第20回 国際色出す理由があるのか?
年末恒例のNHKの紅白歌合戦の、出場アーティストの当落状況がこの時期になると各種メディアで喧しく報道される。
昨年は、一躍スターダムにのし上がった、『英国版スター誕生』を地でいった、スーザン・ボイルさんをゲストに呼ぶ程度で、話題性のある歌手を紹介するにとどめているだけだった。
そして、11/24、発表された出場歌手一覧の中には、一部報道で当確と噂されていた、いわゆるK−POPといわれる、韓国発祥のグループはなく、サプライズ登場などの『不測』の事態がない限り、大晦日に歌うことはなさそうである。
コレまで、韓国由来の歌手が、紅白で歌うということは少なくなかった(キム・ヨンジャ/ケイ・ウンスクなど。最近ではBoAが記憶に新しい)。また、外国人と言う大きな枠で見れば、アグネス・チャンや欧陽菲菲などもそうであるが、いずれも、大ヒット曲を引っさげての堂々たる出場である(アグネス=ひなげしの花/欧陽菲菲=雨の御堂筋・紅白では別曲を歌唱。なお、欧陽菲菲が、外国人ソロ歌手として、初の紅白出場者である)。ヒットしているのなら、だれにも気兼ねなく出られると思うのだが、今回、登場寸前まで名前の挙がったグループは、どれもビジュアル的・パフォーマンス的に秀でているだけで、楽曲がどうこう言うレベルとはいえない現実があった。
紅白のコンセプトがゆれ始めたのは、ここ数年来のことである。『コレしか見るものがなかった』60年・70年代はまさに独壇場。しかし、歌だけで全てが回るわけもなく、他局が猛攻勢をかける中、50%台をうろうろする程度にまで落ち込んだ(とはいえ、歴代の内閣支持率よりははるかに上^^)。2部構成にして、楽曲を広範に拾おうとするものの、年配層からは、「だれ?この人たち」と言う選択になってしまい、結果的に成功しているとはいえなくなっている。そもそも、演歌層のヒット曲が全くでなくなったのが大きく影響している。つまり、他局の魅力のほうが大きく凌駕し始めているのである(レコード大賞が30日に移動/格闘系番組の台頭に、ロングお笑い番組スペシャルなど民放が工夫を凝らしているのが大きい)。
一年を日本の歌/日本でヒットした歌で締めるから、紅白歌合戦なのである。まだヒットもしていない人たちが話題性と言う側面だけで優先的に出られるようなことはあってはならないと思う。その意味では、今回、いい方向の『自制』が効いたとも考えられる。いまさらながらと思われるかもしれないが、『日本』の歌合戦番組が、国際色を出す必要は全くないといって言い。61回目の今回。明らかに紅組に『見たい』『聞きたい』メンバーが多く揃っている。そういうキャスティングこそが視聴率につながるである。
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