月刊短波2025年12月号
編集 赤林隆仁  時間  JST

◎Radio Pilipinas World Service短波放送再開
 
インドのAlokesh Gupta氏によると、USAGM・Tinang送信所の閉鎖に伴い2025年3月19日より短波放送を停止し。オンライン放送のみになっていたRadio Pilipinas World Serviceは2025年12月1日より短波放送を再開すると発表した。同局は同国大統領広報局(PCO)は以下の国際放送局である。(WORIG 11/20)
 DX Guides(https://www.dxguides.info/p/news.html)によれば、短波放送は従来と同じくTarlac州にあるUSAGMのTinang送信所から行われる。放送再開については Tinang送信所長のCharles Shepard氏との間で正式な覚書が交わされた。WashintonのUSAGM本部もこの件を正式に了承した。El Radioescucha(https://elradioescucha.net/2025/11/20/radio-filipinas-vuelve-a-la-onda-corta/)によれば使用周波数は9960、12120、15190kHzになる予定である。フィリピン政府の発表はhttps://www.pna.gov.ph/articles/1263669を参照のこと。(RUS-DX #1369 via WORIG 11/23)
   同局がfacebookで発表したところによると、再開後のスケジュールは以下の通り。
   英語 11:00-12:30 12020 15640 17665 
   フィリピン語   02:30-05:30 9370または15200 9925 12120
(赤林)何れもUSAGM Tinang送信所より。250kW 283°となります。英語放送は12/1の10:58-11:40に確認しました。この日は15640、17665kHzではスケジュールより早く11:40にs/offしました。12.2には3波とも正常通り12:30まで出ていました。極東向ではない(中東向け)ので信号は以前よりも弱いようです。



◎VOA Ashna Radio放送再開
 
VOAのアフガニスタン向放送Ashan Radioがこのほど放送を再開した。01:30-02:00 11570kHzである。Ashna Radioは2004年に開局しパシュト語で放送を行っていた。かつてアフガニスタン全土で中継されていたが、タリバン政権発足後は国外からのみの放送であった。(小林放送局 11/11-16) USAGM Kuwait送信所より250kW、70°で出ています。

◎ドイツNDRのクリスマス短波特番Gruß an Bord 2025年の放送予定
 
英国のAlan Roe氏によると、ドイツNDRは2025年も世界中の海上にいるドイツ人船員向けクリスマス短波特番「Gruß an Bord」を放送する。現在の放送予定は以下の通りである。他に予備周波数が設定されており、変更される可能性もある。
 2025年12月25日 03:00-06:00 6030 Issoudun(250kW) 6080 Tashkent(100kW) 9635 Nauen(250kW) 11650 Issoudun(250kW) 13830 Nauen(250kW)15770 Okeechobee(100kW)
 この件についてのNDRの発表はhttps://www.ndr.de/nachrichten/info/veranstaltungen/gruss-an-bord-2025-schicken-sie-jetzt-weihnachts-botschaften,grussanbord690.htmlを参照のこと。(WORIG 11/13)
 
◎フィンランド長波局Arctic252の状況

 英国のMike Terry氏がhttps://arcticradio.net/newsからの情報として伝えたところによると、8月のNautel社製ND2000送信機を導入して252kHzにて低出力(600W)の試験放送を実施したフィンランドArctic252であったが、使用した旧Beacon用アンテナのロスが大きく遠方には電波が届かない情況で、事実上の失敗であった。そこで10月に至り旧Beacon用アンテナを元の場所から撤去・分解したが、大型なため完全な撤去作業に時間を要しており、厳冬期を迎えて作業の中断を余儀なくされている。当面の間は送信が休止するため、252kHzではない新たな長波周波数の申請をITUに提出した。現用の周波数とアンテナの組み合わせに固執するよりも新たな周波数とそれに合ったアンテナを設定した方が望ましいと考えられたからである。ITUの回答までには時間がかかるため送信の再開は2026年以降となる見込みである。(WORIG 11/1) 周波数が変った場合「Arctic252」という局名も変更となるのでしょうか?

