛先は< texasradiosw @ gmail.com>。(WORIG 4/21)

◎WRTH A23サプリメント第3版・第4版発行
 フィンランドのMauno Ritola氏によると、ドイツRadio Data CenterからWRTH A23サプリメントの第3版が発表された。pdf形式でhttps://wrth.info/ainternational-summer-schedules-update/よりダウンロードできる。VOAの「Focus Sahel」などのスケジュールが更新されている。(WORIG 4/24)
   更に4月26日には第4版が発行された。URLはhttps://wrth.info/wp-content/uploads/2023/04/WRTH23_INT_Summer-4.pdf。(茶木直之氏)

◎2023年までのトロピカルバンド局の状況
 デンマークのAnker Petersen氏は1973年以来Tropical Bands Surveyに記載された2200-5800kHz間の国内向放送局数の統計を発表している。2023年の総局数は66局で、1973年に比べて94%減少している。2022にも66局であったので、下がり方は横這いである。インドAIRの殆ど全部の局が閉局しており、バンド内は中国局だらけとなっている。短波放送設備が老朽化した場合に、新たに設備を調達するより他のメディアに乗り換えた方が安易と考えられているのがその理由である。
 1973-2023年の推移は以下の通り。秘密局及び海賊局は含まれていない。局数は周波数ベース。
地域 1973年 1985年 1997年 2009年 2023年
アフリカ中部 102 76 40 18 1
アフリカ南部 57 39 33 20 4
中東 9 4 1 0 0
インド亜大陸 62 45 45 29 1
東南アジア 40 29 21 4 2
インドネシア 171 105 65 13 2
中国・台湾・モンゴル 119 110 75 32 19
旧ソ連諸国 61 59 47 7 2
極東 38 28 28 9 6
パプアニューギニア 17 20 20 15 0
豪州・太平洋地域 10 4 13 8 10
中央アメリカ・メキシコ 21 23 24 5 0
カリブ海地域 29 3 3 2 3
南米北西部 98 41 19 3 1
エクアドル 47 33 22 5 0
ペルー 78 69 78 28 6
ボリビア 35 42 25 14 1
ブラジル 107 87 67 35 7
南米南部 5 2 1 0 1
合計 1106 819 627 247 66
残存率 100 74 57 22 6

 2022年に閉局が確認された短波局は以下の通りである。
 2325 400W Station X, Wee Waa, NSW Australia 7月
 4885 5kW Radio Difusora Acreana, Rio Branco, Brazil 1月
 4895 10kW Mongolian Radio, Moron, Mongolia 3月
 4925 5kW Radio Educacao Rural, Tefe, Brazil 6月
 5310 15kW Radio Sadaye Zindagi, Kyrigystan 3月
(DSWCI) 2325kHzのStation Xについては再開の動きがあります(後述記事参照)。20世紀には「地域別DXing」や「国別DXing」の重要性が強調されたこともありましたが、21世紀になり不可能になって来ていることが分かります。

◎チェコ最大のラジオ鉄塔保存
英国のDave Kenny氏によると、チェコCesky Brod近郊のLiblice送信所にある中波鉄塔Bが撤去を免れることになった。旧態に戻して文化財として保存する計画に基づく。この中波鉄塔は355mとチェコで最も高く、国内向放送Cesky Rozhlas 2が2021年12月31日まで639kHzで送信されていた。Tesla社製750kW送信機2基を結合し1500kWの高出力を誇っていた。送信機は送信停止直後に撤去解体されているため、旧態に戻すためにはそれに代わるものを持ってくる必要がある。(BDXC "Communication" #581 via WWDXC TP 1537)

