007人名図鑑 敵編

 ジェームズ・ボンドを主人公として、スペクターやその他敵対する人々を紹介します。敵の女性で寝返った場合は、最終的な「ボンドガール」以外は敵編とします。KGBの人は、その作品での接し方次第。

アレック・トレヴェルヤン

 元英国情報員006。「ゴールデンアイ」に登場。
 ボンドとコンビでソ連の基地に潜入するが、ウルモフ将軍に撃たれて死んだと思われていた。だが、実は彼らは同じヤヌスという組織の一員で、ゴールデンアイを奪って悪事を企むが、ボンドに阻止される。ゴールデンアイを操作するアンテナから落とされ、下敷きになって本当に死ぬ。
 演ずるのはショーン・ビーン。1959年4月17日生まれ。「パトリオット・ゲーム」「ロード・オブ・ザ・リング」等で、ちょっと悪そうな役柄を演ずる。

アンドレア

 世界最高の殺し屋スカラマンガの愛人。「黄金銃を持つ男」に登場。
スカラマンガは殺しの前に女性を抱く習慣があり、その相手に選ばれていたが、彼女はボンドに惹かれ、スカラマンガから逃れようとし、わざわざボンドの暗殺予告を出して、彼と接近。だが、スカラマンガに気づかれて、ボクシング会場で周囲に気づかれずに眉間を撃ち抜かれて殺される。
 演ずるのはモード・アダムス。「オクトパシー」でも主役級のボンドガールを演ずる。1945年2月12日生まれ。「ローラーボール」「ダイヤモンドの犬たち」等に出演。

ウィスパー

 カナンガの子分。「死ぬのは奴らだ」に登場。小説では「ささやき」と訳された。ささやくように話すからそう呼ばれる殺し屋だが、映画では何か気の小さい小間使いみたいな扱いに。ボンドに麻薬を運ぶためのケースに閉じこめられる。

ウィスラー夫人(写真右端。左はウイントとキッド)

 ダイヤ密輸に関わる女教師。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
 子供たちに本を買うためと称して密輸するが、ウイントとキッドにすぐに始末される。死体は川に。
 演ずるのはマーガレット・レイシー。

ブラッド・ウィテッカー

 武器商人。「リビング・デイライツ」に登場。
 コスコフ将軍と組んで大儲けしようとする。軍事マニアでジオラマで楽しんだり、最新兵器を集めたり、ヒトラーやナポレオンに扮した自分の人形を飾ったりしているが、実はカンニングで陸軍学校を放校になったインチキ軍人。ボンドとの対決でも最新兵器を駆使するが、Qの秘密兵器にはかなわず、柱の下敷きになって死ぬ。
 演ずるのはジョー・ドン・ベイカー。1936年2月12日生まれ。「ゴールデンアイ」「トゥモロー・ネバー・ダイ」でCIAジャック・ウェイドを演じた他、「ウォーキングトール」他で知られる。

ウイントとキッド

 スペクターの殺し屋コンビ。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
 ダイヤの密輸をしつつ、関係者を始末。不気味なコンビでホモ関係にあると思われる。途中、気絶しているボンドを運ぶ際、趣味の悪い香りのコロンをこぼしてしまい、後にウェイターに扮してボンド殺害のために現れた際にそのにおいから正体がばれて、倒される。
 演ずるのはウイントがブルース・グローバー、キッドがパター・スミス。

フィオナ・ヴォルペ

 スペクターの女殺し屋。「サンダーボール作戦」に登場。
 ダーバル少佐に接近し、彼を替え玉に入れ替える。さらに、余計なトラブルを起こしたリッピ伯爵を始末するが、たまたま近くにいたボンドには気がつかず。その後、ボンドが計画の邪魔者だと気づき、捕らえるが逃げられ、カーニバルの中で再び捕らえるが、ダンスを踊る途中に誤って味方に撃たれて死ぬ。「ボンドの魅力に落ちて死ぬ」と記述される場合もあるが、初期の作品では、敵の女性はすべてボンドのために寝返ると言う偏見があるようで、明らかな誤り。ラルゴの情婦はドミノだが、むしろフィオナの方が実際の所は親密そう。「サンダーボール作戦」のリメイク「ネバーセイ・ネバーアゲイン」では、バーバラ・カレラ扮するファティマが彼女に当たる。
 演ずるのはルチアナ・パルッチィ。

アルカジー・グレゴリエビッチ・ウルモフ将軍

 旧ソ連の大佐で、ロシアの宇宙局長官。実はヤヌスの一員「ゴールデンアイ」に登場。
 アレックを殺した人物と思われていたが、実はグル。宇宙局長官の地位を利用し、レーザー兵器ゴールデンアイを奪い、ヤヌスのために利用しようとするが、ボンドに倒される。
 演ずるのはゴットフリード・ジョン。「プルーフ・オブ・ライフ」でゲリラに捕らわれていた男を演じた。

大里(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 スペクターの幹部で、大里産業の社長。「007は二度死ぬ」に登場。スペクターの計画のため奔走するが、ボンド殺害に失敗し、ブロフェルドに始末される。
 演ずるのは島田テル。

オッドジョブ

 ゴールドフィンガーの忠実な用心棒。「ゴールドフィンガー」に登場。
 小説通りならば韓国人。劇中はまともなセリフは発しない。ゴルフボールを握りつぶす怪力な上、鋼鉄の入ったシルクハットで、相手の首を切り落とす。ゴールドフィンガーに見落とされ、原爆のある金貯蔵庫に残されるが、最期まで忠実にゴールドフィンガーのために戦う。ボンドも腕力では歯が立たなかったが、鉄棒に突き刺さったシルクハットをつかんだ瞬間に感電死させる。よろず屋と訳される事もある。「オースティン・パワーズ」のランダムタスクは明らかにオッドジョブのパクリ。

 演ずるのは日系のプロレスラーハロルド坂田。トシ東郷と言う名前でもリングに出ていた。ロンドン五輪にて重量挙げで銀メダルを獲得し、力道山とケンカになりそれが縁でスカウトしたなんて話も。

ゼニア・オナトップ

 ヤヌスの殺し屋。「ゴールデンアイ」に登場。
 機関銃を撃ちまくり快感を感じる、シリーズ史上最も危険な女殺し屋で、太股で相手を絞め殺すなんて荒技も。車を走らせてもボンドと競争したりして、切れてる存在。ボンドと互角に対決するが、パラシュートを広げられて首が絞まって死ぬ。
 演ずるのはファムケ・ヤンセン。1964年1月1日生まれ。「パラサイト」等でも危ない役柄を演ずる一方で、「X−メン」等では知性派風。

