リビングに雑魚寝期間中のある夜のことだったなり。

ゴロゴロしていて、偶然、枕を並べるような形になった青組さんに、赤組さんはにっと笑って聞いていたなり。

「なぁ、おまえの好きな人って誰だよ?」

「おまえこそ、誰だよ?」

「え?俺?」

それは、つい先日スマスマのエンディングトークで二人が交わした会話だったなり。

「っていうかぁ」

青組さんは枕代わりにしているクッションを抱え込んで、言うなり。

「好きな人も何も、俺毎晩いたんじゃ、彼女も呼べねぇだろ?いいの?キムタク?」

キムタク呼ばわりにちょっと嫌な顔をしてから、赤組さんは言ったなり。

「いませんから、いいんです。そう言う中居こそ、いいの?考えたら、毎晩うちってことは、おまえだって彼女に逢う暇ねぇだろ?」

「俺、インタビューで、言ってるとおりだしぃ、いない彼女に、逢う暇も何も、ありませ〜ん」

二人して顔を見合わせて笑うなり。

「さっみしいのぉ〜」

「俺達、SMAPじゃん?」

「それが、この歳で彼女、いません〜?」

「マスコミ、誰も信じてくれねぇって!!」

「そう言うこと言ってたら、下手すると秘密の恋人勝手に作られるぜ?」

「秘密ぅ?」

青組さんはクッションを抱えたまま転がりながら笑っているなり。

「あ、でも」

不意に、まじめな顔で赤組さんが言ったなり。

「ごめん、俺、また写真誌出るかも?」

「えーっ、何やったんだよ?」

「見出しは深夜の密会??辺りかなぁ、‥‥撮られたのは間違いないし」

「いつだよ?それ?」

「先週のはじめ、一応ミッチーにも言っといたけど」

「誰と?」

赤組さんの顔をのぞき込むようにして聞いた青組さんに、赤組さんは悪戯っ子のように笑って答えるなり。

「中居と」

「へ?」

「こないだ、中居がめちゃくちゃ酔っぱらってた日あるじゃん?あの日、肩貸してタクシーから降りて、玄関に入ろうとしたら、カシャッ!!追っかけてって、フィルム貰おうとしたんだけど、中居酔ってて、肩から離れなかったし、スタートダッシュで負けたんだよなぁ」

「けど、俺と木村で記事になるかぁ?」

「なるでしょ、あの日の中居の格好って上下レディースものだったし」

「??」

その日の青組さんは、白いノースリーブのシャツに黒のハーフパンツと、ちょっと見、細身の女の子に見えなくもなかったなり。

「女と間違われたって、言うのかよ?」

「いや、まさかと思うけどね。ミッチーも、余程記事が見つからない、って場合じゃなきゃ記者も気付くだろうって言ってたし」

「記事があったって、普通は気付くだろぉ?」

はたして、『深夜の密会?』の記事が写真誌を飾る日がくるなりか?

それは秘密なり。