◎ロシアの中波局はこれだけ
2023年3月現中波で放送しているロシア局は以下の局である。
 Vesti FM 24H 1413 500kW Mayak モルドバPridnesrovie送信所
 Radio Russii 24H 999kHz 1000kW Mayak モルドバPridnesrovie送信所
         17:00-23:00頃 1143 150kW Bolshakovo送信所(Kaliningrad)
         20:45-22:00頃 1089 1200kW Oktyabrsky送信所(Karasnoyarsk)
         17:00-18:30頃 549 70kW Bolshakovo送信所(Kaliningrad)
    Radio Radnezh 01:00-06:00 684 10kW Olgino送信所(St.Petersburg)
 Radio Maria 14:00-06:00 1053 10kW Olgino送信所(St.Petersburg)
 Radio "Chistaya Volna"  24H 1584 300W Bolshakovo送信所(Kaliningrad)
    Radio "Vostok Rossii" 06:00-21:00 765 5-20kW Khabarovsk地方各地の送信所
(RUS-DX #1231 4/2 via WORIG 4/3)

◎ロシア語放送のA23スケジュール
 Igor Yaremenko編集の世界各国のロシア語放送のA23スケジュールがNovosibirsk DXクラブのHPに掲載されている。
 http://www.novosibdx.info/schedules.html
(RUS-DX #1231 4/2 via WORIG 4/3) ロシア及びロシア以外の中波・短波局で行われているロシア語放送が網羅されています。ロシア語。

◎大連地区ラジオ放送の動き
 中国遼寧省大連の大連広播電視台では2023年4月1日より放送の呼称変更が以下の様に行われた。
  大連総合広播(103.3MHz) →  新聞総合広播、大連財経広播(93.1MHz) → 老友之声広播。
  大連財経広播の中心周波数であった1152kHz("AM1152", 新城送信所 10kW)は2022年7月に停波し、その後再開されていない。
  大連広播電視台と旅順広播電視台が共同で立ち上げた「大連新城郷広播」は95.6MHzと1575kHzで行われていた放送を2022年7月1日で停止し、一部番組は大連少児広播(106.7MHz)に受け継がれ、周波数95.6MHzは旅順広播電視台綜合広播が使用することとなり、1575kHz(社区送信所 2kW)は廃止された。
 2023年4月現在大連広播電視台は以下の様に放送している。
  新聞綜合広播 FM103.3MHz AM882kHz(大連北海岸のLNTS303送信所 50kW)
     老友之声広播 FM93.1MHz
     体育広播 FM105.7MHz
     交通広播 FM100.8MHz
     少児広播 FM106.7MHz(実際には音楽放送)
  都市之声 FM99.1MHz
(Cahcn自留地 4/6) 新聞綜合広播の番組はhttps://m.ximalaya.com/radio/2168でストリーミング放送されています。なおCahcn自留地は2023年2月23日以降中国国内ではブロックされており、中国国内で参照する場合は国内ネットを介さない方法をとる必要があります。



◎WINBがA23で大規模にDRM放送
 米国のGlenn Hauser氏によると、米国WINBはA23スケジュールで以下の様にDRM短波放送を実施することを発表した。送信所はRed Lion、出力は50kW、送信方向は欧州向62°。放送は英語。
 日曜 16:00-17:00 7330、月-金曜 16:00-18:00 9805、日曜 17:00-19:00 9805、土曜 16:30-18:00 13740、月-金曜 18:00-19:00 13740、土曜 16:00-16:30 13810、月-金曜 19:00-23:00 15720、月-金曜 23:00-24:00 15735、土曜 18:00-19:00 15750、月-金曜 15750。
(WORIG 4/5)

◎長波~4000kHz間の海岸局リスト発行
 長波~4000kHz間の世界の海岸局リスト「MEDIUMWAVE SHORTWAVE COASTAL FREQUENCY LIST」が2023年3月28日、英国の「Coast Radio UK」上で公開された。http://www.coastalradio.org.uk/freqlists/coastmf.pdfよりダウンロードすることができる。このサイトでは世界の海岸局の情報を提供している。(CIDX Messenger April 2023 via WORIG 4/6)  

◎Station X試験放送中
 オーストラリアのCraig Seager氏によると、2023年3月9日の19:20に、2325kHzにて同国ニューサウスウェールズ州Wee WaaにあるStation Xが試験放送を行っているのを確認した。(ARDXC April 2023 via WORIG 4/6)

