しゅーくりーむ顛末記 その二

 

最初から前途多難の様相を喫してきたシュークリーム作成でしたが、わたくしはとりあえず、続けることにしました。

まずは、カスタードクリームの作成です。

卵黄に、グラニュー糖を入れて混ぜます。電動の泡立て器って、便利だなぁ・・・・と思う瞬間です。次に、やはりグラニュー糖を入れた牛乳を温めて、そこに混ぜます。

「あれ?」

もったりとしてくるはずなのに、結構サラサラしているんですよ、これが。

「おかしいなぁ」

とりあえず、混ぜました。電動ですから、別にわたくしは疲れませんしね(笑)しかし、まさかそこに落とし穴があろうとは!!

かなりかき混ぜました。だんだん泡立ってきました。でも、もったりではありません。もう少しかき混ぜました。かなり嵩が出来てきて・・・・わたくしはもったりは諦めて、火にかけて練ることにしました。

小学4年生の理科の時間、空気についての学習があります。空気は暖めると脹らむと言うヤツです。そう、空気は暖めると質量が増えます。その小学生の学習内容をわたくしはすっかり忘れていたのでした。

しっかり泡立てられていたそれは、火にかけるとますます嵩を増しました。練るどころではありません。かなり大きめの鍋を使っていたのに、その鍋から溢れんばかりなのです。慌てて火を止めて、呆然と「それ」を見ました。その時にはさすがに、「カスタードクリームは泡立てるものではなく、泡立てによって含まれた空気が膨張しているのだ」という、至極当然の原因にも気付きましたが、どうしたらいいのでしょう?

「泡立てるときには、一定方向で。逆にすると泡立たないよ」

それを検証する日が来ようとは!!・・・・ちなみに、逆にすると確かに泡が消えました。泡立てをする際には、お気をつけください。といっても、そんなにたくさんの泡が消えるわけではなく、結局それはその場に置いて、時間が解決するのを(つまり自然に泡が消えるのを)待つことにしたのでした。

さて、一時間ちょっともすれば、泡は消えました。今度は、火にかけても大丈夫です。さぁ、ねりねりねりねり・・・・。が、どうしても、あのカスタードの感じになりません。

「??」

その時、始めてわたくしの目に、テーブルの上の、コーンスターチと薄力粉が止まりました。

「何で、あんなところにあるの??」

そう、わたくしは、30個のショックのため、最初に入れておくべき、肝心のコーンスターチと薄力粉を、すっかり忘れていたのです!!そりゃ、もったりなんて、なりませんわ!いくら火にかけて、練ったって意味ないですわよ!!とりあえず、慌ててそれを鍋に放り込んで、練りました。一応、カスタードクリーム状のものが出来たのですが、これをカスタードクリームと呼ぶのは間違いでしょう(笑)

まぁ、そのあと生クリームとも混ぜましたから、かなりごまかしの利く代物にはなりましたけれど。

こんなわたくしに、シュークリームへの道は開けるのでしょうか?

 

次回へ続く