「で、足、どうだったの?」
そろそろ結果が出ているかな?と思った青組さんは赤組さんの携帯に連絡を入れたなり。
「うん、中程度の筋肉の裂傷で、全治3週間」
「え?何?一体?」
いきなり複雑な専門用語(?)をいわれて青組さんは赤組さんに聞き返したなり。
「つまりね」
「つまり?」
「簡単にいうと肉離れ」
「なーんだ」
と、一瞬納得しかけた青組さんだったなりが、
「何だじゃねぇよっ!」
はっと気づくなり。
「全治3週間って、もしかして、絶対安静、とかじゃねぇの?」
「あ、・・・・うん。一週間くらいは安静・・・・って」
ちょっと歯切れ悪く答えた赤組さんだったなり。
「・・・・結構きついよなぁ」
青組さんはつぶやいたなり。
「おまえさぁ、来週タイで撮影に入るって言ってたし、ただ、行き来するだけでもかなり足にくるよなぁ。無理すんなったっておまえの性格じゃ、無駄だし」
「無駄って、そこまで言う?」
「でも無駄じゃん」
しばらく考えていた青組さんだったなりが、
「まぁ、撮影とかは、事務所から無理がないように話がいくだろうから・・・・。とりあえず、俺、おまえがいる間はそっちに戻るようにするわ」
と言ったなり。
「え?」
「夜もそんなに早く帰れる訳じゃねぇし、この先オフなんてしばらくなさそうだし、つきっきりでって訳にはいかねぇけどさ、まぁ、俺にだって出来ることも何かあるだろ?」
「馬鹿、そんな忙しいやつが人の心配までしてんじゃねぇって」
赤組さんは言ったなりが、青組さんは笑ったなり。
「だって、心配なんだから仕方ねぇべ?離れて心配してるより、そばにいた方がずっと楽だし・・・・。それにな、そんなこと言ってたら、おまえが今までしてたことは、どうなるんだよ?」
「でも、俺はそんなに忙しくなかったし・・・・」
「誰が忙しくなかったって?あのなぁ、コンサートシーズンに忙しくないやつなんていねぇよ?」
そう言うと、青組さんは話はこれで終わりとばかりに、
「じゃあ、晩飯どうする?俺、作れるもの少ないけど・・・・」
と話を変えたなり。
「でも・・・・」
言いよどむ赤組さんに重ねて青組さんは言ったなり。
「何か食いたいものあるかって」
「・・・・だったら、今から言う材料買ってきて。そしたら俺が作るから」
「おまえ馬鹿?立仕事なんて足にいいわけねぇだろ?」
「・・・・わかった」
赤組さんもとうとう負けたように言ったなり。
「材料は言うのを買ってきて。作り方はその時教えるから」
「ん。じゃあ、今日はなるべく早く帰る」
青組さんは嬉しそうにメモを手にしたなり。