◎Radio Veritas Asia管理団体で内紛 ~閉局騒動に
 Radio Veritas Asiaの管理団体「Federation of Asian Bishop's Conferences」は3月末にカトリック放送Radio Veritas Asiaの活動停止命令を出した。組織内の内紛によるもので、実際に放送を運営しているPhilippine Radio Educational and Information Centerはこの命令を無視して放送を継続している。人事的な紛争と布教のためのプラットフォーム(短波か新メディアか)が絡み複雑な様相を呈している。(WORIG 4/6)

◎オランダRadio Onda・Julio Radio情報 
 フランスのMichel Fremy氏によると、現在停波中のオランダのRadio Ondaは送信機の更新作業中であり2023年6月頃に6140、9530kHzで送信を再開する予定である。また同国のJulio Radioは41mb、300Wでの送信を計画中で試験電波を発射した。更に同局はどの周波数でも送信できる1kW送信機の部品を確保しており、これを組み立てて2024年の19または16mbでも放送を開始する予定である。(WORIG 4/10)

Radio Ondaの本拠地はベルギー


◎コロンビアEmisoras Campaña de Fuerza de Paz短波送信再開
 コロンビアのRafael Rodriguez氏によると、同国のEmisoras Campaña de Fuerza de Paz(在Lomalinda, Puerto Lleras)は過去5年間放送休止中であったが、2023年4月11日より1530、5910、6010kHzで放送を再開した。Rafael Rodriguez氏は同局のQSLマネージャーを務めているため、受信報告を<rafaelcoldx @ yahoo.com>に送付すればeQSLを発行する。(WORIG 4/10) 「Campaña de Fuerza de Paz」とは「平和維持力キャンペーン」という意味。

◎コロンビアの短波海賊局送信再開
 コロンビアのLucas Bandura氏によると、コロンビアの海賊短波局Organización Radial El Pradoは1ヵ月ほど送信を停止していたが、4月初めに6017kHzで送信を再開した。BonaireのKiwiSDRで確認したところでは08:00頃音質の悪い信号が確認出来た。(WORIG 4/10)

◎モスクワ地区のアマチュアがRadio Libertyを中継して逮捕
 ロシアでのRadio Libertyの受信は2022年3月以来禁止されているが、モスクワ近郊Lyubertsyのアマチュア無線家が自作の送信機から短波でRadio Libertyを中継しロシア連邦保安庁に逮捕され、「フェークニュース」を勝手に送信した罪で有罪宣告を受けた。(RUS-DX #1232 4/9 via WORIG 4/11)
 
◎ロシア極東ラジオ局の写真集
 ロシア極東及び東シベリアのラジオ放送局の写真20枚がhttps://vk.com/album-57714744_0上で公開されている。https://vk.com/album-57714744_0。(RUS-DX #1232 4/9 via WORIG 4/11)

◎Kuban送信所からRadio Sputnikが試験送信開始
ロシアのRadio Sputnikは、復活したKuban送信所(1089kHz 1200kW)から試験送信を開始した。この送信所からの放送に対する受信報告にはQSLマネージャーのAndrey氏<Andrey_hamradio @ mail.ru>よりeQSLが発行される。(RUS-DX #1232 4/9 via WORIG 4/11)

◎Hans Knot International Radio Report 2023年春版発行
 英国のMike Terry氏によると、欧州海賊局とその末裔局に関する最新の話題や過去の想い出をまとめた「Hans Knot International Radio Report」2023年春版が発行された。https://hansknot.com/。(WORIG 4/11)