オルロフ将軍(写真右)

 ソ連のタカ派将軍。「オクトパシー」に登場。
 西側への侵攻作戦が成功すると確信し、カマル・カーンと手を組み、ベルリンの米軍基地で核爆発を起こして核廃棄運動を起こそうとするが、ボンドに阻止され、ソ連兵に射殺される。
 演ずるのはスティーブン・バーコフ。1937年8月3日生まれ。「ビバリー・ヒルズ・コップ」の悪役や、「アウトランド」のすぐ死ぬ役とかもやっているが、実は劇団を率いてる人で、演技派のはず。

カーヴァー
 メディア王。「トゥモロー・ネバー・ダイ」に登場。

 情報操作で世界を支配しようとする内、自分で事件まで起こすようになる。
 演ずるのはジョナサン・プライス。1947年6月1日生まれ。「未来世紀ブラジル」「バロン」「パイレーツ・オブ・カリビアン」等に出演。

カマル・カーン

 アフガニスタンの王族。「オクトパシー」に登場。
 私腹を肥やすためには何にでも手を出し、イカサマギャンブルやニセ札偽造もするが、オルロフ将軍と手を組み、米軍基地で核爆発を起こすどさくさに、ソ連の財宝を盗み出そうとするが、ボンドに阻止され、飛行を墜落されて死ぬ。
 演ずるのはルイ・ジュールダン。1921年6月19日生まれ。「パラダイン夫人の恋」「恋の手ほどき」などで二枚目役で売っていたのだが、悪役に挑戦。

ドクター・カウフマン

 拷問が専門の医師。「トゥモロー・ネバー・ダイ」に登場。
 ミセス・カーバーに続いてボンドも始末しようとするが、例によってQの秘密兵器のおかげで形勢逆転始末される。事故死や自殺を偽装できるという技術を持ち、銃の腕もピカイチと自称するが、その腕前はついに見られず。殺し屋スタンパーは彼の弟子。
 演ずるのはビンセント・スキャヴェリ。「ゴースト」「バットマン・リターンズ」等に出演。2005年逝去。

カナンガ

 カリブ海の小国サンモニクの首相。「死ぬのは奴らだ」に登場。
 小説では麻薬王で別名ミスター・ビッグと言われていたが、映画では変装までして最初別人のように振る舞う。でもやはり同一人物。麻薬を無償でばらまいて市場を独占しようとするが、なぜかその過程で邪魔になった英国情報員を殺し、おかげでボンドにしてやられ、圧縮ガスで破裂させられる。
 演ずるのはヤフェット・コットー。1939年11月15日生まれ。「エイリアン」「ブルベイカー」等で、黒人のその他大勢を演ずる事が多い。悪そうな役も多いが、実際はスラムを脱出するために俳優になったとか。

カメラマン

 「ドクター・ノオ」に登場。
 ジャマイカに現れたボンドを撮影するどうやらドクター・ノオの配下の女性らしいが、ボンドに見抜かれて役には立たず。

ギャング(写真左・右はジェームズ・ボンド)


 ダイヤ密輸に関わるギャング。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。ダイヤ密輸に関する秘密を知る者を次々始末する役。
 演ずるのはマーク・ローレンス。「黄金銃を持つ男」では、冒頭にスカラマンガと対決するギャングを演ずる。同一人物というわけでもないと思うが。

エド・キリファー

 麻薬王サンチェスに抱き込まれた麻薬捜査官。「消されたライセンス」に登場。
 ライターと共にサンチェスを追うフリをして、買収されて彼を逃がすのに協力。ボンドの怒りを買い、ライターと同じくサメの池へ落とされて死ぬ。
 演ずるのはエヴェレット・マッギル。TV「ツインピークス」「壁の中に誰かがいる」「暴走特急」「タイムコップ」など、存在感のある悪役を演ずる。

エレクトラ・キング

 石油王キングの娘。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に登場。
 キング王が殺された事件で、ボンドが彼女の護衛をする事に。過去にテロリストレナードに誘拐された事があり、実はその間にレナードと親密な仲に。シリーズでメインのボンドガールとして扱われつつ、実際は悪役だったのは彼女が初めて。
 演ずるのはソフィ・マルソー。1966年11月17日生まれ。「ラ・ブーム」「ブレイブハート」「ルーヴルの怪人」等に出演。

ドナルド・グラント

 スペクターの殺し屋。「ロシアより愛をこめて」に登場。
 クロンスティーンらの作戦で、ナッシュ大尉になりすまし、ボンドに接近し、彼を殺害しようとするが、血の色の好きな彼は、魚料理に赤ワインを選んで怪しまれる。(映画では血の色が好きだからと言う説明はない)しかし、最大の失敗は、殺す前に延々と筋書きをボンドに説明した上、わずかなコインに目がくらんだ事で、それによって反撃のスキを与えてしまい、自身が愛用するワイヤーで絞殺される。このワイヤーの武器は、なぜかボンドに記念品として持ち帰られたようで、「女王陛下の007」の際、彼の机の中にあるのがわかる。レッド・グラントとも呼ばれる。
 演ずるのはロバート・ショー。1927年8月9日生まれ 1978年8月28日逝去。「バルジ大作戦」「スティング」「サブウェイ・パニック」「ジョーズ」「ブラックサンデー」等に出演。

エリック・クリーグラー

 東ドイツ出身の殺し屋。「ユア・アイズ・オンリー」に登場。
 クリスタトスに雇われる。クロスカントリーの選手で、射撃も得意な上、バイクでボブスレーを走る技術も。ボンドとの格闘で、崖から落とされて死ぬ。
 演ずるのはジョン・ワイマン。

クリスタトス

 実業家。「ユア・アイズ・オンリー」に登場。
 英国のミサイル誘導装置をソ連に売ろうと画策。かつての仕事仲間で仲間割れしたコロンボを犯人に思わせるが、ボンドらの襲撃を受けてコロンボに殺される。
 演ずるのはジュリアン・グローバー。「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」の悪役でも知られる。

