月刊短波2025年1月号
編集 赤林隆仁 時間 JST
謹 賀 新 年
◎HCJB日本語放送が恒例の「BCL新春対談」 2版新規
HCJB日本語放送は恒例の「BCL新春対談」の放送を2025年1月11日(第1回)、12日(第2回)に行う。JSWCの大武理事長と赤林氏が、昨年のBCL界の話題や今年の展望を対談で語る。この放送の受信報告に対してはHJCBとは別にJSWCからも2025年QSLカード(博多中州の風景)が発行される。JSWC宛の受信報告は、eQSL希望の場合<jswcqsl
@
live.jp>へ。印刷されたQSL希望の場合はSASE(110円の返信切手を貼った返信先所記入済の封筒)と発行経費分として110円切手1枚を同封の上〒248-8691
鎌倉郵便局私書箱 44号 JSWC QSL 係に送付する。名にはローマ字での読み方を併記して欲しい。(JSWC) 07:30-08:00 17650kHz
再放送 20:00-20:30 11905kHz。
◎パラオHope Radioが試験放送 2版新規
インドのJose Jacob氏によると、パラオのHope
Radio(T8WH)は月-金曜の19:55-21:00に9930kHzで試験放送を行っている。https://www.hoperadio.net/reception#onlineより受信報告を送るように求めている。eQSLがすぐに送られてくる。(WORIG
1/2)
◎Marconi Radio Internationalが放送開始38周年記念放送 2版新規
スペインのManuel Méndez氏によれば、イタリアのMarconi Radio
Internationalは2025年1月4日が放送開始38周年に当たることから記念放送を同日の22:30-02:30に7400kHz(50W)と11390kHz(25W)で実施する。但し放送内容は記念番組ではなく通常の番組である。受信報告の宛先は<marconiradiointernational
@ gmail.com >。(WORIG 1/2)
◎VOA局長に強硬派のKari Lake氏指名
英国のMike
Cooper氏がReutersの報道として伝えたところによれば、トランプ次期大統領は2024年12月11日、VOAの次期局長にKari
Lake氏(女性)を指名した。Kari氏は元FOXニュースのキャスターで、11月のアリゾナ州の上院議員選挙で共和党から立候補し落選した同党内の強硬派である。「アメリカの自由を公正かつ正確に世界に伝えることができる人物である」というのがその指名理由である。Kari氏は2020年の大統領選挙が不正であったことを主張してきた強力なトランプ支持者である。(WORIG
12/11)
米国のGlenn Hauser氏がNew York
Timesの報道として伝えたところによると、VOAの局長は政権が代わったからといってすぐに交代できるできるものではない。連邦法では大統領にVOAの人事権はなく、議会の諮問委員会で局長を交代することができる。諮問委員会は大統領の所属政党から4名、その反対党から3名の計7名のメンバーで構成され、局長の選任には5名の賛成が必要である。すぐに局長に就任できるのは、現局長のMichael
Abramowitz氏(2024年4月就任)が辞任し、民主党委員が賛成票を投じた場合のみである。なおAbramowitz局長は現在のところ態度を表明していない。(WORIG
12/21) Kari
Lane氏は1969年生まれの55歳。新型コロナの際にワクチンやマスクを否定するなど地元での評判は芳しくなく、「アリゾナだけの問題が、世界の問題になる」と言われています。
Kari Lake氏 (Wikipediaより)
◎ルクセンブルグからの短波放送復活に ~ベルギーRadio Ondaが利用
ベルギーのMichel
Fremy氏によると、ルクセンブルグのJunglinster送信所からの短波送信が復活することになりそうである。ルクセンブルグはメディア担当相が同送信所を利用する同国以外の放送局を公募した。そのの結果現在ベルギーBrusselsに拠点のあるブラジル系ラジオ局Radio
Ondaのみが応募した。ルクセンブルグの担当官庁で現在精査中であるが、基本的には正式な短波の放送免許が交付される予定である。Radio OndaはONDA
ABSLによって経営されるベルギーの正式免許局(BrusselsでDAB+で放送中)であり、ベルギー当局に短波免許も申請していたが、ベルギーには短波放送に関する法律がなく、免許の交付が行われないため、今まで隣国オランダのQRP局に時間を借りて短波送信を行っていた。EU内の放送局は、国家や地方当局が承認すればEU内の他の国からも放送できることになっており、この制度を利用した。予定されている周波数は6140kHz
1kW、9530/15190/25830kHz
100Wである。同局ではこれにより正式に欧州全土をカバーエリアにすることを目的としている。現在1kW送信機購入資金を募っている。(NZ DX Times
magazine Dec 2024 via WWDXC TP 1600)
◎Anker Petersen氏死去続報
デンマークのStig Hartvig Nielsen氏によると、Anker
Petersen氏は1941年5月7日にデンマークのSoloに生まれ、1959年にSolo高校を卒業、デンマーク空軍に入り、2001年に上級少佐で退役した。1966年以来Udbyvejにあるバンガロー風の家で暮らしていた。BCLを始めたのは1957年8月で、すぐにDanish
Shortwave
Club(後のDSWCI)に入会し、1963-1981年と1981-2016(クラブ解散)までDSWCIの会長を務めた。この間DSWCIのメンバー数は増加し、最盛期には45か国800名の国際的クラブに成長した。1967年にはノルウェーのEllman
Ellingsen氏の薦めでEuropean DX
Councilを設立、同年6月7日には最初の総会を自宅で開催した。EDXCの総会には2017年まで毎年必ず出席していた。また同じ1967年Radio
DenmarkのDX番組「DX
Window」の制作にも携わったが、同局が英語放送を廃止しため短命に終わった。2024年9月2日、Herlevにある病院で83歳の生涯を閉じた。氏の遺体は9月18日にBallerupにあるSkovvejens
Kirkegård墓地の共同墓に埋葬された。氏は独身で子供がいなかったため、法定相続人は存在せず、Tuneに在住するいとこが唯一の身内であったが、いとこが氏の所有していた膨大なDX関連資料等の引き取り等を行わなかったため、これらは廃棄されてしまい、Skovlundeの自宅は既に空き家となっている。家を整理した業者はQSLカードのコレクションだけは有価値と判断してオークションサイトに出品したため、Dansk
DX Lytter
Klubのメンバーが気づいてすべてを買い戻した。これらはラジオ博物館に寄付されることになっている。氏には家族がいなかったため死去の事実は知らされることがなかったが、2024年10月23日の氏の遺産執行代理人であるコペンハーゲンの法律事務所が、ドイツ「Radio-Kurier」誌に連絡し、氏が購読していた同誌を解約したことで、その事実が知られることになった。原記事はhttp://www.dswci.org/news/obituary_anker_petersen.htmlを参照のこと。(ADDX
Radio-Kurier 12/2024 via WORIG 12/15) BCLの死後については生前から良く検討しておく必要があります。
◎謎のブザー局UVB-76は「終末放送局」?