◎スウェーデンに新たな長波局Kinna261が誕生
 英国のDavid Kernick氏によると、2025年11月1日の18:45に261kHzでスウェーデンの新長波局Kinna261が放送を行っているのが確認された。インターバルシグナルとスウェーデン語で「こちらはKinna261からの長波試験放送です」という意味のアナウンスが出た。同局のURLはhttps://www.500khz.se/lw.phpである。受信報告の宛先は<info @ elektrosport.se>である。(WORIG 11/1)
 この局は政府から正式免許を受けており、出力は50Wで、送信にはMarconi型アンテナを使用している。(NZ DX Times Nov 2025 via WORIG 11/2) こちらは「長波面白局」と言えましょう。Kinnaはこの局の所在地で、Götebourgの南東約50kmに位置します。

Kinna 261のMarconiアンテナ


◎SM Radio Dessau主催の「クリスマスマラソン」2025年は2日間
 オーストリアのHarald Suess氏によると、ドイツSM Radio Dessauが主催する2025年の「Christmas Marathon」の放送は2日間に渡り実施される。予定は以下の通りである。(24:00以降は翌日)
 12/25 9670kHz Woofferton 250kW
       17:00-18:00 Radio Six  19:00-20:00 Yake FM  20:00-22:00 Radio Marabu  22:00-23:00 Radio Klein Paris  23:00-24:00 RNEI  24:00-24:30 Radio Powerrumpel  24:30-01:00 Decade AM
 12/25   9670kHz Rohrbach 10kW
      18:00-19:00 Superclan Radio
    12/26   9670kHz Woofferton 250kW
      17:00-18:00 Radio Six  19:00-20:00 Pop Shop Radio  20:00-21:00 Welle 370  21:00-22:00 Radio Waves International  22:00-23:00 Radio DARC  23:00-24:00 Yake FM  24:00-01:00 SM Radio Dessau
    12/26   9670kHz Rohrbach 10kW
      18:00-19:00 Superclan Radio
   今回の送信計画はドイツのChannel 292によるものであるが、受信報告は各々の局で受付ける。(WWDXC TP 1634) 18:00-19:00のみ同じ周波数でChannel 292からの低出力送信になります。

◎蘇ったラオスLNR-Vientianeの中波~周波数は9kHzダウン
 米国のRon Howard氏によると、Lao National Radio Vientiane局の中波放送(旧576kHz)が完全に復活している。但し周波数は567kHzとなっている。02:00にラオス国歌、その後約20分間のニュースがある。中波の送信はVientianeの北方49kmにあるPhonghong送信所から出力200kW、279mのアンテナからHarris社製送信機によって行われている。(WWDXC TP 1634)

◎Vancouverにはラジオ局はもう不要の結論
 カナダ・ラジオテレビ通信委員会(CRTC)はVancouverにこれ以上の商業ラジオ局が必要か否かの調査を行った。Vancouverには現在24の商業ラジオ局(内7局は外国人社会向)、大学局、公営局が存在する。結論はこれ以上ラジオ局を受け入れる余地はないというもので、今後2年間Vancouverでの商業ラジオ放送設立の申請を受付けないことにした。(IRCA DX Monitor Nov 8 via WORIG 11/3)

◎フィンランドRadio Blacksmith Knollが免許期間を延長
 フィンランドRadio Blacksmith Knollの運営者 “Mac” Johansson氏によると、同局は2025年8日(土)~2026年1月末に放送免許を更新した。放送はこれまで通り週末のみ6120kHzで実施されるが、出力は送信機の調整を行い、最大認可出力の100W(従来は50W)で放送する。この時期は日照時間が短いため、祝日や主要イベントの前後には特別番組を放送することもある。
(WORIG 11/7)

◎SWL QSL Museumの紹介
 米国のGlenn Hauser氏によると、1998年にBill McDavitt氏によって開始された「SWL QSL Museum」には2025年11月現在251カントリー、1782枚のユニークで貴重なQSLカードが展示公開されている。カードはカントリー別に閲覧できるようになっている。このサイトに掲載されていない珍しいQSLカードを持っている場合は掲載してもらうこともできる。http://swlqslmuseum.com/。(WORIG 11/6)