ミルトン・クレスト

 海洋開発会社社長。「消されたライセンス」に登場。
 麻薬王サンチェスと共に悪事をはたらくが、ボンドの罠で裏切ったと誤解され、船の減圧室で破裂せられて死ぬ。
 演ずるのはアンソニー・ザーブ。「オメガマン」「パピヨン」とかに出ていたと言うから、当時ボチボチ出ていたようだが、「マトリックス・レボリューション」にも議員役で出ていたらしい。

ローザ・クレブ

 スペクターの一員として、ボンド殺害計画の指揮を執る。「ロシアより愛をこめて」に登場。小説通り、元はスメルシュの一員だったが、映画ではスペクターに寝返ったという設定で、おまけにその事実はソ連内部やボンドら西側にも知られていなかった。だが、作戦は失敗し、最後には掃除婦に扮して自ら殺害を企むが、寝返ったタチアナに殺される。小説では逮捕されるだけで、原作のイアン・フレミングは一時期シリーズをやめようと考えていて、本来ならばここでボンドは殺されていたのだが、その後九死に一生を得た事になる。
 演ずるのはロッテ・レーニア。1898年10月18日生まれ 1981年11月27日逝去。クルト・ワイルという人の妻で、彼の代表作「三文オペラ」で知られる。

クロンスティーン

 犯罪組織スペクターの一員で作戦担当。「ロシアより愛をこめて」に登場。小説ではソ連のスパイ組織スメルッシユの同様の役柄だった。「ロシアより愛をこめて」に登場。ロシアと言うお国柄か、チェスの腕は一級らしく、試合中にブロフェルドより呼び出しがかかると、さっさと終わらせる事ができるほどの腕前。その頭脳を生かして、一石三鳥の作戦でボンドを始末しようとするが、言ってみれば、グラントがボンドを倒せなかったと言う唯一のミスが原因で失敗。責任を取らされ、毒薬で始末される。
 演ずるのはヴィラデク・シェイバル。番外編「カジノ・ロワイヤル」にも、似たような悪役で出演。

オーリック・ゴールドフィンガー

 「ゴールドフィンガー」に登場。実業家だが、実は金の亡者であらゆる手を使って金を密輸した末、自らの金の価値を高めるべく、フォートノックス金貯蔵庫に原爆を仕掛けて放射能漬けにしようとするグランドスラム作戦(満塁ホーマー作戦)を企む。背後には東側国家の支援があったようだが、はっきりとは描かれず。小説では金塊すべてを盗み出そうとするが、量を考えると時間的に無理と映画の中で指摘されている。ドクター・ノオと並んで、シリーズの中でも印象に残る悪役として知られる。ボンドにより作戦は阻止され、復讐にボンドが移動のために乗った飛行機に押し入るが、格闘の末、機体に穴が開き、気圧差で機外へ放り出される。

 「女王陛下の007」の興行成績が悪かった後の「ダイヤモンドは永遠に」では、ゴールドフィンガーを理想型として製作され、ゴールドフィンガーの双子の弟が登場する案もあったが流れたらしい。

 演ずるのはゲルト・フレーベ。1913年2月25日生まれ 1988年9月5日逝去。「史上最大の作戦」「パリは燃えているか」「素晴らしきヒコーキ野郎」等に出演。イアン・フレミング原作の「チキチキ・バンバン」にも悪役で登場。英語はまったく話せないらしく、映画では吹き替え。

ゴビンダ

 カマル・カーンの殺し屋。「オクトパシー」に登場。ダイスを握りつぶす怪力で精悍な感じだが、ちょっと頭は悪いようで、カーンの理不尽な命令にはちょっと抵抗するお茶目なところも。軽飛行機の上でボンドと格闘し、顔にアンテナを当てられて思わず手を離して墜落する。
 演ずるのはカビール・ベディ。

コリンヌ

 ドラックスの秘書的存在。「ムーンレイカー」にも登場。ヘリの操縦もできる。ボンドに強引に迫られ、ドラックスの秘密を明かしたため、犬に襲わせて殺される。最初からどちらかと言うとボンドよりの行動を取っていたので、悪役というのは支障あるが、一応、一味の情報もつかんでいたので悪役とした。
 演ずるのはコリンヌ・コレリー。「O嬢の物語」「ヒッチハイク」など、出てくれば脱ぐのがウリだった人。

エクレート・ゴンザレス

 殺し屋。「ユア・アイズ・オンリー」に登場。クリスタトスの指示で、ハブロック夫妻を殺害するが、夫妻の娘メリナにボウガンで殺される。現場にまで赴く殺し屋にしては豪邸に住んでおり、美女を大勢侍らせている。
 演ずるのはステファン・カリファ。なんと「トータル・フィアーズ」で原爆を掘り出した役はこの人らしい。

ザオ


 北朝鮮の殺し屋。「ダイ・アナザー・デイ」に登場。
 ムーン大佐に使われ、ボンドとの対決で顔を負傷。整形手術で顔を変えようとするが途中で装置を破壊されたために不気味な顔に。氷の城での対決で破れ、シャンデリアで心臓を貫かれて死ぬ。
 演ずるのはリック・ユーン。「ワイルド・スピード」に出演。

サメディ男爵

 ブードゥー教の悪魔の神と言われる人物。「死ぬのは奴らだ」に登場。カナンガ配下で働き、その魔力もインチキだと判明。毒蛇にかまれて死んだはずが、ラストで生きていたと判明。シリーズで唯一正体不明の人物。
 演ずるのはジェフリー・ホールダー。1930年8月1日生まれ。「カリブの嵐」「アニー」「ブーメラン」などに出演。ダンサーとかとして有名らしい。

サンチェス

 南米の麻薬王。「消されたライセンス」に登場。悪役としては、ただの「麻薬組織のボス」なので、今までの敵とは一回りも小さいのだが、ボンドにしてみれば友人がやられた事に対する個人的な復讐なので、それでも全力投球と言うわけ。「サンチェスの法」という掟を持ち、裏切り者には残忍な死が待っている。会計係は別に裏切ってもいないのに殺されたけど。ボンドとの対決でガソリンまみれにされた上に焼き殺される。
 演ずるのはロバート・ダビー。1953年6月26日生まれ 。「グーニーズ」「ダイハード」「ショーガール」などに出演。小悪党かあくの強いいい役が多い感じ。

