MyLog    2012

 第一回   冬の沖縄ってどうよ?   2012.2.15
 そもそものきっかけは、「冬にできない趣味なんて」と言う、コラムの4作目を書いていながら、自身が体験していないのはどうかな、ということだった。
 ダイビングを低水温下でやろうと思ったら、どうしても避けて通れないのが体温の確保である。いわゆるロクハン(6.5ミリ)のウエットと言う手もあるのだが、近年は濡れないという点からドライスーツを推奨する向きが多くなっている。
 事実、福岡のショップでは、海が日本海側ということもあるのだが、デフォルトで(つまり初回購入時)ドライスーツを購入するのだそうだ。しかし、これで夏場を除く9ヶ月はドライで潜れるのだと言う。「冬でもできる」ということはむしろ本数を増やす/繁閑の差が少なくなる点から考えても理にかなっている。

 ではドライを体験するとして、どこに行くか?で選んだのが、実に4年ぶりとなる沖縄である。
 2月の航空料金が落ち着くことと、当然ショップも閑散期になること、勿論そんなに気温も低くならないから、風邪を引くと言うようなことにもならないことなど、「濡れない」ダイビングをするにしても、ある程度万全を期しておきたかったということがある。
 また、大手ショップでないと、ドライの貸し出しや玉数に不安があり、堂々と謳っているところに狙いを定めるしかない。当方が選んだのは「マリンハウスシーサー 那覇店」である。

 果たせるかな、当日は天候も安定、しかもドライレンタルは当方一人だけ。もっと言えば、ショップ利用者は数名で、ほかには他ショップが乗り合わせできている程度でしかない。60人乗りのクルーザーが快適な空間になる・・・はずだったのだが。
 そう。ケラマまで向かう道中の乗船時間は50分程度。これで「例のもの」が来てしまったのだ。停泊してからセッティングをする途上で朝食の大部分がまさに「海の藻屑」と消えたのである。
 まあ、いったん出してしまえば潜ることには支障はない。とはいえドライ初体験は、やはりと言うか、足の部分が浮き気味になる(中性浮力を厳守し、水平姿勢になればなるほど足にたまりやすくなるようだ)ことにばかり意識が行ってしまい、又、海の中自体も地形的なダイナミズムは感じられたものの、これと言った珍しい生物には出会わず(ガイド氏によれば、習熟がメインなのであまり紹介しなかったということ)、ここは終えた。
 さあどうするのかと思いきや、船がまたしても移動する。20分くらい流して次のポイント。しかし、ここはさすがに酔った直後で厳しく感じられ、渋々ダウン。2階のデッキでひっくり返ることにした。

 2時間以上は休憩した勘定になる本来の3本目。しかし、一度着てしまって慣れたドライで、ちょっとした禁じ手を使うことにした。ドライ内への吸気を最小限に抑え、ちょっとぴっちりした感を感じるとどうなるかをやってみたのである。1回目は、それこそ入れすぎと言うくらい空気を入れていた感があって、吹き上げを引き起こしかねない状況だったのだが、密着感を感じながらのダイビングも、ウエットとは違うものだし、「入れなければ多少はまし」と考えてのことだった。事実、足が上がってしまうようなことは2本目の道中一度も感じられなかった。
 この2本目で、ようやくカメラの出番(1本目は忘れただけなのだが、持って入っててもそれほどの収穫はなかったと思われ)。ウミウシ系もそこそこに見られ、勿論、クマノミたちも結構元気に写せた。正直、この1本を潜るために今までの苦節があるのか、と思ってしまったほど、充実感のある1本だった。

 帰る道中、船がそれほど速度を上げない。妙だなと思いつつも、目を閉じじっとしていたが、明らかに船内の様子がおかしい。デッキに上がって驚いた!この時期限定の「ホエールウォッチング」体験だったのである。道理で鯨のほうにあわせた速度でしか航行しないわけだ。
 ここは勿論動画で撮影。大体、2分程度で海面への呼吸を終えて又潜ってしまうので、早々ダイナミックに撮れるわけではない。しかし、最後の最後に、10数メートル先で潮を吹かれたのにはさすがに驚いた。