QSL Museumで公開中の1947年発行パレスチナのNear East Arab Broadcasting StationのQSLカード


◎IRRSのB25スケジュール
 イタリアIRRSのB25スケジュールは以下の通りである。
 毎日 04:00-05:00 7290 欧州・中東・北アフリカ向 英語 (European Gospel Radio/International Public Access Radio)
 土曜 17:00-18:00 9510 欧州・中東・北アフリカ向 英語 (同上)
 日曜 18:30-21:00 9510 欧州・中東・北アフリカ向 英語 (同上)
 火-日 01:00-01:30 15425 アフリカ東部向オロモ語 (International Public Access Radio)
 毎日 03:00-07:10 1323 欧州向英語・フランス語 (IRRS)
(BDXC "Communication" Nov 2025 via WOEIG 11/7) 送信地はルーマニアGalbeni、出力300kW(短波)。

◎Afghan Radio引続き5130kHzで
 キルギスの送信所から5130kHzでアフガニスタン向にキリスト教放送を行っている、Afghan Radio - Sadaye Zindagi(生活の声)は毎月前半(2-16日)の火-土曜の00:00-03:00に放送しているのが確認されている。それ以外の日の09:00-11:00に放送していることもある。放送局のURLはhttp://www.afghanradio.org。(BDXC "Communication" Nov 2025 via WOEIG 11/7) 放送はダリ語、連絡先は<info @ afghanradio.org>。



◎USAGMドイツLampertheim中継局解体
 USAGMはドイツにあるLampertheim中継局を解体することを決定し、同送信所のパラボラナテナ25基の撤去作業の入札手続きに入った。この送信所は旧IBBの時代Radio Libertyの放送センターとなっていた。(BDXC "Communication" Nov 2025 via WOEIG 11/7)

◎ウラジオストクの有名2局が閉局
 ロシアVladivostokで30年以上放送を続けてきた老舗放送局Radio VBC(101.7MHz)とRadio Lemma(102.7MHz)は2025年末にこのブランドでの放送を廃止し、全国ネットワーク局の支局となる。理由は時代の流れとリスナーの嗜好に合わせるためであるとされている。Radio VBCの101.7MHzは全国局NRJ(Radio ENERGY)に引き継がれる、Radio Lemmaの102.7MHzは暫くそのままRadio Lemmaが出るが早急Relax FMに引き継がれる。NRJ、Relax FMともに全国に展開するGazprom-Media Radioの局であり、以降は全国番組がそのまま流される。Radio VBCは1993年、Radio Lemmaは1996年に放送を開始し、現在は地元のFar Eastern Media Centerの配下に入っている。
Radio VBCは当初ポピュラー音楽が主流に放送していたが、2012年に放送形態を「本物の男のためのラジオ」に変更しロックンロールや地元アーティストの音楽を放送していた。またRadio Lemma当初主として高齢層向けで、ロシア音楽のみを放送していたが2007年以降は他の音楽も放送するようになった。(VL.RU News 11/8) 現在はFMだけですが、かつては中波でも受信された局でした。

  


◎B25 Music on Shortwave発行
 英国のAlan Roe氏編集の「B25 Music on Shortwave」が発行された。世界の短波局の音楽番組を時間順に表示してある。https://swling.com/blog/wp-content/uploads/2025/11/Music-on-Shortwave-B-25-v1.0-Issued-2-Nov-2025.pdf。(RUS-DX #1367 via WORIG 11/9) 44ページ。

◎B25ドイツ語放送リスト発行
 ドイツWWDXCのSiegbert Gerhard編集のB25「List of Broadcasts in German」(Hörfahrplan Deutsch)が発行された。世界の短波局のドイツ語番組を時間順に表示してある。https://www.wwdxc.de/hfd.pdf。(RUS-DX #1367 via WORIG 11/9) 1ページ。