ソ連時代から4625kHz(または6998kHz)で謎のブザー音を送出し続けているUVB-76については軍用レーダーらしいということが言われている。ロシア国内でモニターした結果では24時間放送されているが99.99%はブザー音である。時々人名の略称や暗号らしき単語(隠語)が送信される。今までの観測結果では重要な出来事の前には2つ以上の隠語が送信されることが分かっている。ロシアのウクライナ侵攻開始直前の2022年2月20日には「нжти」や「лесолед」(森の小径)という単語が送信され、その2日後には「нюхостих」(「鼻水」)、「неудержимый」(「止められない」)という単語が送信された。この局の目的には様々な意見があるが、この局は核弾頭の発射基地等に対し西側との間で核戦争が起きた時にロシアからの核弾頭発射を国内に伝えたり指令したりする(つまり人類に終末を伝える)、「終末放送局」(Радиостанция
Судного дня、Doomsday Radio
Station)ではないかと見られている。原記事はhttps://aif.ru/society/-radiostanciya-sudnogo-dnya-uvb-76-peredala-svyshe-20-zagadochnyh-soobshcheniy。(RUS-DX
#1321 via WORIG
12/22) 現在送信所はモスクワ南西70kmのНаро-Фоминскにある第69通信基地にあるとされています。通常の通信手段がすべて失われても短波だけは最後の手段として残ると見られます。
◎川口大助氏死去
1970年代のBCLブームの際に「Donkey」のニックネームで大活躍した川口大助氏(青森県在住)が2024年2月2日に死去したことが明らかになった。享年72歳。氏は東京の大学に通っていた1970年代前半にBCLの頭角を表し、折からの起こったBCLブームを先導する形でアクティブに活動した。1973年にはJSWCの会誌「SW
DX
Guide」のエディターを務めた。また発刊直後の「短波」誌にも記事を投稿した。大学卒業後郷里の青森県八戸市に帰り、市役所職員を経て地元で幼児教育に携わった。その後も「DX徒然草」などユニークな論評を発表していた。(赤林)八戸市の同市の実家では夕方になるとまだ明るいうちに中波北米局がガンガン入ってくるという恵まれたDX環境でした。ご冥福をお祈り致します。
◎自由北韓放送をNew York Timesが写真入りで報道
オーストラリアのMatt Francis氏によると、2024年12月1日付のNew York Timesは「A North Korean Voice That
Kim Jong-un Would Like to Silence」と題して韓国の対北放送である自由北韓放送(Free North Korea
Radio)についての記事を写真入りで掲載した。
https://www.nytimes.com/2024/12/02/world/asia/north-korea-radio-station-defector.html?unlocked_article_code=1.eU4.3v22.qTT3PKVcCdUs&smid=url-share。ちなみに同局の最新スケジュールは以下の通り。22:00-23:00
11510 05:00-06:00 7605/7620/7630の何れか。送信地はTashkent。(WORIG 12/1)
◎北朝鮮から中波でDRM信号
László
Tringer氏によると、北朝鮮が中波でDRM信号を出している。周波数は657(江南)、702(清津)、765(恵山)、801(花台)、819(平壌)、882(元山)、927(沙里院)、999(咸興)kHzで、IDは“A00001”、メッセージタイトルは「조선중앙제2라지오방송」(朝鮮中央第2ラジオ放送)と表示される。推測するに北朝鮮は中国製のDRM機能付送信機を購入、中国側ではDRMの初期モードでこのような表示がされるように設定してあったらしく、北朝鮮側の技術者がこのことを知らずに送信機の試験運転を行い、AM波のかわりに北朝鮮では使えないDRM波を発信してしまったらしい。(Mediumwave
Info. Dec 2024 via WORIG 12/3) 朝鮮中央放送に第2放送はありません。
◎Voz Evangelica Brazilが9990kHzに出現
米国のDan Robinson氏によると、ブラジルのVoz Evangelica
Brazilが09:30の終了前に9990kHzで受信された。クリスチャン音楽はノンストッップでかかっており、IDは出なかった。(WORIG 12/4)
この局はオンライン局でhttps://keepone.net/radio/k119828/webradio-voz-evangelica/esでストリーミング放送を行っています。近頃増加している海賊局がこれを中継した可能性もあります。
◎9970kHzにブラジル海賊局Rádio Casaが出現
米国のRon Howard氏によると、9970kHzにブラジル海賊局Rádio
Casaが出現した。サンパウロ州S. Bernardo do
CampoのリモートSDRで00:30過ぎに確認できた。英語・ポルトガル語のポップスが中心で、アナウンスは頻繁に出た。
別の情報によると、この局は最近増加しているコミュニティー型海賊局で、所在地はサンパウロ州Amparoである。2023年初めより24時間で放送中である。周波数は4005(5W)、5900(500W)、7455(350W)、8000(13W)kHzなどで出ていた。コールサインは8000kHzではZYW645と自称している。URLはhttps://radiocasa.net/。連絡先は<radiocasaam
@ gmail.com>で、受信報告に対してはeQSLが発行される。(WORIG 12/4)
◎BBC World Serviceに追加予算支出
英国で新たに選出された労働党政権は最初の予算でBBC World
Serviceに追加予算を割り当てた。同局ではかねてから敵対国による国際的なメディア活動の脅威や、混迷を深める世界情勢がもたらす課題に対応するため、政府に対して資金増額の必要性を訴えてきたが、政権が代わってこれが認められた。予算案にはその目的として「2025年から26年にかけて、BBC
World
Serviceに対する資金を増額し、既存の外国語サービスと、英国の世界的プレゼンスとソフトパワーを支援し、世界的に信頼されるメディアを提供するという使命を保護する」と記載されている。原記事はhttps://aib.org.uk/uk-budget-increases-bbc-world-service-funding/。(AIB
Media Briefing items, Dec via WORIG 12/5)
◎Radio Northern Starが一時放送休止~送信機更新
英国のMike Barraclough氏によれば、ノルウェイRadio Northern
StarのSvenn
Martinsenは2024年12月3日、facebook上で同局の現状について次のように報告した。現在5985kHzの短波放送は休止状態である。送信棟の建物で頻繁に過電流による停電が発生しその対策に追われているからである。FM放送も同様の状況で、現在5Gの携帯電話放送のみの状態である。しかしまもなく送信出力が10倍の新送信機から短波送信を再開できる見込みである。送信機は部品が到着しており、すみやかに組み立てと調整を行うことにしている。またその後中波放送も復活も目指している。(WORIG
