第10回  環境保護団体の感覚
 
 世界的にも有名な環境保護団体「グリーンピース」(グリンピースかと思ってましたが、GreenPeaceですもんね)。調査捕鯨船の乗組員が、鯨肉を勝手に持ち出していたのではないかとして、その証拠を確保するため、配達経路に当たる運送会社から該当の荷物を盗んだとして、グリーンピースに所属する実行犯が逮捕された。
 
 この事件、最初の段階から奇妙だった。そもそも、どうしてこの運送会社の配送所からピンポイントで荷物を特定できたのか、不思議だったからである。まさか荷札に「鯨肉」と堂々と書いていたわけもなく、そもそも送り主を特定できないことには荷物を間違って持ち出しかねなかったはず。つまり、グリーンピースの面々は、乗組員の「誰か」を特定できていたということになる。
 そして持ち出し。この時点でも運送会社の敷地にどうやって入っていったのかが焦点だ。警察組織でもない彼らが証拠物件だと言い立てて荷物を押さえることなど出来ようはずもない。会社に無断で持ち出した(=盗んだ)ことは間違いない。どこまでいっても違法行為が見え隠れする。しかし、彼らは「逮捕は不当」と言い張る。

 もう、この時点で、彼らの手法がなりふり構わぬ「やったもん勝ち」的な側面が見え隠れする。たとえば告発を経由して警察組織を動かしたというのなら、まだわかる。しかし、自らがまるで捜査機関のように人の荷物を持ち出し(盗み)、記者会見して自分たちのやり方の正当性と、調査捕鯨の実態の暴露を訴える。こんなやり方が通用するはずがない。少なくとも支持は得られないはずである。
 こんなことをやっているから、環境保護団体はまともに相手されないのである。挙句、家宅捜索が入ったことにも触れ、『「北海道洞爺湖サミットなど、国際会議を前にした国策捜査だ」と批判している』(ニュースより抜粋)との被害妄想ぶり。何度も繰り返すが、違法行為をやっているのはそちら側であり、家宅捜索されるいわれを作ったのも自分たちの手法が原因である。国策捜査などという文言が出てくるあたり、いかにも「左よりの団体だな」と思わざるを得ない。
 調査捕鯨を搦め手から責めようとしたグリーンピースのもくろみは「策士策におぼれる」の典型的な例としてこれから後世に伝えられることになるであろう。
 
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