◎World Music Radio/Radio 208の近況
 デンマークのYdun Ritz氏によると、World Music Radio(WMR)のStig Nielsen社長はfacebookで同局の近況について次のように語った。WMRは2023年4月12日よりここ数ヶ月間10Wで運用していた15700kHz用に新たな300W送信機の使用を開始した。当初は24時間連続で試験送信を行うが4月第3週より原則土・日曜のみの放送となる。但しリスナーからリクエストがあれば平日でも送信を行うことがある。試験送信の結果は良好でKiwiSDRで調査したところ南アフリカ、ケニヤ、アルゼンチン、ブラジル、ボネール、米国、アイスランド、ロシア、アイルランド、欧州各地、中東、豪州、ニュージーランドで受信できる事が分かった。アンテナは南方向にビームのある3素子八木アンテナである。他の周波数の927(150W)、5930(100W)、25800(60W)では24時間放送を実施中である。
 また姉妹局であるRadio 208の方は5070kHzで従来の75W送信機を既に新規の300W送信機に置き換えて放送中である。送信が停止した時間もあったが、4月13日19:00よりは出力を200Wに落として安定送信を実現する。将来5970kHz用のダイポールアンテナを改善して300Wに戻して送信する計画である。1440kHzはアンテナの不具合で当面20-30W程度の出力しか出ない状況だが、数週間の内に改善し500Wで送信できるようにする予定である。最終的にはCopenhagenでの受信状況を改善するために双方共に新規アンテナに切換え、24時間放送を実現したいと思っている。(WORIG 4/13) 受信可能地域に極東は入っていません。WMRのストリーミング放送はhttps://radio.garden/listen/world-music-radio-classic-am-927/g27WAsrYで聞くことができます。

◎太陽活動超強力 ~20MHz以上に注目
 ドイツのJoerg Kringenfuss氏によると、2023年1月末~2月初旬には相対太陽黒点数が200を越え20MHz以上の周波数帯でも充分な伝搬が期待できるようになった。今後もこの傾向が続き2025年前半までの間に最大値になると期待されている。(WWDXC TP 1538) 放送局は減少していますがユーティリティー局も狙い目としています。強力すぎることによる磁気嵐や放射線の影響も心配ですが。

◎USAGMの2022年報告書公表
 インドのAlokesh Gupta氏によると、米国USAGMは「2022 Annual Report」を公表した。https://www.usagm.gov/wp-content/uploads/2023/04/USAGM_AR2022_04-12-23.pdf。(WORIG 4/14) 全49ページ。米国に敵対的な国に対する放送内容の充実に関する記述が大半です。短波放送についての言及は見当たらないようです。

USAGM 2022 Annual Reportの表紙 下部に局名が並んでいる 携帯電話での聴取に主眼が置かれていることがわかる


◎VOA Museumが今年もでデイトン・ハムベンションに合わせて特別開館
 米国のScott Blixt氏によると、米国国立VOA Museum of Broadcastingは、2023年のDayton Hamventionに合わせて、West Chester Amateur Radio Associationの協力で特別開館を行う。開館は現地時間(米国東部標準時夏時間)の2023年5/18 13:00-21:00、5/19 13:00-21:00、5/20 12:00-21:00、5/21 12:00-17:00である。入場料はUS$10.00。West Chester Amateur Radio Associationは特別アマチュア局WC8VOAの運用をこの期間行う。Hamvenbtionの会場からはInterstate 75またはRoute 42で到達することができる(住所は8070 Tylersville Road, West Chester, Ohio)。アマチュア無線及び短波設備の部屋で、八重洲、アイコム、Elecraft社製最新機器の特別展も行う。詳しくはhttp://voamuseum.org、またはhttp://wc8voa.orgを参照のこと。博物館の電話は+1 513 777 0027である。なお通常の開館は土曜・日曜の13:00-16:00である。(WORIG 4/15)