12/5)
ノルウェーのRadio Northern
Starはこのほど送信機を更新して以前と同じ5895kHzで出ている。既に地元ノルウェーの他、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、オランダ、フランス、イタリア等から受信報告が届いている。(BDXC-NEWS
via WORIG 12/24)
◎Radio Australia85周年記念記事
オーストラリアのMatt
Francis氏によると、放送開始85周年を迎えたオーストラリアABCのRadio Australiaについてその歴史を振り返る記事「ABC Radio
Australia's 85 years of broadcasting to the
world」がABCのwebサイトに掲載された。筆者は同局の歴史についての本「Australia Calling: The ABC Radio
Australia Story」の著者Phil Kafcaloudes博士である。多くの写真とともにその役割を振り返る。Phil
Kafcaloudeshttps://www.abc.net.au/pacific/abc-radio-australia-85-years-of-broadcasting/104642892。(Australian
DX News Dec. via WORIG 12/6) Radio
Australiaの短波放送は消滅しましたが、太平洋地域に配信する目的で番組制作は続いています。
◎セントヘレナでSaint FMが復活
かつてRadio St.Helenaを主催したMike
Olsson氏が、その後継局として設立したコミュニティー局Saint
FMは同氏の死去により一時閉局していたが、2024年11月29日より放送を再開した。(BDXC Communication Dec. via WORIG
12/7)
周波数は91.1/93.1/95.1/106.7MHz。URLはhttp://www.saint.fm。同島にお立ち寄りの際は是非受信して見て下さい。
◎フィンランド「Arctic 252」の進捗状況
英国のAlan Roe氏、Tony Rogers氏によると、フィンランド計画中の面白長波局「Arctic
252」について、同国でオンライン放送を行っている「Laser558」が番組を提供すると発表した。https://laser558.live/arctic-252/を参照のこと。「Arctic
252」の設立人Matt
King氏が2024年11月20日に明らかにしたとことでは、11月中旬に長波送信機がInari送信所に届いき、252kHz、1kWで送信を行うように調整中だが、全体の予定は計画よりかなり遅れているとのことである。(BDXC
Communication Dec. via WORIG 12/7)
◎アルジェリアIfrikya FMのB24スケジュール
英国のDave Kanney氏によると、アリジェリアのIfrikya
FMのB24スケジュールは以下の通りだが、その通りでない場合もある。送信所はB:Béchar、O:Ouargla。
12:00-16:00 9500-B 9700-O
16;00-22:00 15160-O 17600-B
18:00-10:00 13640-B 13790-O
(BDXC Communication Dec. via WORIG 12/7)
◎Radio Kuwaitは2時間だけ放送
ドイツのWolfgang Bueschel氏が実測したところ、B24シーズンでRadio
Kuwaitの短波放送は16:00-19:00に7250kHzで行われているペルシャ語放送のみである。(BDXC Communication Dec. via
WORIG 12/7)
◎AWRがアフリカ向短波放送を再開~マダガスカルから
インドのJose Jacob氏によると、アジア向以外の短波放送を全廃した筈のAWR(Adventist
World
Radio)が、アフリカ向放送の一部を短波で再開した。MadagascarのTarata-Volonondry送信所(MGlobe)からの送信である。
12:00-13:00 6065 Madagscar 100kW アフリカ南東部向 マダガスカル語
23:00-24:00 6065 Madagscar 100kW アフリカ南東部向 マダガスカル語
(WORIG 12/7)
◎オーストラリアの3QRP局
米国のRon Howard氏は、オーストラリアHunter
ValleyにあるリモートSDRで以下の3QRP放送局を確認した。
VLK8K Shortwave Australia 4835kHz 19:00頃。
Radio 567 4970kHz 19:00頃。
Bay Islands Radio 5045kHz 19:00頃、但し放送していない日もある。
(WORIG 12/8)
◎ギリシア海賊局リスト発行
ギリシアのZacharias
Liangas氏は、「ギリシア海賊局リスト」を作成した。。マケドニアにある自宅で聞こえた範囲のものが掲載されている。https://app.box.com/s/bepgkwr5b6y1ts8mmg3bowblhz8h9k39。(SWB
12/8 via WORIG 12/8) 殆どが中波局ですが、短波は2局。Radio Mystery 5780kHz、Zeppelin 6290 /
6935-40kHz。
◎DX-FanzineのQSLリスト最新版
イタリアの無料DX雑誌DX-Fannzieは、最新の「QSLリスト」を発行した。現在QSLの取得実績のある放送局・ウイーティリティー局が国別に掲載され、受信報告の宛先も掲載されている。https://app.box.com/s/vb2wtlss6bolnqa7vbkq05h9rdcl7rvh。(SWB
12/8 via WORIG 12/8)
◎'Radio Broadcasting in Russian'
Handbook第37版発行
ロシアのAlexander Miatlikov氏によると、同国のSt. Petersburg DX
Clubより'Radio Broadcasting in Russian'
Handbook第37版が発行された。短波・中波・長波で行われているロシア語放送のB24スケジュールが掲載されている。内容は4部で構成されている。
一般情報:用語集、「外国の代理人」されたメディア一覧表、36版からの相違点
放送情報:33ヵ国52局のロシア語放送について、スケジュール・局の詳細情報
オンライン放送:19ヵ国23オンライン放送についてスケジュール・局の詳細情報
歴史記事:Trans World Radioの歴史について
体裁はA5版6ページ。pdf版で発行され、価格はUS$2.0、注文・送金方法については<dxspb @
nrec.spb.ru>のSt. Petersburg DX
Clubに問い合わせる。内容サンプルはhttps://www.novosibdx.info/images/sprav37.pdf、https://muromdx.ru/images/2024/radio-broadcasting-in-russian-b24-p36.webp、https://muromdx.ru/images/2024/radio-broadcasting-in-russian-b24-p37.webpを参照のこと。(WORIG
