第17回 派遣の次は『移民』…。
今回ばっかりは、腹のそこから怒りがこみ上げてきて仕方ない。支離滅裂な文章になるやも知れないが、お付き合いいただきたい。
今回気になったのは、「経団連が移民を受け入れるように提言し、定住させて日本の社会に根付かせようとしている」ということである。
もちろんそこまで日本の人口問題は『追い詰められた』という考え方もある。少子・高齢化で生産人口は減少の一途をたどるのは自明の理。もちろん一朝一夕に解決しない。だから、手っ取り早く外国の方々に来てもらって、日本経済の一翼を補ってもらおうということなのだ。
さて、このことがどうして私を憤懣させるのか?まず第一に、『自助努力を全くしていない』点である。彼らが旗振り役となって、育児休業や出産退職後のカムバックの助成などをすることだって可能だったはずである。そう、自分たちは手をこまねいていたくせに窮地になると『外人にお願いしよう』という、非常に虫のいい考え方なのである。
そしてもうひとつは、『失業者やニート対策のほうがまず先』であるということだ。それでも足りないというのならまだしも、今いる以上に外人を呼び寄せる必要性は薄い。もっと言えば、彼らにすべきことをないがしろにして、外人を優遇するなど本末転倒、『貴様らの国籍はどこだ』ということになる。
そして最後の点。実は私はこの部分を最も恐れているのだが、大量の移民が起こすさまざまな問題である。生活習慣に始まって言語、権利意識の差、もちろんまじめ/不真面目といった国民性…。日本語が理解できないことで起こるトラブルは簡単に思い浮かべただけで両手でも足りなくなるくらいだ。
まだ「派遣」を使っているうちは良かった。お互いが日本人だったから、安月給でも「武士はくわねど高楊枝」と意地を張っていた部分も多い。実際はワーキングプアと呼ばれる貧困層を生むことになってしまったために日雇い派遣の実質禁止が決まってしまった。ところがこれであわてたのが拠点を海外に移転できない日本の大手メーカーである。安い労働力を確保しなければ価格競争力がなくなる。かといって海外進出はリスクが高い。となると、「日本の中に外国を作るしかない」と思うのは比較的容易だ。物価水準の安い途上国の人々を呼びつけ、最低賃金ギリギリのところで働かせる。それでも彼らにとっては大金だから、喜んでやってくる。先ごろ、技術研修生として来日したベトナム人が、不当に高い家賃を徴収していたとして訴訟をおこしていたが、こういったことが次々起こりそうである。
要するに、経団連の考え方は「利益第一主義」そのままであるといえる。なんとなれば、生産コストの大半は人件費であり、そこを下げるための施策としての「派遣(非正規雇用)」であり、「外人採用」であることが明白だからである。もちろん少子高齢化は避けられない。だからといって、「即外人移民」になるという発想が貧困すぎる。これが経団連に所属する「日本のトップ企業の発想力か」と思うと、暗澹たる思いである。
もちろん「言いっぱなし」の経団連。後に起こるであろう、さまざまなトラブルに関しては政府や自治体/地域社会にブン投げるつもりなのも見え見えである。それも踏まえて、「移民賛成」などといっている政治家たちの動きも気に入らない。要するに「利益」「利権」がこの事象だけでも感じ取れるのである。もし仮にこの提言どおりのことが未来起こってしまったら、日本は、日本としての体裁を完全になくしてしまうような気がしてならない。大げさかもしれないが、この提言は「日本の危機」を別の側面で言い表したとも言える。
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