第1話 運命の二人

 1901年の同じ日。東ポーランドにブアデク、ボストンにケインが生まれる。
貧しい家に拾われたブアデクは、ロスノフスキー男爵の息子レオンの学友に。
独軍の進攻でレオンは死に、男爵は死のまぎわに、ブアデクが実の息子だと告げる。
やがて、独軍は撤退し、ロシア軍に捕らえられ、姉フロレンティナは強姦されて死ぬ。
ブアデク(ピーター・ストラウス)はシベリアの収容所へ。脱走しトルコへ。
ポーランド領事に勧められ、アメリカへ向かう事に。船中でザフィアと知り合う。
一方、銀行家の息子ケインは、父をタイタニックの事故で失う。
母アンはオズボーンと結婚。だが、アンは夫の浮気を知り心労で死ぬ。
ケイン(サム・ニール)は義父オズボーンを追い出す。
彼は友人マシューの銀行と、父の銀行の合併を計画する。
23年。ブアデクはアベルと改名し、プラザホテルで給仕を勤める。
その日、卒業祝いに取締役就任が決まるケインと、運命的な出会いをする。
リッチランホテルのリロイは、シカゴの副支配人としてアベルを引き抜く。

 ケインの後見人ロイドにリチャード・アンダーソン。

TV放映 94/05/08 BS11 19:20-21:00
 

第2話 成功への階段

 支配人の横領を突き止めたアベルは、支配人に。私財を投じ株主となる。
世界恐慌で、ホテルはケインの銀行に抵当に取られる。
恩人リロイはアベルにホテルを残して自殺。
アベルはホテル再建のため、ケインに利益を上げると約束し、投資を求める。
だが、負債を返済しなければ競売すると言うケインに、アベルは復讐を誓う。
30年。シカゴリッチランが前支配人の放火で全焼する。
保険会社のオズボーンは、ケインを憎む心からアベルに接近。
アベルは競争相手のスチーブンスホテル、マクストンに投資を要求。
競争心が逆に利益を呼ぶと主張。そこで働くザフィアと再会する。
やがて匿名人物がケインに投資。アベルはホテルの再建とケインへの復讐を誓う。

TV放映 94/05/09 BS11 20:00-20:57
 

第3話 果てしなき対決

 33年。アベルはシカゴバロンを皮切りに、バロングループを拡大する。
オズボーンは下院議員に。アベルはザフィアと結婚。娘フロレンティナが生まれる。
ケインはケイトと結婚。友人マシューが酒に溺れるのを黙認したため、頭取を逃す。
マシューは不治の病で死に、続いて彼の父レスターも死ぬ。
レスターの遺言で頭取になったケインは、ケイン銀行と合併させる。
そのため、所有株の割合が下がり、支配権を失う。
一方、ザフィアは、ホテル王の妻である事に耐えられず離婚。
アベルは、マシューの妹スーザンが放出した銀行の株6%を回収する。
あと2%で株主になり、ケインが投資する航空会社株も買い集める。
もしアベルが一気に株を放出すれば、買い支えで銀行は大打撃だ。
ケインはアベルに和解を求めるが、アベルにその意志がないと知り逆に怒りを覚える。

TV放映 94/05/10 BS11 20:00-20:57
 

第4話 許されざる恋

 53年。アベルは娘フロレンティナと故郷ポーランドを訪問。
航空会社の事故を知り、株を一気に放出。打撃を与え、底値で買い戻した。
そのため、ケインは詐欺行為として告発するが、
アベルは審問会で、悪意はなく利益は慈善事業に回すと主張したため無罪に。
フロレンティナは卒業し、勉強のため偽名でデパートの売り子を経験する。
議員の座を失ったオズボーンは、アベルに金を要求。
アベルに払う意志がないと知ると、不正取引のメモを公開すると脅迫する。
ケインの息子リチャードとフロレンティナは、互いの素性を知りながら愛し合う。
やがて結婚を決意。だが、互いの父はこれに激怒して勘当。
フロレンティナらはシスコで再出発する事を決意。

TV放映 94/05/11 BS11 20:00-20:57
 

第5話 最後の闘い

 57年。フロレンティナとリチャードはシスコで店を作る。
ケインはオズボーンが握る贈賄の証拠を買い取り、司法省を流す。
アベルに逮捕状が出され、ポーランド大使就任の話は反故に。
だが、贈賄の証拠を握ったのがケインと知り、オズボーンは自殺。
証人の死でアベルは大半の訴状を逃れ、ケインの銀行の株を買い取り、大株主に。
取締役の座を要求され、銀行を窮地に追い込んだ責任を問われ、ケインは辞任。
62年。フロレンティナの店でパーティが開催。
ひそかに見に来たケインとアベルが出会う。その日、病気でケインは息を引き取る。
アベルは、かつて彼に投資し窮地を救った匿名の人物が、ケインだったと知る。
ケインの葬儀に出席した彼は、フロレンティナらと和解。
66年。亡きアベル念願のワルシャワバロンが完成。
この式典に参加した孫の名は、ウイリアム・アベル・ケインと言った。

 と言うわけで、ジェフリー・アーチャー原作の大河ドラマのTVドラマ化。
続編でフロレンティナが米初の女性大統領になるが、それはなし。
ケインとアベルと言う運命で結ばれた2人が、互いに数奇な経験を積んで
米国の経済会の中心人物となっていく様は、なかなか見応えがある。
しかし、アベルがホテル王になるまではサクセスストーリーとしてなかなかだが、
それから後は、やや調子が落ちる。

TV放映 94/05/12 BS11 20:00-20:57