しゅーくりーむ顛末記 その三

 話はここで少々前後します。

カスタードクリームの泡の消えるのを待つ間、わたくしはシュー生地の作成に取りかかりました。

まずは鍋に分量のバターと水を入れて温めます。そしてそこへ薄力粉(「お菓子の小麦粉」という素敵な名前の薄力粉でしたわ)を振り入れました。そしてねりねりねり・・・・。しっかし、シュークリームってば、このねりねりの作業が多いんですのねぇ。本の通り、鍋にうっすらと膜がつくようになりまして、火から下ろしました。

そこへ溶き卵を混ぜ入れます。本によれば、電動の泡立て器の羽根を一つにして、混ぜるとよいとなっています。量を調節しながら少しずつ混ぜます。この時も、電動泡立て器は大活躍!

けれども、まだ、卵は少し残っているけれど、ちょっと・・・・いくら混ぜてみても、何だか本に書いているような固さにならない気が・・・・。もう少し混ぜれば大丈夫かしら?・・・・かなり長時間混ぜたのですけれど、変化なし。とりあえずここで手を止めました。

絞り出し袋に生地を詰めて・・・・。詰めて・・・・詰めて・・・・??

あの、絞り出し袋って、絞り出しって言うくらいですから、絞り出すための口が下についていますよね?そこから、詰めるはしから、たらーっと生地が落ちていくっていうのは一体どういうことですかしら?

どうしよう??

パニックになったときの反応にもいろいろなタイプがありますが、わたくしは、とりあえず、そのまま突っ走ってしまうタイプ。(止めとけばいいのに・・・・)落ちていくなら、それ以上の生地を入れてしまえ!!とばかりに一気に絞り出し袋に詰め込みました。(とりあえず絞り出し口の下にはお皿を置いておきましたが)

そして、オーブン皿にクッキングシートを敷いてそのまま一気に絞り出します。一個、二個、・・・・。さすがに30個分というだけあって、1度では無理でしたが、とりあえず、9個を絞り出し、霧吹きをしてから、レンジに入れました。さすがは文明の利器、と言うか、我が家のレンジにはシュークリームコース、と言うものがあります。それに設定をして、スタート。

はらはらしながら、ガラス越しにレンジの中を覗いて待ちます。って言っても、そんなにいつまでも待っているわけにはいかないのですけれど。この隙に片づけをしていないと、あとでめんどくさいことになりますし、そろそろ、カスタードの泡(笑)も消える頃ですし。

まぁ、いろいろ作業をしながらレンジをのぞいていますと、やがて微かに生地が脹らみ始めました。やった、結構簡単じゃん!!勝利を微かに予感します。特に手前の右側の生地がいい感じ。ふっくらとしてひびまで入って・・・・。けど、奥のは・・・・これからもっと膨れるのかしら?

結果から言いましょう。

シュー皮らしい、シュー皮になったのは、9個中、2個でした。あとは、普通の皮の2/3くらいの膨らみで、でこぼこのない、シュー皮。

とりあえず、もう一度オーブン皿に生地を絞り出しました。ちなみにこれで生地は終了・・・・(ところで、あと約10個分の生地ってどこへ行ってしまったのでしょう?)

こちらの結果も上と同じようになりました。

「ねぇ、どうしたら、成功に近くって、どうしたら失敗だったか、覚えてないの?」

妹が言いましたが、そんなこと、覚えている訳のない私でした。焼いた位置なのか、生地の絞り方なのか、偶然だったのか・・・・。

とりあえず、このまま引けないと思うわたくし。

翌日のリベンジを誓うのでした。

・・・・クリームもたっぷり余っていましたし(笑)

 

次回に続く