◎ベトナムの54-68MHzバンド
 ベトナムの地方部や農村部にはラウドスピーカーでその地域向けに一日中広告、音楽、情報を放送する仕組みがあり、現在は無線で音声をスタジオからラウドスピーカーまで届けている。その無線には低出力のFM放送が使用されており、周波数帯は一般のFM放送と同じ87.5-108MHzが使用されてきた。このようなラウドスピーカー向のFM放送を現地では「草の根放送(Basic Radio)」と呼んでいる。昨今ベトナムでもFM放送局が増加し、更に隣国中国からは大電力のFM放送が越境するようになり、「Basic Radio」は混信に悩まされることになり、中国の放送が流れてしまったこともある( 2016年の「Danag Today」の記事https://baodanang.vn/english/society/201607/local-radio-station-not-being-disturbed-by-chinese-broadcast-2500134/参照)。
 ベトナム政府は解決策としてFM放送バンドを使っている「Basic Radio」に混信を生じる場合には54-68MHzの周波数帯に移っても良いことにした。この周波数帯はアナログTV放送が使用していたが、デジタル移行で使用されなくなることから2013年に政令(QQVN70)が発布され「FM放送技術を使用する無線局は54-68MHzを使用できる」ことになったからである。2020年に同国のアナログTV放送が終了したことに伴い、この周波数帯は空きバンドとなったため、ベトナム政府は2025年のFM局一斉免許更新に際して「草の根放送」はすべてこの周波数帯に移行させることにしているようである。現在既に移行が進められている模様で、スポラディックE層出現時や太陽黒点活発化によるF2伝搬で日本でもこの周波数帯で「草の根放送」が受信できることが報告されている。その詳細や関連資料が「DXing BBS」(https://dxingbbs1548.bbs.fc2.com/)、「VHF-DX blog」 (https://fmdx.blog.fc2.com/blog-entry-2797.html)に掲載されている。(赤林)

◎コロンビアで放送局ネットワークにサイバー攻撃
 コロンビアのRafael Rodríguez氏によると、同国のCaracol Radio Networkが2023年4月14日朝、局の各システムやプラットフォームにサイバー攻撃を受けた。攻撃元は現在のところ不明。この攻撃で同ネットワークのプラットフォームの一部が一時利用できなくなったが、同日中に復旧した。影響を受けたのは同ネットワークに属するW Radio、 Tropicana、Caracol Radio、Bésame、Radioacktiva、Los 40 Urban、Los 40の各局と同ネットワークのデジタルサービスであった。攻撃は特にコマーシャル、番組内容、デジタル画面、ストリーミング放送に集中した。(ARC mv-eko 4/17 via WORIG 4/18)

◎Radio Six Internationalが放送開始60周年記念放送
 英国スコットランドのRadio Six InternationalのTony Currie氏によると同局は2023年6月6日に放送開始60周年を迎える。1963年の同日にAyrshireのArdrossan海岸にある家の屋根裏に集まって独自の放送を開始した、有線放送で下の階のスピーカーを鳴らしただけだった。この放送はその後幾多の困難を乗り越えて存続し、現在はインターネット上で24時間放送を行い、208ヵ国にリスナーがいる。またFM、中波、短波でも世界30の放送局から放送されている。番組内容は世界中の個人パフォーマーから提供された音楽で、週末には30人の音楽専門家チームによる特別音楽番組を放送している。現在Inner Hebrides諸島のLismore島に本拠地を置いている。2023年6月6日の開局60周年には、制作者全員による記念番組が以下の局から放送される。
 24H(6/6 09:00-6/7 08:59)
    Channel 292 9670kHz (Röhrbach送信所)
    New Zealand FM局 88.2MHz 107.6MHz
 インターネット http://www.radiosix.com
    6/7 04:00-06:00 Nexus-IBA 1323kHz (Milano送信所)
   受信報告を歓迎する、宛先は<letters @ radiosix.com>(放送中も歓迎)、S-mail(返信料€1または$1が必要)ではPort Ramsay, Isle of Lismore, Argyll, PA34 5UN, Scotland, U.K.である。
(WORIG 4/19)



◎NASB総会は大西洋バハマ・クルーズ船上で「短波クルーズ」
 NASB(National Association of Shortwave Broadcasters)の2023年総会は大西洋バハマ・クルーズ船上で開催される。期日は2023年12月1-4日、会場はホスト局WRMIのあるMiamiからバハマのOcean Cayまでを往復するクルーズ船「MSC Magnifica」の船上である。総会への参加は無料だが、4日間の乗船料として2人船室の場合1人$229(+入港税$75)、1人船室の場合$412(+入港税$75)が必要である。予約期限は2023年9月1日だが、確実に船室を確保するために予約金$100を支払って7月1日までに予約するのが望ましい。詳しくはhttps://shortwave.org/index.php/annual-meeting-info/を参照のこと。(NASB) Ocean Cayはフロリダ半島とバハマ本島間の大西洋上にある人工の島でリゾート地となっている。