 おまけ含めて、冬の沖縄は、酔いさえなければ満足度はかなり高いと思う。次回は、酔い止め持参で(と言うより、大型船なので飲まなくても大丈夫だろうと高をくくって、薬を持参しながら飲まなかった小生のミス)行ってみたいと思う。

  1本目  渡嘉敷島  上城(かみぐすく)    水温22度  透明度 20m
  2本目  黒島  黒北ツインロック       水温22度  透明度 18m

        

 
 番外編   船酔いって、克服できるのだろうか?
 沖縄から帰ってきて一ヶ月。
 正直言って、酔ってしまったあとのダイビングは、何かしら胸につかえたものが記憶として残ってしまう。
 事実、和歌山の「南部」しかポイントを知らなかった小生にとって、ダイビングは、苦行以外の何者でもなかった。とにかく胃の中に何もなくても出したくなってしまう。乗り物自体で酔うことはほとんどなく、むしろ移動中は快適なのだが、停泊し、セッティングをする5分足らずで戻してしまうのだから、どうしようもない。
 ビーチでの「マイポイント」を発見し、ボートでも恐ろしく海況の安定した牟岐を知るにいたって、本数は飛躍的に伸びつつあるのだが、ビーチ:ボートで言うと、ポイントの比率は圧倒的にボートのほうが多い。つまり、あちこち行きたいのであれば、ボートダイビングでの「負」を一蹴しない限り、ポイント開拓は難しいといえる。

 そう考えて、いろいろWebを巡回、質問サイトにも船酔いは克服できるのか、を問い合わせるなど、努力はしている。
 そんな中、当方も情報提供している、Lonver氏のHPを見てみると、船酔いの克服方法が詳報されていた。→該当ページ。 HPトップはこちら

 なあんだ、と思われるのだが、「ぐるぐるその場で回る」といいのだという。勿論、当方だっていっぱしの大卒www、三半規管のせいで酔うことぐらいは知っていたが、「鍛えられる」とは知らなかった。
 というわけで鋭意実践中なのであるが、これで酔わなくなったら、本当にすごい。
 ※HPのメンテナンスって結構重要だと思うきょうこのごろ。作りっぱなしでリンク切れなどがないかどうか、当方もそろそろ確認しようと思う。
 

 第二回   関西人、関東初入潜!大瀬2Days   2012.5.15/16
 自身のダイビング歴を記録しながら思っているのは、『井の中の蛙』になってしまっていないかな、という点である。
 慣れ親しんだショップでやるとなると、どうしても甘えや知らず知らずの乱れが出てきてしまう。ポイントを変える/新たに開拓することは、新鮮でもあるし、新たな発見もある。
 
 今回、当方が選んだのは、メッカとも言われる『大瀬崎』(おせざき、が正解の読み。現地に入るまでずぅっと「おおせ」と読んでいた・・・)。ビーチエントリーながら、そこそこに水深も取れるという場所であり、又、深場ではとんでもない生き物も見られるということらしかった。
 ただ時期的にはやはり「閑散期」、ということもあり、選んだショップで来訪者は当方一人だけ・・・。独り占め、という言葉がぴったりの二日間となった。
 さて、実は大瀬を選んだ理由はいくつかある。まず第一は「足」の問題。関西→静岡の夜行バスをいろいろ検索していると、格安バスを発見(最近やかましく言われている、中小系の企画バスではなく、大手による定期運行)。片道3000円強でいけるとなると、新幹線の1万円強をはるかに凌駕する。次はショップの提示した料金。4ビーチ+宿泊+1夕食/1朝食で21000円なのだ。普通に考えて、4ビーチ21000円でも高くはなく、泊りにご飯つきで同価格なら安すぎるのではないだろうか?(ちなみに付近の民宿や旅館併設のショップを見てみても、2.5万円程度からというのが相場であり、ここが格段に安いのではないか、と思われる)。とどめは、送迎の問題。器材前送りで無料送迎が付いてくる、となると、利用せざるを得ない。正直至れり尽くせりで割が合っているとは到底思えないのだが・・・。

