第18回 野党になると…
55年体制といわれた自民党の、『独裁』から解き放たれた日本。しかし、民主党による政権交代で、日本はやはり「後退」しているように感じずにはいられない。
先ごろ終わった事業仕分けについても、この欄で述べてはいるが、もし、彼ら仕分け人たちの思うように事業や事業の予算が減ったとしたら、確かに国家としての予算は確保できるだろうが、それ以上のものを失いかねない。そして、すでに各方面から、アンチ事業仕分けの声は高まっている。
実は、これは、野党にとっては恰好の攻撃材料なのである。つまり、「日本をダメダメな国に陥れようとしてますよ、みんなが選んだ党がこんなめちゃくちゃしてますよ」ということを声高に吹聴すればいいのである。「アー、減らされましたね。仕方ないですね」となんか、達観したようにしか見えない野党・自民党の態度には歯がゆさすら覚える。
とは言うものの、自民党にしてみても、自分たちのばら撒きをある意味止めてもらっている手前、事業仕分けに文句がつけにくいというのもわからないでもない。しかし、何でもかんでも縮減・廃止はやりすぎである。いうべきところはいっておく。今自民党に求められているのは、「野党」としての発言力である。
それにしても、野に下って3ヶ月。谷垣氏率いる野党・自民党は、彼のスローガン「みんなでやろうぜ」が全く見えてこない、野党らしくない野党になっている。もっと言えば、民主党のやりたい放題。ある意味、自民党独裁時よりやっていることは「えげつない」(関西弁で、程度を表す言葉。ものすごい、大変悪い)と思う。彼らの横暴を止められるのは、いまや野党しかいない。がんばってもらいたいものである。
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