「短波クルーズ」参加を呼びかけるポスター


◎欧州海賊局アドレス集公表
 数百に及ぶ欧州海賊局の連絡先(宛先、メルアドなど)を集めた2023年版欧州海賊局アドレス集が公表されている。https://ukdxer.webs.com/addressesより参照できる。(スペインAER via WORIG 4/20)

◎故Arnie Coro氏の著作公開
 米国のGlenn Hauser氏は同国のDavid Crawford氏が提供した、キューバ故Arnie Coro氏の著作「La guerra radial de Estados Unidos contra Cuba」(「米国の対キューバ電波戦」、スペイン語、1984年)のpdf版を公開している。https://www.w4uvh.net/Coro1984.pdf。この著書の中でCoro氏は1937年にHavanaで締結されたNARBA(Northe American Regional Broadcasting Agreement、北米各国の中波帯利用プランに関する取り決め)について米国本位でキューバに対して不公平であったとの見解も示している。(WORIG 4/21)



◎2023 Madison-Milwaukee Get-together for DXers and Radio Enthusiasts
 米国のRich D'Angelo氏によると、IRCA主催のBCLの会合「2023 Madison-Milwaukee Get-together for DXers and Radio Enthusiasts」が2023年8月19日の現地時間13:00-21:30にWilliam G Lunney Lake Farm Park(4330 Libby Rd. Madison, Wi. 53711)の「Shelter 2」で開催されることになった。1994年から始まっており、今年で第29回目となる(2020年は新型コロナのため中止)。内容や参加の詳細は開催責任者のMark Taylor氏<markokpik @ gmail.com>に問い合わせること。 (WORIG 4/21)

◎Radio Senda Cristianaの公式スケジュール
 チリのMarcos Cox氏によると、ペルーの新局Radio Senda Cristiana(4820kHz)の公式スケジュールが同局のfacebookページ(https://facebook.com/profile.php?id=100091612698868)で公開されている。その内容は次の通りである。Radio Senda CristianaはCotahuasi送信所よりFM99.9MHzと短波4820kHzで放送している。放送時間はFMが現地時間16:30-21:00(日本時間06:30-11:00)、短波が16:00-22:00(同06:00-12:00)である。ケチュア語及びスペイン語で放送している。(WORIG 4/25) 短波では公式スケジュール以外の時間(日本時間の夕方)でも放送しているとの報告が多数寄せられています。

同局のロゴ スローガンは「QUANDO TU CAMINO HACIA CRISTO」(キリストへの道)


Agricultural Voices Syria
 ドイツのWolfgang Buseschel氏、フィンランドのMauno Ritola氏によると、国際的な「Radio for Relief Project」の一環として「Agricultural Voices Syria」が放送を開始した。
 月-金曜 4/24-5/7  12:00-12:30 Dhabbaya 11840 250kW 310° トルコ・シリア・クルディスタン向アラビア語
 月-金曜 5/8-6/17  12:00-12:30 Dhabbaya 11830 250kW 310° トルコ・シリア・クルディスタン向アラビア語
 放送を主催する団体は英国にありURLはhttps://agricultural-voices.sussex.ac.uk/である。
(WORIG 4/24 4/26) 連絡先は<agriculturalvoices @ gmail.com>。



◎インドAIRはFM放送強化に本腰 ~91中継局が一挙に開局
 英国のMike Cooper氏によると、インドのモディ首相は2023年4月27日より18州・2地域の84地区にAll India RadioのFM中継局91(各100W)が開局したと宣言した。特に重要な地区と国境地帯を中心に整備が行われた。この措置で3.5万平米の約2億人の人々に新たにFM電波が届くようになると期待されている。元記事はhttps://www.ptinews.com/news/national/pm-to-inaugurate-91-fm-radio-transmitters-in-84-districts/2/559061.html。(WORIG 4/27) 中波・短波のDRM化路線ではなく完全にFM化路線に舵を切ったものと思われます。


出典の略称
 
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle  



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