第 1回  マスコミ VS 2ちゃんねらー
 2チャンネル閉鎖騒動が、思った以上の反響を得ている。
 事の発端は、管理人である、西村ひろゆき氏に対し約500万円の債権を持つ東京都の会社員の男性(35)が財産の仮差し押さえを地裁に申し立てたことである。「早ければ1月21日の週にも強制執行される」とされ差し押さえの対象は「ドメインにまで及ぶ」とした。また別の裁判では、賠償金を支払わないひろゆき氏に対して破産申し立てもされているというのだ。徐々に包囲網がしかれつつあるひろゆき氏。しかし、あいも変わらずの、どこ吹く風状況。一切の出頭命令にも応じておらず、このままでは、心象を悪くして、かかる事態が巻き起こらないとも限らない。

 管理人であるひろゆき氏が大きく出られる理由は、いくつか考えられる。まず、差し押さえについては、個人資産すべてではなく、請求分だけにとどまるということ。たとえば、彼は「ニワンゴ」の取締役も兼任しているが、この報酬が仮に押さえられたとしても、彼にとっては収入源の一部でしかなく、「アー。どうぞどうぞ」と見ていることが考えられる。また、破産申し立ても、総資産が大幅に債権額を下回っているときに、財産の保全を目的に行われるものである。ひろゆき氏の資産は、サーバーだけ取ってみても、数千万円は下らず、裁判所が、「この額では破産申し立ては受け入れられない」と却下されることも考えられるからである。
 おそらく、「知らぬ顔の半兵衛」を決め込め、と助言しているのは彼についている弁護士か、側近の法律に詳しいものであろう。負ける勝負に、裁判費用も出さなくてはいけないとなると、自分から争う姿勢を見せた分、大きな出費になる。それならば、すべてを無視するほうが時間のロスにもならないという考えなのだろう。訴えても堪えようのない、そんなやつを訴えようと思わなくする効果も期待しているのではないだろうか?

 そんな2ちゃんねるの体質に噛み付いたのが、元MBSのアナウンサーであり、現在はフリーの近藤光史(みつふみ)氏である。自身がパーソナリティーを勤める昼の番組で、2ちゃんねる批判をとうとうと述べ、挙句、「そんなところでないと居場所がないなんて奴らは、クビくくれ!!!」とまで言ってしまったのである。
 時々過激に放言する彼の言質は、正直言って「危険な香り」のすることもしばしばあった。まだ国家権力に対して組するのならまだしも、今回は、一介のコンピュータ上の掲示板。それも参加者に対して、死して当然的な発言は、彼とても言い過ぎの部分は否めない。
 
 格好の餌食にされた感のある今回の放送。きっちり2ちゃんねらーの攻撃を受け、掲示板などはまさに瀕死状態。とはいえ、訂正するほど、彼も肝っ玉が小さいとは思えない。「受けて立ってやろうやないか」とそれこそ怒りをあらわにしていることも想像できるが、どういう展開になるのか見ものである。
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