 というわけで、夜行バス利用は2回目となる今回。前回は佐津に行くために鳥取まで向かい、そこで一泊したのだが、完全車中泊とまでは行かなかった。ここにいたるひと悶着は別項に譲るとして、沼津には予定より40分も早くに到着。仕方ないのでネットカフェで時間をつぶす。
 9時5分前にショップの方と合流。一路南に進路を取り、目的の大瀬に。ほかのショップが伊豆長岡(伊豆箱根鉄道の駅)から送迎というのが多い中、小一時間かかるこのルートで送迎するのはなかなかしんどいのではないかと思う。
 道すがらのコンビニで「今日/明日のおやつ」的な乾き物をゲットし、店舗に到着。11時過ぎ開始となった。

 初日は平日に潜られる大まかなポイントのうち「外海」と呼ばれる区域の2ポイントを体験。土日限定の「先端」は、神社の領地を経由することもあり、平日は入海ご法度となっている。いろいろと規制の多いこの大瀬なのだが、それが今の、発展にもつながっているのではないだろうか?
 魚影そのものはそれほど濃くはなく、「これならお客さん来なくても仕方ないわ」と納得してしまうレベル。それでも、クマノミがどういうわけかこの海域にもいたりして(結構シャイなクマノミで、それにも驚く)、意外性のある2本だった。

 2012.5.15 1本目    外海   大川下    水温 18.5度    透明度 8〜10m
           2本目    外海   一本松    水温 19度      透明度 8〜10m

         

 翌日。当初予定していた外海の「柵下」ポイントが、どうもうねりや流れが予想されるということで、急遽「湾内」を2本行くことになった。
 しかし、この「湾内」のポイントこそ、大瀬らしいという人もいるらしく、どんな感じか期待していた。実際、湾内2本となって、むしろ喜んだくらいである。
 水中は、しばらくなだらかな水深で進んでいくのだが、どぉーんとまでは行かないものの、落ち込んだ先にある砂地がメイン。あっというまに25mの水深が取れるのだから、同じビーチ/海水浴場という条件ながら、佐津とは大違いである。
 ここでもそれほどすごい発見はないかに思われたが、カエルアンコウの幼魚に遭遇。テンションがあがる。よちよち歩きのような風情で波にもまれているさまは、本当に癒される。動画で撮れば良かったと悔やまれるところだ。
 同じ個体と思われる幼魚に二本目でも遭遇。そればかりが印象深くなってしまった湾内だったが、メートル級の舌平目に遭遇するなど、意外な一魚一会もあった。
 
 2012.5.16 1本目/2本目とも湾内      水温 19度   透明度  8〜10m
        
        

 大瀬の総合的な印象は、「マイポイントにしてやろうかな」というところまでは行かないまでも、「1年に一回は訪れておきたい場所」という感覚である。なんといっても、ほどほどの水深が取れるのがいい。エントリーも岩場に慣れればそれほどでもないはずだし、器材の移動も名物といってもいい「台車」に乗せて各ポイントまで運搬できる(そういう体制に地域ぐるみで取り組んでいる証拠)のが魅力である。
 ショップの方によると多いときでは1000人規模のダイバーが集まってくるらしい大瀬。繁忙期にお邪魔するのは気が引けるので、秋口か来年初頭あたりに考えたいところである。


 番外編 その2 3桁のカウントダウン・・・
 いよいよ『3桁』が目前に迫ってきた。どこで記念ダイビングしようかと実は迷ってはいる。ホームになりつつある佐津か、千年サンゴの牟岐か、はたまた初ダイビングの地・南部か・・・。都市型ショップに腰をすえていない当方としては、フレンドリーな現地サービスでそのときを迎えようかとも思っており、正直目移りしていることは間違いない。
 今回の大瀬4本で一気に86にまで急進。今年中は難しいかもしれないが、来年はいよいよ達成が見られるのではないかと思っている。意表をついて「海外」という手もなくはないが、今の職場にいる限りはちょっと無理とも考えられる。
 目標が「3桁」というのもやや低いものかもしれないが、まずは本数をこなすことを目標にしていきたい。