12/8)
◎ロシア系Radio Monte Carloがキプロスで放送開始
2024年12月1日キプロスのLimassolでRadio Monte
Carloが104.5MHzで放送を開始した。この放送はRussian Waveという2006年に設立されたロシア系メディアグループ(ロシア国営Russian
Media Group)が運営するもので、ポップス、ロック、ジャズ等を主に放送する。ロシア系「Radio Monte
Carlo」が放送されるのはロシア以外ではキプロスが最初である。原情報はhttps://rmg.ru/news/radio-monte-carlo-zazvuchalo-v-limasole。(RUS-DX
#1319 via WORIG 12/9) Radio Monte
Carlo(RMC)は当初はモナコの放送でしたが、現在欧州にはフランス系、イタリア系、ロシア系の3会社があり、ロシア系はロシア国営Russian Media
Groupに配下に入っており。Moscow(102.1MHz)他7都市で放送を行っています。なおキプロスにはMonte Carlo
Doualiyaというアラビア語で放送するフランス系の局があり中波で放送していましたが2013年頃放送を中止、Cape
Grecoにあった送信所はUSAGMの管理下入りRadio Sawaの送信用に使用されていましたが、2019年に廃止されました。
◎AWRのオンライン放送
ロシアのVladimir氏によると、米国AWR(Advenntist World
Radio)はhttps://awr.org/listen/上でオンライン放送を実施している。ストリーミング放送の他に、過去の放送等のpodcastもある。中にはロシア語(放送は2021年2月に廃止)のpodcastもある。(RUS-DX
#1319 via WORIG 12/9)
◎インドがOTHレーダーを導入か?
米国のKim
Elliott氏によると、インドはロシアから早期警戒OTHレーダーのシステムを購入することで合意した模様である。OTHレーダーは主にロシア、中国、米国が利用していたが、その戦列にインドが加わることになった。レーダー発射基地はKarnataka州のChitradurgaに設置される予定である。原記事はhttps://sundayguardianlive.com/news/india-may-acquire-advanced-russian-radar-system。(WORIG
12/10) OTHは「Over the
Horizon」のこと、短波帯の電波を使い敵のミサイル等の飛来を「水平線の向こう」(5000~6000km程度遠方)で感知するシステム。20世紀に当時のソ連が導入し、短波帯にパルス雑音をまき散らすことから「Russian
Woodpekker」とあだ名のついたBCLには悪名高いシステムです。インドはどの「敵」に使うのでしょうか?
◎現在のRadio Pravdaは「2代目」
ロシアのVasily Lazarev氏によると、今までロシア向にドイツChannel
292より放送していた「Radio Pravda」は、送信所をリトアニアSitkunaiに切替え1557kHzで放送している。ベラルーシのAlexander
Myadel氏によると、この「Radio Pravda」はウクライナ戦争勃発当時放送していた「Radio
Pravda」とは別局で番組内容も異なっている。最初の「ラヂオPravda」は寄付金だけで運営されていたため、長続きせず2023年5月に放送を停止した。現在の「Radio
Pravda」は2022年8月に設立された別局で正式には「Radio Pravda for Russia」と称している。(RUS-DX "1318 via
WWDXC TP 1600)
◎Kaliningradの中波局QSL発行代行継続
オランダのPeter Reuderink氏によると、Kaliningradで放送を開始したRadio
Rossii 1215kHzの受信報告に対してAndrey Molokov氏からQSLが代行発行されている。宛先は<andrey_hamradio @
mail.ru>。詳しくはhttps://petersdxcorner.nl/kaliningrad/qsl-radio-rossii-1215-khz/を参照のこと。(RUS-DX
#1318 via WWDXC TP 1600)
◎南アフリカにRadio Islam International
米国のRon Howard氏によると、南アフリカRadio Islam
InternationalがJohannesburgのリモートSDRで1548kHzにて受信された。同局はイスラム教布教を目的としたGautengのコミュティー放送局である。番組は英語で内容はコーラン朗読など。同局のURLはhttps://radioislam.org.za/。ストリーミング放送も行われている。(WWDXC
TP 1600)
◎オーストラリアでのラジオ聴取の状況
オーストラリアのMatt Francis氏によると、Australian Communications
and Media Authority
(ACMA):はこのほど同国でのラジオ放送聴取状況の調査結果を公表した。結果は以下の通りである。左(2017年)→右(2024年)
ラジオ放送全体の聴取率 85% → 65%
FM放送の聴取率 73% → 52%
AM放送の聴取率 35% → 20%
デジタルラジオ放送の聴取率 13% → 11%
インターネットラジオ放送(スマホアプリ含む)の聴取率 12% → 10%
(WORIG
12/11) どんなメディア形態でも減少しておりラジオを聴く習慣がなくなってきているといえます。他国でも同じでしょう。
◎Sydney-Hobart間ヨットレース2025年には短波不使用
Tecsun-Australiaによると、2025年初頭に行われる「Rolex Sydney to
Hobart Yacht
Race」には短波の気象通報が使用されないことになった。例年短波ラジオの保持が参加者に義務付けられていたが、今回は衛星電話とSMSに代替されることになった。(WORIG
12/12)
◎中国華藝広播公司が番組改変
中国華藝広播公司は1日の放送時間(12:15-24:00)は維持したまま、予告なしに音楽番組の時間を減らし朗読番組を増やしている。但し12:15の放送開始直後に行われているその日の番組予告では依然として以前のスケジュールを放送している。周波数はFM
107.1MHz(福州)、MW 873kHz(厦門)、SW 6185kHzである。
この局は1991年11月1日に設立され、当時正式に認可された中国本土初の放送会社である。所在地は海峡之声広播電台と同一であり、同局の国家への申請者が海峡之声広播電台となっている。(Cahcn的自留地
12/15)
◎慶陽交通広播が放送停止
甘粛省の慶陽交通広播(FM96.5MHz)が2024年12月11日の01:00を以て放送を停止した。停止の事前予告があり、FM95.2MHzの慶陽新聞綜合広播に吸収合体されとことが通告された。慶陽交通広播の停止は今回が2回目で、1回目は母体の慶陽広播電視台により約10年前に90.2MHzで開始されたが国家広播電視総局が認可せずすぐに廃止した経緯がある。現在の交通広播は2015年12月に正式認可を経て放送していたものである。廃止の理由は「上層部の命令でメディアの統合と発展の要求に適応するため」と説明されている。なお慶陽広播電視台ではTV放送も同日文体旅游チャンネルが廃止され、TV1チャンネル、ラジオ1系列のみの体制となった。(Cahcn的自留地
