第 7回 鉄火場だった聖火リレー
今回の長野での聖火リレー。確かにリレーの隊列に乱入する人や物を投げるやからなどもいて、完全にトラブルなしとはいかなかったものの、『表面上』は大きな混乱も無く無事に終了したと思われている。
しかし、各方面にアップされている舞台裏を記録した動画は、それこそ壮絶である。中でも秀逸なのは、ゴール地点の若里公園に入ろうとした日本人(チベットよりの人のようだ)と、長野県警と思われる職員とのやり取り(筆者注記:長野県警の人間だけでこれだけの警備が出来るはずがない。決定的なのは、長野的な訛りも感じられていない。推測だが、警察庁や公安庁など、その道のプロと呼ばれる人間が背広を着て多数潜入していたことであろう。つまり、今回彼が応対した人間は、こういった正論をかざす人間の扱いになれている者であり、長野県警の担当とはとても思えない。また、名乗れなかったのもそのあたりが影響していると思われる)。実際、映像に取られているということを理解していながら、たらいまわしにした挙句に聞いてないよ的なトボケをかます。これでは、確かに会場に入れなかったことを100歩ゆずるとしても、約束したことが出来ないで何が警察だ、何が官憲だ、ということになるのは当然である。
もちろんそれだけではない。中国人の傍若無人さには目をつぶり、日本人やチベットよりの人々には規制や抑止を行う。青信号で渡ってはいけないとまで言い放つ始末である。ここまでひどいとは思っていなかったが、事象が極端とはいえ、各所でこれと似たようなことが起こっていたことは十分予想できる。
ただ、不思議に思うのは、余りにも警察サイドが中国側に遠慮/下手に出ている感がありありなのである。確かに北京オリンピックの聖火が来ているわけだが、リレーを行っている「国」はどう考えても日本である。中国人だけが優遇されていたかのような対応には首を傾げざるを得ない。成功裏のうちに終わったとされる聖火リレーも、ただ、「表立った混乱が無かった」だけで、日本人は片隅に追いやられ、むしろ差別され(それもおなじ日本人の警察官に、である。ここは非常に重要である。)、お祭りや歓迎とは程遠い催しとなってしまったことは疑う余地はない。そして、良くも悪くも、大国・中国の動きが見え隠れする聖火リレーになってしまった感がある。
ちなみにYou Tubeに面白い動画があった。トーチの引継ぎ式のさなか、例の「青の軍団」のひとりがトーチを無理やり移動させようとして、トーチの火が消えてしまうのである。もちろん、壇上のランナー2人は呆れ顔。代わりの聖火も用意されずに青の軍団は、なんとランナーをほっぽりだしてその場を離れてしまうのである。取り残されたランナー二人はお互い顔を見合わせるばかり。彼らが怒り心頭に達していたことは想像に難くない。こんなヤタケタも中華クオリティなのかと思うと、ますますオリンピックの大成功が遠のくようで仕方ない。
最後に、今回の警察官たちの取った行動が正しいかどうか判断する材料として、警察法第2条第2項を抜粋する。
『警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。』
→若里公園での丁々発止。前編/後編とございます。くわしくはYou Tubeにて。
コーナートップへ