クローン病患者の体験 手術とレミケードと患者会

TKさん(39歳・男性)  
発症前後

クローン病と告知されたのは20代の頃です。


体調が悪くなり、地元の胃腸科を受診して検査したものの、原因はわからず。

神経性の胃腸炎のように言われていました。

先生からは「若いんだからあまり神経質に気にするな、スポーツでもやったらいい。
」などと言われていました。

自分でも神経質なのはわかっていたので、すぐに体調を崩してしまうことを情けなく思い落ち込んだりしました。

でも、ただの胃腸炎にしてはいくらなんでもお腹の痛みが酷すぎる、ということで大学病院を受診したところ、

クローン病であると言われたのです。


治らない難病と言われてショックでしたが、その一方で原因がはっきりしてこれからはちゃんとした治療が受けられる、

体調が悪かったのは気持ちが弱いからじゃなくて、病気のせいだったんだ、これからは病人であると堂々としてればいいんだ、

という開き直りのような、すっきりした気分でもありました。



【手術以前】

クローン病の治療が始まりましたが、それは辛いというほどのものではなかったものの、やっぱり楽しいものではありません。

こんなことがずっと続くのか、とため息の出る毎日でした。

そして次第にこの病気に向き合わなくなっていきました。


お腹の痛みがそれほどでもないときは、普通の人と同じように動けたし、仕事や遊びに目一杯打ち込むことで、

病気のことを意識しないように逃げていたのかもしれません。

しかし、日々無理をしていたので当然症状は良くなるはずがありません。

自分自身はお腹の痛みなどで何度も苦しみ、そして家族をはじめとして周囲には心配や迷惑をかけ続けていました。



そんな時、主治医の先生から新しい治療法として「レミケード」を勧められたのです。

ただし条件として手術を受けて小腸の狭搾を取り除くこと、を言われました。


その時は、レミケードの副作用が心配だったし、手術は怖くて嫌で、またもや逃げ出したい気持ちで一杯でした。

でも、これ以上周りに心配をかけられない。それに、お腹の痛む日々が続いていて、それが辛かった。

そして別の先生に話を聞いたり、ネットや本で調べても、今の自分にとってそれが最善であると感じたので、

最終的には手術を受けることを決意しました。



【手術】

手術担当医の先生から十分な説明があったけど、手術直前まで不安で一杯。

前日には精神的にちょっと不安定になったりして、先生、看護師さんに心配をかけてしまいました。

手術は腹腔鏡を使った方法で行われ、複数あった小腸の狭搾を解消してもらいました。

麻酔が覚めたときにはかなり痛くてびっくりしたけど、痛み止めが効いて翌日には起きあがって歩けるほどでした。

その後の回復もとても早くて驚きました。まあ、早く退院できるように歩く練習などはがんばりましたが・・・。


こうして手術を初体験しましたが、済んでしまったから言えることですが、思ったよりもあっという間だったな、という感じです。

そして退院を待つベッドの上で、これからは体に負担をかけないようにして、病気ともちゃんと向き合っていこうと決意しました。



【手術後・レミケード投与開始

さすがに退院直後は体力的に厳しかったですが、それでもすぐに仕事に復帰できました。

そして予定通りレミケードを開始しました。


1回目は時間をかけて点滴するため、終わるまでとても退屈でしたが、心配していた副作用もなく無事に終わりました。

効果もすぐに出たようで、長い間高いままだったCRPが正常値になりました。

体重も退院直後は痩せましたが、現在は18kgほど増え、栄養をきちんと吸収できているようです。

今でも副作用はなく、また体調を崩すこともなく元気に過ごしています。


感染に気をつけろと言われていますが、今のところその心配もなく、病態が安定したせいか、簡単に体調を崩すことは

なくなったように感じています。

ただ、マスク、手洗いをきちんとすることはいつも心がけています。



【患者会参加】

入院中に読んだ新聞で患者会の存在を知りました。

意外にもバーベキューを楽しんでいる記事でした。

それを見て、ここに行けば患者ならではの生きた情報を得られるだろうと思い、退院後に交流会に参加しました。


講演会での最新情報の他、知り合った方々との何気ない会話の中からもいろいろと気付かされることも多く、

自分の病気についてまだまだ知らないことがたくさんあったのだなと痛感しています。

また、病気に負けず明るく振る舞っている皆さんにいつも元気をもらっています。

インターネットや書籍などでも情報は得られますが、患者同士の交流によって初めて得られる情報も多く、

その意味でも患者会に参加してみて良かった、と思っています。



【これから】

手術を受け、レミケードを始めてから体調は比較的安定しています。

周りにも元気になったと言われます。

不安に感じることもたくさんありますが、身近に仲間がいると思うと心強く感じます。

これからは病気とまじめに向き合い、かといって深刻になり過ぎず、患者会で出会った方々のように、

明るく前向きに生きていきたいと思っています。


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