◎AOKIリストB25年版
 インドのAlokesh Gupta氏によると、B25のAOKI Listが以下のサイトで公開されている。
 ZIP圧縮形式 https://www1.m2.mediacat.ne.jp/binews/us/nz/nzb25.zip
 テキスト形式Userlist https://www1.m2.mediacat.ne.jp/binews/us/nz/userlist1.txt
(Radio Activity 11/10)

◎新短波局Radio Nova Internationalが2026年に誕生
 インドのAlokesh Gupta氏によると、英国のRadio Nova Internationalが2026年に誕生し欧州及び北米向に短波放送を実施することになった。短波リスナー向「面白局」で、Radio Netherlands、Radio Sweden、WRNO - The Rock of New Orleans、Super Rock - KYOIなどの懐かしい短波局の録音音声を中心に放送する。連絡先は<qslnova @ gmail.com>。(Radio Activity 11/10)



◎SDXFが高出力送信でクリスマス特番
 SDXF(Swedish DX Federation)はクリスマス特番として現地時間の「Boxing Day」(クリスマスの翌日12月26日のこと、昔使用人達が雇用主から箱に入った贈り物をこの日に受け取ったことにちなむ)に当たる2025年12月27日01:00-02:00に9870kHzにて高出力250kWの送信機から放送する。これは初めての試みである。この特番について印刷したQSLカードが欲しい人は返信料を同封して郵便で受信報告を送って欲しい。(Radio Activity 11/10) 英国Woofferton送信所からと思われます。郵便の宛先はSveriges DX-Förbund, Hundlokevägen 8, 242 72 Ludvigsborg, Sweden、eQSL希望の場合は<qsl @ sdxl.se>。

◎中国ラジオ局の改廃
・四川省成都に中国交通広播成都FMが87.6MHzで2025年11月7日正式に開局した。正式開局前に放送を行っていた模様である。
・天津市の天津音楽広播の中波放送(1098kHz)は廃止された模様で受信されていない。
(小林放送局 11/2-8) 天津音楽広播は天津広播電視台の第一放送で、FM99.0MHzで出ています。1098kHzの出力は10kWでした。
・新疆維吾爾自治区の伊犁(イリ)漢語経済広播(FM 89.1MHz)は2025年10月24日で放送を停止した。放送終了は伊犁融媒体中心より10月17日に予告された。この放送は数年前に音楽放送の改変されて、終日音楽番組を放送しており、局名と番組内容の不一致を中央より指摘されたらしい。(Cahcn的自留地 10/25)
・河北省の滄州(そうしゅう)広播電視台の2ラジオ放送の名称が変更された。長書文藝広播(103,6MHz/801kHz)は音楽広播、交通音楽広播(93.8MHz/1206kHz)は交通広播に改名された。(小林放送局 11/9-15)
・安徽省の池州(ちしゅう)交通旅遊広播(FM 96.6MHz)は2025年11月1日に放送を終了した、同時にTVの文教生活チャンネルも停止した。放送終了の事前告知が行われなかった。池州交通旅遊広播は2007年10月に放送を開始し、18年間放送を行った。(Cahcn的自留地 11/1)
・広西壮族自治区の玉林交通音楽広播(FM 99.2MHz)は2025年12月1日01:00で放送を終了すると番組内で予告した。一部の番組は綜合広播に移行する。なお同時にTVの玉林公共チャンネルの廃止される。(小林放送局 11/239-29)
・貴州省の銅仁交通広播(FM 90.7MHz)は2025年11月28日01:00で放送を終了した。同時にTVの公共チャンネル廃止された。以降は銅仁新聞綜合広播の周波数103.6MHzが交通広播の使っていた90.7MHzに変更された。(小林放送局 11/239-29)
・遼寧省瀋陽市にある省033送信所の設備点検のため、同送信所からの中波放送、遼寧之声(1089kHz)、中国之声(540kHz)、遼寧経済広播(999kHz)は一時休波している。2025年12月3日に復旧予定である。(小林放送局 11/23-29)

◎KBS釜山第一放送送信再開
 韓国KBSの釜山第一放送(891kHz 100kW)は金海送信所の発電機修理のために一時停波していたが、このほど予定より早く送信を再開した。この放送局は日本時代の釜山放送局として開始された朝鮮半島で2番目に古い放送局である。(小林放送局 11/23-29)


