「中の人」、かく思う−−−ダイエーは、今


 第五回  「株価1000円割れ」をどう見る?
 
 前回『今後、株価が1000円を割り込むような事態が起これば、「ダイエー危うし」の声は確実に起こりえると思う(ちなみに2007.7.19終値 1143円。)』という一文で締めた。ところが、あろうことか、この状態は早くも訪れてしまったのである。
 2007年8月7日に終値ベースで1000円を割り込む(985円)と、8/10には100円近い下げを記録し、8/21日には年初来安値の785円を取引時間中に記録。800円台をうろうろする株価状況になっている。

 実は、私が予想した、「ダイエー危うし」の声は意外に多くは聞こえてこない。もう「独立独歩」の企業ではないからではないかというのが理由だろう。イオングループの一角を占めている、というだけのことで、株価の上下はダイエー本体に与える影響は軽微である(もちろん、保有している企業にとっては大問題)という見方をされていると推察する。

 しかし、この1000円割れ、マイナスイメージばかりではないのである。そう、株主優待を受ける権利が安く手に入るという側面がある。ちなみに8月30日終値 833円で最低単位(50株)購入すると、41650円(取引諸税/手数料別)。これで、半年毎に1万円相当の値引きが期待できるのである(買い物価格の5%分を優待。ちなみに20万円相当分。月に直すと約3万3千円)。年間2万円分を「配当」と見ることもできるわけだが、この価格にしてこの優待。かなりお得といえる。

 とはいえ、企業価値=株価というのは最もわかりやすい指標。このまま底辺をさまようようだと、やはり、ダイエー危機説は日増しに強くならざるを得ないだろう。