××下宿屋木村番外編 おやすみ××

こんばんばーん!(こんびんびんって言うの?ぱぱは最近そう言っているみたいだけど・・・・ボニはこんばんばんの方がいいなぁ・笑)ほんとうにお久しぶりです、木村ボニータです。

その夜、ぱぱとなかいくんが帰ってきたのは、とってもおそいじかんでした。さいしょボニは、ぱぱかなかいくんが帰ってくるまでは起きていようと思っていたんだけど、気がついたら眠っちゃってたみたいです。とけいの針がてっぺんでかさなるまでは起きていたんだけどなぁ・・・・。ちょっとざんねんです。

ボニは、ふたりがおへやにもどってきたものおとで目がさめました。

ふたりとも、お酒のにおいがぷーんとしています。なかいくんは半分ねむったみたいになって、ぱぱに支えられていました。

「なかいくん?」

って、ボニが呼ぼうとしたら、ぱぱが

「しーっ」

って、言いました。

「起こさないでやって、な?」

とってもやさしい声でした。

「何言ってんだよ・・・・だいじょうぶ、起きてるってば・・・・」

なかいくんのかすれたような小さな声が聞こえてきたけれど、でもすぐにそれはすーすーというしずかな寝いきの音に変わってしまいました。なかいくんはそのままリビングのソファの上に横になっていました。

「ボニはしらないけどさ、SMAPのライブってあって、なかい今日までずーっとめちゃくちゃ気ぃはりつめて来てたの。俺も、いや、メンバーももちろん、今年はいつも以上にそうだったんだけど・・・・でも、なかいはもっともっとだったんだよな・・・・。だから、せめてさ、今夜くらいは何も考えねぇでゆっくりさせてやりてぇだろ?」

ぱぱはそう言いましたが、しつれいな!!ボニだって気がついてました。そりゃね、ライブとかコンサートとか、それがどんなものなのかはボニにはよくわからないけど、ぱぱやなかいくんがそんな話を何度もしていれば、いつも今くらいにやっているそれが始まったんだなぁ、って、それくらいボニにだってわかります。それに、今年はなかいくんがいつもよりもずーーーっと、はりつめた感じでいたの、ボニは知っていたよ。人間って、そう言うのなんでわかんないのかなぁ?ってくらい、ボニはぱぱよりもいっぱいわかってたのになぁ。ちょっと、ボニは「ふまん」でした。

「おい、なかい、こんなとこで寝てたら、かぜひいちまうぞ!さっき、だいじょうぶって言ったのだれだよ?」

ぱぱは、なかいくんになんどか声をかけたけれど、それはほんとうに小さな声でした。そして、なかいくんはそんな声じゃあとても起きそうになかったので、ぱぱはそのままなかいくんをそこに横にして、べつのお部屋から毛布を持ってきました。

「ばっかじゃん・・・・もっと、メンバー頼れよ、なぁ?」

毛布をそっと掛けながら、そう言ったそれは、もっとぱぱのことを頼れって言ってるみたいにもボニには聞こえました。

「だけど、できねぇのがなかいだよなぁ」

ため息みたいにそう言って、ぱぱはお部屋のエアコンの温度をいつもよりすこーしだけひくめにして、そして「かしつき」のスイッチを入れて、なかいくんがゆっくりねむれるようにしてから、ぱちりとお部屋のでんきを消しました。

「おやすみ・・・・」

とってもやさしいパパの声がさいごに聞こえて・・・・ボニもおねむになりました。