第10回  無謀なる挑戦
 
 自民党から出馬要請を受けた東国原・宮崎県知事。彼の出した条件というのが仰天である。「総裁候補であれば要請を受け入れる」というものだ。
 →各新聞も大きく取り上げている。 読売産経

 おそらく、これは東国原流の「ブラフ」だと考えている。要するに「お前らにそんな度胸も器もないだろうから言ってみただけ。そりゃ、国政にも携わりたいけど、まだ知事をやりきったわけでもないし、仮に総裁候補になっても自民が多数派を確保できそうにもない今の状況で総裁になっても面白くないし」ということなのだと思う。
 では、彼の言っていることがすべて砂上の楼閣かといえばそうではない。いずれ国政に参加したいのは今回の言質でゆるぎないものになった。そこへ古賀さんの訪問。渡りに船とばかりに発言したとも考えられる。今の自民のおかれている立場を利用し、強気に出たとする見方も十分ある。

 しかし私は「所詮冗談の域を出ない話」と考えている。歴代のお歴々を差し置いて、一足飛びに総裁、はありえない話である。また宮崎をここまで盛り上げた立役者がそう簡単に知事を降りるとも思えない。
 もし仮に自民が東国原氏の力がどうしても必要になったとして、条件を飲むようなことが起こったら…。それはそれで一種痛快だが、知事の無謀な挑戦が、ご本人にも、そして自民党にもプラスばかりをもたらすわけではないことをどこまで理解しているのか、はなはだ疑問である。

 コーナートップへ