第 3回  WBC/連覇しましたけど・・・
 
 ちょっと、「喜び半ば」みたいなタイトルになっているのには訳がある。そう、大会運営の仕方である。
 まず、敗者復活を容易にする「ダブルエリミネーション」というやり方がそもそもややこしくさせている。じつはラウンド1(予選)での1位/2位通過チームとラウンド1の1試合目/2試合目の勝者とちがっているのはB組だけ。あとは、1試合目/2試合目で勝ったチームがラウンド2へ駒を進めているのだ。つまり、敗者復活そのものの意味が薄れているというわけだ。はっきり言って必要ないとも言える。
 そしてもうひとつは、何でこんなに日韓戦を見なくてはならないのか、という点である。日本と韓国が同じ組に存在し、敗者復活で上がった韓国と対戦(ここまでラウンド1/予選)。ラウンド2では逆に日本が敗者復活に流れるもキューバを倒しまた韓国と。そして決勝での顔合わせとなったわけである。5度も戦うことになるとは夢にも思わなかったし、その意味で言えばいいライバル/宿命の対決ともいえるわけだ。
 もし仮に、ここまで地域別にこだわったグループ分けをしていなければ(簡単に言えば韓国と別グループだったとすると)、日韓戦はだいぶ減ったであろうし、もっといろんな意味での世界レベルの戦いが見られたかもしれない。一説には、アメリカ優位に事を運ぶための組み合わせとも言われているが、だとしたら、そこまで便宜を図って準決勝で敗退(まあ優勝した日本に負けたのだから面目は立つが)してしまうのでは、何のための提唱国か、ということにもなりかねない。

 確かに優勝はした。2連覇した。イチローも最後の最後に大きな仕事をした。原さんの采配も総じて納得のいくものだった。2敗したのは韓国だけというのも特筆に価する。要所要所で決して試合を落とさない、バランス感覚もあった。だけれども…。日韓戦ばかりが際立つWBCは決して「ワールド」を標榜していないと思う。次回するときには、チーム組み合わせから考えて行うべきである。
 コーナートップへ