◎キリバスの放送事情
 Radio Kiribatiは2025年9月中旬に誤操作でアンテナタワーを損傷してしまった。以降1440kHz(10kW)の放送は出ておらず、再開の見通しは立っていない。首都TarawaでのみFM89.9MHz(250W)で放送されている。(NZ DX Times Nov 2025 via WWDXC TP 1635) 首都以外ではラジオが受信できない状態です。

◎スペインRNEは中波減力放送指示
 スペインのMauricio Molano氏によると、同国RNEの送信技術者は管轄するすべての中波送信機の出力を低下させる命令を本部から受けている。リスナーから苦情があった場合には「Defensora de la Audiencia」と呼ばれるオンブズマンに転送するようにとの指示も受けている。高出力で放送していた中波局は既に半分の出力で放送中であり、更なる出力減が求められているかは不明である。(NZ DX Times Nov 2025 via WWDXC TP 1635) 

◎Radio Nacional de Españaが年内での中波放送の終了を発表

 英国のMike Barraclough氏によると、スペインのRadio Nacional de Españaは国内向中波AM放送を終了すると発表した。これはラジオ技術の進歩によるもので、今後リスナーはFM、インターネット、携帯電話、スマートスピーカー、DAB+で聴くようにとしている。中波放送は2025年12月31日までに廃止され、今後はDAB+によるネットワーク形成に集中する。またAM放送の廃止で影響を受ける地域はFMでカバーできるようにする。(WORIG 11/18)

◎米国のテスラ社カーラジオを完全排除
 CMA Newsletterによると、米国テスラ社は最新エントリーモデルからFMラジオの標準搭載を廃止した。既に2020年モデル以降はAMラジオの搭載を行っていない。この措置で同社の電気自動車にはカーラジオは標準搭載されなくなった。Edison Research社の調査によると、テスラ車運転者は車内オーディオ利用時間の51%をAM/FMラジオによっており、podcastの12%、SiriusXM(全米で提供されている衛星ラジオ放送及び音楽配信の有料放送)の10%を上回っている。またテスラ車内で提供される公告付きコンテンツの74%はAM/FMラジオ経由である。National Association of Broadcastersはテスラ社のこの措置に反発しており、ラジオリスナーに対してAMラジオの車載を義務づける法案を支持するように呼びかけている。(BDXC "Communication" Nov 2025 via WWDXC TP 1365)

◎Radigramの最新スケジュール
 米国のKim Andrew Elliott博士が主催して行っている短波画像放送「Radiogram」の最新スケジュールは以下の通り。
 金曜 09:30-10:00 9265 WINB
    土曜 12:30-13:00 9265 WINB
    日曜 08:00-08:30 9455 WRMI
    月曜 00:30-01:00 9955 WRMI
    月曜 17:00-17:30 5850 WRMI
    水曜 22:30-23:00 15770 WRMI
    木曜 18:30-19:00 7780 WRMI
(WORIG 11/14) URLはhttps://swradiogram.net/、受信報告等は<radiogram @ verizon.net>へ。

◎B25に残存しているUSAGM中継局・送信所
 米国のGlenn Hauser氏によると、USAGMのB25スケジュールに米国本土のGreenville送信所の他、Kuwait中継局、フィリピンTinang中継局、他の中継所としてタジキスタンDushanbe送信所を登録している。
 フィンランドのMauno Ritola氏によると、VOA Ashna Radio(アフガニスタン向ダリ語放送)は11/15の01:30-02:00に11575kHz(Kuwait、250kW 70°)で放送を実際に再開した。(WORIG 11/14)

◎RFA使用の機材は処分・競売に
 Radio Free Asiaは全面的な事業縮小に伴いWashingtonにある放送設備の競売を行うことになった。同社の入居していたビルの4フロアにわたり、テレビ・ラジオ関連設備、スタジオ制作設備、フィールド制作設備、スイッチング設備、放送設備、制御室設備、編集設備、その他機器類、家具・備品類、ビデオ機器、ラジオ機器、データルーム機器、M&E機器、オフィス機器、テクノロジー機器が数千点。最新モデルのオフィス家具・業務用家具、コンピューター、デスクトップPC、プリンター、コピー機、データセンター資産、A/V機器及びテクノロジー資産などをすべて処分する。(WORIG 11/14)

