第1話 翼のために

 44年6月英国。空挺部隊の出動が、悪天のため延期になる。
2年前。ウィンターズ少尉のE中隊はジョージアで訓練中。
上官であるソベル中尉の、必要以上のしごきに耐える。
ソベルは上官には受けがよく、大尉に昇進。ウインターズも中尉に昇進する。
だがソベルは彼を食堂係に回す。演習で失態を犯したソベルに対し批判が高まる。
怒ったソベルはウインターズを命令違反だと軍法会議にかけようとするが
下士官たちは反乱を起こし、ついにソベルは飛行学校へ左遷される。
44年5月英国。彼らの上官としてニーハン中尉が赴任。
ノルマンディ上陸作戦の準備をするが、悪天のため延期に。
バルミアの兄が戦死したとの連絡が入り、6/5ついに出動する。

 と言うわけで、鳴り物入りで公開されたテレビシリーズだが
第一話はよくあるしごきシーンで、物語としてはまだまだ。
全員が軍服で、昇進したりもする物だから
人物関係はとらえづらい。
音楽はマイケル・ケイメン。

TV放送 2002/07/28 BS05 1230-1350
 

第2話 ノルマンディ降下作戦

 隊は降下準備するが、高射砲で撃たれ散り散りに。
ウインターズも林を迷走し、何とか仲間と合流。武器も失うがかき集める。
本来ならば、明日までにユタビーチを占拠せねば、連合軍が上陸できない。
ガルニアは命令無視して独兵を射殺。禁止したウインターズと対立する。
ついに上陸作戦が開始。町で他の隊と合流するが、9割が行方不明だと言う。
独兵の捕虜を問答無用で射殺する者も。E中隊は12名しかいない。
隊からはぐれたドレインも参加する事に。砲撃する独軍との激しい撃ち合いに。
ニーハン中尉が行方不明のままで、ウインターズが中隊長を務める事に。
戦いで敵の地図を得たが、部下を一人失ったと悔やむ。

 と言うわけで、第2話で実戦に突入。
ノルマンディ上陸と言えば、「史上最大の作戦」のように
上陸の方が印象に残るが、ここでは内陸にいきなり降りてしまい
いきなり激しい戦闘に。
銃撃戦の描写はかなり激しく、映画をも上回る物があり
カメラワークも手ぶれ風でリアルだが、見ていて疲れる。
捕虜の敵兵を射殺したりするシーンもあり、見ていてスカッとはしない。

TV放送 2002/07/28 BS05 1350-1500
 

第3話 カランタン攻略

 44年6/8ノルマンディ。ミーハン中尉が行方不明になり、ウインターズが指揮。
独軍が制圧しているらしきカランタンを、攻略せよとの命令が入る。
町で激しい撃ち合いに。独兵は撤退。隊は沼地へ移動するが、反撃も予想される。
ブライスは極度の緊張状態に。激しい撃ち合いの中、怯えてしまう。
味方の戦車部隊が来て、独軍は撤退。
吹っ切れて冷静を取り戻したブライスは、正確な射撃で敵を倒していく。
しかし、建物を奪おうとして首を撃たれて病院送りに。
その建物はさして重要でなく、ただちに撤退が決定される。
ブライスはその後戦場には戻らず、48年に死亡した。

 と言うわけで、今回も激しい戦闘シーンが目白押しで
それは前回も同じだったから、目新しくはない。
ポイントは、戦場で戦えなくなった兵が
何かが吹っ切れたように先頭に立って戦うようになるが
価値のない小屋の攻略でやられて死に、
軽いケガばかりしている兵が勲章をもらえたりする皮肉さか。
こんな話、世間でもよくある気がする。

TV放送 2002/08/04 BS05 1230-1345
 

第4話 補充兵

 44年9/13英国。隊はマーケットガーデン作戦に参加。
オランダへ降下し、町を解放。英軍のアーネム進行を助ける任務に就く。
敵はほとんどいないはずだ。
オランダでは人々に歓迎され、ナチに友好的だった女性は髪を切られる。
男性は射殺されたと言う。一行は橋へ向かうが、狙撃兵に撃たれて大混乱に。
戦車もいるらしい上、包囲されて退却もできない。町は爆撃を受ける。
独軍は機甲部隊を集め、独侵攻へは別の手段を考える事に。
クリスマスまでに終戦すると言う計画は失敗に終わった。
アーネムでは8000人が死亡した。

 と言うわけで、「遠すぎた橋」にも出たマーケットガーデン作戦が登場。
この後、バルジ大作戦も出るらしいし、ヒトラーの家にも行くらしいから
1つの隊にしては、いろいろ経験しすぎという気もする。
戦闘としては地味で、
独兵との格闘や市民が出てきたりするあたりが、目新しい。

TV放送 2002/08/04 BS05 1345-1455
 

第5話 岐路

 44年10月オランダ。ライン川付近の落下傘部隊の救出作戦に。
潜んでいる敵と撃ち合いに。敵は敗走。
ウインターズが大隊を指揮し、E中隊はハリヤー中尉に任される。
44年12月フランス。E中隊の大半が補充兵になる。
隊は休暇を取っていたが、独軍が戦線を突破し、バストーニの町を死守する事に。
敵は総動員で攻撃しており、弾薬は不足し、保護のないままバストーニへ向かう。

 と言うわけで、これがトム・ハンクスの監督作で
次の話と続けてバルジ大作戦のエピソードらしいのだが
どうも今までのエピソードと毛色を変えようとするあまり
ウインターズの回想とかほんわかした雰囲気で、調子が狂う。

