第18回:変えたくなかった?変えたかった?
 衆議院の解散を受けた総選挙が終わった。一応、保守系の与党は、過半数を確保、また、自由党を吸収した形の民主党も、自由党議員分を含めても大幅に議席を伸ばし、躍進したことが伝えられている。
 一部マスコミは、「2大政党時代到来」と大きく書きたてているが、選挙制度が小選挙区制になってしまったために、無所属の候補や小規模政党にとって不利に働いていることを見越しての自由・民主合併であり、また都合が悪くなれば中選挙区にするなどすればいいだけのことであり、このまま未来永劫「2大政党体制」が続くとはとても思えない。

 さて、ここだけの話し、私は、選挙区/比例区ともに民主党に票を投じた。まあ、ここで公開すべきことでもなかろうが、私がこの政党に投票した理由はいくつかある。
 1.「政権を取ってどこまでやれるのか」
  菅直人(よくみていただきたい。管ではないですよ)さんのいうことが100%実現するなどとは思っていない。しかし、小泉氏が掲げてきた、党の公約は果たしてどの程度実行に移され、成果を上げ、国民の利益に寄与してきたといえるのだろうか?自民党という、旧態依然とし、定年制にまで待ったをかけてまで、議員の座に汲々とする爺の巣窟で、いかに抵抗勢力に立ち向かうとは言っても小泉氏ただ一人では何も進まない。それを変えてみる勇気が国民の中にもう少し足りなかったということだろう。
 2.「本当に高速、ただ?」
  車利用者である私にとって、時々向かう関東圏の足代の中で、かなりの負担になっているのが高速道路料金である。すでにガソリン税として徴収されている税金の使い道も道路関連。もっとも、国庫に入ってしまうと、特定利用財源と決められているわけではないので、防衛費に回すことだって可能。ガソリン代にかける税金を数円〜十数円上げるだけで高速料金は必ずただになるはずである。民主党が政権をとった暁にはこのマニュフェストが実行に移されるはずだった。
 3.小泉氏の求心力の低下
  ここ何ヶ月かの小泉氏の言動に覇気も精彩もないと感じているのは私だけではあるまい。抵抗勢力の激しい攻撃、老獪議員の、党紀に対する反乱、重要法案、特にイラク関連法案への執着・・・。仕事が多いことは認めるし、いくらバリバリできるといっても一人の力では限界がある。そこへ持ってきて、選挙である。大勝というわけにも行かず、見方によっては敗北とも取れる議席しかえられなかった。政権維持という最後の砦だけは何とか守り格好はついたものの、息も絶え絶えなゴールインと見て取れた。

 要するに、民主党にとってはそこそこ順風の吹いていた選挙戦だったはずである。それでも政権を奪取するにいたる議席を確保できなかったのには、政権政党の、長年の実績と、組織票の前に屈したといわざるを得ない。今回からサードパーティーはいなくなり、その意味では政治の駆け引きというものが見られなくなったのは残念だが、2大政党制の幕開けにしては、どちらも善戦したと考えられる。
 個人的には日本を変えたかった私。さて、皆さんの審判は?
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