◎VOAが一部のオンラインコンテンツの更新を再開
 米国政府の政府閉鎖の影響でオンラインコンテンツの更新を停止していたVOAは、2025年11月13日に中国語を含む一部言語のオンラインコンテンツの更新を再開した。(小林放送局 11/9-15)

◎Kall送信所からのRSI中継既に停波
 英国のAlan Holder氏によれば、ドイツShortwave ServiceのKall送信所から出ているRadio Slovakia International(RSI)は6005kHz、3985kHzともに既に停波している模様である。2025年11月17-19日現在出ていない。RSIは年末閉局とされているが、既に閉局してしまったか、中継料を支払えなくなったものと思われる。なおKall送信所からのRadio Mi Amigoの中継は6085kHzで継続されている。(WORIG 11/18) Kall送信所からの6005、3985kHzの送信自体も同時に廃止された可能性があります。

◎KNLSは混信回避のためQRT
 KNLSは台湾送信のVORW Internationalとの混信を回避するため2025年11月18日より18:00からのロシア語放送の周波数を9705kHzから9860kHzに変更した。(WORIG 11/18) 木曜日18:00からのVORW Internationalは日本では混信なく大変良好に受信できるようになりました。

◎SM Radio DessauのB25年末特別放送
 英国のTony Rogers氏によると、ドイツDessauで、Ralf-Torsten、Max Berge両氏によって運営・制作されているSM Radio DessauのB25年末特別放送のスケジュールは如何通りである。すべてドイツ語、欧州向。
 12/14 21:00-22:00 6070(Rohbach 10kW) 6095(Nauen) 100kW
    12/27 00:00-01:00 9670(Woofferton 250kW)
(BDXC "Europe on Shortwave" via WWDXC TP 1636)

◎イスラエル軍局「Galei Zahal」が閉局に
 イタリアのLeo Spalluto氏によると、イスラエルのKatz国防省は2025年11月16日、軍局「Galei Zahal」を2026年3月1日で閉局するする提案を政府に行うことを発表した。これは同局の活動調査委員会による提言に基づくもので、軍管理の民間ラジオ局運営は民主主義国では好ましくないというのはその理由である。今後は音楽と交通情報を専門に放送する民間局「Gal Galatz」として一部の放送内容は継続する。「Galei Zahal」の廃止は1950年代以降論議されてきたが、実現に至らなかった経緯がある。(DX Fanzie via WWDXC TP 1636) 今はFM放送のみですが、かつては短波放送も行っていました。



◎WRNからのロシア語放送は24時間放送に~短波は3時間放送
 ドイツのMichael Bethge氏によると、World Radio Networkはロシア語放送を1日24時間衛星及びインターネットで行っている。この内3時間は短波でも行われる。短波で行われるのは毎日02:00-05:00の部分で5990/9820kHz(Dhabayya 250kW)で行われる。放送は30分刻みで独自番組や他局ロシア語放送の中継となっている。詳細はhttps://wrn.world/(ロシア語)を参照のこと。(WWDXC TP 1636) B25ではWNHK World Radio Japanの中継はありません。またKBS Radioも短波中継はありません。

◎EUの放送局RFE/RLの資金不足を補填に
 英国のMike Cooper氏がポーランド国営通信PAPの報道として伝えたところによると、ポーランド、ドイツ、フランスの公共放送局は、米国がRFE/RLなどの独立メディアへの支援を撤回したことを受け、その支援を引き継ぐことを申し出た。これは2025年11月17日に提出された書簡で明らかになった。 ポーランドのTVP World、ドイツのDW、フランスのMedia Mondo(FMM)は、欧州委員会委員長に対し、「独立したジャーナリズムが最も脆弱な」地域、およびドナルド・トランプ大統領の政権下で米国が資金援助する放送局が縮小を余儀なくされている地域において、自社のサービスを拡大する用意があると伝えた。 3社は、欧州が協調して対応することで、 増大する偽情報に対抗し、脆弱な地域における「情報の空白」を防止し、信頼性の高い欧州の報道機関を通じてこれらの地域における民主主義発展を支援できるとしている。その背景として米国による資金削減撤回は困難であるとの見方を示している。(WORIG 11/22) DWは自体の存立が危ぶまれているように見受けられますが大丈夫なのでしょうか?

