第 8回  ついに選挙戦スタート!
 無理やり法案を通すために会期を延長したせいで一週間ずれ込んだ、参議院選挙。いよいよ今日、7月12日公示を迎えた。

 マスコミはもとより、世間一般では、「年金問題」ばかりがクローズアップされている。もちろん、老後の生活を補完/担保するものとしての年金問題は争点として重要だろう。しかし、そればかりが目立つような傾向が多すぎるのである。
 とはいえ、私もここからついていくしかない。若年層にはびこる、「年金不受給→年金を納めない」という実は最も議論すべき内容に対する解決策がまったくといっていいほどいわれていない。「払います」「払います」と口では言っているけれど、『納めた額に見合う支給が「未来永劫」続く』とは、当の安倍総理も言っていない。ここに私は不安を隠しきれないのである。
 つまり、与党も一部の野党も、「未来に対する展望がまったく無い」ということが今回の党首討論でも浮き彫りになった。とりあえず、団塊の世代−−−まだ政治に関心がそこそこあり、票を拾える層−−−に対して、年金の安全性をアピールしておけば、まずはよし、とする見方が多勢なのである。
 
 もちろん、争点は、年金問題ばかりではない。というより、そんな目先のことばかりで戦おうというのが土台間違っている。もし年金問題が浮上していなかったら、この選挙は、「改憲」「信任」選挙になっていたはずである。前者は、憲法9条を含めた憲法の改正、後者は、不祥事ばかり出す閣僚だらけの安倍政権への存続可否を問うというものだった。この論点がまったくといっていいほどかすんでしまっている。
 特に憲法改正は、国家の骨組みを変える一大事である。現政権を推すことになれば改憲に対して(国民投票法案など、改憲にかかわる諸手続きに関しても)追認したことになるし、もちろん、安倍政権へのお墨付きになってしまう。私は「穏やかな改憲」という意味で、改憲には賛成なのだが、それを実現してくれそうな政党は見当たらない(社民党/共産党などの9条変更お断り政党は論外。国際貢献に日本も武力で応えなくてはいけない時代になっていることに気づいていない前時代的な政党は淘汰の憂き目に会うのが必定)。

 結果次第では、日本の舵取りは大きく転換する。そのことを踏まえたうえでの今回の選挙。一票が久々に重く感じられる。

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