第八回:Peach VS 既存ツアー/勝つのはどっち? を上梓して、一年以上が経った。
第十二回:Peach VS 既存ツアー/勝つのはどっち? 最新版
その間にLCCを取り巻く状況は一進一退を余儀なくされている。なんと言っても「エアアジアの撤退」は、当方からしてもむべなるかな、とは思うものの、冷や水を浴びせかけたことに違いはない。
その一方で、LCCに負けじと奮闘しているのはスカイマークに代表される、新興航空会社各社。前回の沖縄線でのツアーの圧倒的な価格差は、大手の半額程度で飛ばせるスカイマークだからこそできることであると言える。
とはいえ、そのスカイマークにも弱点はあるのではないか・・・2014年2月の沖縄訪問を目前に控えて、当方はそれこそ、目を皿のようにして、いろいろと最適解を検索している。
その結果を報告しながら、実は、ツアーにも弱点があることをお知らせしようと思う。
前回のツアー比較では、「基本便利用」と言うことで条件をそろえた。ここでいう基本便とは、一番利用率の悪い時間帯を飛ぶ便のことで、それより条件のいい便に若干の儲けを乗せる、と言うのがツアー会社のやり方である。
ちなみにほぼ一日使えない「夜到着便」や、早朝の移動を余儀なくされる「朝沖縄発」が基本便とされるのが通例であり、逆に沖縄滞在時間が延ばせる「朝出発」「夕方沖縄発」便には追加料金が取られる。
この追加料金が異様に高いと、どうなるのか、と言うことで今「ツアーは万能」と言う風に考えていた当方も迷ってしまっているのである。
今回遡上にあげるのは、このツアーである。
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ちなみにホテルのランクは中の下。はっきり言ってリゾート地にあるとはとても思えないレベルの宿である。だが、それがいいww(慶次か)と言うわけで、何軒か泊まったことのある宿の中でも印象に残っている場所である。
ではいろいろ計算をはじめてみようと思う。
横軸:沖縄着 縦軸 沖縄発 | SKY591 | SKY595 | SKY597 |
SKY590 | 15800+6500+ 0 | 15800+2500+ 0 | 15800+ 0+ 0 |
SKY594 | 15800+6500+2500 | 15800+2500+2500 | 15800+ 0+2500 |
SKY598 | 15800+6500+6500 | 15800+2500+6500 | 15800+ 0+6500 |
上記の表は、フライトアレンジ(追加料金)を加えた料金表である。「A」価格帯に、行きフライトアレンジ/帰りフライトアレンジの順で書いてある。
画面上の表記は「15800〜17700円」になっているが、コレは最安値である、「夜到着/朝出発」の典型的な日程ロスパターンによるものであり、一番長くいられる「朝出発/夕方沖縄発」だと、なんと13000円も余分に取られるのである。
ところが、である。ツアーと関係のない普通の航空券の場合、確かに早売りだと相当なディスカウントがなされているが、それでも時間帯による価格の軽重はそんなに付いていない。
仮に591発→598帰着のパターンでいくとして、今時点で買える最安値は5800円(そんなに席数はないので、ほぼ期待薄ですけど)。正規の最大限ディスカウント価格だと8900円。×2としても17800円。宿代はシングル3000円台なので21000円程度。
なんと、下手にツアーにして、フライトアレンジするくらいなら、正規の割引価格で買うほうがぶっちゃけ得をするのだ(ツアーの最大価格は28800円。参考/正規の片道料金は18900円)。
ちなみに、21000円を下回るのは、昼便以降を利用した場合。朝着便/夕方発便がどちらかにでも関わるとこの限界価格を超えてしまう。
この現象が起こるのは、「もともとの航空運賃が安く、フライトアレンジによる付加料金が異様に高い」スカイマークにしか起こらない現象であると思っていたが、ANA/JALでは旅割などの特別料金で予約すると、特に追加料金がかかってしまう条件のいい便を利用する限り、ツアー価格を下回ることが明らかになった。
<2月中旬/ANAの関空・伊丹・神戸−沖縄の価格は10800円が最安。2万円台前半で往復が可能。1泊付きの格安航空券ツアーでも28000円が最安。もし仮にフライトアレンジしようものなら4万円台になんなんとすることは確実。宿はそれほどでもないので、ここでも逆転現象が起きている>
そうなると、今までスカイマークの後塵を拝していたpeachにも出番が回ってくる。そう思わずにはいられない。
スカイマークとサービスを同等にあわせる意味も含めて、「ハッピーピーチプラス」の価格帯で検索すると、現在の空席状況による変動もあるだろうが、2月だと7000円台が中心で、6000円台の日程/便も存在する。
そう。スカイマークの基本便利用のツアー料金と大差ない価格が提示されるわけである。しかも、早朝発便でもほぼ同一価格(土曜/金曜などはさすがにそうは行かないのだが)、となれば、利用しない手はない。
では前の結論は間違っているのか?いやいや、そういうわけではない。ここで注目してもらいたいのはこのツアーが「1泊4日」であることである。つまり、ホテル代が一泊分しか存在しないからである。ちなみに同一ホテルに3泊するツアーは、2月最安値がなんと19700円。宿代が3倍してしまう個別予約より確実に安いのは計算するまでもない。
意外な結果が出てしまい、当方も思案に暮れることしばし。ツアーが最強だと言うわけではなくなっている現状に、LCCの台頭はまさに「どこまで価格は下がるのか」を実感するものになっている。
<今回の結論>
1.予定を大幅に早く組めるのならば、割引航空券を優先的に組み込み、あえてフライトアレンジに頼るツアーにする必要はない
2.平日出発など条件はあるが、LCCの価格は最安値のスカイマークのそれを下回ることも出てきている
3.閑散期の2月の価格を下回るツアーは存在せず、その意味からも、「ツアーは万能である」とはいいがたくなっている