12/12)
◎Radio Russii中波放送の全容
Alexander Berezkin氏編集の「Radio Broadcasting in
Russian」Handbook B24版によると、Radio
Russii(URLはhttps://vgtrk.ru/radiorus)は現在以下の中波周波数を使用してロシア国外向にも放送を行っている。
東欧・バルト三国・ウクライナ向
16:00-17:00 549kHz 100kW Desantnoe
17:00-18:00
1143kHz 100kW Desantnoe
20:00-21:00
549kHz 600kW Desantnoe
23:00-24:00
549/1143kHz 100kW Desantnoe
01:00-02:00
1143kHz 100kW Desantnoe
ベラルーシ・モルドバ・ウクライナ向
01:00-05:30 999 1000kW Pridnestrovie
東欧・バルト三国・ウクライナ向
02:00-03:00 549 600kW
549kHz及び1143kHzは試験放送のため出ていない場合もある。549kHzの出力は100kWのこともあれば600kWのこともある。開始・終了時刻は目安である。(RUS-DX
#1320 via WORIG 12/15)
Desantnoe送信所はKaliningrad、Pridnestrovie送信所はMoldvaのドニエプロ川沿岸地域(ロシア地区)。高出力中波放送の再開目的は旧ソ連地域への影響力拡大であることがわかります。https://vgtrk.ru/radiorus上ではストリーミング放送も行われています。
◎モルドバPridnestrovie送信所からの中波送信
モルドバPridnestrovie送信所からの中波送信の2025年1月1日からのスケジュールは以下の通りである。
Radio Russii 999kHz 1000kW 21:00-06:00 06:00-10:00
Vesti FM 1413kHz 500kW
80°02:00-06:00 06:00-16:00
(RUS-DX #1320 via WORIG 12/15)
◎Channel 292が新たな局を中継
ドイツChannel 292は以下の新たな局も中継を行っている。定時放送ではRadio London
International、Little Emperors、Kolsch in die Welt、In The Groove、Nordic
Wave(2月より)。また臨時放送ではRadio Six、Gary Gordon Radio、Radio Marabu、SM Radio
Dessau、Ruqui Radio AM、Radio Waves International、Superclan
Radioを予定している。現在予備用も含めて送信機のソリッドステート化を進めているが、ソリッドステートの送信機は出力を出すと真空管式のものよりトラブルを起こしやすいためその対処に苦慮している。(RUS-DX
#1320 via WORIG 12/15)
◎Tony Rogers氏の周波数リスト
英国のTony
Rogers氏は詳細な周波数リストを作成・公開している。現在5.8-11MHzの3冊が公開されている。何れもB24対応の最新版で、12月1日にアップデートされている。
Shortwave Frequency List: 5.8-7 MHz
https://drive.google.com/file/d/17dYINLPyQBt99IsnheoLOtwK3Q0HVoZj/view
Shortwave Frequency List: 7-9 MHz
https://drive.google.com/file/d/13WQAUpG89a5WvzLYcTD_ktdmmn9uubZa/view
Shortwave Frequency List: 9-11 MHz
https://drive.google.com/file/d/1J8J9bbVBrrdI88hPWtqJEjjigfa1vAEL/view
(RUS-DX #1320 via WORIG 12/15)
◎WRMI Okeechobee送信所で変圧器が爆発 ~一時送信停止
2024年12月15日の13:15頃、WRMIのOkeechobee送信所で複数の変圧器が爆発し、一時送信が停止した。復旧作業が行われており詳しい原因は調査中だが、ハチの大群が隙間に入り込んだらしく、専門のハチ駆除業者が対応を行った。(WORIG
12/15)
◎Hans Knot International Radio Report最新版発行
英国のMike Terry氏によると、12月中旬に「Hans Knot International
Radio
Report」の最新版(2024年第7版)が発行された。欧州を中心とした海賊局の歴記事が中心。https://offshoreradio.info/wp-content/uploads/2024/12/hans-knot-int-radio-report-2024-07.pdf。(WORIG
12/15)
◎大湾区之声が香港での送信所を追加
中国の「大湾区之声」は香港での送信所を追加した。追加されたのは九竜坑山、青山の2送信所である。その結果同局の香港での送信所は以下の通りになる。
歌賦山 102.8MHz 3kW
金山 103.7MHz 100W
笔架山 104.4MHz 150W
飛鵝山 105.1MHz 1kW
九竜坑山 106.6MHz 500W
青山 106.8MHz 700W
南丫(ラマ)島 107.3MHz 500W
他の情報によれば以上の他に元朗374山中継所からも94.6MHzで放送が開始されているとのことであるが、この周波数は中国本土側の仏山綜合広播と混信する恐れがある。
(小林放送局 12/15) 何れも香港の他の放送局と共用の送信所で出力も同一である。
◎イスラエルIPBCの機能を大幅縮小に
米国のRon Howard氏が、Jewish
Pressの報道として伝えたところによると、イスラエルでは公共放送IBPC(KAN-Israel Public Broadcasting
Corporation)の廃止・解散が30年前から議論されているが、ついに通信大臣がその第一歩を踏み出した。通信大臣が最近打ち出した方針は以下の通りである。
①ニュース・時事問題を扱う部門を廃止する。
②アラビア語TV放送を廃止する。
③7系統あるラジオ放送は5系統に削減する。
④廃止した2系統のラジオ部門が使っていた周波数は商業放送に入札提供する。
➄IPBCが広告を流したり、広告したりすることを禁止する。
⑥予算は現在の8億NIS(約350億円)から5億NIS(約220億円)に約40%削減する。
⑦退職希望職員は公務員に優先登用する。
https://www.jewishpress.com/news/media/communications-minister-karhi-pushes-privatizing-israels-public-broadcaster/2024/12/19/。
(WORIG 12/19) 海外向放送の復活などとうてい望むべくもないようです。
◎ラオス国営放送のVientiane局中波復活!