三人組の殺し屋

 盲目のでしかも黒人で、小説によれば中国系(チグロと言うらしい)暗殺者。「ドクター・ノオ」に登場。それでいてストラングウェイズと秘書を見事に暗殺し、死体を始末する手際の良さは、実は盲目じゃないのではと言う疑問さえ抱かせる。映画ではボンドも狙うが、こちらはたまたま通りかかって車のせいで失敗に。

シェイディ・トゥリー(写真中央)

 ダイヤ密輸に関わるコメディアン。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
 小説にも出てきたが、映画では組織にどこでどう関与しているのか、よくわからないままウイントとキッドに殺される。カジノのショーにて毒舌で人気。
 演ずるのはレナード・バー。

ジェニー

 ゾリンの下で働く女性。「美しき獲物たち」に登場。やや悪い事もしてる感じはあるものの、核心には加わっていなかったようで、ゾリンの罠で水死する。
 演ずるのはアリソン・ドゥーディ。1966年生まれ。「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」でヒロインになる。

ジョーズ(写真左)


 殺し屋。「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」に登場。長身で怪力。歯は鋼鉄で何でもかみ砕くと言う怪物的存在で、ストロンバーグに使われる。ただし、頭は弱そうで、磁石が歯にくっつくし、「ムーンレイカー」の最後の1セリフを除いて言葉は発しない。サメをも食い殺し、崖から車が落ちても彼だけが死なない。フリーの殺し屋らしく、「ムーンレイカー」ではドラックスに使われるが、少女と恋に落ち、ドラックスが彼女を始末しようとしたため寝返る。また、「ムーンレイカー」のオープニング前は、明らかに第三の人物に雇われていた。成功率がさほど高いも思えないのだが、ドラックス曰く「彼ならば問題ない」等と言う評判らしい。宇宙ステーションに取り残された形になるが、恋人と無事収容されたらしい。同一俳優で再登場した悪役は彼だけ。
 演ずるのはリチャード・キール。1939年9月13日生まれ。218センチの長身。「大陸横断超特急」の似たような殺し屋役が、本作出演のきっかけになったとか。その他「ナバロンの嵐」でバーバラ・バックと共演。「キャノンボール2」にも出演。「GO!GO!ガジェット」には、エンドクレジットの最中に、「殺し屋同盟」の一員として登場する。

ジョーンズ(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 「ドクター・ノオ」に登場。ドクター・ノオ配下の人物で、運転手に扮してジャマイカに到着したボンドをあらぬ方向へ連れて行こうとするが、運転手などいないはずと考えたボンドに見抜かれる。黒幕を追求されるが、毒入りのタバコをかんで自殺する。

スカーピン(写真中央。左はジェームズ・ボンド)

 ゾリンの部下である保安主任。「美しき獲物たち」に登場。目立たないところでボンドの邪魔とかをしていたが、最後までゾリンと共に行動し、飛行船と共に爆死する。

フランシスコ・スカラマンガ

 世界最高の殺し屋。「黄金銃を持つ男」に登場。どんな殺しでも1回100万ドルで請け負い、必ず殺しの前には女性を抱く。そしてその乳首は3つある等と言う逸話の多い人物。サーカス出身。ライターやシガケース等を組み合わせてできる特製の黄金銃を使用。1発しか弾がないのだが、殺しをスポーツ的に考えるスカラマンガは、むしろそれを楽しんでいる様子。普段は、召使いのニック・ナックが作った仕掛けが一杯の部屋で、殺し屋と腕自慢をして楽しむ。いわばボンドのダークサイドと言われる。ボンドとは彼の孤島で対決するが、ボンドが自分の蝋人形に扮していたため気づかず、撃たれて死ぬ。
 演ずるのはクリストファー・リー。1922年5月27日生まれ。ドラキュラ、フランケンシュタイン、シャーロック・ホームズ等のキャラをことごとく演じ、近年はスターウォーズとロード・オブ・ザ・リングの両シリーズに出演。

スタンパー
 カーバーに使われる殺し屋。「トゥモロー・ネバー・ダイ」に登場。

 冷徹な殺し屋風だが、恩師の復讐心に燃えるあたりどうかとも思う。
 演ずるのはゴッツ・オットー。「ベオ・ウルフ」「ブル・ドッグ」なんて怪しげなビデオ作品に出ている模様。

カール・ストロンバーグ

 海洋学者。「私を愛したスパイ」に登場。腕には水かきがあるため握手をしないという設定で、映画では握手をしない部分だけが残る。海に愛着を感じ、地上を荒らす連中を絶滅させるため、米ソを核戦争に陥られせようと画策。だが、ボンドが阻止し、ストロンバーグの基地で対決。テーブルの下に銃を隠すが、ボンドには見破られて、わざわざテーブルの下の銃用パイプを逆に撃って倒される。なぜか最後に来てアニヤに関心を示した様子。
 演ずるのはクルト・ユルゲンス。1912年12月13日生まれ 1982年6月18日逝去。「眼下の敵」「史上最大の作戦」など戦争物のドイツ軍将校役が多い。

モートン・スランバー(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 葬儀屋。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
  ダイヤの密輸に関係し、多少上の方の人物。ボンドをピーター・フランクスと思いこみダイヤを回収して火葬しようとするが、ダイヤが偽物とわかって助ける事に。
 演ずるのはデビッド・バウアー。

マックス・ゾリン

 コンピュータ業界の新鋭である富豪。「美しき獲物たち」に登場。断層を爆破しシリコンパレーを水没させ、業界を独占しようとするが、ボンドに阻止され、金門橋から落とされて死ぬ。ソ連が生み出したステロイド児らしく、その技術を競馬にも悪用する。部下をも平気で切り捨てる性格が災いしたのか、最後には味方がほとんどいなくなる。
 演ずるのはクリストファー・ウォーケン。1943年3月31日生まれ。「ディアハンター」でアカデミー賞受賞。「デッドゾーン」「ブレインストーム」等に出演。近年は脇の悪役が多かったが、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で久々にアカデミー賞候補に。

ダーバル少佐(写真左。右はニセ者)

 NATOの将校。「サンダーボール作戦」に登場。原爆輸送の演習に参加するが、フィオナに誘惑され、替え玉にすり替わられてしまう。彼の妹がドミノで、彼女がラルゴに復讐を誓う。

タイナン博士
 歯科医。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
 南アフリカの鉱山で働き、作業員が隠したダイヤを回収するが、ウイントとキッドにサソリの毒で殺される。
 演ずるのはデビッド・デキィザー。

