第 8回 どうする中国?どうなる中国?
四川省で起こった大地震は、壮絶、悲惨、無残、驚愕、衝撃・・・。思いつく限りの形容詞だけでは、言い表せない状況である。
学校の崩壊は、やはりショックである。日本だと、広域の避難所に指定されている学校が崩壊することは考えにくいからである。仮に影響があったとしても多数の死者や生き埋めになる児童を出すほどまでに激しく壊れることはないであろう。それが、まるで爆弾が爆発したかのように木っ端微塵に校舎が姿を変える。建て方云々も論議をまたないところだが、これが「中華クオリティ」なのかと納得してしまう。
さあ、そうなってくると、間近に控えたオリンピックが危機感に満ち満ちてくることは間違いない。そもそも今回のオリンピックは波乱含みの展開が予想される。まず第一に、会期に間に合わせようと、メインスタジアムの「鳥の巣」などでは突貫工事が行われ、それでも予定よりかなり遅れての完成を見ている。すでに各所で水漏れなどが発生している様子で、耐震性はいうに及ばず、大観衆に耐えうる構造なのかどうか疑問だ。そして、チベット問題に端を発する人権抑圧問題。選手には、そのあたりの機微に触れる発言はするなということがIOCを通じていわれているようだが、おそらく大なり小なり、いってしまう選手は出てくるだろう。そして今回の地震による被害。人的被害もさることながら、インフラ整備に膨大な費用と気の遠くなるような時間が必要になってくる。被災者の規模は1000万人とも2000万人とも言われている。因みに阪神淡路大震災では神戸市中心に200万人程度。海が近く、支援物資も届きやすかった、この震災に比べ、沿岸部から遠くはなれ、しかも山岳地帯も多くあるこの辺りで復興に何年かかるのか、考えただけで恐ろしい。
とはいうものの、この逆境を力に変え、大きく飛躍できるチャンスと捉える考え方もある。そうなるためにも、中国には、世界の支援を即座に受け入れて欲しかった。申し出を断り、自国で何でも済ませようとする態度に少なからず、反感が芽生えていることは間違いない。そして、こういったわがままが世界で通用するとまだ思い込んでいる旧態依然とした国家が、世界を牛耳ろうとしていることにいい加減全世界は気づくべきである。
オリンピックまで何とか体面を保とうとする中国。しかし、内憂外患とはまさにこのこと。ほころびが一気に噴出しかねない状況下でどうして行き、どうなっていくのか?少なくとも5月中の動きには要注目である。
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