スリランカのSarath Weerakoon氏によれば、Lao National
Radio・Vientiane局の中波放送が567kHzで復活した。確認されたのは2024年12月18日で、22:00の終了まで受信できた。終了の直前にラオス語のIDが2回繰り返して出た。(WORIG
12/19)
1998年に導入された米国Harris社製のDX-200・200kW送信機から出ていましたので、修理を行ったものと思われます。短波の6130kHzも復活すると面白いのですが。送信所は首都Vientianeの中心部から北に49kmの地点にあり、高さ277mのアンテナから送信されています。この送信所1カ所からの中波+短波で国土の90%をカバーしていました。
◎中国がDRM中波実用化試験 ~実質は対台湾ジャミング
2024年12月中旬中国の広東省中山市より1557kHzでDRM信号が終日発射されている。内容は中国音楽で、局名はDrm(GD_ZS)と表示されている。GDは広東省、ZSは中山のことである。情報によると同省の広州及び恵州からも同じ周波数で発射が計画されているという。1557kHzは台湾の台湾国際放送(RTI)が中国本土向放送に夜間使用している周波数であり、既に中国本土の多くの局がこれに対抗するために1557kHzで放送している。従って実質上は(更に強力な)ジャミングとして作用している。この中波DRMには北京の中国伝媒大学が開発した符号化ソフトと変調器が使用され、送信機は哈爾浜広播器材有限公司製GZ-G10K中波送信機を使用しているという。既にアンテナも含めてシステム化されているといわれる。
なお広東省の他雲南省、遼寧省、江蘇省などでも中波のDRM試験放送行われているとのことである。但し詳細は発表されていない。この内雲南省から出ているものは、名称「YUNNAN
Broadcast」、xHE-AACコード、ID:9FFF05で行われているという。
原情報はhttps://cahcn.github.io/posts/2024-12-19-1557khz-drm.htmlを参照のこと。(Cahcn的自留地
12/21)
RTIは雲林県口湖(コウフー)送信所より1557kHz(300kW)で、18:00-02:00に中国本土向中国語放送(20:00-21:00はKBS中国語放送の中継)を放送しています。
◎VOA South Sudan Focus
ドイツのHansjoerg Biener博士によると、VOAの南スーダン向放送「South Sudan
Focus」は2024年11月以降次のスケジュールで放送されている。放送は英語で火ー土曜のみ。
01:30-02:00 11850 Dhabbaya 250kW 235°13865 Woofferton
250kW 135°15180 Botswana 100kW 350°
各送信所からの信号には明確な時間差が認められる。
(WWDXC TP 1601)
◎BBC Cyprus中継局のスケジュール
英国のAlan Pennington氏によると、キプロスLimassolにあるBBC
Cyprus中継局は現在次のように放送している。周波数は639(アフリカ北東部向 200kW)、720kHz(中東向
200kW)、およびFM93.0MHz。キプロス国内のリモートSDRでモニターした。
毎日 15:00-16:30 15:00 アラビア語 15:30 英語 16:00 アラビア語
月-金 22:00-23:30 アラビア語
土・日 22:00-24:00 22:00 アラビア語 23:00 英語
月ー金 23:30-24:00 英語
毎日 00:00-03:00 00:00 アラビア語 00:30 英語 02:00 アラビア語 02:30
英語
火ー土 03:00-04:30 アラビア語
日・月 03:00-04:30 03:00 アラビア語 04:00 英語
ターゲットはシリア、ガザ、ヨルダン川西岸など。
(WWDXC TP 1601) 次の記事も参照のこと。
◎BBCがシリア向アラビア語放送を開始 ~Cyprus中継局より
シリア情勢の緊迫化に伴い、BBCはシリア向の新たなアラビア語放送「The Syrian radio
Network」を開始することを決めた。すべてキプロス中継局から下記の中波で放送される他にFM93.0Mhzでも放送される。
15:00-16:30 22:00-04:30
639kHz パレスチナ・エジプト方面向ビーム
720kHz シリア・イラク方面向ビーム
ドイツのKai Ludwig氏が12/13にモニターした結果ではまだ放送されておらず、11月発表のスケジュールで英語放送等が聞こえた。
BBCは12/17にhttps://www.bbc.com/mediacentre/2024/bbc-world-service-to-provide-people-of-syria-with-enhanced-services上で公式に発表した。
(Ydun's MW-Info 12/19 via WORIG 12/27)
◎米国WTWW局の送信機が故障
米国WWTW局のGeorge
McClintock氏が報告したところによると、同局では送信機#1内の高周波増幅部分が破損し、予備の高周波増幅器からトランジスターを取り出して補修した結果元に戻った。更に送信機#2では漏水によるショートが発生し一時送信が停止したが、12月末には復旧する予定である。(World
of Radio 12/20 via WWDXC TP 1601)
◎中国国際放送の位置づけ低下 ~CGTNの下部機関に
ウクライナのAlexander
Miatlikov氏が、ドイツのhttps://kurzwellenradio.wordpress.com/2024/12/23/status-china-radio-international-cri/からの報道として伝えたところによると、中国国際放送(CRI)は2018年以降独立した国有放送局としての地位を失い、ブランド名をCRIからもっと上部の組織のCGTN(China
Globa TV
Network:中国環球電視網)に変更するようになった。CRIの外国語HP上もCGTNへの置き換えが進められている。但し中国語のHP上にはCGTNのロゴがない。これは2018年3月に中国共産党中央委員会が出した「党と国家機関の改革」という文書に沿ったもので、中央電視台、中央人民広播電台(CNR)、中国国際広播電台(CRI)の組織は廃止するが当面内部的には元の名称を継続して使うという方針である。CRIの対外的な名称は当初「中国之声」(Voice
of
China)に変更すると決まっていたが、CNRの第一放送が同じ名称を使用していたため取りやめになったとされている。CRIドイツ語放送ではネット上ではCGTNのロゴが掲げられているが、短波放送の中では旧来通り「China
Radio International」とアナウンスしている。(WORIG
12/23) 「世界TV放送網CGTN」の付け足しのようなラジオ放送となったため、当然予算は削減されて行くと考えられます。米国政府のVOAに対する見方の同じようになってきたようです。
CRIの日本語HP 文頭はCGTNとなっておりCRIは左下方に表示 左上の世界各都市の気温表示に日本はない
◎Radio Kahuzi近況
米国のDan Robinson氏がコンゴの宗教局Radio
Kauhuziから受け取った情報によれば、同局が短波に復帰する道筋が見えてきた。非常に不安定(故障の原因になり易い)な現地の電力事情に対処するため、独自の太陽光発電設備が設置され、FM送信機への給電が開始された。短波送信機は復旧した場合も同様に給電する。(WORIG
12/23)
◎Listening to the Radio Magazine 12月号発行
スペインのYimber Gaviria氏によれば、スペイン初のBCL情報誌「Listening to
the Radio
