第16回  ピンチはチャンスか? 株安を考える
 
 10/10の株式市場は、いまだ上陸していない台風でも襲来したかのような大荒れの展開になった。
 開始早々から大半の銘柄が売りを浴びせられる恐ろしい展開。日経平均は、それこそ坂を転がり落ちるように下げ幅を拡大。取引開始40分過ぎに1000円近く下げたあとは、そこを少し上抜いたあたりでの狭いレンジでの取引となった。

 今日の大幅下落は、私としても想定外だった。確かに前日のNYが大幅に下げたので、よもやの展開は考えに入っていた。しかし、1000円近くの下落は全く考えていなかったのである。しかし、こうまで売り方が優勢だと、買いでしか始められない現物主義派は、全く手が出せないことになってしまう。この「買い手不在」が相場をより弱いものにしてしまう。いわゆる「負の連鎖」である。
 ただ、私は、ある意味、日本も「連れ安」しているだけと見ている。確かにアメリカ経済に引っ張られる部分は多いだろう。日本でもマンションのだぶつきとデベロッパーや建築関連の企業の倒産が相次いでいるから、それほど明るい材料があるとは言いがたい。しかし、円高はすなわち「強い円」の現出となり、海外進出や企業買収を容易にしやすくする。輸入に頼る日本の製造業にとっても悪い材料ばかりとはいえない。そして何よりも、エネルギーがらみのコストが一気に下落しているのである。

 そして株式市場である。私は絶好の買い場と見ている。実体経済を写す鏡ともいえる株の価格。需給面でいまひとつの感は否めないが、だからこそ買ってみるべきなのである。日本経済がこのままで終わるわけないとは思っているので様子見も含めて、低額で始められる株から入ってみるのも手である。
 下がり続ける株はない。どのタイミングで大暴騰が起きるかなんか予想は出来ない。それでも今買うことに意義があるのである。

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