第7回 がんばれ、東電!
福島第一原子力発電所で起こっている、さまざまな事象。地震と、直後に襲った津波が主たる原因とはいえ、建屋の爆発/崩落、それにも増して起こっている放射線漏れなど、日本の原子力発電史上、未曾有の事態が起こっていることは想像に難くない。
われわれ門外漢のものからすると、正直言って、情報をどこから取っていいものやら、見当が付かないのである。マスコミ発表を信じていいのかどうか、という疑心暗鬼な事態にまで発展してしまっているし、そもそも政府に『詳しい』とか言っている宰相がいながらのこの体たらくである。逃げそびれてしまった、屋内退避せざるを得ない人たちのことなど、ほぼ忘れ去られているかのような事態こそが今まさに起こっている状況なのだ。外野である、関西圏にいる小生からしてももどかしく映るのだから、当事者、特に福島県の人たちの怒りと憤懣は頂点に達しているものだろう。
とはいえ、すべての責任と補償や遺失利益などを東電一社に背負わせるのは、今の時点であまりに酷といえば酷である。原発の正常化に向けた電力供給の道は何とか保たれ、今現在は、もれ出た放射線を含む水の処遇が取りざたされている状況である。2週間たって『よくやっている』と思う人もいるだろうし、もっともっといろいろな手立てもあるだろうという考えも、専門外のわれわれからすれば思わずにはいられない。
すべての事象が収束するまでは、責任論やかかるお金のことなどは、『おいらに任せな』とばかりに、国が全面的にバックアップすべきなのである。そもそも、国の方針で原発は建てられており、今後とも、脱・原発に動くことは考えにくい。今回の事故が、地震で誘発されたにせよ、原子力発電所が意外にもろいものであることが知らされたのだから、この機会をチャンスと受け止め、何があっても安全が保たれる原発を作っていくように導くのが政府のするべき仕事である。誰かのように、本店に乗り込んで恫喝するのが仕事ではない。
これまでのいろいろなことを達観して、ボロクソ言った、某企業の会長がいる(そういう「鶴」サンも借金棒引きにしてもらってようやく更正が終わったところなんですが、あまりの言い草にカチンと来ています。聞いてます?稲盛ハン)。残念なことに、国難になりつつあるのに、こういう具合に、叩けばヒーローにでもなったかのように錯覚する御仁がいる。情けない限りである。東電は東電なりに、未体験のことに何とかしようと懸命なのである。そのひたむきさを正確に伝えるマスコミは一社としてない。
だから敢えてわたしは、表題にもしたように、被害者でもある東電にエールを送りたいのである。もちろん、これからの『茨の道』は察するに余りある。だからこそ、今、この時点で対応がどうの、発表がもどかしいのと注文ばかりつけるのはいかがなものかと思うわけである。
コーナートップへ