Magazine」の2024年12月号が発行された。16ページで16アイテムの記事が掲載されている。pdf版は無料でhttp://drive.google.com/file/d/11G2FIZMzIF9WrKqABW8ki7E3NknoM2S8/view?usp=drivesdkより入手できる。(WORIG
12/22)
◎ロシア局Radio Vostokについて
ロシアのAlexander Berezkin氏が「Radio Broadcasting in
Russian」Handbook B24版に掲載した情報によると、極東ハバロススク地方で放送中のRadio
Vostokは次の送信所から06:00-21:00にすべて765kHzで放送されている。
Berezovy (5 kW)、Bikin (5kW)、Bogorodskoye
(5kW)、Vyazemsky(5kW)、De-Kastri (5kW)、Komsomolsk-na-Amur (20kW)、Krasnoye
(5kW)、Troitskoye (5kW)、Khabarovsk (20kW)、Tsimmermanovka (5kW)、Chegdomyn
(5kW)、Yagodny (5kW)。
URLはhttps://www.vostoknews.ru及びhttps:/ra/diovostok.org。
(RUS-DX #1321 via WORIG 12/22)
◎厦門旅游広播が放送停止
2024年12月23日中国福建省の厦門広播電視集団(XRTG)はHP上で厦門旅游広播の廃止と、厦門交通経済広播も改名を発表した。内容は以下の通り。
国家広播電視総局(NRTA)の指示に基づき、厦門旅游広播(FM94.0MHz
AM1008kHz)の放送を2024年12月31日01:00で廃止する。厦門交通経済広播(FM107.0MHz
AM1278kHz)は2025年1月1日以降は名称を厦門交通旅游広播と変更し、従来の厦門旅游広播の番組内容の一部を引き継いで放送する。
廃止される厦門旅游広播は2008年8月に中波でのみ試験電波を発射し、その後FM周波数を追加して2011年1月1日に正式開局していた
この結果2025年1月1日以降の厦門広播電視集団のラジオ放送は以下の通りとなる。
厦門綜合広播 FM99.6MHz AM1107MHz
厦門交通旅游広播 FM107.0MHz AM1278kHz
厦門音楽広播 FM90.9MHz
廈門閩南之声広播 FM101.2MHz AM801kHz
(Cahcn的自留地 12/26)
◎福建省竜岩旅游之声も閉局
202412月26日、中国福建省の竜岩市融媒体中心(メディアセンター)は、竜岩旅游之声(FM94.6MHz)を2025年1月1日に廃止することを発表した。これは国家広播電視総局(NRTA)の方針に基づくもので、放送していた番組内容の一部はTV放送と竜岩綜合広播(FM92.5MHz)に引き継ぐ。放送を管轄する竜岩広播電視台は福建省で3番目の市の放送局だが、今回の削減でTV・ラジオともに1波のみとなった。発表されたのが同じ福建省の厦門広播電視集団の削減発表のわずか3日後である点が注目される。竜岩旅游之声は2009年11月に試験電波を発射した。最初は南部の市街区のみをカバーしていたが、その後は2市轄区・1県級市・4県を含む竜岩市全体をカバーするようになっていた。(Cahcn的自留地
12/27)
◎オランダ低電力中波局リスト
オランダの低電力中波局リストが以下のサイトで公開されている。https://babylona.home.xs4all.nl/pe9mj/indexLPAM.htm。(Arctic
Radio CLub mv-eko items Dec 27 via WORIG
12/27) 欧州ではFM化、DAB+化で主要国では中波バンドが空いてきているため、このような低出力の局が許可されるようになってきています。短波の「面白局」と同じのようです。
◎中国之声DRM試験放送最新スケジュール
2024年12月8日発表の中国之声DRM試験放送最新スケジュールは以下の通りである。
北京
10:00-18:00 13825 30kW 175°ID:0
19:00-01:00
6180 30kW 0°ID:3EA (不定期)
東方
07:00-02:00 21530 30kW 348°ID:3E8 (不定期)
10:00-18:00 17770 30kW 16°ID:27FA
昆明
10:00-13:00 15180 30kW 32°ID:3EB
13:00-17:00
17800 30kW 32°ID:3EB
17:00-20:00
15180 30kW 32°ID:3EB
斉斉哈爾
06:00-02:00 15760 30kW 225°ID:1 (不定期)
烏魯木斉
07:00-10:00 9655 30kW 98°ID:3EC
10:00-17:00 17830 30kW
98°ID:3EC
17:00-21:00 9655 30kW
98°ID:3EC
なお次の周波数はHFCC等には登録されているが現在のところ出ていない。
北京 6030 05:25-03:05 30kW 0°ID:3ED (火 15:00-18:00休止)
東方 11695 10:00-18:00 30kW 41°ID:3E8
斉斉哈爾 11990 13:00-18:00 30kW 225° ID:1
13710 18:00-21:00 30kW 203° ID:1
13850 09:00-13:00 30kW 225° ID:1
原文はhttps://cahcn.github.io/drm/参照のこと。(Cahcn的自留地 12/8)
◎ザンビアのVoice of Hope暴風雨による停電で一時停波
ザンビアVoice of HopeのRay
Robinson氏によると、同地では干ばつが続いていたが、2024年12月28日の午後、同局の送信所があるLusaka郊外を突如暴風雨が襲い、いくつかの電柱が倒壊した。そのため、送信所への電力供給が停止し、送信ができなくなった。電力会社(ZESCO)が電柱と配電線を修理するまで、残念ながら停波せざるを得ない。
(WORIG 12/29)
米国のRay
Robinson氏によると、2024年12月31日夜に同局の4965kHzが復活したのが確認された。なおドイツのHansjoerg
Biener博士によると、同局の2024年12月1日現在のスケジュールは以下の通りである。放送は英語、Lusaka送信所、出力100kW、無指向性。
13:00-17:00 9680
23:00-01:00 9680
01:00-05:00 4965
(WWDXC TP 1602)
◎QSL・eQSL意見調査
コロンビアのYimber
Gaviria氏によると、同氏はQSL/eQSLに関してリスナーの意見調査を行っている。対象は国際放送局、ラテンアメリカ局、海賊局など何でも良い。QSL/eQSLのデザイン、コンテンツに関して意見を聞かせて欲しい。意見は各放送局に伝えて反映できるようにする。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeKHBvuqXNrT7sGPXGwT4LVfnFf44aC8vm9ZrEK5UWQ7q2Duw/viewform?usp=sf_linkにアクセスしてデータを入力して欲しい。〆切は2025年1月10日。これは「We
Love DXing」プロジェクトの一環として行われる。(WOTIG 12/29)
◎ロシア波局情報
「Radio broadcasting in
Russian」B24版によると、ロシアでは以下のキリスト教局等が中波放送を行っている。
Radio Zeleny Glaz (緑眼)
00.00-07.00 1485 kHz 0.098kW Dorkovskaya
https://www.cqf.su
Radio Maria
14.00-06.00 1053 kHz 10kW St. Petersburg
https://radiomaria.ru
Radio Radonezh
01.00-06.00 684kHz 10kW St.Petersburg
https://radonezh.ru/radio
Radio Chistaya Volna (純粋な波).
