コンサート終了後の心地よい余韻に浸りながら、青組さんはホテルの部屋にいたなり。
そんなところにノックの音がしたなり。
「・・・・んだよ」
言いながら青組さんがドアを開けると、そこにいたのは黄組さん緑組さんだったなり。
「何だよ、明日もあるんだし、さっさと寝ろよ」
不機嫌そうに青組さんは言ったなり。しかし、一瞬、黄組さん緑組さんは顔を見合わせたなり。そして、その後、緑組さんが口を開いたなり。
「・・・・あのさ、部屋にいると何か変な感じするんだけど・・・・変な感じしない?」
「はぁ?」
「とにかく、部屋にいたくないんだよ」
「・・・・だから、お邪魔しまーす」
青組さんに口を挟ませる間もなく、二人は部屋に入り込んだなり。
その上、いつの間にか、緑組さんは青組さんの部屋の電話を使って、桃組さん赤組さんも呼び出していたなり。
それぞれの部屋は、ツインを一人で使っていたなりから、狭くはなかったなりが、五人も部屋にそろうとさすがに窮屈な感じだったなり。
「何だよ、狭っ苦しい!どうしてわざわざ一部屋に五人も集まんなきゃなんねぇんだよ?」
文句を言う青組さんにすかさず緑組さんが言ったなり。
「だって、せっかく五人揃ってんだよ?もったいないじゃんっ!!」
「何がもったいないだよ?大体変な感じがするとか何とか、訳のわかんねぇこと言いやがって」
ぶつぶつ言い続ける青組さんに桃組さんが訊いたなり。
「変な感じって・・・・?」
「こいつら、さっき部屋にきたときに、んなこと言いやがったんだよ」
「だってさぁ、どうにかして中居くんの部屋の中に入りたかったんだけど、下手なこと言ってたら、追い返されちゃうじゃん」
「で、何を言うか迷ったんだけど、やっぱりホテルの部屋って言ったら、そういう話がつきものでしょ?」
黄組さん、緑組さんが答えたなり。
「あぁ、そういう意味の変な感じね」
桃組さんはうなずき、
「そういえば、こないだドラマで共演した女優さんの話なんだけどね、彼女がホテルに泊まったときに、空気が妙に冷たいっていうか、なんか部屋の感じが変だったって・・・・」
「ちょっとまて」
赤組さんが桃組さんを制したなり。
「せっかくだしさ、こうしねぇ?」
その部屋は柔らかな間接照明に照らされていたなりが、赤組さんはそのスイッチに手を伸ばしたなり。ゆっくりと照明が落とされ、ついているかどうかという明るさに設定されたなり。
「ムード出るねぇ」
そんな風に盛り上がりながら、何故かメンバーは、大怪談大会に突入していたなり。
夜もかなり更けてから、明日もあるなりし、メンバーもそれぞれの部屋に戻っていったなり。
赤組さんの部屋のドアがノックされたのは、部屋に戻ってそんなに経たない頃だったなり。
「はい?」
ドアのレンズを覗いて確かめると、そこには青組さんがいたなり。
「どうしたの?」
言いながらドアを開けた赤組さんに、青組さんは
「明日のことで相談したいことがあって・・・・」
と言ったなり。
「あ、そう?だったら、とりあえず中入って」
けれども、部屋の中に入っても、青組さんの口は重く、言葉の歯切れも悪かったなり。
そんな青組さんを見ていて、ふと、赤組さんはさっきの怪談大会でも口数の少なかった青組さんを思いだしたなり。
そういや、こういうのって、苦手だったっけ・・・・。
赤組さんはそのことを思いだし、青組さんに言ったなり。
「話長くなりそうなの?だったら、もう、こっちの部屋に泊まっちゃう?」
「あ・・・・でも・・・・」
少し口ごもりつつも、青組さんの表情が明るくなったのに赤組さんも気付いたなり。
「そういや、昔はこうやって、二人で一部屋に振り分けられたりしたよなぁ」
懐かしそうに青組さんが言ったなり。
結局、明日のコンサートについてのたわいのない話をして、部屋の灯りも今夜だけは余り落とさずに、その夜はそのまま休んだのだったなり。
おやすまないと。