第10回  昨日の敵は今日の友?
 
 安倍内閣の新規まき直し内閣が27日発足した。中でも目玉といえるのが厚生労働大臣に就任した、舛添氏である。
 なぜこれが目玉なのか?舛添氏はどちらかというと、反安倍、反執行部というスタンスを取ってきた。厚生労働行政についてもかなりの口調で批判していたこともある。
 その論客に「大臣やってみろ」と指名するのである。ちょっと常人では考えにくい話である。

 さてこの人事。サプライズであることに違いは無いが、厚生労働行政は、今まさに曲がり角に立っている。原爆症認知の問題、アスベスト問題、そして最近よく言われる「ネット難民」「ニート」関連、派遣労働者問題に外国人労働者問題・・・。取り組むべき問題はどの省よりも多いのではないだろうか?そこに「初入閣」つまり大臣経験のない舛添氏の起用である。役不足というよりも、どうして彼がというのが本音である。
 安倍氏の考えはこうだと思う。まず、舛添え氏自身の手腕を買った、これが4割、「批判ばかりしてないでやってみろ」という見せしめ的部分、これが3割。残り3割は、「うまく行ったら重用してあげるからね」という、飴の部分。ただ単に「あ、舛添クンにしよう」とは決して思っていないはずである。

 そう考えると、今回の改造内閣、焦点は厚生労働関連の決め事ということになるのは必至である。果たして、舛添氏は安倍氏の期待にどこまで応えられるのか?そして、敵対していた安倍氏と融和し、どこまで仲良くなれるのか?昨日の敵は今日の友的人事が機能するのか、見ものである。
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