24H 1584kHz 0.03kW Podgorny http://cwradio.ru
(RUS-DX #1322 via WORIG 12/29)
◎Radio Iglooが短波ファン向新年特別番組
フィンランドのKari Kallao氏によると、スウェーデンのRadio
Iglooは米国西岸のDXクラブと連携した短波ファン向新年特別番組を、ドイツChannel 292より放送する。これはTexas Radio
Shortwave(TRSW)の時間枠を借用して行うものである。スケジュールは次の通り。期日は2025年1月5日。
07:00-08:00 3955
11:00-12:00 13:00-14:00 22:00-23:00
9670
(WORIG 12/29)
◎陝西広播電視台が2FM放送を中止
2024年12月29日、中国陝西省の陝西広播電視台は、以下の2つのFM放送を2025年1月1日以降停止すると発表した。これは国家広播電視総局の方針に基づくものである。
陝西故事広播 87.8MHz
陝西秦腔広播 101.5MHz
陝西故事広播は2008年に放送を開始し、当初はAM603kHz(現在は交通広播が使用)で西安市域をカバーしていた。その後FM87.8MHzを加えて、音楽放送局に変身し、「故事」番組は早朝のみで、他は音楽番組となっていた。秦腔広播は2010年に放送を開始し、陝西文芸広播(後の陝西戯曲広播)のサブ周波数の位置づけで西安方言(中国では方言だけの放送は数少ない)で放送しており、「西安乱弾」の別名があった。
陝西広播電視台には他に陝西青年広播(105.5MHz)があるが、今回廃止される2局と同じくカバーエリアが西安のみで、番組内容は音楽ばかりなので、遠からず廃止されるものと考えられる。(Cahcn的自留地
12/30)
陝西省の省域放送局なのに、西安しかカバーしておらず、放送内容と局名が一致しないというのが停止させられる理由のようです。
◎Voice of Turkeyが英語放送等を廃止と発表
米国のPeter Hansen氏が、Voice of
Turkey英語放送の「お便りの時間」で聞いたところによると、同局は2025年1月1日以降短波での英語放送を廃止する。(WORIG
12/29)
米国のJohn氏によると、Voice of Turkeyは政府機関の再編で「TRT
Global」の配下に入ることになり、英語放送やアラビア語放送は今後podcastやオンライン放送で行われる。但し他の言語のサービスは当面短波で放送を継続する予定である。(WORIG
12/30)
インドのJose
Jacob氏によると、同局のウルドー語短波放送も1月1日で停止された模様で、聞こえていない。(WORIG 1/1)
米国多くのDXerの報告では、2025年1月1日になっても同局の短波英語放送は送出されている。但し番組内容はTRT-World Television英語版の音声で、オンラインストリーミング放送で流されている内容とは異なる。(WORIG
1/1)
◎San Francisco
KGOがコールサイン変更 ~つまり消滅!
米国のDavid Yocis氏によると、FCCはSan
FranciscoのKGO局(810kHz)のコールサインをKFSOに変更する。また現在KSFOのコールサインを使用しているSan
FranciscoのKSFO-560局はコールサインをKZACに変更する。変更は2025年1月1日より。現在のKGO局は101年使用し続けていた三文字コールを失うこととなる。(WORIG
12/30)
元のKSFO-560がが810kHz(KFSO-810)と560kHz(KZAC)で放送し、KGOは消滅したというのが事実のようです。100年以上続いた放送局も時代の波の中で消え去ったということでしょう。
560kHzのKFSOが810kHZのKFSOになるとの告知
◎Radio Ndarason Internationalの呼び名変更
ドイツのHansjoerg Biener博士によると、アフリカ向に放送しているRadio Ndarason
International(RNI)は呼び名を単に「Nadarason」と改名した。局名自体は変わっていない。放送はBuduma語、フランス語、Kanembu語、カヌリ語で行われており、2024年11月以降のスケジュールは以下の通りである。
14:00-15:00 6195 Woofferton 250kW 160°
15:00-16:00 9535 Woofferton 250kW 158°
16:00-17:00 12050 Ascension 250kW 65°
03:00-04:00 12050 Woofferton 250kW 158°
04:00-06:00 12050 Ascension 250kW 65°
ストリーミング放送はhttps://ndarason.com/directで行われている。
(WWDXC TP 1602)
出展略称
WORIG : World of Radio io group
WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
台湾の中央広播電台からの賀状「金蛇報喜 新年快樂」