第6回  「いのち」
 
 今回は、口蹄疫の話題を持ってくることにした。
 しかし、正直言って、怒り心頭に発する事象だと思っているのは私だけではあるまい。

 そもそも、農水大臣のもののいいようが、むかつくことばかりなのである。例えば、5月10日になってようやく現地入りし、知事とあって話をし、政府の対応を問われたときに、「十分な対策は取らせてもらっている」と、まるで、感染を広げたのは県の責任だ、といわんばかりの物言い。それ以外にも、半径10キロ以内の牛豚等の家畜の「全頭抹殺指令」に関しても「ちまちまやってもしょうがない」と、これまた、ちょっとは言葉を選べよ、というような、突き放したようなせりふを口にした。
 発生の第一報が報じられたのは4月の20日。4月の間に徹底した防御対策や消毒などを行っていれば、いわゆる種牛までに被害は広がっていなかっただろう。また、豚に伝染してしまったことなどから考えても、今回は、政府の対応をすり抜けるかのように、あちこちで感染が確認されてしまった。無為無策だったとは思いたくないが、92年のときの殺処分がわずか740頭余り(宮崎・北海道の両方合わせて)だったことを考え合わせても、同じ病気に対する対応の手際の悪さが被害を拡大させたといわれても、仕方はないであろう。

 もう、いい加減お気づきだと思うのだが、あえてここで書かせていただく。
 民主党政権になって、「前政権より、数段よくなった」と感じられるポイントがいくつ上げられるだろうか?そしてその逆はどうだろうか?
 普天間の件にしたところで、期限いっぱいまでに決まればいいや、とばかりのスローモーぶり。そのくせ、自分の党や、応援団体のためになるような法案はさっさと通そうと画策する始末。何はさておいても国内の一大事に当たるべき管轄大臣は、GW休暇を楽しむ、そして、もっとひどいのは、この宮崎の窮状を訴える野党の議員への口汚い野次の応酬である(これについては、当方、完全に頭にきています。こいつら、宮崎のことをなんとも思っていない人間なのか、と思ってしまう。良識のかけらでもあるのなら、黙って聞くのが当然である)。野次る与党議員たちは、「それがかっこいい」と思ってやっているのだろうか?事実の報告、現場の窮状を野次ろうとする神経が判らない。→こちらが証拠映像。2分前後から見てください。

 某るーぴーさんは、所信表明演説で、「いのち」という言葉を随所にちりばめて、その大切さを表現した。自身の分身でもあり、家計の中心でもあった家畜を死に追いやらなければならない宮崎の畜産農家の方たちが守ってきたいのちすら守れない現政府が、人間のいのちを守れるとは言いがたい。
 何から何まで破綻している現政府/大臣/国会議員たち。彼らの政治生命という「いのち」は、まさに風前の灯だ。
 
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