「なぁ、そもそもホワイトデーに贈るもんって、マシュマロなの?クッキーなの?それともキャンディー?」
という、青組さんの疑問もわからないではないと思う赤組さんだったなり。SMAPということもあって、バレンタインにもらうチョコレートの数はかなりなもので、とりあえずスタッフなどのお世話になっている女性からもらった分くらいは、いつもお返しをしていたなりけれど、そのたびに頭を悩ませている問題だったからなり。
「別にいいんじゃねぇ?そもそもホワイトデーなんて、日本人が勝手に作ったイベントなんだから、何が正式とかじゃなくって、楽しんじゃえば?」
赤組さんに言われて、それでもちょっと首を傾げていた青組さんだったなり。
「でもさぁ、マシュマロって何から出来てるんだろう?」
ふと、思いついて青組さんが訊いたなり。
「え?知らない?実は家でも作れるよ、あれ」
「うそー?大体何でできてんの?」
信じられない様子の青組さんに、急遽マシュマロ作成大会になる下宿屋だったなり。
「基本的には、卵の白身と砂糖とゼラチンとコーンスターチさえあれば出来るんだぜ?」
「卵の白身と砂糖とゼラチンとコーンスターチ?」
「そう、あれって、つまり卵白を泡立てたもの、つまりメレンゲをゼラチンで固めたものだからさ」
青組さんの目の前で、赤組さんは卵白を泡立て、ゼラチンと砂糖を水で煮溶かしてシロップ状にしたものを合わせて、バットに流し込んだなり。
「あとはこれを冷蔵庫で冷やして固めて、コーンスターチをまぶすだけ!!」
手際よく、みるみるうちに仕上がったマシュマロだったなり。
その約30分後。
赤組さんはリキュールを少したらしたあったかなココアを青組さんに差し出したなり。
「何だよ、これ?」
「うん?マシュマロってココアに入れても結構美味しいから」
見れば、ふわふわとマシュマロの浮いたココアだったなり。
青組さんは恐る恐るといった様子で口を付けたなりが、
「結構・・・・いける、かな?」
と、こくりと一口飲んでからいったなり。
「でしょ?」
赤組さんはにっこりと笑ったなり。
しかし、ちょっと量が多かったなり。
「なぁ、今俺気が付いたんだけど・・・・」
カップのココアを持て余し気味だった青組さんが言いだしたなり。
「生卵の白身固めて作ったんだよな、これ」
「うん、そうだけど?」
「ってことは、今俺が飲んでるのってココアの生卵混ぜ・・・・?」
「生卵混ぜって・・・・」
事実は事実かもしれなかったなりが、なんだか一気に食欲を減退させるその表現に脱力してしまう赤組さんだったなり。そして、そんな風に考え出すとなんだかそれ以上ココアに口を付ける気になれず、二人はお互いの顔とカップに残ったココアを見比べていたなり。
結局残りのマシュマロは、バレンタインのお返しになったなり。手作りマシュマロということで、それはそれで好評だったそうなりけれど(笑)