ダリオ(写真右。左はサンチェス)

 カーバーに使われる殺し屋。「消されたライセンス」に登場。
 妙に気取った危なげな殺し屋だが、頭はあまりよくない感じ。麻薬王に雇われていながら、彼がボンドを雇った事をクライマックスまで知らず、クライマックスで簡単に気づいて格闘になるが、固めた麻薬用の粉砕器に落ちて死ぬ。
 演ずるのはベニチオ・デル・トロ。1967年2月19日生まれ。「ザ・ファン」「トラフィック」「誘拐犯」「ハンテッド」などでちょっと危なげなキャラを演じ続ける。「トラフィック」でアカデミー賞受賞。

メイ・デイ(写真中央)

 ゾリンの用心棒。「美しき獲物たち」に登場。女性ながら、男よりも怪力で、ボンドも歯が立たないが、ゾリンに見捨てられたと知り、逆にゾリンの断層爆破を阻止して自爆する。和田アキ子風の笑い方。
 演ずるのはグレース・ジョーンズ。1948年5月19日生まれ。ミュージシャンとしても知られ、「キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2」「ブーメラン」等に出演。

デント教授(写真右。左はジェームズ・ボンド)

 ジャマイカでドクター・ノオ配下で働く地質学者。「ドクター・ノオ」に登場。鉱物学者で、行方不明になったストラングウェイズのトランプ仲間でもあったが、 実はドクター・ノオの手下で、クラブ・キーの事を隠し、ボンドを殺せとの指示を受けて毒グモで攻撃するが失敗。最後は自ら殺しに向かうが、スミス&ウェッソンをやたら撃ちまくって6発を使い切り、肝心な時に弾が無くてボンドにやられる。小説にはいなかったキャラで、そもそも当初は、彼を悪役としており、ドクター・ノオは実在せずただの猿だったと言う企画だったようだが、かなり改訂されたらしい。丸腰の彼をボンドが射殺するシーンが入れられる事により、ボンドのキャラが確定されたと言われる。
 演ずるのはアンソニー・ドーソン。テレンス・ヤングの旧友で起用されたとか。「ロシアより愛をこめて」では、クレジットされていないが、ブロフェルドを演じた。「ドクター・コネリー」でコネリーの弟と共演。「ダイヤルMを廻せ」の殺し屋役でも知られる。「地獄の謝肉祭」他のC級作品の監督もしているようだが。

ドクター・ノオ

 スペクターの幹部の一人。「ドクター・ノオ」に登場。ジャマイカのクラブ・キーに基地を置き、そこから怪電波で月ロケットを失敗させる研究をする。元々は中国人の犯罪組織に所属したが、そこの金を持ち出して、独自の組織を作り上げる。小説では組織の一員ではなく、単独で動いており、その陰謀もミサイルの弾道を変えるという物だった。ブロフェルドの部下に甘んじてると言うのも妙な感じだ。放射能研究のため両腕は義手となっており、ボンドとの対決で、義手であるが故にハシゴがしっかり握れず原子炉に落ちて死ぬ。「ロシアより愛をこめて」の作戦は、彼に対する復讐の意味もあった。
 演ずるのはジョゼフ・ワイズマン。「探偵物語」の犯人役で知られる。もともとドクター・ノオ役は原作者のいとこであるクリストファー・リーらが候補に出たが、知名度でワイズマンになったと言うから、当時は有名だったのだろう。

ウイリアム・トルーマン・ロッジ

 麻薬王サンチェスの経理担当。「消されたライセンス」に登場。
 サンチェスと対等のつもりででかい態度を取り、ボンドによって失った損失をやたら気にしていたら、サンチェスに人件費削除と称して始末される。
 演ずるのはアンソニー・スターク。1963年6月6日生。TV「荒野の七人」のレギュラーとか、ボチボチ働いてる様子。

トロ(写真右。左はジェームズ・ボンド)

 南米某国の将軍。「オクトパシー」に登場。ボンドが彼に変装して新型戦闘機爆破しようとしたのを見破るが、後に自軍のミサイルで爆死する。

ヒューゴ・ドラックス(写真右。左はジェームズ・ボンド)

 実業家。「ムーンレイカー」に登場。動物と植物を残し、人類を絶滅させようとするノアの箱船的計画を立てる。民間でスペースシャトルを開発して計画を進めていたがたまたま欠陥があったので、NASAに直させて、それを盗むというまだるこしい事をしてばれてしまう。最後は宇宙ステーションにて、ボンドが手首に隠した銃に撃たれ、宇宙へ放り出される。
 演ずるのはミッシェル・ロンズデール。英語風にマイケル・ロンズデールと名乗った事もあり、「ジャッカルの日」のルベル警視役で知られる。

ナオミ

 ストロンバーグの秘書兼殺し屋。「私を愛したスパイ」に登場。ヘリでボンドらを殺害しようとするが返り討ちにあう。
 演ずるのはキャロライン・マンロー。「シンドバット黄金の航海」他B級作品が中心。

ナンバー9(写真右)

 スペクターの幹部。「サンダーボール作戦」に登場。組織の金を横領し、ブロフェルドにより処刑される。

偽ボンド

 「ロシアより愛をこめて」に登場。グラントの殺しの練習用に、わざわざボンドのマスクをさせられて殺される実験台。マスクをはずしても俳優の顔がショーン・コネリーによく似ていたので、後処理で顔を変えたらしい。

ニック・ナック

 殺し屋スカラマンガの召使い。「黄金銃を持つ男」に登場。スカラマンガを殺して遺産を得ると称し、仕掛け満載の屋敷を造って、スカラマンガと殺し屋を対決させる。だが、スカラマンガが殺されると、ボンドを殺害しようと現れるが、身長の小ささは不気味でこそあれ、格闘には圧倒的に不利で、簡単にやられてしまう。
 演ずるのはハーボ・ビレシューズ。名前の表記はまちまちで、どれが正しいのやら。小さいと言う不気味さを利用して、TV「ファンタジー・アイランド」等に登場。「フライングハイ2」では、あたかも重力で背が縮んだかのような登場の仕方をする。

ネクロス

 英国諜報員。「リビング・デイライツ」に登場。コスコフ将軍の部下で、彼の狂言亡命を演出。英国情報部から奪還してみせる。輸送機でボンドと対決するが、振り落とされる。
 演ずるのはアンドレアス・ウィスニエフスキー。「ダイハード」で、最初にブルース・ウイリスに殺されるテロリスト、つまりカールの弟を演ずる。

