第17回  日本を『死』分けた連中
 自民党政権時代のばら撒き・無駄発掘プロジェクトの一環として民主党が立ち上げたいわゆる『事業仕分け』。しかし、その内情たるや、惨憺たるものである。
 はっきり言って、俎上に上った事業をわずか1時間で、『あーでもない、こーでもない、あ、それヤメね』。そんな簡単にことが運ぶと思っておられるようである。要するに、事業仕分けを担当した一般の仕分け人たちにしてみれば、資料の上っ面からしか、物事を判断せずに『こりゃ無駄でしょう』で一刀両断すれば済むからである。

 たとえばスーパーコンピュータ関連の予算。仕分け人座長の女性議員(名前を書くのもむかつくのであえてこの書き方で)は「世界一位にどうしてこだわる?」という言質の発言をしていたが、これは、政党に対して「第一党になることにどうしてこだわる?」と聞いているのと全く同意義の質問なのである。自分たちが政権をとり、ある意味上から目線でしか物事を判断できていないことの現れである。それにもまして、仕分け人たちの暴言もかなりあった。いったい彼らは、何様のつもりで、国家の行く末を左右するような事案に引導を渡しているのだろうか?野依氏の「不用意に事業の廃止、凍結を主張するかたには将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか問いたい」という発言は至極ごもっともである。
 また、スポーツ関連の予算もかなり削られたと聞く。「五輪は参加することに意義があるのではないか」「ボブスレーなどマイナーな冬季競技を支援する必要があるのか」といった発言が仕分け人から出されたようで、これなど、現場サイドに立った発言とはまったく理解できない。結果が出ていなければ即縮減、という紋切り型で判断していることは間違いない。
 もっと驚いたのは防衛関連の予算。『門外漢ですから』といった意見が仕分け人から出されるなど、今までの意気軒高なやり取りはどこへやら。そんな発言するくらいなら、勉強するとか、もしくはその議題については仕分けを遠慮するとかあってしかるべきだろう。日米安保に関わるような事業を選んで仕分けにかける民主党も悪いのだが、そうまでして予算の穴埋めをしないといけないのか、と逆にかんぐってしまう。挙句の果てに、自衛官の服を海外調達するなどしろとのご託宣。こいつら、わいているのか、と思ってしまった。

 科学技術も、そして国威発揚の原動力にもなるスポーツ振興にも、そして自衛官の服にまで文句をつける民主党。そして仕分け人たち。野依氏ではないが、彼らのせいで、もし日本がダメダメな国になったら、誰がその責を追うのだろうか?

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