第16回 『悪』が栄える国・日本
中国の漁船が、海上保安庁の巡視船にぶつかった事件で、当の船長は、なんと『処分保留で釈放』されるという、とんでもない決定が検察でなされたことは、ご承知だと思う。
簡単に言うならパトカーにぶつけてきた車の運転手を、国籍が中国だから、と言う理由だけで釈放したに等しい行為である(日本の領海内で起こった出来事だけに、陸上にたとえても問題ないと考えている)。
もちろん、その裏に、『領海』と言う、ちょっぴりややこしい問題がはらんでいることは間違いない。しかし、日本の領土・領海を侵し、日本の財産であるところの船に傷をつけておいて、釈放を要求するという、理不尽な外国の言い分に屈する政府の閣僚たちは正直言って、失格である。
そもそもなぜ、中国がこういう居丈高な態度に出られるのか?それは、『世界ナンバー2』と言う経済大国にのし上がり、宿敵・日本を下に見ることが、経済面でも、そして軍事面でも出来るようになったと言うことが原因にあるように思う。軍事面では、当然『核』を持っているから、もっていない国に恫喝外交できるということが上げられる。
だから、日本は毅然とした態度で臨むべきであった。検察も、指揮権発動(悪人を釈放させる指揮権だから、どっちもどっち)を政府がちらつかせるなら、『おやんなさい、でも政府の信用は失墜しますよ』と言うくらいの気概があってしかるべきである。経済制裁もどきの輸出停止や、対抗措置と見られる、建設会社社員の身柄拘束など、針小棒大な相手のやり口に、ビビッている場合ではないはずである。
かくして、『釈放で幕引き』と言う日本の思惑は崩れた。そして、三権分立は形ばかりになり、外国人の犯罪に対する、『ほえればなんとかなる』と言う姿勢すら見せてしまった。もはや正義が死に直面していることは明らかである。中国にへつらう官房長官の物言いといい、日本を貶めようとする『悪』が国を預かっている様相がますますはっきりとしてきた。
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