ハーガシャイマー博士

 ブロフェルドの研究所で働く。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。G課という部署に所属。ボンドにその身分証を見られて、名前を語られる。
 演ずるのはエド・ビショップ。TV「謎の円盤UFO」のストレーカー司令官。

バーガス

 ラルゴの部下。「サンダーボール作戦」に登場。女にも金にも興味がないらしい。ドミノとボンドが密談しているのを見て、どちらを殺そうと思ったかわからないがわざわざサイレンサーを取りに行って、撃とうとするが感づかれ、水中銃でやられる。ラルゴに報告すれば良かったんだが。。。

ハンス

 ブロフェルドお抱えの殺し屋。「007は二度死ぬ」に登場。グラント風だが頭はさらに悪そうで、たいして出番はなく、ブロフェルドにロケット自爆用の鍵を託されるが、ボンドとの対決でピラニアの池に落とされて死ぬ。ボンドに「まずかろうに」と言われる。
 演ずるのはロナルド・リッチ。

ティー・ヒー

 カナンガの組織の幹部兼殺し屋。「死ぬのは奴らだ」に登場。片手は義手でワニに食われたと言う。その義手で拳銃をねじ曲げたり、物を切ったりする。カナンガの死後、列車でボンドと対決するが、義手のワイヤーを切られると役立たずになり、列車から突き落とされる。
 演ずるのはジュリアス・W・ハリス。「黒いジャガー シャフト旋風」等に出演した黒人俳優。

ミスター・ビッグ

 暗黒街の麻薬王。「死ぬのは奴らだ」に登場。その素性がよくわからない内に、実はサン・モニクの首相カナンガと同一人物とわかる。小説ではカナンガは暗黒街のボスで、通称ミスター・ビッグ。サン・モニクなんて国は出てこない。
 演ずるのはヤフェット・コットーだが、一応マスクをしている。

ハイ・ファット(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 中国人富豪。「黄金銃を持つ男」に登場。スカラマンガと組んで太陽熱の技術を手に入れようとするが、スカラマンガに殺され、その資金だけを利用されるマヌケな人物。豪華な墓を作って、直ちに入るハメとなる。
 演ずるのはリチャード・ルー。

ジョー・ブッチャー教授

 麻薬王サンチェスに使われるカルト教団教祖。「消されたライセンス」に登場。
 その総本山はサンチェスの隠れ蓑となっており、その上で信者から金も巻き上げている。
 演ずるのはウイトン・ニュートン。

ブバール大佐

 スペクターの幹部。「サンダーボール作戦」に登場。英国情報員を2名も殺すが、自ら死んだフリをして葬式までやる。だが、未亡人に扮した彼が、女性なのに自分で車を開けた事からボンドに気づかれる。格闘の末、ボンドに倒される。
 演ずるのはボブ・シモンズ。007シリーズのスタント担当で、ゴールドフィンガーまでの初期3作で、冒頭に銃口に向かって撃っているのはショーン・コネリーではなく、ボブ・シモンズだった。

ピーター・フランクス(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 ダイヤの密輸人。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。捕らわれてボンドが彼に扮するが、逃げ出して格闘の末殺される。ティファニーと接触するはずだったが、彼女も顔は知らないらしく指紋だけでごまかされる。
 演ずるのはジョー・ロビンソン。

 エルンスト・スタブロ・ブロフェルド
 犯罪組織スペクターの首領。ナンバー1と呼ばれる。小説ではスペクトルと呼ばれ、ナンバーは定期的に変わるため、「サンダーボール作戦」の際は、ブロフェルドがナンバー2。ラルゴがナンバー1だった。もっとも、これはわかりづらいので、映画の方が正解と言える。登場のたびに俳優が変わるのは、整形だとする説や、複数人いると言う説あり。小説での誕生日は、原作者イアン・フレミングと同じ日。
 映画での初登場は「ロシアより愛をこめて」。この時は顔は見せず、首から下のみ。顔を見せない事はドクター・ノオの路線。猫を抱いているのも特徴。失敗したクロンスティーンの始末を指示。

 次の登場は「サンダーボール作戦」。ここでも顔は見せず、今度は横領した幹部を始末する。

 続いての登場は「007は二度死ぬ」。今までは、幹部に作戦を任せていたブロフェルドが、この回は自ら指揮を執る。前半は顔を見せないのだが、ボンドが日本の基地に乗り込んだところで初めて顔を見せる。ハゲ頭で顔の傷が特徴。基地が破壊されて逃走する。手には手裏剣が当たっていたはずだが。ここでも失敗したヘルガをピラニアの池へ落とし、大里は射殺。ビデオではアンスト・S・ブロフェルドと訳されていた。ここから人民服を着る。それ以前は背広だった。ブロフェルドが顔を見せると話題になり、作品後半にようやく顔を見せるが、見せなかった時の不気味さに比べ、いざ見せるとたいしたことなかったと言う失望は否めない。
 演ずるのはドナルド・プレゼンス。1919年10月5日生まれ 1995年2月2日逝去。独特の風貌で悪役が多く、「ミクロの決死圏」でも悪役だったが、「大脱走」では脱走する側の偽造屋を演ずる。彼自身、この脱走に参加したという経歴を持つらしい。もともとは別の人が演ずるはずだったところを、撮影開始後に代役として出演。

 次は「女王陛下の007」スイスの研究所で美女に細菌を持たせ、ばらまくと脅して、何と国連に爵位を認めさせるよう要求。今回は自らスキーしたりボブスレーしたりして活動的。今回もハゲ頭だが、ブローシャン家の出だと主張し、その特徴として耳たぶがない。かつてはあったのだが。爵位の研究家に扮したボンドと再会するが、なぜかすぐには気がつかない。これは、小説では順序が「007は二度死ぬ」と逆のため。またも作戦は妨害され、ボブスレー上でのボンドとの格闘で首を木に引っかけてむち打ちに。小説では妻だが、映画では秘書程度の存在であるイルマ・ブントに、ボンドの妻トレーシーを射殺させる。
演ずるのはテリー・サバラス。1924年1月21日生まれ。1994年1月22日逝去。スキンヘッドが特徴だが、「終身犯」では髪の毛あり。「恐怖の岬」「バルジ大作戦」「カプリコン1」等に出演。悪役よりは、一癖あるけどいい人という役が多い気がする。

