第21回  2次元の効能
 日中関係は、依然として、緊張感を強いられる状態が続いている。確かに『日本の領土』なのだが一応日本人の上陸が禁じられている(報道があるまで/昨今の騒動で初めて知った)尖閣諸島に、地元・石垣市の議員2名が上陸、その昔は人が住んでいた島の実地調査を行ったとされる。
 <著者注:当然のことながら、最近のマスコミは、こういった機微に触れるような微妙な内容のニュースは報道しないようになっている。某国営放送も、その日のニュースで一切報じていないことがはっきりしている。こういった、『報じられない』ニュースの中に現代を読み取るヒントが隠されていると思っている>

 勿論、膨張大国(某・超大国と書きたかったが、意外にしっくりきているのでそのままにします^^)は、またしても烈火のごとく怒るだろう。そして、こういうのだろう。
     「この、日本鬼子め。あそこは中国の領土だってんだよ」 「小日本なんかひねりつぶしてしまえ」
 ここで言う『日本鬼子』や『小日本』は、日本人の蔑称である。日本にも、中韓系の人々を蔑む言い方があるが、あちらの国にもそういうのがあるらしい。
 ところがこの蔑称を逆手に取った手法が、今ネット上で沸騰している。

 そう。『日本鬼子』『小日本』のキャラクターを作ってしまうという"快挙"に打って出たのである。根底には、「子」がついていることで、日本になじみの深い名前のように見て取れること(中国では、名前の後ろに子がつくことはかなりまれ/「鬼子」で気味の悪いもの・得体が知れないという意味で使っている)、「小さい日本」と解釈すれば、この「日本鬼子」の妹的存在としても生かせる・・・などなど、"萌え化"するにはもってこいの事案ともいえた。発案者がすごすぎることもあるのだが、それに乗っかった、絵師も100人近くに及び、一大ムーブメントとなった。
 →まとめサイト・まとめwikiもあります。日本鬼子って萌えキャラ作って中国人を萌え萌えにしてやろうぜ
 
 対象になった中国人の反応もさまざまである。蔑称として使っているはずの言葉をよりにもよって萌えキャラにしてしまった日本の"反撃"に、言葉も出ない人、あきれる人、あるいはその攻撃に素直にやられてしまう人、注文までつけるものまでいたということだ。
 正直、コレが日本の持つ、戦闘と言う面倒なことを避けつつ、受け流す、特徴といえばよく解釈しすぎているかもしれない。ただ、2次元化することに長けている(他国ではせいぜい、そんな言葉使うな、と言う直接的な反対行動するのが精一杯)日本だから出来る芸当であり、そして、それは場を和ませるのに非常に有効である。
 キャラ製作だけにとどまらず、イメージソングまで飛び出している『日本鬼子(ひのもと おにこ)』。今年あまり動きの少なかった、職人たちの面目躍如といったところであろう。

 ・参考サイト/動画   イメージソングは数曲あるようです(゜o゜)  当方のお勧め HAKUMEI FullVer.(ニコニコ動画に飛びます)


 
コーナートップへ