第9回:カルト?オカルト?
イラク戦が終わった日本は、またぞろ平和の真っ只中に身を置いているかのようである。北朝鮮が核兵器を保有しているというかなりセンセーショナルな情報にも、大慌てするでもなく(ブラフの可能性も否定できないからこんな態度なのだろうけど)、まるで全ての出来事が、他人事、対岸の火事程度にしか見ていないのか、とも思う。ここにきて、外務省のやる気のなさがまたしても浮き彫りになるのを見るにつけ、以前にも書いたが、ここの役所だけは、ヘッドを何度変えても中身は一緒なのだと思わずにはいられない。早急に外務省改革に取り組むべきである。さもないと日本は本当に国際社会の中で孤立してしまう。
そんな中、突然現れた「白装束」部隊。といっても、雨後のたけのこよろしくいきなりではなく、数年前から活動してきたのだが、今年のゴールデンウイーク前後から突然報道量が多くなってきた。私も一応、注視してみているのだが、彼らの言っていることを看破していくと、そこらじゅうに穴があることが浮き彫りになってくる。
・電磁波が特定の人間を攻撃できるものなのか?
面白いのは、「病院とかに入れると居場所が知れて攻撃される」というもの。今、彼らはキャラバンを張り、ある一定の地から出たがらないそぶりを見せている。のべつまくなし動きつづけないと攻撃されるはずで、その部分だけでも矛盾が生じる。事実、彼らは攻撃されている証拠を提出できない。なぜなら存在しないからだ。
・星の軌道が気まぐれ?
ニビル星(まぁ、この星も存在する可能性は0に近い)の接近が「5日から一週間遅れる」・・・。数時間の誤差なら判らなくもないが、宇宙の真理がこんないい加減なものと言う事を堂々と発表できるあたり、彼らの思想自体が歪んでいる証拠である。
・白は反射のための色?
ご存知のとおり、白色の布といえども、一種の電磁波とも言える紫外線は通すわけだし、ましてや全ての人たちは自然界においてX線などの放射線の影響を少なからず受けている。全てを反射しようと試みている「布」でははっきり言って効果は全くないに等しい。鉛で覆っているとかなら話は別だが・・・。
・だいたい主宰者がこのような教義を出しているのか?
設立当初からこのようなへんちくりんなことを言っていたとは考えにくい。主宰者の体調が悪化したことを後付するかのように、回りの人間が理由付けのために、電磁波攻撃、共産ゲリラ云々を付け加えているものと考えられる。だから、嘘にうそを重ねた結果、しどろもどろになるのだ。
実際問題として、彼ら自体は、「イタイ」だけで事足りるのである。何かでかいことをやるだけの資金力も、人的数量もオウムとは比べ物にならないほど小さいはずである。彼らが集団でいること、薄気味悪さだけが今クローズアップされているに過ぎない。言っていることは支離滅裂、科学的根拠もないし、独り善がりの主張の繰り返し。どこかで活動を続けていくにしても、これほどまでに無意味な論戦を戦わせてしまった以上、彼らのその態度と言うものが、有無を言わせぬ麻原の態度とかぶってしまうのである。これはこの団体にとって大きなマイナスである。
集団でいるから、と言うことで取締りが緩やかになる警察に対する批判も集まってはいるが、人畜無害の、イタァーイ人たちに関わりたくないと言うのが本音なのではないだろうか?よくよく考えれば、彼らは、「悪党」ではないからである。今後はともかく、と言うことになるのだが・・・。取り締まったからと言って、彼らが、また訳のわからない教義を振りかざして応戦することは目に見えているわけだし、「触らぬヴァル大天使長にたたりなし」と考えているはずである。
この集団は、自らのことを「カルト教団ではない」と声明の中で述べている。しかし終末思想を掲げ寄付をすれば助かる、と言った会の存在意義自体は限りなく宗教に近いものである。今後きちんと活動したいならこのあたりのところにも配慮があってしかるべきだろう。また、ことさらに、野生動物をダシに使うのは、論戦的に不利である。自分達のおかれている状況を判断できない人たちが、タマちゃんのことを判断して欲しくない。「想う会」も同様である。独断専行というのがこの集団の特性のようだが、とにかく静かな日本に戻してもらいたい。そして、こんなオカルトじみた集団がひっそりと、どこかのパチ屋でオカルト談義に花をさかせる日が来ることを願わずにはいられない。あ、パチ屋は電磁波の巣窟だから出入りできないか・・・
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