 最後は「ダイヤモンドは永遠に」。トレーシーの仇としてボンドに始末されるが、その際、整形手術で影武者を作っている事が判明。だが、ダイヤモンドをかき集め、レーザー衛星で地上の兵器を破壊する計画の首謀者が、生きていたブロフェルドと判明。ペントハウスから出てこない富豪ウイラード・ホワイトに扮して、彼の財力を利用。影武者には他にもおり、猫にも影武者がいる事が判明。しかも、なぜか今までと違いハゲではない。バハにホワイトの油田はない事から、基地であると発覚。かけつけたボンドに逃走用のボートごと基地にたたきつけられるが、生死は不明。ブロフェルドのモデルは富豪ハワード・ヒューズと言われ、ホワイトは明らかにヒューズを意識している。ヒューズもこの作品は気に入って、プライベートシアターで上映したらしい。
 演ずるのはチャールズ・グレイ。1928年8月29日。2000年3月9日逝去。「ロッキー・ホラー・ショー」等で知られるが、「007は二度死ぬ」のヘンダーソン役に続いての出演。

 一応、正確にはここまでなのだが、その後「ユア・アイズ・オンリー」の冒頭に、どう見てもブロフェルドとしか思えない人物が登場。ハゲ頭で人民服を着、猫を抱いている上、ボンドと因縁があるらしい。車イスでボンドの乗るヘリをリモコン操縦するが、反撃を受けて煙突に落とされる。

 「サンダーボール作戦」のリメイクなので、番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」にもブロフェルドは登場。特徴は本家とよく似ているが、悪役はラルゴなので、たいして活躍せず。

フロイライン・イルマ・ブント

 ブロフェルドの秘書的存在。「女王陛下の007」に登場。小説ではブロフェルドの妻で、「007は二度死ぬ」にも再登場するが、映画では女王陛下のみ。妻という描写もない。ブロフェルドの研究所を仕切り、女性患者を見張る一方、ボンド追跡には現地に行く行動派。ボンドの妻トレーシーを殺害した張本人。
 演ずるのはイルゼ・ステパット。

ヘルガ

 スペクターの幹部。「007は二度死ぬ」に登場。大里の下で働く一方、ボンド殺害を命じられているのに誘惑したりして、結局始末しようとするが失敗。その責任を問われてブロフェルドにより、ピラニアの池へ落とされる。
 演ずるのはカリン・ドール。1936年2月22日生まれ。ヒッチコックの「トパーズ」に出演しており、花弁が開くようにドレスが広がって死ぬシーンが美しいと三島由紀夫が絶賛した。

ボリス・グリシェンコ

 ロシアの宇宙局に勤めるコンピュータ技師。実はヤヌスの一員「ゴールデンアイ」に登場。
 ウルモフらと協力し、ゴールデンアイを奪うのに協力。ナターリアに気があるのに殺そうとし、最後は基地を爆破されて液体窒素で凍りづけになって死ぬ。
 演ずるのはアラン・カミング。1965年1月27日生まれ。「スパイキッズ」シリーズ、「X−メン2」などで、ちょっと悪がしそうな役を演ずる。

セルゲイ・ボルゾフ

 KGBの殺し屋。「私を愛したスパイ」に登場。ボンド暗殺部隊の指揮を執るが、返り討ちにあって死ぬ。ソ連のトップスパイXXXと恋仲だった事から、彼女がボンドを恨む原因となる。
 演ずるのはマイケル・ビリントン。ジョージ・レイゼンビーに似てるなんて話もあって、楽屋落ちと言われたが、それほど似てない?

マグダ(写真左。右はカマル・カーン)

 オクトパシー配下の女性。「オクトパシー」に登場。普段はカマル・カーンらと行動していたが、最終的にはオクトパシーと共にカーンの陰謀を阻止する。
 演ずるのはクリスチナ・ウェイボーン。

松崎真

 神戸港でボンドを襲う船員。「007は二度死ぬ」に登場。座布団は配っていない。

ジル・マスターソン(写真右。左はジェームズ・ボンド)

 ゴールドフィンガーの秘書で、自称情婦ではない。「ゴールドフィンガー」に登場。カードで小銭を稼ごうとするゴールドフィンガーのため、ホテルのベランダからカードを盗み見て、無線で知らせる仕事をしていたが、ボンドにトリックに気づかれて妨害される。特に彼女は困った様子も見せなかったが、ゴールドフィンガーの逆鱗には触れたようで、全身に金粉を塗られ、皮膚呼吸ができなく窒息死する。

 演ずるのはシャーリー・イートン。1936年1月12日生まれ。イギリスを中心に活躍した女優。

ミーシカとグリーシカ

 オルロフ将軍の殺し屋。「オクトパシー」に登場。009殺害に成功するが、ボンドは倒せず返り討ちにあう。片方は列車で殺されて人間大砲内に隠される。もう片方は森で対決し、小屋のドアにボンドを縛り付けたつもりが意外に手が自由だった事に気づかず、自分のナイフで殺される。
 演ずるのはデイヴィッド・メイヤーとトニー・メイヤーの双子。

デミトリ・ミシュキン

 ロシア防衛大臣。「ゴールデンアイ」に登場。
 ボンドがロシアに敵対行為をしていると思い捕らえるが、ウルモフに始末される。

ミスター・ソロ

 マフィアの幹部。「ゴールドフィンガー」に登場。ゴールドフィンガーの依頼で、彼の必要な材料を運ぶ仕事をした上、さらにグランドスラム作戦への参加を依頼されるが、多くのマフィアの中で、彼だけが参加を拒否し、オッドジョブに空港まで送られる。が、その途中で車ごとスクラップにされてしまう。では、作戦に参加すれば良かったのかと言うと、参加する気になった連中も毒ガスで殺されてしまい、何のためにゴールドフィンガーがこんな面倒をしたのかと言うと、見せ場を増やすためとしか言いようがない。
 演ずるのはマーチン・ベンソン。「王様と私」にも出演。