◎VOACAP Online for SWL
 フィンランドのJari Perkiömäki氏によれば、同氏はVOAの開発した短波伝搬予測ソフトVOACAP(Voice of America Coverage Analysis Program)とITUが開発した「RHFProp」を統合して使いやすくした「VOACAP Online for SWL」という短波リスナー向オンラインサービスを開発、提供している。2地点間の短波伝搬予測について伝搬ホイール(Prop Wheel)、伝搬チャート(Prop Charts)等約20以上の機能を利用することができる。アクセスはhttps://www.voacap.com/swl/、詳細なマニュアルはhttps://www.voacap.com/2023/documents/VOACAP_Manual.pdf を参照のこと。アマチュア無線用を主眼に置いているが短波リスナーにも適用可能である。(WORIG 11/21)

VOACAPの画面


◎RFEがハンガリー語放送を停止
 インドのAlokesh Gupta氏によると、Radio Free Europeのハンガリー語サービスは2025年11月22日09:00以降停止されることになった。ハンガリー語サービスは一時停止されていたが、5年前復活していた。詳細な記事はhttps://www.rferl.org/a/radio-free-europe-radio-liberty-hungarian-service-closure/33597502.htmlを参照のこと。(WORIG 11/20)

◎Pop Shop Radioの年末年始特番
 カナダPop Shop RadioのTony Pavick社長によれば、同局は2025-26年の年末年始に以下のような特別番組を放送する。
 年末特番 1975年にCHUM局(Tronto)で放送された「Top 15 Countdown Christmas」
  12/25 02:00-03:00 Channel 292 3955 9670
        12/28 08:00-09:00 Channel 292 3955 9670
        12/27 23:00-24:00 Shortwave Gold 3975 6160
        12/29 05:00-06:00 Shortwave Gold 3975
        12/29 11:00-12:00 WRMI 5950
        12/29 13:00-14:00 WRMI 9395
   年末特番 A Very Canadian Christmas(カナダの歌手によるクリスマスソング)
  12/26 19:00-20:00 Woofferton 9670 (250kW 欧州向)
   年始特番 New Years Around the World Tour
  1/1 02:00-03:00 Channel 292 3955 9670
        1/4 08:00-09:00 Channel 292 3955 9670
        1/3 23:00-24:00 Shortwave Gold 3975 6160
        1/5 05:00-06:00 Shortwave Gold 3975
        1/5 11:00-12:00 WRMI 5950
        1/5 13:00-14:00 WRMI 9395
   元日特番 New Year's Eve Disco Party
  1/1 12:00-13:00 Woofferton(250kW 北米向) 9510
(WORIG 11/20) Shortwave GoldはドイツShortwaberadioのサービス名。

◎RCIのSackville短波送信所跡の現状
 米国のJoe Hanlon氏は、かつてRadio Canada Internationalの短波送信所と使われたSackville送信所跡を訪れた報告「サックビルにあるカナダ・ラジオ・インターナショナルの廃墟跡地を訪ねる - カナダの短波遺産」をYouTube上に掲載した。https://youtu.be/bMX1vC_8dw8?si=KepEZx4cf9BMnZQw。(WORIG 11/25) 日本語で聴取できます。