 第三回  今日は趣向を変えて・・・   2012.7.16
 久しぶりの佐津ビーチ。いつ以来かな、と思ってログをひっくり返してみると、去年の8月以来だった。そう。あちこち顔を出しているために「なんかしばらくぶり」と勝手に思い込んでいただけだった。
 きょうは海の日、ということで、祝祭日に当地を訪れるのは久しぶりである。基本、平日が多い当方としては、ここクラスの現地サービスでもごった返す時期の土日は基本避けているのがならわしだった。
 しかも、今日はNGO活動のほうでも大忙しの「まっちゃん」プロデュースの海藻おしばレクチャーをかねた、1本のみのダイビングである。
 書籍つきで12000円(本代/おしば用の資材など込み)。ウーム。1本単位で考えるとかなりの高額だが、そうそうこういった機会があるわけではないので、参加させてもらうことに。

 実際、お魚/ウミウシ、と来て、どうして海藻なのか、というところが気になるわけなのだが、サンゴなどと同様に、海中の環境の変化をいち早く感じ取るのがこういった下等な生物なのだ。たとえば、昆布やわかめなどは水温が急激に下がったことで発芽が促され、一気に成長する。水温が高いままだったり、緩やかに降下するとそのスイッチが入らず、生育も悪くなる、ということなのだ。

 というわけで趣向を変えたダイビングの開始。海藻は、そもそも不動のものにしか根付かない。陸上の植物と違い、栄養分は体全体で吸収するから当然といえば当然である。又、基本は海中からの採取はご法度といわれていたのだが、根こそぎ取る訳でもなく、いずれの個体も一つまみ程度をとるだけ。この程度なら問題はないようである。とは言うものの、これまで脇役にもならない海藻ばかりに目を向けるというダイビングは正直初めて。右も左も同じような種類に見えて、かなり困ってしまう。

 30分ほど採取して、漁礁とされる「オアシス」へ。これまた、気持ちいいくらいお魚のいないこと。すでに海水浴シーズン中であり、バナナボートなどもある地区なので、魚が寄り付かなくなってしまったのかもしれない。カワハギの幼魚がうろうろしているくらいである。
 EXIT直前でちょっとした大物に遭遇。とはいっても「ギンポ」であり、やや大きかったものの、元気がなく、被写体に飢えていた当方としても格好の獲物となった。

 ダイビングが終わると早速海藻おしば作り。とはいっても、ずぶの素人で絵心のない当方は、標本的に数枚作るのがやっと。海藻を大学時代に研究していたというお連れの方は、何とはなしにだが、芸術作品を作っておられたようだ。
 作品の出来上がりは後日、ということなのだが、どんな風なものが出来るか楽しみである。

 2012.7.16  佐津ビーチ・オアシス      水温 23度   透明度  5〜8m
        

 番外編 その3  9月はいろいろな意味で散々・・・
 3桁が目前になり、正直ペースは上げていかなくてはならないのだが、この9月は、予定がすべてつぶれるという不運に見舞われた。
 まず16日に予定していた大瀬崎は、あろうことか、財布の中身の欠乏により急遽キャンセルとした。そもそも「回収予定」の金銭を当てにしていた部分もあり、足だけは確保していたものの、ダイビングフィーを出せないと判断。キャンセルした。
 又、30日に予定していた竹野浜の海中清掃は、主催者側からの「来なくていいです」オファーがあり、当日潜水はできた模様ではあるが、結局行かなかった。
 この3本の欠落は非常に大きい。確かに海は逃げないし、別の機会にチャレンジするのは悪いことではないが、まだ5本だけというのでは、来年の3桁も微妙になってくる。
 もう「潜り三昧」というくらいの金と日程の余裕がないことにはなかなか難しいことなのかもしれない。