ミスター・リン

 ゴールドフィンガーの助手の核融合の専門家。「ゴールドフィンガー」に登場。フォートノックスの中で原爆を爆発させるために参加。ボンドにも顔を知られてるくらいだから、有名人らしい。だが、米軍の連中がかけつけたと知ったゴールドフィンガーが、すかさず米軍のフリをして射殺する。
 演ずるのはバート・クウォーク。1930年7月18日生まれ。ピンクパンサーシリーズのケイトー、「キス・オブ・ザ・ドラゴン」等にも出ているが、どちらかというと印象の薄い日本人(アジア人)役が多い感じ。007は二度死ぬではbR役で再登場。しかし、ナンバーのつく幹部にしては、なんか頼りない。

ミス・ターロー

 「ドクター・ノオ」に登場。ジャマイカの英国総督の助手だが、実はドクター・ノオの一味で、彼に不利な資料を隠したりするが、ボンドに怪しまれる。デント教授によるボンド殺害を助けるため足止めするが、見抜かれていて逮捕される。
 演ずるのはゼナ・マーシャル。

ムーン大佐
 北朝鮮の大佐で、将軍の息子。「ダイ・アナザー・デイ」に登場。
 冒頭のボンドとの対決で死んだと思われたが、実は生きていて顔を整形しダイヤ王として世界支配をたくらむ。
 演ずるのはウィル・ユン・リー。

メッツ博士

 レーザー衛星の権威。「ダイヤモンドは永遠に」に登場。ブロフェルドに手なづけられ、衛星を開発するが、平和目的と思いこまされており、ボンドらの襲撃で生死は不明。
 演ずるのはジョゼフ・ファースト。

モゼニー

 「ロシアより愛をこめて」に登場。スペクターの一員として、殺し屋グラントを教育し、失敗をしたクロンスティーンを始末し、最後にはボートでボンドを追跡するが、火の海に包まれて死ぬ。
 演ずるウォルター・ゴテルは後にゴゴール将軍としてレギュラー出演する。

カール・モルトナー博士
 元ナチで、その後ソ連でステロイドの研究をしていた博士。「美しき獲物たち」に登場。いわばゾリンの生みの親だが、今では使われる立場に。競馬の馬にステロイドを投与して儲ける協力をしていたが、最後はゾリンと共に飛行船で逃げ、爆発して死ぬ
 演ずるのはウィロビー・グレイ。

山小屋の女

 KGBの手先。「私を愛したスパイ」に登場。ボンドといい仲になったフリをして、KGBの暗殺部隊が来るまでの時間稼ぎをする。
 演ずるのはスー・バナー。

ラザー(写真左。右はジェームズ・ボンド)

 特製銃器製造のプロ。「黄金銃を持つ男」に登場。黄金銃用の弾や、指が1本ない人のための銃などを製造。「ジャッカルの日」の銃のプロを思わせるが、割に簡単に顧客の情報を明かす。
 演ずるのはマーン・メイトランド。

ルペ・ラモーラ

 麻薬王サンチェスの愛人。「消されたライセンス」に登場。
 愛人でありながら、すぐに逃げ出し、一緒にいた男が始末されたりする迷惑な存在。ボンドに救いを求め、ボンドのおかげでサンチェスは倒されるが、彼はパムの方を選んで、何となくロペス大統領とひっつかされる。
 演ずるのはタリサ・ソト。1967年3月27日生まれ。「モータル・コンバット」他に出演。「デンジャラス・ビューティ」他のベンジャミン・ブラットの妻。

エミリオ・ラルゴ

 犯罪組織スペクターのナンバー2。「サンダーボール作戦」に登場。スペクターによるNATO作戦を指揮し、自ら現場に赴く行動力を見せる。2基の原爆を見事に奪ってみせるが、ボンドに隠し場所を見つけられ、情婦だったドミノの兄を殺害したため、復讐で殺される。
 演ずるのはアドルフォ・チェリ。1922年7月22日生まれ 1986年2月19日逝去。「グラン・プリ」等に出演。「ドクター・コネリー」でショーン・コネリーの弟と共演。ラルゴと似たような役柄を演ずる。

リパラス号艦長

 リパラス号艦長。「私を愛したスパイ」に登場。ストロンバーグと共に彼の計画を遂行しリパラス号を任させられるが、ボンドらの襲撃で倒される。

リッピ伯爵

 「サンダーボール作戦」に登場。スペクターの一員で、療養所を利用してダーバル少佐を替え玉と差し替える役を担う。だが、彼が犯罪組織の一員である入れ墨をしている事を、たまたま休養中のボンドに気づかれてトラブルを起こし、ボンドに復讐心を燃やすが、ブロフェルドの指示によりフィオナに始末される。ただし、この療養所のシーンはテレビではバッサリカットされる事が多く、フィオナに殺されるところだけ放送されるので訳がわからない。
 演ずるのはガイ・ドールマン。「国際諜報局」「パーマーの危機脱出」のハリー・パーマーシリーズに出演。

レナード

 無政府主義者レナード。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に出演。脳に弾丸を受け、痛みを感じないために、いずれは死ぬのだが、無敵の強さを誇る事に。誘拐したエレクトラと影で通じ、テロ活動を起こすが、ボンドに倒される。
 演ずるのはロバート・カーライル。1961年4月14日生まれ。「フル・モンティ」「ザ・ビーチ」等に出演。

ロージー・カーバー

 英国情報部員だが、カナンガの手下らしい。「死ぬのは奴らだ」に登場。黒人初のボンドガールとしてお相手もする。ボンドには最初から怪しまれるが、そうでもない味方だと言う素振りを見せ、そのくせ結局カナンガを恐れて逃げ出し、何だかわからないまま始末される。当初はロージーを白人にし、ソリティアをダイアナ・ロスが演ずると言う案もあったらしい。
 演ずるのはグロリア・ヘンドリー。「黒帯ドラゴン」にも出演。

エミール・レオポルド・ロック

 クリスタトスの下で働く殺し屋。「ユア・アイズ・オンリー」に登場。コロンボの手下かと思わせるが、正体がばれ、ボンドに車ごと崖下に落とされる。
 演ずるのはマイケル・ゴザード。

エクトール・ロペス大統領

 イシマスの大統領。「消されたライセンス」に登場。
 大統領とは名ばかりで、実体は麻薬王サンチェスに利用される身。ただし、おかげで殺されたりはせず、最後にルペをあてがわれる。
 演ずるのはペドロ・アルメンダリスJr。1940年4月6日生まれ「ロシアより愛をこめて」に出演したアルメンダリスの息子。「荒野の七人/真昼の決闘」「大地震」「マスク・オブ・ゾロ」等に出演。メキシコ人なので、そう言う役が多いよう。