第19回  コミック好き宰相の「まんが」ぶり
 
 10月30日に、「定額給付金」や高速道路の一律化/大幅値下げなどをぶち上げた麻生首相。しかし、なんら実施する「裏づけ」もないまま発言ばかりが先走りし、挙句の果てに「年内渡し」が「早くて来年4月以降」という、とんでもない結末を露呈してしまった。

 一事が万事。「平成の3バカ宰相」の一人にまず間違いなくこの人は選ばれてしまうに違いない、とも思ってしまう。何しろ発言に重みを感じられないのである。何を言っても実施されそうな気配がない。それは「決意」が感じられないからであろう。たとえば、10月30日の記者会見。3年後の消費税増税も視野に入れた経済対策など、どう考えても飴と鞭のムチばかりに目が行ってしまう。つい最近も経済界のお歴々と会見を持って「雇用対策はしっかりお願いします」といったら「雇用対策よりも経済対策だ」と逆にねじ込まれる始末。支持率も急降下しているが「100点を求めるな」と見当違いな発言。もうとにかく、「やたけた」(関西弁でひどくいい加減な様)にもほどがあるのである。
 その麻生総理といえば、まんがやコミックに造詣が深いといわれている。秋葉原での演説ではかなりの麻生ファンが繰り出し盛り上がったと聞く。しかし、彼ら麻生ファン層は、とりもなおさず若年層であり、今やかましく言われている「内定取り消し」や「派遣の契約解除/雇いやめ」をされている世代そのものである。彼らに取り入ろうとするだけで、なんら有効な手立てを講じていない麻生内閣。命運が尽きるのも時間の問題になってきた。
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