旧Sackville送信所前から報告するHanlon氏


◎AM/FM放送は現在でもラジオ受信機での聴取が主流~米国での調査
 「Inside Radio」の報道とによると、Edison Researchの最新「Share of Year」データによると、スマートスピーカーやモバイル端末といった新しいデジタル聴取手段が現れているものの、米国での13歳以上の人のAM/FM放送聴取は87%がラジオ受信機によっていることがわかった。この数値は10年前より6%低下したものの依然としてラジオ受信機が聴取の主流であり、スイッチを入れて選局するだけという操作性が高い支持を受けている。モバイル端末でラジオを聴く人の割合は10年前より倍増したが6%、またスマートスピーカーで聴く人は3%に留まっている。また最近登場した「スマートTV」は1%であるが、今後伸びるかも知れない。AM/FM放送を聴く場所は自動車内が最も多く従来型のカーラジオで聴く人が大半である。(NRC DX News 12/2 via WORIG 11/25) スマートTVはネットにのみ接続可能なTV受像器でYouTubeなどとともに、インターネットラジオ放送も選択して受信できます。こういう受信の仕方が今後広まる可能性は否定できないとは言われていますーそうなるとDAB+などのデジタルラジオ放送はいらなくなってしまいますが。

◎2026年のKlingenfuss Publications出版物
 ドイツのDX専門出版社Klingenfuss Publicationsは2026年初頭に以下の出版物を発行する。
 2026 Shortwave Frequency Guide:第30版。世界の短波放送局のスケジュールを周波数順及び国別に掲載したリスト、B25スケジュールをカバーする3,344波を収録している。他に2025/2026 Guide to Ulity Stationに掲載された8,704波のユーティリティー局の周波数リストも掲載している。340ページ、€45+送料€21。
 2026 Super Frequency List on CD:第32版。2026 Shortwave Frequency Guideに掲載された3,344波のスケジュール付短波放送周波数表、2025/2026 Guide to Ulity Stationに掲載された8,704波のユーティリー局周波数表を検索可能なデーターベースの形で収録。付録として過去にアクティブであったユーティリティー局24,287波のリスト、ユーティリティー用語集930語、デジタルデコーダで収録した各通信のスクリーンショット数百枚、英語・ドイツ語の専用検索ソフト(Windows用)を付録で搭載している。CD1枚、€35+送料€5。
 2026 Frequency Database for Perseus:Perseus受信機用に2026 Shortwave Frequency Guideに掲載された3,344波の短波放送周波数、2025/2026 Guide to Ulity Stationに掲載された8,704波のユーティリー局周波数、計11,800波をリスト形式のファイルにしたもの。Perseus受信機のUSERLIST.TXTとして利用する。CD1枚、€50+送料€5。
 Digital Data Decoder Screenshots on USB Stick:第30版。デジタルデコーダーでユーティリティー通信の画面を表示したスクリーンショットを29,000画面以上収録している。費やした時間は17,900時間を上回る。USBメモリー1本、送料共€210+送料€8。
 なお2025/2026 2025/2026 Guide to Ulity Station(8,704波、550ページ、€55+送料€21)は2026年版サプリメント(約500波を追加収録)付で引き続き販売している。出版物をまとめて注文した場合には割引価格となる。サンプル、注文はhttps://www.klingenfuss.org/へ。(Klingenfuus Publications) ドイツでは送料が上昇して怖ろしい価格になっています。WRTHの冊子版が廃止される理由もわかりますね。

◎オランダRadio Deltaが新周波数使用開始
 米国のGlenn Hauser氏によると、オランダのRadio Deltaが2025年11月28日より新周波数5970kHzの使用を開始した。当面の放送時間は土・日曜の17:00-01:00であるが、2025年12月20日以降は毎日放送する予定である。(WORIG 11/30)

◎Radio City - the Station of the CarsのB25放送予定
 面白局Radio City - the Station of the CarsはB25スケジュールで以下の様に放送する。
 2025年 12/14 07:00-08:00 3955 Channel 292 10kW
 12/21 06:30-07:30 1323 IRRS Milano 15kW
 12/27 18:00-19:00 6070 9670 Channel 292 10kW
 2026年 毎月第二土曜日の翌日 07:00-08:00 2955 Channel 292 10kW
 毎月第三土曜日 18:00-19:00 6070 9670 Channel 292 10kW
  受信報告にはeQSLを発行する、宛先は<citymorecars @ yahoo.ca>。
(RUS-DX 1370 via WORIG 11/30)
 


出典略称
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  

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