TV放送 2002/08/11 BS05 1230-1335
 

第6話 衛生兵

 バストーニの戦いは膠着状態に。衛生兵ジーンは薬品をかき集める。
病院にも予備はないが、看護婦ルネが譲ってくれる。
激しい戦闘で、死傷者はどんどん増加。ジーンは途方に暮れてしまう。
だが、独軍の進撃を食い止め、敵は降伏。
44年12月パットンによる戦線突破で、物資が補給され、バルジの戦いは終結する。

 と言うわけで、今回も物資不足の状態が続き、衛生兵が四苦八苦する話だが、
大変というのはわかるが、いかにも展開がゆるくて見ていて退屈。
最初の2話くらいの勢いを維持してもらいたいものだ。

TV放送 2002/08/11 BS05 1335-1450
 

第7話 雪原の死闘

 45年1月ベルギー。隊は敵をバルジから押し返す作戦に就く。抵抗は激しくない。
ダイク中尉が指揮する事になるが、彼は実戦経験のないエリートで役に立たない。
戦闘が始まると、彼はどこかへ姿を消してしまう。
司令官不在のまま戦闘は続き、隊に不安が広がる。
激しい攻防では、途方に暮れるダイク。仕方なくウインターズは指揮官を交代。
そんな中、伝説的な兵スピアーズ大尉は、敵の弾の中をすり抜けて別の隊に連絡。
無傷で舞い戻り、敵は降伏。戦争は期待に反して終結せず、
兵の数は減り、例え負傷しなくても彼らは傷ついていた。

 と言うわけで、今回は頼りない上官に振り回される話で、
第一話のやたらしごく上官とは、好対照ならぬ悪対照と言うところか。
まあ、そんな人は実際いるだろうし、
ああいう事もあるだろうが、もう少し、上官を懲らしめた的な
展開があると見ていて面白いのだが。

TV放送 2002/08/18 BS05 1230-1350
 

第8話 捕虜を捉えろ

 45年2月。まもなく終戦と言う噂が流れるが、兵たちは疲れ切っていた。
ジョーンズ少尉はバストーニュで隊に合流。彼は負傷で長く隊を離れていたのだ。
斥候をする必要が生じ、階級的には上級のジョーンズを含め、
第2小隊全員が斥候に向かう。敵の建物に突入するが、撃ち合いに。
捕虜を2人取るが、仲間にも死者が。
ジョーンズは中尉になり、再び小隊長がいなくなる。隊には終戦の予感がしていた。

 と言うわけで、今回は復帰した兵の目で見た話。
惨状を知らなかった彼が驚くという展開で、
視聴者はずっと戦いを見ていたわけだから、
こんなエピソードには、それほど共感がもてない。
それに、どうも終戦に向かっているらしいと、
セリフでも何度も言ってるし。

TV放送 2002/08/18 BS05 1355-1500
 

第9話 なぜ戦うのか

 45年4月隊はドイツ国内を進行。30万の敵が降伏した。
新聞では相変わらずドイツ人が悪だとされているが、
実際に一般のドイツ国民に出会うと、間違いだと気づく。
やがて、一行は森の中で収容所を発見。無数の死体とやせ細った人々に愕然とする。
そこには、ユダヤ人やポーランド人が収容されていたのだ。
だが、収容先が確保できず、しばらく留まらせる事になり、人々は絶望する。
各地で同様の収容所が見つかり、ドイツ市民に死体の始末をさせる。
1000万人が殺されたと言う。
ヒトラーはベルリンで自殺。だが、まだ戦争は終わらなかった。

 と言うわけで、終戦が近づき、次第にドイツ人が悪くないと判明。
この展開は、今までのエピソードの中でも面白い方で、
特にユダヤ人収容所の死体の始末を、ドイツ市民にやらせて
市民が泣きながらその作業をするシーンは、戦闘シーンよりも衝撃的だ。

TV放送 2002/08/25 BS05 1230-1335
 

第10話 戦いの後で

 45年7月オーストリア。隊はヒトラーの山荘を占拠。
隊員がくつろぐ中、独軍が降伏。だが、対日本戦は継続しており、待機を命じられる。
ウインターズは太平洋戦線への転属を希望。
一方、独軍将校を意味もなく射殺し、責任を追及される。
さらに、グラント軍曹が補充兵とケンカになって撃たれ、補充兵は逮捕される。
点数の足りない兵は、帰国できなかったが、Dデイから430日で日本が降伏。
全員が帰国する事に。隊員たちはそれぞれの道を歩む。
ウインターズは同僚ニクソンの会社に入るが、再び軍に戻る。朝鮮には行かなかった。
その後、農場を得てそこで生活。あれは特別な経験だったと感じる。
仲間のすべてが英雄だった。

 と言うわけで、ついに最終話。
戦後になると、今度はむしろ連合軍側が悪になっていくという展開も面白いが
そこはあまり突っ込んでおらず、何となく帰還する事に。
延々とメンバーのその後を紹介するが、ウインターズ以外は区別がつかない。
それにしても、ノルマンディ、マーケットガーデン、バルジと体験し、
軍のしごきも受け、ユダヤ人収容所や日本軍との戦いなんかも出てきて
1つの隊の10話の話にしては、いろいろ経験しすぎという感あり。
おかげで作り話ぽい印象を受けるが、当人が出てくるので実話なんだろうし。
全体として、戦い等の描写が長く、物語の展開はむしろのんびり調で退屈。

TV放送 2002/08/25 BS05 1335-1445